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更新日:2017年4月1日
最近、性に関するゆがんだ情報や営業がはんらんしており、成長過程にある子どもたちへの影響が心配されます。
「知らないのは親や教師ばかり」と言われるほど子どもたちのテレクラ・ツーショット等への関心が高まっています。
有害環境の現実を認識し、家庭や地域と協力しながら、性非行や性被害から子どもたちを守っていきたいものです
平成8年12月5日 長野県教育委員会
児童生徒が、授業内容が分からなかったり、学習習慣が身につかなかったりすると、学校不適応を起こしやすくなることは、誰もが認識していることである。こうした児童生徒は、学校生活がおもしろくないことから、学校から逃避し、享楽的な生活態度に陥りやすくなる。グループができ、遊びや非行に走り、欲求不満を解消しようとするケースが多く見られる。
さらに、子どもを取り巻く社会環境も、テレクラ営業等の増加、性や暴力を扱ったマンガやパソコンソフトのはんらん、コンピュータネットワークによるわいせつ画像の配信など、有害性の強いものがはんらんしている。
こうした背景の中で、最近の問題行動には、スリルや享楽を求めての「おもしろ感覚」で発生したと思われるものが目立っており、中でも、「テレクラ・ツーショットあそび」といった、性に関する問題行動等が増加している。
警察庁少年課調べによると、平成8年1月から5月までに、性の逸脱行為により全国で補導された少年女子は、1,713人に上っており、うち中学生は444人(前年同期比8.9%減)とわずかに減少したものの、高校生は564人(前年比18.0%増)と増加している。
県内においては、平成8年1月から8月までに補導された少年女子は43人、テレクラがらみで被害に遭った中高生は6人となっている。
今回は、教師や父母が、生徒の現状認識より遅れを取っていると思われるテレホンクラブ(テレクラ)、ツーショットダイヤル(ツーショット)等の実態を取り上げ、その対策や生徒を性非行や性被害等から守るための指導について考えてみたい。
地域別の状況
増加の状況
総務庁の調査研究報告書から抜粋
平成7年10月~11月に岩手・埼玉・愛知・和歌山・鹿児島の5県の都市部で、中2、高2生とその保護者2,348組を対象に調査したもの。(H8.8)
※中:中学生、高:高校生、数字は%
1.「テレクラ」「ツーショットダイヤル」という言葉を知っていますか。
「テレクラ」
性・校種 項目 |
男子 |
女子 |
全体 |
||
中 |
高 |
中 |
高 |
||
聞いたことがない |
6.6 |
3.2 |
2.3 |
1.7 |
3.4 |
聞いたことはあるがなんだかわからない |
31.7 |
10.9 |
18.1 |
7.6 |
16.4 |
だいたいわかる |
29.0 |
43.2 |
36.8 |
40.0 |
37.4 |
わかる |
31.9 |
42.8 |
42.6 |
50.6 |
42.5 |
「ツーショットダイヤル」
性・校種 項目 |
男子 |
女子 |
全体 |
||
中 |
高 |
中 |
高 |
||
聞いたことがない |
36.8 |
16.7 |
26.5 |
17.0 |
23.7 |
聞いたことはあるがなんだかわからない |
31.7 |
27.0 |
30.7 |
28.0 |
29.2 |
だいたいわかる |
13.7 |
31.1 |
25.2 |
30.2 |
25.4 |
わかる |
7.3 |
25.1 |
17.4 |
24.7 |
21.4 |
2.今までに、テレクラやツーショットに電話したことがありますか。
性・校種 項目 |
男子 |
女子 |
全体 |
||
中 |
高 |
中 |
高 |
||
ある |
10.2 |
6.6 |
17.0 |
27.3 |
15.9 |
ない |
89.8 |
93.4 |
83.0 |
72.7 |
84.1 |
2.自分の子どもが、テレクラやツーショットに電話したことがあると思いますか。
※参考(保護者への質問)
性・校種 項目 |
男子 |
女子 |
全体 |
||
中 |
高 |
中 |
高 |
||
あると思う |
1.2 |
1.2 |
0.9 |
1.5 |
1.2 |
ないと思う |
95.5 |
90.7 |
96.9 |
95.1 |
94.5 |
わからない |
1.2 |
6.5 |
0.9 |
2.6 |
2.8 |
無回答 |
2.0 |
1.6 |
1.3 |
0.8 |
1.4 |
3.なぜ、テレクラ等に電話をしましたか。 (複数回答)
性・校種 項目 |
男子 |
女子 |
全体 |
||
中 |
高 |
中 |
高 |
||
おもしろそうだった |
44.4 |
62.9 |
71.6 |
77.8 |
69.7 |
ヒマだったから |
44.4 |
48.6 |
58.0 |
59.4 |
55.7 |
相手をからかいたかった |
16.7 |
31.4 |
42.0 |
36.1 |
34.0 |
スリルや刺激がほしかった |
27.8 |
42.9 |
27.2 |
18.9 |
24.6 |
電話代がタダだから |
11.1 |
14.3 |
23.5 |
22.2 |
20.0 |
あそびたかった |
18.5 |
20.0 |
25.9 |
15.0 |
18.6 |
エッチな話がしたかった |
29.6 |
31.4 |
19.8 |
1.7 |
13.1 |
小遣いや品物が欲しかった |
- |
2.9 |
4.9 |
4.4 |
3.7 |
話し相手がほしかった |
- |
2.9 |
2.5 |
4.4 |
3.1 |
彼氏や彼女を見つけたかった |
3.7 |
2.9 |
3.7 |
1.1 |
2.3 |
さみしかった |
- |
- |
1.2 |
3.9 |
2.3 |
4.電話をかけた後、どうしましたか。 (複数回答)
性・校種 項目 |
男子 |
女子 |
全体 |
||
中 |
高 |
中 |
高 |
||
電話で話しただけ |
64.8 |
62.9 |
85.2 |
83.3 |
78.9 |
会う約束をした |
20.4 |
14.3 |
35.8 |
30.0 |
28.3 |
どんな人か見てみた |
3.7 |
8.6 |
27.2 |
11.7 |
13.7 |
ホテルヘいった |
7.4 |
11.4 |
3.7 |
3.9 |
5.1 |
実際に会った |
1.9 |
2.9 |
2.5 |
4.4 |
3.4 |
しばらく交際した |
3.7 |
2.9 |
1.2 |
1.7 |
2.0 |
飲食を一緒にした |
- |
2.9 |
1.2 |
2.2 |
1.7 |
ドライブにいった |
- |
- |
1.2 |
2.8 |
1.7 |
お小遣いをもらった |
- |
- |
2.5 |
1.1 |
1.1 |
何かを買ってもらった |
- |
- |
- |
0.6 |
0.3 |
その他 |
22.2 |
20.0 |
3.7 |
6.7 |
9.7 |
ツーショットダイヤル摘発 H8・7・18信毎
長野市内で、ツーショットダイヤルの事務所を設け、郵政省に届け出をしないで営業をしていた経営者が書類送検された。
この経営者は、長野、須坂の3ヵ所にプリペイドカード自販機を設置、さらに、「テレパニオン」と称する「さくら」の女子高生9人を含む12人を雇い、電話させていた。さくらの女性には、1分の会話で25円を支払っていた。
女子高生を恐喝未遂 H8・9・6信毎
A容疑者(40歳男性)は、伝言ダイヤルで知り合った女子高生(17歳)をホテルに連れ込んで、写真を撮影。その後、女子高生の自宅に電話をかけ、「写真とネガを50万円で買え。変なまねをしたら、学校にばらまくぞ」などと現金を脅し取ろうとした疑い。
※伝言ダイヤルとは、ツーショットの一種。特定の電話番号にダイヤルし、暗証番号を押してメッセージを録音、再生するシステム
※女子高生は、雑誌「ポップティーン」のテレクラ欄を見て電話し、加害者と知り合った。本人の電話相談から、事件が発覚した。(県警少年課)
大事なことは、気掛かりな児童生徒を早期に発見し、初期の段階で適切な指導を行うことである。
教師・保護者に対する研修会の開催
警察等の協力を得て、研修会等を積極的に開催し、生徒指導担当教師だけでなく、全ての教師、保護者が児童生徒を取り巻く有害環境の実態や問題点を知り、指導に当たる。
児童生徒に対する非行防止教室の開催
警察等の協力を得て、地域の実情に応じた非行防止教室等を開催し、薬物乱用・性非行・いじめ等の非行や、テレクラ・わいせつ図面などの実態、問題点等を正しく理解、判断させることにより、規範意識を醸成させる。
※啓発用ビデオの貸出:
「もしもし‥‥‥~電話の奥の甘いワナ~」(県青少年育成県民会議 ☎026-225-0125)
家庭・警察との連携強化
連携体制を確立し、定期連絡、突発事態への対応等、問題行動に適切に対処できるようにする。
盛り場、ゲームセンター、溜まり場などの巡回
警察、少年補導委員、子ども会指導者、PTA役員等と連携し、非行の温床となっている場所等への計画的な巡回を実施し、積極的な声かけ、指導、助言を行う。
生徒一人一人の様子を細心の注意をはらって見守り、気になるときには、迷わず声をかける。
チェックポイント
ホームルーム等を使って「テレクラ・ツーショット等への電話あそびをしない」などの指導を、事例を示してきちんと行う。
性教育の手引き-学級活動・ホームルーム活動を中心として-(平成2年3月県教育委員会発行)
チェックポイント
中学校「テレクラがきっかけの家出さわぎ」
概要 | B子の両親は、子どもの教育について関心が薄く、放任に近い状態である。B子は、基本的生活習慣が不足し、堪え性が乏しい生徒であり、怠学傾向にあった。優しい言葉掛けを期待し、そのうえ、異性への関心が異常に高いように思えた。
○月○日(金曜日)学校を早退した午後、雑誌で知ったテレクラヘ家から電話をし、C市の男性(自称20歳)と翌日(土曜日)午後にD駅で会う約束をする。B子は、翌日、約束の時間にD駅に行ったが男性は現れなかった。そこで、B子はその駅から再びテレクラヘ電話をする。今度は東京の男性(自称25歳)とつながり「俺はお金をたくさん持っている。お前の好きなところへ車で連れていってやるから上野まで出て来ないか」と誘われ、午後7時に上野で待ち合わせをする約束をする。 |
学校の対応 |
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この事例から学んだこと |
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高等学校「テレクラから立ち直ったF子」
概要 | F子は、自分の良き理解者である担任を信頼していた。3回目の喫煙が発覚し、学校を続けるためには学校に目が向いていない今までの生活がどこまで改められるか、決意を問われた。担任のいつにない眼差しに、自分が退学になるぎりぎりの所にきていること、担任は助けたいと思っていることを感じた。F子は、テレクラを利用したことを、ざんげする思いで話し始めた。 夏休みに、中学の友達からテレクラの話を聞き、月に1~2回電話をして、相手をからかったりして楽しんでいた。3月の休みに電話をしたときにカラオケに誘われ、長期休みで暇だったので会う約束をした。相手は30歳位の真面目そうな人だった。その日は、歌ったり話したりして楽しく過ごしただけだった。帰り際に、「また、会ってくれるね」と言って電話番号を教えてくれ、楽しかったお礼と電話代にと、3万円をくれた。次の日から、電話をしてたびたび会うようになり、ラブホテルヘ行くようになった。会うごとに3~5万円をもらった。そのうちに、相手に会えない日は、テレクラに電話をして違う人ともつき合うようになった。 |
学校の対応 |
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この事例から学んだこと |
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