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更新日:2013年7月1日
■「ピークカットチャレンジ」実施結果(速報)(PDF形式:407KB/3ページ)
■介護マーク普及協力事業所を募集します(PDF形式:584KB/2ページ)
■新たに、「長野県観光戦略アドバイザー」からアドバイスをいただき、観光振興施策に活かします(PDF形式:92KB/1ページ)
■8月1日から県危機管理部に自衛官を配置します(PDF形式:46KB/1ページ)
長野県知事 阿部守一
それでは7月27日の会見を始めさせていただきます。私の方からは7点お話をしたいと思います。
まず、ロンドンオリンピック開幕ということで、ロンドンで第30回オリンピック競技大会開催ということで、日本時間の明日午前5時開会式ということであります。日本から518名、日本代表選手団ということで派遣されるわけでありますけれども、長野県ゆかりの7名の選手も出場されるということで、ぜひ日本選手団全体頑張ってもらいたいと思いますし、また長野県ゆかりの選手もそれぞれの競技分野で、しっかりとこれまでの練習の成果を遺憾なく発揮して悔いのない成果、悔いのない取り組みをしてもらいたいと思っています。長野県関係7名の選手のプロフィール、そしてパラリンピックに出場される2名の選手のプロフィール、今県のホームページでも紹介をしておりますので、ぜひ県民の皆さんみんなで応援をしていただきたいと思います。8月29日からはオリンピックに引き続いてパラリンピックが開催されるということで、本県の2名関係者、大会に出場するわけでありますけれども、ぜひパラリンピックについても選手、万全な体調管理で当日最高の力を発揮できるように臨んでもらいたいと思いますし、県民の皆さんと一緒に応援をしたいと思っています。また、国内におきましても、明日から全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイが始まるわけであります。長野県でも卓球、相撲、サッカー、弓道、この4競技が各地で開催されるということで、冬季の競技を除きますと、このインターハイの開催は県内では36年ぶりということであります。県民の皆さま方には、ぜひ高校生の活躍に熱い声援を送ってもらいたいと思いますし、また全国から大勢の選手そして関係者、信州にお越しいただくわけでありますので、ぜひ温かく迎えていただいて、この長野県で青春の良い思い出を作っていってもらいたいと思っております。
それから2点目でありますが、部局長会議を先ほど9時半から開催をしました。スポーツによる元気な信州づくり包括連携協定をはじめとするいくつかの報告事項ということでございますが、今オリンピックそしてインターハイの話もしましたけれども、ぜひスポーツを通じて、長野県を元気にしていきたいと思っています。この包括連携協定はプロスポーツチームと体育協会、障がい者スポーツ協会、そして長野県が一緒になってスポーツを核にして、さまざまな地域振興の取り組みを進めていこうというものであります。教育委員会だけではなくて、県庁、各部局一体となって取り組みを進めていきたいと考えています。それから、一人1改善提案事業についての報告もありましたが、私の方からは、5,100件、職員から提案がありました。類似の取り組みをやっている自治体もあるわけでありますけれども、伺っている感じでは5,100件というのはかなり大勢の職員が積極的に提案をしてもらえたということで、総務部の取り組みも高く評価したいと思いますし、何よりも思っていることを提案してもらった各職員に私からは感謝をしたいと思っています。今、和田副知事のところで仕分け作業をしているところでありまして、できるだけ職員の問題意識、職員の考え、そうしたものが具体的に県庁の仕事の仕方であったり、県庁の事業であったり、そうしたものに反映することができるように積極的に受け止めて、前向きな取り組みを私も各部局長も、していこうということで話をさせていただきました。まだ取り組みがスタートしたばかりでありますので、ぜひ長野県の行政のある意味で変革に結び付けていきたいと思っています。
それから続きまして3点目でありますが、ピークカットチャレンジ。今行っている最中であります。この水曜日から今日までの3日間、それから8月8日から10日までの3日間、計6日間、ピークカットチャレンジということで、さわやか信州省エネ大作戦の一環として、県民、事業者、そして行政が一体となった省エネ・節電運動に取り組んでいるわけであります。取り組みの初日7月25日、一斉行動日ピークカットチャレンジデイということで設定をしたわけでありますが、当日の県全域、そして県庁舎における使用最大電力の状況がまとまりましたのでお知らせをします。まず、県全域でありますが、節電をお願いした電力使用のピーク時間帯13時から16時までの3時間でありますが、この3時間を中心に一昨年平成22年同月の同じ週における気温が近似している日、具体的には7月30日(金曜日)でございますが、これとの対比でみますと、1時間ごと、そして3時間平均ともに使用最大電力を抑制することができました。3時間平均では9.9パーセントの削減ということで、県民の皆さま方のご協力あってこそと思っております。私も県政を語る会ということで、呼ばれて諏訪の方に行きましたけれども、その時も会場からもうちょっと冷房を落とすべきじゃないかというご意見も出たりして、だいぶこの省エネ、省電力の意識というものは広く県民の間に浸透しておりますし、かなり具体的な取り組みをそれぞれの団体や企業あるいは個人の皆さんで取り組んでいただいていると思っております。ぜひ引き続き、まだ夏本番これからでございますので、努力をしていきたいと思っております。また県庁舎におきましても、22年相当日との対比でいきますと、使用最大電力を抑制することができました。当日、正午から1時までの昼の休憩時間1時間をずらしてとるというランチシフトを実施致しましたので、午後1時から2時の使用最大電力、午後2時から3時の値と比較して、5パーセント弱、約60キロワット削減することができました。この取り組みについては、8月8日から10日までピークカットチャレンジをまた行いますので、ぜひ県庁も積極的に取り組みますし、一人でも多くの皆さま方が問題意識を持ってご参加をいただくことを心から期待をしております。
それから4点目でありますが、介護マーク普及協力事業所の募集ということであります。介護マークというのは、今ここにありますけれど、介護中というマークがありますけれども、介護されている方が、例えばおばあちゃんの介護をするために、男性が女性のトイレに入っていかなければいけないというようなこととか、あるいは介護している方の買物のために女性の下着を買いに行くとかですね、この人何をやっているんだと誤解をされるというようなことがないように、「介護中ですよ」と、「介護のための取り組みですよ」ということを周りの人に明らかにして、介護しやすい環境をつくっていこうというものでございます。認知症の家族を介護している方の体験談を基にして、昨年静岡県がこの普及の取り組みを始めたわけでありますが、本県も都道府県レベルにおいては静岡県、栃木県に続いての普及ということで、本年度介護マークのカードを2万個作成して、保健福祉事務所あるいは市町村の高齢者福祉窓口を通じて、希望される方に配付を行っています。今回、この介護マークの浸透を図って、より進めていこうということで介護マークの普及協力事業所を募集していきたいと考えています。事業所による普及活動の例、これ個人の方が取り組むのではなくて事業所にご協力いただいて具体的な店舗で、そこにいらした方にこういう介護マークの貸し出しを行っていただく、あるいはポスターを掲示したりしてその介護マークの普及、PRについてご協力をいただくと。加えて事業所の職員にも介護マークの趣旨を徹底してもらうということを一緒に行っていきたいと思っております。例としては、交通機関、大勢の皆さんが利用される施設ということで、交通機関であったり小売業等を中心に、ぜひ多くの事業所の皆さんにご参加をいただきたいと思っております。ご登録いただいた事業所には、登録証を交付致しますとともに、事業所名等を県のホームページで公表していきたいと思っておりますので、大勢の皆さんの力で介護する方、介護される方、温かく支えていく社会をつくっていく上での一助にしていきたいと思っております。県としても積極的な働き掛けをしていきたいと考えているところでございます。
それから、5点目でございますが、長野県の観光戦略アドバイザーの委嘱、お願いということでございます。皆さんのところにプレスリリースの資料をお配りしていると思いますが、4名の方にですね、長野県、これからの産業の柱として、そして地域を活性化する上で、極めて重要な観光全般についてアドバイスをいただきたいということで、観光戦略アドバイザー4名の方にお願いをするということに致しました。清水愼一さん、土谷美津子さん、溝畑宏さん、山田桂一郎さん、4名の方でございます。それぞれ皆さん、観光振興であるとか、マーケティングに優れた見識、経験をお持ちの皆さんということで、長野県の観光行政、観光施策のあり方を、より一段とですね、高めていく上で、ご協力をいただきたいと思っております。清水愼一さんについては、すでにいろいろな形で関わってきていただいております。人材育成の塾についても取り組みをしていただいているところであります。土谷さんについては、できるだけ女性の視点もということで、女性の目線あるいは消費者の目線での観光への提言、施策展開へのご意見というものをいただきたいと思っています。山田桂一郎さん、山岳観光の推進ということで、スイスの山岳リゾート「ツェルマット」での経験を生かした山岳観光、スノーリゾート振興へのご意見を聞いて、取り組んでいきたいと思っています。また、溝畑宏さん、スポーツ観光をはじめとして、観光庁長官としてのさまざまな全国的なネットワーク、あるいは海外とのネットワーク、そうしたものをぜひ長野県に生かしてもらうように取り組んでいただきたいと思います。観光振興審議会でも、観光振興基本計画についてのご議論等もいただいているわけでありますけれども、ぜひ他の地域との競争する部分と協力する部分と両方出てきますけれども、地域、長野県の内在する力を最大限生かして、観光の活性化、地域の活性化につなげていくように、アドバイザーの皆さんのお知恵とお力をぜひこの長野県に貸していただきたいと思っています。
それから6番目、早口で申し訳ありませんけれども、以前この場でも、移住・交流の説明のところで少し触れさせていただいたかもしれませんけれども、第2回の信州田舎暮らしセミナーを行います。移住・交流センターのオープン記念トークセッションということで、7月28日、明日ですね、行いたいと考えています。トークセッション形式でのセミナーということで、NPO法人ふるさと回帰支援センター理事長の見城美枝子さん、そして楽園信州推進協議会名誉会長の玉村豊男さん、かねてから、この移住・交流、積極的に取り組まれている飯山市長の足立正則さん、そして私の4人で長野県の素晴らしさ、移住先としての利点、長野県としての本気での誘い掛け、本気での取り組み、そういうものをPRしていきたいと思っています。募集人員を上回る皆さま方に、今現在お申し込みをいただいているところでありまして、長野県に対する移住への関心の強さというものを改めて実感をしているところであります。大勢の皆さま方に長野県の魅力をしっかりと伝えていきたいと思っております。
最後7番目でありますけれども、この場でも何度かお話していますけれども、危機管理体制を強化するという観点で、8月1日から自衛官の方を県庁に配置を致します。松本駐屯地所属の2等陸佐 吉原正夫氏でございます。自衛隊との連絡調整、訓練の計画実施支援、そうした部分について取り組んでいただきたいと思っております。当面は実務研修職員という形での配置ということで、その後においては、別の形態での配置を検討していきたいと思っております。私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。
朝日新聞 浅野有美 氏
知事からお話があった観光戦略アドバイザーについてお伺いします。まずですね、観光振興審議会とかですねマネジメント塾の支援機構などもあって、すでにたくさんの専門家の方がですね、長野県の観光についてアドバイスをしているわけですけれども、あえてこの時期にアドバイザーを置いた意義を教えてください。
長野県知事 阿部守一
もちろん審議会等でのご議論はしていただいているわけでありますし、個別にもいろんなご意見はいただいてきている部分もあるわけでありますけれども、私、審議会という形だとどうしても間接的な、例えば報告書を取りまとめたり、あるいは今ご議論いただいているのは計画をどういう計画にするかということで、限定された形になるわけでありますけれども、観光をめぐる状況というのは日々刻々状況が動いていきます。他の地域との競争だったり、あるいは協力、連携だったり、そうしたものはその場その場で判断してどんどん動いていかなければいけないという部分があるわけでありますので、そういう観点で4名の皆さま方には、随時ですね、アドバイスをいただくという形でお願いをして、なおかつ一回一回ということだけでなくて継続的にですね、長野県の観光行政に対して関わっていただく、逆に関わっていただくということの裏返しで、さまざまなところで長野県の取り組みとかですね、長野県の良さというものもアドバイザーという形でお願いすることによって、発信もしていただけるということで、そういう観点で今回観光戦略アドバイザーをお願いするものであります。
朝日新聞 浅野有美 氏
具体的なイメージはできないのですが、今開かれている審議会やマネジメント支援機構などの会議に実際にアドバイザーの方が出席されてご意見を述べられるということになるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
審議会に出席するというよりは、むしろ観光部であったり私であったりに直接、意見具申、提案あるいは逆に私どもの方から具体的な相談をするとそういう形になると思います。
朝日新聞 浅野有美 氏
ありがとうございます。続けて、この4名の方を選ばれた選考方法といいますか、選考の過程ですね、教えていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これ、観光部の方で、これから長野県の観光として目指していくべき方向性、例えば山岳観光の推進であったりとかですね、あるいは観光地域づくりであったりですね、さらには県庁全体でありますけれども、やはり女性の視点というのはまだまだ弱いということで先ほどもちょっと申し上げましたが、女性とか消費者の視点での観光を考えるとそういう方向性に即してですね、それぞれの委員を選任したというところであります。
朝日新聞 浅野有美 氏
では、直接お声掛けとかではなくて、あくまで観光部の方で選んでいただいて・・・。
長野県知事 阿部守一
観光部と私とで相談をして決めたということです。
朝日新聞 浅野有美 氏
分かりました。ありがとうございました。
中日新聞 小松田健一 氏
アドバイザーの件ですけれども、例えば、観光振興審議会にも専門調査員を置くことができるという規定があって、当然審議会ですから条例に基づいた権限が与えられているにも関わらず、こういった私的な形でのアドバイザーというものをなぜ必要とするのか伺いたいのと、溝畑さんですが、大分トリニータの社長時代に、実質会社経営に失敗されていますよね。もちろん一回の失敗が全てを否定するわけではありませんが、そういった方にスポーツ観光についてのご助言をいただく必要があると考えたのは、なぜなのかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
このアドバイザーの設置というのは、観光に限らず、いろいろな行政の部門で広く専門的な知見であったり、ネットワークを持っている人たちに、長野県の行政に対してサポートしていただくというような仕組みを作っていくということが大変重要だと思っています。審議会の委員というのは、審議会に諮問した事項であったりですね、先ほども申し上げましたけれども、観光振興基本計画を作るということであれば、その部分に特化してですね、お知恵をいただくという形になっているわけですけれども、観光はまさに国際的な視点で他の地域と競争、安穏としてですね、行政の組織の中だけで粛々とやっているということでは、とても競争に私は勝てないと正直思っております。そういう意味で、幅広いネットワークとか知見をお持ちの皆さんに長野県の観光行政に協力をいただくということは大変重要だと思っています。溝畑氏の過去の経歴についてのお尋ねがありましたけれども、私どもとしてはこれまでの実績とか取り組みとかそういうものを踏まえた上で、適任者ということで判断をさせていただいております。
中日新聞 小松田健一 氏
分かりました。
中日新聞 小松田健一 氏
もう一点、危機管理部に配置される自衛官の方ですけど、この方は自衛官の身分のまま、県に常勤するということになるんでしょうか。これは事務方の方がよろしいかもしれませんが。
長野県知事 阿部守一
当面、実務研修職員という形での受け入れになりますので、身分を持ったままという形になります。私どもとしては、今回自衛隊から、あるいは自衛隊OBの方を受け入れるということは、初めての取り組みになるわけでありますので、そういう意味では、お互いまだ慣れていない部分等もあるということもあるわけでありますので、今回は研修という形で当面受け入れていくという形にしています。
中日新聞 小松田健一 氏
危機管理部では特定の役職が与えられるというわけではないわけですかね。
長野県知事 阿部守一
今回は、危機管理防災課に席を置いていただいて、自衛官実務研修危機対策担当、そういう形で受け入れていきたいと考えております。
信濃毎日新聞 小坂真紀 氏
昨日の県教育委員会の定例会で、重大ないじめが起きたときへの対応を県教委と知事部局で連携して、改めて取りまとめていくという考えが示されたんですが、知事部局としては、どういった対応を考えているのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
昨日も関係部局、次世代サポート課であったり、こども・家庭課、それからもちろん教育委員会の事務局と少し私も話をしております。やはり、長野県として県全体で、いじめを絶対に許さないと、本当に子どもたちを守っていくと、そういう強い決意を持って、そして、そうした姿勢を対外的にも示していかなければいけないと思っております。そういう意味で、教育委員会と今後また相談をしっかりしなければいけませんけれども、県内の子どもたち、あるいは先生方、大勢の子どもに関わっている皆さんに対してのメッセージを教育委員会と私とで出していくというようなことをしていかなければいけないのではないかと思っておりますし、そうしたことだけではなくて、具体的にいじめをなくす、本当に子どもたちが楽しく学校生活を送っていくような仕組みをどうやって作っていくのかということを考えていかなければならないと思っています。文部科学省、また実態調査とかアンケートとかされるという新聞報道もあるわけでありますが、私は文章のやりとりだけで本当に実態が分かるのかということに、大いなる疑問を持っていますので、ぜひ長野県の各学校には、直接ですね、現状、なんていうか文章での報告だと非常にセンシティブで言いにくかったり、言いたくなかったりですね、いろいろなものもあると思いますので、そういうものはこちらから出向くなりしてですね、しっかりと具体的な現状を把握して、いじめの対策については、これまでよりも踏み込んだ対応を教育委員会と一緒にぜひ行っていきたいと考えております。
信濃毎日新聞 小坂真紀 氏
文科省が示している実態調査とは別に、県として改めて各学校に出向いて、聞き取り調査をするということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
文部科学省がどういう対応を具体的にされてくるのか、私はよく分かりませんけれども、いつも何かこういう問題が起きると、文部科学省が調査をして、通知を出してみたいなことは、本当に効果があるのかなと。むしろ現場の課題とか現場の悩みを起点にして仕組みを考えていくということが重要ではないかと思っています。そういう観点で、長野県は長野県として、本当に必要なことは何なのかということを、しっかり把握できるような取り組みをしていきたいと思っておりますので、そういう意味では、教育委員会と相談をしなければいけないわけでありますけれども、個別の学校の状況を報告させるということではなくて、教育委員会なりの方からお伺いして、実態をお聞かせいただくと、そうした中で周りにいる人間が同じ方向を向いて支えていかなければいけないので、これは誰の責任だとか、誰が悪いとか言っていても仕方ないので、担任の先生であったり、校長先生であったり、それなりにいろいろな対応してきているわけでありますけれども、どうしていじめが無くならないのかということに対しての問題意識だったり悩みだったり、そういうものをお持ちの方が多いと思いますので、しっかりと共有をしていくと。指導するという形ではなくて、一緒になって取り組むと。そして学校現場で対応できないところは、教育委員会なり、知事部局でサポートしていくと。そういうメッセージをしっかりと出して具体的な取り組みを行っていくことが重要だと思っています。
信濃毎日新聞 小坂真紀 氏
ありがとうございます。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
先ほどの自衛官の配置のことなんですけれども、どういう問題意識を持って、どういうことを期待して、配置をするということなのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
この場でも何回かお話をさせていただいているかと思いますが、長野県でも、いざ大規模災害が起きるということになれば、当然自衛隊に災害派遣の要請をするということになるわけであります。要請をさせていただくのは私の責任と判断になるわけでありますけれども、やはり平素から自衛隊との連携、協力というものは、これは確実にしておくということがひとつ重要だと思っています。それから自衛隊は常に災害訓練を始めとして、訓練を繰り返し行ってきている組織であるわけでありますので、まさに防災体制を強化していくという上では、そうした災害時の対応訓練、そうしたものに対しての専門的な知見を有している方の力を借りるということは、大変重要だと考えています。そういう観点で今回、当面実務研修職員という形で受け入れをしていこうというものであります。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
2月以降は別形態での配置を検討中ということなんですけれども、これは最終的にいつまで配置するということが決まっているんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
個人の任期ではなくて、自衛官なり、自衛官OBについてですか。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
今度配置される方については2月以降いつまで配置されるのか。
長野県知事 阿部守一
それは、当面今回は実務研修職員として受け入れて、その後の判断になると思いますが、一定程度継続的に取り組んでいただけるような形にしていくことが必要だと思っています。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
それからごめんなさい。先日、国交省の方で、駒沢川と黒沢川の県営ダム計画2つを中止するということが決定されていましたが、このことの受け止めと県の今後の進め方についてのお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
ダムの建設については、環境変化の中で、県においてもいろいろな見直をしてきましたし、国においても順次見直しをしてきているわけであります。そのような中で、利水の問題であったり、治水の問題であったり、一定の目処がついたり、あるいは事業採算性等を勘案した上で、整理をしていくというのは時代の流れに即した形で、当然必要なことと思っています。これまで、長野県でもいろいろ議論が繰り返されてきた部分でもあるわけでありますけれども、これからも長野県としては、その時点、その時点においての必要性等を勘案しながら対応していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
ありがとうございました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
先ほどのいじめの関連で、学校に聞き取り調査する関係なんですが、これは教育委員会の方の人足と併せて、知事部局からも人足を出して、一緒にプロジェクトみたいにしてやっていくという意味ですか、やり方としては。
長野県知事 阿部守一
先ほども話したように、教育委員会とよく相談しなければいけないと思いますが、私の希望としては教育委員会部局だけではない、これを契機に、県議会でもいろいろご意見を出されたわけでありますけれども、例えば、不登校の問題であっても、教育委員会まかせではなくて、地域全体、知事部局も含めて、対応するべきではないかというご意見も、県議会等でも出て、私もまったく同様の思いを持っています。学校だけで全て解決してほしいという形になると、どうしても問題を抱え込みがちになるわけでありますので、地域全体あるいは関係する幅広い人たちで支えていく仕組みが必要だと思いますので、そういう観点で今回のいじめの問題についても、できるだけ知事部局も一緒になって考えて取り組んでいくという形にしていきたいと思いますし、でき得れば、これは行政だけではなくて、地域でいじめの問題とか子どもの支援、取り組まれているNPOの方たちもいるわけでありますので、そういう幅広い皆さんの知恵と力を結集できることが望ましいと私は考えております。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。今の体制のことにも関わるのですけれども、かつて長野県政は子どもの担当部署を教育委員会側に持っていって、またその後の組織改正で元に戻したという経緯を辿ったと思うんですけれど、いじめ問題や子どもに関する部署のあり方として、今は関わる部署が3部門くらいあると思うのですけれども、将来的に知事が組織の在り方について何か考えがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
子どもに関わる部局をどうするかというのは、いろいろな考え方あると思いますし、市町村等では、子ども部局の一元化の取り組みを行っているところが増えてきていると思っています。私は、子どもたちを、教育は教育の観点、福祉は福祉の観点、衛生は衛生の観点、そういう縦割りで所管するのではなくて、本当は一体的な形が望ましいと私も思っています。ただ、今、教育は教育委員会がつかさどらなければいけないと、知事会等でも教育委員会の選択性みたいな議論もされたりしていますけれども、今の現行法を前提にすれば、そういう形は許されないわけでありますので、今の現行制度を前提にすれば、一定程度権限が分散されてしまう形もやむを得ないのかなと。ただ、先ほど言ったように、昨日も教育委員会と健康福祉部と企画部で、私のところで集まって相談等をしていますので、そういう運用の中で、縦割りが無いように横の連携を十分に取って、進めていくような形をさらに取っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
あともう1点。先日、仮称ですが、子どもの権利条例等の制定等も視野に置いている会議の中間報告がありまして、その際、知事の方からは、いわゆる青少年育成条例の絡みで、検討を促すようなご発言があったと思います。これは子どもの権利条約からきた、子どもの権利を保障するための理念条例といいますか、そういった側面が強いのではないかと知事が公約を出された当時は理解していたのですが、ここにきて、知事が条例等に対する考え方というのは、権利保障というよりは権利の規制なりも検討対象としなければいけないということから、ああいう発言になったのか、真意が分からなかったのですけれども。
長野県知事 阿部守一
権利制限というのはどういうもの。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
例えば、青少年育成条例もいろいろあると思いますが、淫行処罰規定等の話が今回の一連の話の取っ掛かりにはなっているので、そういった趣旨での発言だとも取れたものですからお伺いしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
私の思っていることを整理してお話しすれば、一つは子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会で、今、子ども施策をどういう形で進めていくかという全体的な議論をしていただいているわけですけれども、それは子どもの権利条約等を含めた子どもの主体的な育ちをどう支えるかという視点に力点が置かれているわけであります。それと併せて、片方で青少年健全育成条例の、長野県は唯一条例を持っていないというところで、今後に向けてどうしていくかということは、われわれとしてよく考えなければいけないということで、次世代サポート課を中心に関係者の思いなり、お考えを今聞いているという状況があります。加えて、教員の不祥事が相次ぐ中で、教員の資質向上・教育制度のあり方を考える検討会、教育委員会を中心にわれわれも一緒になって取り組んでいこうということでやっているわけですけれども、何というか主たる部分は、全く同じではなく、違うわけですけれども、とはいえ相互に関係してくる部分が当然あるわけで、そこについて私としては、ここは教育委員会だから、ここは健康福祉部だから、ここは企画部だからということではなくて、要は隣でやっていることだからということではなくて、情報と問題意識をそれぞれ十分共有して取り組んでもらうということが必要だと思っています。そういう意味でこの間、子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会の喜多先生が、中間報告でお越しいただいた時に「条例化について有効な選択肢ではないか」という形でのご提案も、条例化について検討すべきではないかというご提案もあったわけですので、そういう形になると、青少年健全育成条例を長野県は持っていないわけですけれども、そうしたものとの関連性をどう考えていくのかということの整理は必要になってくると思っておりますし、それと併せて、私は青少年健全育成条例も、条例の是か非かというイデオロギー的な議論にするのではなくてですね、本当にいろいろな条項を各県作っていますけれども、本当にこれ今の時代に必要なのか必要じゃないのかということは、やはり精査をしていかなければならないという思いであります。そういう中で喜多先生には、そういう意味では、片方でそういう問題を長野県としては持っているということは念頭に置いた検討をしてもらうということが必要だということと、それから条例化についてのお話、法的基盤が必要だという中間とりまとめになっておりますので、私とすれば、法律を立法するときもそうですけれども、何が法律事項なのかということをかなり詰めるんですよね。要するに法律でやらなければいけない部分と法律によらなくてもよい部分。今回そういうご意見ご提言もあったので、条例でなければいけない部分というのは一体どういう部分であるのかということについては、さらによく検討していただいた上でご提案いただきたいという話をさせていただいたところです。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
今日午後1時から教員の資質向上・教育制度あり方検討会議の倫理向上専門部会が始まるということで、昨日も教員の処分もありましたし、相次ぐ教員の不祥事、また、いじめの問題も出てきている中で、知事としてはこの検討会議でですね、改めてどんな議論をされることを期待されるかということをお伺いしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
これは、本日は倫理向上の部分の委員会ではありますけれども、私は、繰り返しになりますが、不祥事をなくすと、これはもう最低ライン。より信頼され、期待される学校であったり先生になっていく、個々の先生は頑張っているわけですけれども全体としての信頼が下がってしまったということは否めないと思いますので、そういう前向きな方向での検討をぜひしっかり行ってもらいたいと思います。ただ前向きの検討ではあっても、これまでの具体的な事象ですとかですね、具体的な事例とかですね、そういうものを踏まえた、上滑りではない検討をぜひしていっていただきたいと考えています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
外部有識者ですとか、県民もこの検討会議に入ってくると思うのですが、そういった声というのはどのように期待していますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
さっきの教育委員会の話であったり、学校の話であったりいろいろあるわけですけれども、私は社会全体が子どもたちに対して温かいメッセージを出して一緒に取り組んで行く、支えていく、そういう仕組みが重要だと思っていますので、学校の先生がいけないとか学校が問題だとかいうことで終わらせてはいけないと、むしろ学校であったり先生方が抱えている問題、課題というのも、この際共有をしてですね、一緒になってそうした課題に取り組んで行く方向性の議論をしていっていただきたいと思いますし、そうすることが子どもたちのためにもなると思っています。
日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
前回、もしおっしゃっていたら恐縮なのですが、自衛官を配置することについて、去年の3月11日以降の震災を踏まえて、何か影響を受けてこれを配置するのかどうか。そこから、もしかしてそういうことがあるのであればこの配置によって期待されることを改めてお聞きしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
3.11の東日本大震災と栄村の震災は、私の中にも大きな影響を与えているところはありますから、そうしたものが全く関係がないというわけではないと思っています。ただ、3.11があってもなくても、やはり自衛隊との連携協力というは必要な部分で、かつ、大規模災害になればなるほど極めて重要な部分だと考えていますので、そうした中で今回自衛官を当面研修という形で受け入れるということにしたわけであります。大規模な災害が、いつ発生するか分からないわけでありますので、自衛隊の皆さんとの協力関係、平素からより緊密にしていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
冒頭で明日から始まるオリンピックのことについてもお話しいただきましたが、県内で期待される選手であるとか、特に皆さんで注目していきたいと思われることがありましたらお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
誰ということではなくて、皆さんに活躍をしていただきたいというのが私の期待でありますが、私が山口国体に応援に行ったときに、たまたま私が観戦をさせていただいているときに競歩の競技があって、藤澤勇さんが優勝という形で、私にとっては、国体に行って非常にインパクトを受けた選手でありますので、ぜひオリンピックでも活躍してもらいたいなと思います。もとより、他の選手もこれまでの活躍、取り組みの成果を遺憾なく発揮をして、大きな期待で大変なプレッシャーだと思いますけれども、持てる能力を存分に発揮をしてもらいたいと思っています。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
自衛官の配置の件で、この吉原さんの業務隊長というのはどんなお仕事をされた方ですか。年齢も分かれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
危機管理部の方から具体的にご説明をしてもらっていいですか。
危機管理部消防課企画幹兼課長補佐 中沢清
業務隊ということで、内部的なものといいますか、庶務的といいますか、そのような形のことをやられているということでございます。年齢でございますが、現在54歳ということでございます。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
それと、観光戦略アドバイザーの件で、このアドバイザーの方々というのは、報酬はあるのですか。
長野県知事 阿部守一
アドバイザーの皆さんについては基本的には行事等にご参加いただいたり、ご提言をいただいてわれわれとお話しをしたり、その都度ということを基本とさせていただいておりますが、具体的な報酬の考え方については観光部の方から説明をさせていただきます。
観光部観光企画課長 浅井秋彦
県の規定に基づきまして、謝礼の方はお支払いする予定をしております。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
もう一点、アドバイザーの方々、他県との競争が激化している中での起用ということなのですけれども、4人の方って、例えば他の県のこういったアドバイザーですとか、審議会の委員さんを務めていらっしゃるとかというのは調べましたか。
観光部観光企画課長 浅井秋彦
例えばですね、溝畑さんは内閣府の参与さんですとか、いろいろな職に就いているということは承知しています。観光分野ですと、山田桂一郎さんは他県さんの観光振興アドバイザー的なことをやっているということを承知しております。以上です。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
分かりました、ありがとうございます。
中日新聞 妹尾聡太 氏
いじめの関係でいくつか伺います。先ほど学校に聞き取りをすると、出向いてなさるというようなお話でしたけれども、知事の今イメージというか、思い描いているところで結構なのですけれども、その対象というのが、どの辺り、小中学校とか、高校とか、特別支援とかそういうものまで含めるようなものなのか、それから聞き取るといったら、何を聞き取るのかですね、あるいは抽出するのか、全部を対象にするとか、そういった辺りを伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
これからよく詰めなければいけないし、教育委員会のお考えもあると思いますが、私は、まず全学校ですよね。特定の学校だけの問題ではなくて、やはりどこの学校でも起こり得る問題ということで受け止めていかなければいけないと思っています。どういう内容をということでありますが、先ほど全国的な調査にやや異論があるという感覚での発言を致しましたけれども、毎年いじめの実態調査やっているわけですよね、毎年いじめの実態調査をやって、確かに認知件数は何件だということは把握はしてきています。けれども、一件一件の対応というのは、私はいろいろな形があると思っていますので、そうした初めからフォーマットを決めて、より全国的な調査になれば、調査の仕方とか内容というのは、私は制約、限定がかかってこざるを得ないと、本当にきめ細かくですね、子どもたちの思いであったり、対処されている先生の思いだったり、あるいは全体を統括している校長先生の思いだったりというのは、なかなか紙ベースのやりとりでは伝わってきづらいという部分があると思います。なおかつ、学校の先生と話をすると「いろいろ調査物が多くて大変だ」というお話もある中で、さらにまた同じように調査をしていくということは、私は本当にこういう対策をする上で、この部分の調査が必要だから、先生の皆さん、教員の皆さんにぜひ協力してくれということであれば、必要な調査はもちろんあると思いますが、漠然と実態を把握する、毎年認知件数が膨大な量あるというのは分かっているわけですから、さらに同じような形で調査をするということよりは、むしろ個別にコミュニケーションをとる中で、画一的な話では私はないと思いますし、先ほど言ったように、学校の先生、現場の教員、校長、問題意識や悩み、それぞれあると思いますので、そういうものをやっぱり把握して、何というか指導する側、される側とかですね、命令する側、される側とか、そういう話ではなくて、県の教育委員会も知事部局も学校現場も一緒になって取り組んでいくよと、そういう形を作っていくということが重要だと思っています。
中日新聞 妹尾聡太 氏
そうすると各学校での、例えば、うまく解決した事例を集めるとかそういうことではないということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いや、もちろんいじめの問題について聞き取る中では、実は、うちはこういうケースがあったけれどもこういう対応とか、こういう人の連携とかそういう形で解決したよといういい事例も当然たくさんあると思いますので、そうしたものも広めていく。そして、たまたまこういう人たちがいたからとか、たまたまこういう教員がいたからとかいうことはそういうレベルは、これは学校の取り組みでいいわけでありますけれども、そうしたものを制度化するとかですね、そういう取り組みをしやすい環境をつくるとかですね、そうした取り組みを教育委員会なり私どもの方でしていくということが重要だと思っています。
中日新聞 妹尾聡太 氏
重ねてなんですけど、その対象全部っていうのはいわゆる公立の学校全部という意味なのかというのと、スケジュールがもしありましたら伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
これは公立の学校全部ということで私はイメージしていますけれども、私立学校に対してどういうアプローチが必要なのかというのは、また別途の考慮が必要だと思います。私は、私学は私学で独自の教育理念に基づいてですね、経営をされているわけでありますので、そういう中に行政がどこまで関わるというのがいいのかというのは、私は慎重に考える必要があるのかなと。今の公教育の行政の仕組みですと、どうしても権限と責任が何度も言いますけれど分散をしてます。私立学校の場合は、公立と比べれば、法律から見れば比較的そういう要素は少ないと思いますので、そういう部分で私は分けて考えていくということも必要ではないかと思っています。
中日新聞 妹尾聡太 氏
スケジュールみたいなものがもしあれば、特に今のところは。
長野県知事 阿部守一
何度も繰り返していますけれども、今申し上げているのは私の考え方、思いであります。これは教育委員会と相談をした上で、具体化をしていかなければいけないわけでありますので、場合によっては今私が申し上げたことに対して教育委員会としては違う考え方もあるいはあるかもしれませんので、そうした点をぶつけ合ってですね、子どもたちにとってどういう形がいいのかという思いは教育委員会も私も同じだと思いますので、ぜひいい形での取り組みを進めていきたいと思っています。
中日新聞 妹尾聡太 氏
それと、知事が先ほどいじめは絶対に許さないとかですね、どうしていじめがなくならないのかとかそういった発言をされていましたけれども、教育委員会で出している通知などでは、いじめっていうのはあるものだというようなのが前提にあったかと思うんですね。で、いじめは今この時点でも恐らくどこでもある話だと思うんですけれども、いじめというものを知事としてなくすべきだと考えているのかどうなのか、ちょっと改めて伺いたいのですが。
長野県知事 阿部守一
いじめという用語自体が本当にいじめというくくりだけでいいのかどうかということ自体よく考えなきゃいけないんじゃないかと思います。私も子どもの頃はいじめられたと言えばいじめられたこともあってですね、小学校のときから眼鏡かけてたんで昔は眼鏡をかけている子どもは少なかったので眼鏡とられて隠されたとかして、そういういじめといえばいじめ、私としては非常に悲しい思いをしたこともありますから、いじめだと思いますが、県で問題になっているいじめは自殺にまで追い込むあるいはある意味では犯罪であるということで、そうしたものとはかなり質的にも変わってきている部分があると思っています。そういう意味で、もちろん友達同士のけんかであったりとかですね、ささいな嫌がらせとかですね、非常にいじめというものに包含されている意味というのが、私は非常に広くなっているなと思っています。そういう意味で、ただこれはやっぱりいじめに起因して命を絶ったり、あるいはこれは学生の時だけではなくて、大人になっても心の傷を持っている子どももいるわけですから、そうした者に対しては、これは本格的になくしていく、それはもう人権問題でもあると私は思いますので、そういう強いメッセージを出していくということが必要だと思います。もとよりけんかとかそういうレベルを全部なくすということは、これは現実的でもないですし、人間の社会は多様な子どもたちで成り立っているわけでありますから、全員が全員同じ考え方であったり、同じ行動だったり、みんなが仲良く全く同じ行動をとるグループであったりすることはないわけでありますので、そういう部分のいざこざとかはですね、これはなくすべきだとは逆に思わない部分も私はあります。多様な子どもたちがいてこそ、学校の良さというものがあると思いますけれども、とはいえ今のいじめ問題というか、これはもう非常に悪質、犯罪につながるという部分もあるわけでありますので、そうした観点はもう断固として見逃さないと、大人全体で支えていくと、そういうことが必要だと思っています。
中日新聞 妹尾聡太 氏
ありがとうございました。
毎日新聞 小田中大 氏
1点だけお伺いしたいのですが、先ほどの権利条例の関連でなんですけれども、長野県に青少年保護育成条例がないということで、今年度かなり議論というか、発端になって県議会でも議論があったわけなんですけれども、先日その仕組みを喜多先生の方に、中間取りまとめの際に、他県との違いなども検討してほしいということのお話があったのですけれども、他方で次世代サポートの方では、現状はどうなっているのかという聞き取り調査をされたりとかあるのですが、例えば知事の方で、今後本格的に検討するにあたって、例えば通常だと青少年問題協議会、他県の場合ですね、などに諮問をかけてきちんと是非を検討するということがあると思うのですけれども、現時点でそのようなお考えがあるのかどうかというのを伺いたいのですが。その知事の中でどういう検討をしていきたいのかという流れをお伺いしたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
まず、健全育成の話は、現場で子どもたちに関わっている皆さんの意見を聞くという作業から始めようということで、次世代サポート課を中心にやってもらっているところですので、いろいろな方のご意見、さまざまなご意見があるかと思いますけれども、そうしたものを把握した上で、どういう対応が必要なのかということを考えていくことが重要だと思っています。ちょっと混同されている形になってしまって、ちょっと私の説明が良くないのかもしれませんけれども、子どもの育ちの検討は、これは青少年健全育成というものとは違う流れで、ずっと検討されてきているわけであります。ただ先ほども言った、教育委員会の不祥事に起因する検討会であるとか、あるいは青少年健全育成の話は、子どもたちの育ちを支えるという上で、全く関係がないわけではないのでですね、やはり同じ県の組織の中で検討がされている以上ですね、そういうものをやはりお互い情報共有しながら、進めていくようなことをぜひ行ってもらうということが必要だと思っていますし、県庁内の各部局の中では情報共有をしっかりしながら進めていくようにしたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
はい、ありがとうございました。
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