指導資料No.60 万引きゼロをめざして-心に届く初発型非行に対する指導-
万引きは非行の入口と言われております。物や情報のあふれる世相の中にあって、一時的ではあれ、自分を見失って万引きや窃盗などの行動に走ることがないよう、子どもの心に届く親身の指導が必要です。
万引きをした子どもの指導では、盗むということの不当性に焦点を当てるとともに、家族や周囲の人に与える悲しみをも考えさせ、誠実に生きることの大切さを自覚できる指導をしたいものです。
指導資料No.41「初発型非行をなくすために」も併せてご活用ください。
平成7年11月30日 長野県教育委員会 生徒指導幹
目次
- 初発型非行
- 事例1 (小学校5年)正直な申し出を温かく受けとめて
- 事例2 (中学校1年)グループによる万引き事件をきっかけに
- 事例3 (中学校3年)再出発をめざして
- 事例4 (高等学校)自転車盗難を無くすために
- 学校と主任児童委員との連携
初発型非行
初発型非行の現況
平成6年中の、小・中・高等学校における「万引き」「オートバイ盗」「自転車盗」等の初発型非行による補導人数は、全体で1,450人で、前年の1,497人に比較して47人減少した。
しかし、全体の人数が減少傾向にある中で、「万引き」の補導人数は、前年の776人に対し921人と、145人増加して、初発型非行全体の64%を占めている。
特に、小学校では、前年が36人に対して61人と、ほぼ倍増の状態である。(県警少年課調べ)
初発型非行の背景・要因
- 家庭環境の変化
母親の就業率が高くなり、経済的には豊かな家庭が増えているが、業種によっては休日を子どもだけで過ごすような家庭もあり、子どもが必要としている家族との触れ合い等が減少していることもある。
そのような状況の中て、やり場のない欲求不満やストレスを、盛り場を徘徊したり金銭を浪費することで解消している場合がある。
初発型非行は、そのような行動の延長線上にある事例も多いと思われる。
- 社会環境の変化
購買心をあおるような宣伝、めまぐるしい流行の変化、大型店舗の進出等、子どもにとって刺激的な情報が周囲に満ちている。
また、大量生産、大量消費という経済構造の中で、欲しいものはいつでもどこでも手に入りやすくなっている。
更に、テレビや雑誌等の子ども向け番組やマンガも、破壊的・暴力的な表現が多く、子どもたちの道徳意識や規範意識等に与える影響も大きいと思われる。
そのようなことが、子ども達に「我慢する心」や「持ち物に対する愛着の心」の低下を招いているのか、「自転車を盗まれたが、記名も施錠もしてなかった」というケースや、「自分の自転車を盗まれたから他人の自転車を盗んだ」というようなケースも報告されている。
初発型非行の指導
- 初発型非行をした子への指導
- 自分のしたことが「犯罪」であることをきちんと認識させる。
罪の意識が薄い場合があり、発覚したことが「運が悪かった」というように感じる児童生徒や、「万引きぐらいで大げさな」というような反応を示す保護者がいる。
額の高低や量の多少に関係なく、行為そのものに視点を当てて指導する。
- 謝罪等の行為を通して、自分のしたことに責任を取ることの大切さを指導する。
謝罪等には、保護者、担任も同行するなど、相手方に誠意を尽くす。その姿を通して児童生徒の反省を促す。
- 事後指導をきめ細かく行う。
初発型非行に走った原因・理由を探ると、その子なりの問題点が浮かび上がってくる。問題点の解決を、児童生徒や保護者と一緒に親身になって行うことが、再犯を防止するとともに、その子の成長にもつながる。
- 初発型非行を防ぐ指導や対応
- 犯罪行為と法についての指導
どのようなことが犯罪になるのか、犯罪を犯せばどのような処遇をうけるのか等、知識面で理解させる。
- 心を育てる指導
道徳の授業等や全校集会の校長講話等で、遵法精神を育てる指導、誘惑に負けない強い心を育てる指導等を行う。
善行や、誘惑にうちかつ勇気ある行為を積極的に評価する。
- 家庭や地域との連携による対応
金銭の扱いや自転車の施錠、持ち物の記名の徹底等を家庭に呼びかける。
初発型非行の現状と指導のあり方について、懇談会や通信で周知徹底を図る。
商店や地域の少年補導委員等に、売り場管理や巡視等の協力を依頼する。
資料-「事例」と「法律」
児童生徒等の少年の場合は、処罰より健全に育成することを目的として、児童福祉法や少年法によって保護されている。
しかし、児童生徒が軽い気持ちで行っている行為は、刑法では下記のような犯罪として処罰されるので、参考とされたい。
事例1 他人の自転車を無断で使用し、駅に放置した。
「刑法235条」(窃盗)
- 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。
事例2 友人が盗んだ自転車と知りつつ借りて乗り回した。
- 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
- 前項に規定する物を運搬し、保管し、もしくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
事例3 幾日も草むらに放置してあった自転車を乗り回した。
- 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処す(平成7年5月改正)
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事例1 正直な申し出を温かく受けとめて-校長を中心にした取り組み-
事例の概要
長い歴史を持つA小学校の購買部では、昨年9月頃から今年1月頃までに、約3,000円の売上代金が紛失する、という事態が生じていた。
購買部の正副部長は、責任を感じて悩んでいたが、校長講話をきっかけにして、担任にその悩みを打ち明けた。
担任が、ただちに学級指導を行ったところ、現金を持ち出した児童3人が自分から名乗り出てきた。
指導の概要
- 校長講話での語りかけ
2月初めの全校児童への講話で、校長は、児童にやさしく語りかけた。
「困っていることや悲しいことがあったら、思い切って担任の先生やお友達に言って、話し合ってもらうようにしてください。勇気を出して言えないときは私でもよいので、遠慮せずに言って来てください。」
購買部の売上代金が持ち出されているのではないかと、悩み続けてきた購買部の正副部長は、この日の校長講話で決心がつき、担任に、売上金紛失の事実を報告し、相談した。
- 「自分の生活を見直そう」の指導
学年会で、5・6年生の各学級で「自分の生活を見直そう」のテーマで、話し合いを持つこと、「自分の生活について」という記名による調査を実施することを決めた。
話し合いでは、通学路を守っていない、図書館の本を返していない、買い食いや友達との金の貸し借りがある等の反省意見が活発に出され、考え合うことができた。
- 自分から申し出る児童
話し合いの後実施した調査で、二人の児童が「購買のお金を、ポケットに入れてしまいました。」と正直に記入し、さらに放課後には、別の一人の児童が、同様に担任に申し出てきた。
三人の児童には、担任が個別に指導をし、親には今日、自分から正直に話すよう伝え、明日の来校依頼の通知を持たせた。
- 校長室での指導
翌日の夜、児童と親は、緊張した様子で校長室に予定の時刻に集まった。校長は児童の正面に座り、「いっしょに考えるから、話してごらん」と問いかけた。
1時間ほどの指導の終わりに、「正直な自分になれてよかったね。過ちを二度と絶対にしないことをここに誓って、明日から強い心をもってがんばろう。よいお父さん、お母さんでよかったね。」校長が温かい眼差しで語りかけると、全員が泣いていた。
校門を去ろうとする時、一人の母親が、「今日のこどもの決意を、ご先祖さまに報告します」と、わが子の両肩に手を置きながら、担任に深々と頭を下げた。
- その後の様子
現金を持ち出した児童の家庭とは、連携が以前にも増して密になり、児童は落ちついた生活が送れている。また、購買での売上金の紛失もなく、購買部の活動も活発である。
この事例から学んだこと
- 集会での校長講話の語りかけが、子どもの心を動かした。
- 学級での活発な話し合いが、正直な告白につながった。心を解放できる学級経営の積み重ねが大切である。
- 親身になって共に考える教師の姿勢が、児童の心に響き、自律心を養うことにつながる。
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事例2 グループによる万引き事件をきっかけに(中1)-学年全体の取り組み-
事例の概要
2月、B男の母親から担任に、B男と友達が万引きをして警察の取り調べを受けた、という連絡を受けた。
警察の取り調べで、万引きは今回だけではなく、グループで以前から続いていたことがわかった。
指導の概要
- B男らの最近の様子で、以下の行動が学年会等で話題になっており、生活のたて直しを中心に指導を行うことにした。
- 文化祭以後、部活動の無断欠席が目立つ。
- 勝手に給食を食べ始める。清掃をさぼる。
- 学級以外の仲間と、休み時間を過ごしたり頻繁に街に出掛ける。
- 個別指導
- B男と一緒に万引きをした生徒に、個別で聞き取り調査をし、事実確認をした。この指導の中で、他の2つの万引きグループの存在もわかった。
- 担任が、家庭訪問をして個別指導をし、その後、保護者同席で校長の前で反省を述べ、二度としない、という決意をした。
- 担任が同行して、本人・保護者で店に謝罪をした。
- 学級での指導
個別指導の結果、万引きが犯罪であるという認識が薄い生徒も多いと判断されたので、学年全体で学級指導を行うことにした。
- 道徳「万引きはどうしていけないのか」
資料:詩「チューインガムひとつ」(灰谷健次郎-わたしの出会った子どもたち-よりP46~P52)
- 「安子ちゃん、本当のことを書こうな」と、先生に言われて泣きながら詩を書いた安子ちゃんの気持ちを話し合う。
- 二日もたつのに、悲しそうにしているお母さんの気持ちを話し合う。
- 行為の反省の段階で、資料や話し合いをもとに、自分の気持ちや思いをまとめる。
- 万引き経験のある生徒の記述
- おもしろさ、スリルを自慢げに話しているのを聞くと、やってみたい衝動を抑えられなかった。
- 何か格好いいような気分があった。
- ゲーム感覚になってきて、いつの間にか罪の意識がなくなっていた。
- 手口を聞くうちに、自分もどんどん大胆になってしまった。
- 見張りを立てるなど、計画的にやるようになってしまった。
- 「万引き」という行為についての筆者の考えをもとに、自分の考えを述べ合う。
- その後の様子
B男らは、それぞれが生活を見直し、すべきことを確認して行動化しようとしている。その姿を認め、支援したい。
- その後の取り組み
- 教師がどの子にもこまめに声を掛けるなど、生徒の状況を掴むよう心がけている。
- 学級レクなどを設定し、生徒同士の人間関係づくりを積極的に取り入れている。
この事例から学んだこと
- B男らのように、学級から離れていく時に、万引き等の問題行動にはしる場合がある。日常の観察と、積極的な教育相談により、未然に防いでやりたい。
- グループ化した万引きは、グループ内での存在を誇示し合う傾向もあって、エスカレートしやすい面がある。
- 各学年の発達段階に応じ、子どもの心に訴える題材による指導が大切である。
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事例3 再出発をめざして(中3)-家庭との連携による取り組み-
事例の概要
3年生になった5月の初め、C男とD男が教室で飲食しているのを見つけた担任は、二人を指導するとともに、家庭へ連絡して、指導をお願いした。
C男の母親は、彼の持ち物に不審を感じていたので、問いただしたところ「万引き」をしていたことが分かり、担任に相談してきた。
二人は、2年生の12月頃から、ペンや消しゴム等を万引きし、それがやがて書籍、電気製品等にエスカレートしていったことが、担任の聞き取りで判明した。
指導の概要
- C男とD男の様子
二人とも3学期になると、成績が低下したり、部活を欠席したり、授業でも注意されたりすることが多くなっていた。
- C男:会社員の父母、小3小4の弟妹5人家族。明るく、母親を助け弟妹の面倒をよくみる優しい性格。運動部活でも頑張り屋。
- D男:両親と小6の弟の4人家族。宿題を課したり、勉強を教えたりして学習に力を入れる父親。叱咤激励する母親。誰にでも明るく接する人気者。スポーツが得意で、C男と同じ部活。
- 共通理解による全校体制での取り組み
担任は、学年主任、生徒指導主事、教頭に相談し、臨時学年会と職員会で共通理解が図られ、指導方針が立てられた。
- 生徒指導主事同席の、担任による聞き取り
事実確認をしながら、万引きをした時の気持ち、エスカレートしていった時の気持ち、今の気持ち、両親や学校や店への気持ちを聴いた。
- 担任による家庭訪問
「隠していることを自分から両親に話し、これからどうするか相談しなさい。先生も君を応援するよ。」と語りかけた。
C男は、一言一言を噛みしめるように、D男は拳を握りしめ、肩を震わせながら事実を親に打ち明けた。
両親には、正直に打ち明けた我が子をしっかりと受けとめて、これから親と子でなにをすべきか話し合うようお願いし、明日、保護者同伴で来校するように伝えた。
- 保護者同席での校長指導
それぞれ校長と面談し、万引きをした事実を話した。校長は、これを契機に生活をたて直し、逞しく生きることや真の勇気について語り、親子を励ました。
- 行動化のための親子の話し合い
C男の両親は、C男の気持ちを考えず、弟妹の面倒や家事の負担をかけていた事を詫び、母親は早めに帰宅する約束をした。
D男の父親は、万引きの原因が、進学への過大な期待にあったことを反省した。
- 本人と両親が揃ってお店に謝罪に行く。その際、担任も同行してほしい。
- 自分で起床する等、生活をたて直す。
- 将来の進路を考え、目標を持つ。
- 家族全員で温かい家庭づくりをする。
- 再出発を支える援助
- 学校の援助
- 授業や学級で活躍する場を設定し、自信を持たせる工夫をした。部活顧問も言葉がけをし、学習や進路の相談にのった。
- 1か月後、生活態度の向上を確認して、校長が面接し、「今後万引きの事は二度と言わない。自分を大切にして、今の今をしっかり生きてほしい」と励ました。
- 保護者による援助の依頼
- 対話を多くして、忍耐力や勇気、思いやりの心が大切なことを話し合った。
- 担任とも連携し、進路や将来について家族全員で話し合った。
- その後の様子
C男は、合唱コンクールの指揮者として学級を最優秀賞に導き、D男は、部活動に復帰して、レギュラーとして活躍している。
二人とも、家族や多くの教師に見守られて本来の生活を取り戻しつつある。
この事例を契機に行った、全校での取り組み
- 生徒指導係が、店舗を巡回したり、警察を訪問し、万引きの実態を把握した。
- 万引き防止学年集会を設定し、その後、学級でも話し合い、補導された時の家族の悲しみ、処遇等について考え合った。
- 事例研究会を通して、学級担任、教科担任、部活顧問の連携のあり方について話し合い、確認し合った。
この事例から学んだこと
- 子どもの学習や生活等における、つまずきの発見と支援のために、生徒指導体制が機能しているかを常に確認する。
- 保護者が、学級担任にすぐに相談できるよう、学級通信等により、指導方針や、学級の様子を常に家庭に知らせるなどして、信頼関係を築いていく。
- 子どもの心情や、万引きに至った背景をしっかりと把握したうえで家庭訪問を行い、今後のあり方について、親身になって相談する姿勢が、家庭の協力を得たり、連携を図ることにつながる。
- 家庭生活を見直し、共に生活を建て直そうと真剣になる親自身の姿が、子どもを支える。
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事例4 自転車盗難を無くすために (高校)-生徒会との連携による取り組み-
事例の概要
「自転車を盗られた。」「自転車を盗られて帰れません。」「鍵を壊されて持っていかれました。」
このような訴えが、多い時には月に7件もあり、駅前や商店街での放置自転車、自転車盗も増加していた。
その都度、「鍵はちゃんと掛けておいたのか。」「駅やスーパーに乗り捨ててあるかも知れないので、探してみたら。」「警察に盗難届けを出しておくように。」といった対応にとどまっていた。
指導の概要
- 生徒会執行部との連携による、全校アンケート調査(アンケート結果の一部)(%は、各質問内の数値)
- 入学後、自転車盗難にあった ────22%
- 他人の自転車を無断借用した ────10%
- 無断借用は絶対いけない ────77%
- 返せばいい、お互いさま ────12%
- 放置自転車に乗っても罪にならない ─67%
- 鍵をかけている ──────────31%
- アンケートからわかったこと
- 自転車の盗難被害件数が非常に多い。
- 盗むことへの罪の意識、盗難に関する法律の知識が低い。
- 施錠の習慣率が低い。
- 指導
- ホームルームで、校風委員がアンケートの結果を発表し、担任が、窃盗[刑法第235条]、盗品譲受け等[同第256条]、遺失物等横領[同第254条]等の法律について、事例をもとに指導する。
- 鍵は太いワイヤー製を含めて2個付け、予備の鍵を担任に預けておく。
- 住所・氏名はペンキで大きく書く。
- 生徒指導係が、車体番号、車種、色、形等や防犯登録の有無を含めた台帳を作成する。
- 鍵と記名の点検日を決め、係と生徒会校風委員が、学年単位で点検し、未記入者にはその場で記名させる。
- 生徒会執行部による「自転車を盗むな、盗まれるな」の声明文や、校内放送を実施する。
- 指導の結果
- 「二重ロック」と「記名」が徹底できるようになった。
- 実施初年度には、盗難が当初の四分の一に激減し、次年度からは更に減少した。
- 盗難に遭った自転車も、記名してあるため、通報により、ほとんどが戻ってくるようになった。
この事例から学んだこと
- アンケート調査により、生徒の意識が高まり、自転車を自分で管理する姿勢が身についた。
- 盗られたら盗り返す、という悪循環を再び繰り返さないように、職員、生徒会、PTAが、労を惜しまず、継続的、定期的に指導していくことが大切である。
- 盗んだ自転車と知りつつ借りて乗ったり、放置自転車に乗ることが犯罪であることをきちんと指導する。
- 自転車だけでなく、「無断で借りること」、「人のものを借りて平気で返さないこと」、「自分の所有物を大切にしないこと」等についても、常日頃からていねいに指導していくことが大切である。
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学校と主任児童委員との連携
主任児童委員とは
近年の出生率の継続的な低下に伴い、「健やかに子どもが生まれ育つ環境づくり」が、社会全体の大きな課題となっており、地域における児童の福祉に関する相談・援助活動等への期待も高まっています。
このような状況の中で児童委員活動を一層推進するために、平成6年1月1日、県下に365名の主任児童委員(児童福祉に関する事項を専門的に担当する児童委員)が設置され、従来の区域を担当する児童委員と一体となって、次のような活動を展開しています。
- 区域担当児童委員を支援する活動
- 区域担当児童委員の行う児童等に対する支援活動への援助・協力
- 区域担当児童委員、家庭、学校等への児童福祉全般にわたる知識・情報の提供
- 啓発活動等の企画・推進
- 地域における児童健全育成活動等への参画
- 地域ぐるみで子育てを行うための啓発活動の推進
- 地域における児童福祉問題のコーディネーター的役割
- 区域担当児童委員と、学校、関係機関(児童相談所・福祉事務所・保健所等)児童福祉施設(保育所・養護施設)、各種団体(自治会・婦人会・育成会)との日ごろからの連携の強化
- 広域的な地域ネットワークづくりにおける、パイプ役としての円滑な援助活動の推進
具体的な活動事例
事例1
子家庭で、小学生の兄が就学前の弟の世話をしていて、通学に支障が生じているという相談が、学校から区域担当児童委員にあった。
区域担当児童委員の協力依頼を受けた主任児童委員は、福祉事務所等との連携を図り、地域ぐるみで家庭支援を行うネットワークを作った。
地域の人々の援助により、負担が軽減され、兄は以前より明るく元気に通学できるようになった。
事例2
親の養育能力不足や家庭内の混乱により、子どもが不登校や非行に至ったため、担任から主任児童委員に相談があった。
区域担当児童委員と協力して、家庭訪問を行い、状況の把握に努める一方で、日頃の活動から得た情報を家庭や学校に提供し、関係機関とも連携を図った。
その結果、養護施設の利用が決まり、本人は、規則的な生活を通して自律性を身につけ、また精神的にも安定し、その後、高校進学を果たした。
主任児童委員は、日常の活動の中で、教育、児童福祉、保健等関係機関への訪問活動を行っています。今後、より一層の連携を図っていくことが望まれます。(資料提供 青少年家庭課)
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