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更新日:2016年12月25日
■県教育委員会「こどもの権利支援センター」で特設いじめ相談電話週間を実施します(PDF形式:196KB)
■国の施策並びに予算に対する提案・要望を行います(PDF形式:81KB)
■信州ブランドフォーラム2012&信州ブランドシンポジウムを開催します!(PDF形式:508KB)
長野県知事 阿部守一
おはようございます。1月11日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは4点お話を申し上げたいと思います。
まず1点目、いじめの関係でございますが、いじめを見逃さない長野県を作っていきたいということで、民間の皆さんとも一緒にネットワークづくり等を今行ってきているわけでございますけれども、今般「特設いじめ相談電話週間」という取り組みを実施してまいります。いじめで悩んでいる子どもたち、あるいは保護者の皆さんが抱えている問題の早期の解消を目指して、この時期冬休み明けということで、子どもたちの人間関係に変化が生じやすい時期でもありますので、いじめ相談電話週間を特設という形で実施をしてまいります。1月15日(火曜日)から28日(月曜日)まで、土日も含めて対応してまいります。ここの場でも、ご質問、ご意見あったわけでありますけれども、今回児童生徒専用の無料相談電話(フリーアクセス)を2回線設置して、電話代がかからずに、子どもたちからの相談に対応したいと考えています。また、こどもの権利支援センターの機能強化ということで、1月4日から子どもたちのいじめに関する悩みを丁寧にお伺いするという観点で、民間での相談経験をお持ちの相談員の方を新しく2人配置をさせていただいています。お一人の方は、民間の子どもの電話相談に関する研修を受講され、悩みを持つ子どもたちの気持ちに寄り添って、関わってこられた方でございます。またもう一人の相談員の方は、地域で子どもへの暴力防止に関するワークショップの開催等に携わられるとともに、どの子どもも安心して自信を持って成長してほしいと、そうした強い願いを抱きながら子どもたちと関わっていらっしゃった方であります。この相談員二人の方が、教育委員会の担当指導主事と一緒になって、子どものいじめ等に関する悩みを丁寧にお受けしていきたいと。子どもたちの悩み、保護者の皆さんの問題解決に結び付くように取り組んでいきたいと考えています。
それから2点目でございますが、先般プレスリリースさせていただいているかと思いますが、「地域おこし協力隊員との意見交換会」を来週16日に行います。南信地域で活動されている地域おこし協力隊の隊員の皆さんと、「地域おこし協力隊員から見た自分が暮らす地域の魅力と可能性」をテーマにして、飯田合同庁舎で開催致します。現在14町村で49人の隊員に活躍をしていただいているわけであります。大都市圏から一定期間移り住んでいただいて、地域おこしの活動、あるいは農林業の支援、住民の皆さんの生活支援、そうしたことで取り組んでいただいているわけであります。テレビの連続ドラマでも取り上げられているわけでありますけれども、ぜひ率直なですね、そうした皆さんの思いを私も伺いたいなと思っておりますし、長野県としても、隊員同士の交流会、あるいは、市町村にも直接要請して積極的な地域おこし協力隊の導入ということで、取り組んできているわけであります。長野県のそれぞれの地域がより一層元気になるように、地域おこし協力隊の皆さんの考えとか思いも聴かせてもらいながら、また、私の考えも彼らに伝えながらですね、いい意見交換にしていきたいと思っています。私も半ば外部の視点で、長野県を見てきたところもありますけれども、少し、私自身もどっぷりと長野県に漬かっているので、地域おこし協力隊の皆さんの、ある意味で新鮮な目で見たですね、長野県それぞれの地域の状況を教えてもらえればありがたいなと思っています。
それから大きな3点目でありますけれども、来年度の国の予算、総選挙の関係で通常よりスケジュールが後ろ倒しになっているわけでありますけれども、25年度の国の施策予算に対する提案要望、1月17日、そしてその翌週の23日、2日間にわたりまして、関係省庁等に出向いて、提案・要望を行っていきたいと考えています。詳細な日程については、現在調整中でありますので、決定した時点で、また皆さんにお知らせをしたいと思っています。経済雇用対策、あるいは社会資本の整備、とりわけ維持管理の充実といった課題、これは当面の喫緊の課題でありますが、そうした要請に加えて、持続可能な地方財政制度の確立等、中長期的な課題も含めて対応を求めていきたいと考えております。また、生活困窮者の支援策の充実強化ということについても求めていきたいと考えています。ぜひ、地方の声、実情というものを、ぜひ、関係省庁あるいは県関係の国会議員の皆さんにおくみ取りをいただいて、地方が元気になるですね、予算あるいは施策の構築をしていっていただくように働き掛けていきたいと思います。
それから、最後4番目でありますけれども「信州ブランドフォーラム2012&信州ブランドシンポジウム」の開催ということでございます。昨年から信州ブランド戦略の検討を行ってきているわけであります。年度内に策定をするべく進めているわけでありますが、広く県民の皆さま方にこの信州ブランドというものに対して関心を持っていただいて、ぜひ一緒になって取り組んでいただかなければいけない、参加意識を持っていただこうということで、1月18日に信州ブランドシンポジウムを開催致します。信州ブランドフォーラムというものをこれまでやっておりますが、この8回目の信州ブランドフォーラムと併せて実施をしてまいります。トークセッションにおきましては、玉村豊男さん、それからフリーパーソナリティの武田徹さん、長野経済研究所の小澤吉則さん、そして私、4人がパネリストになるわけでありますし、またそれぞれの分野でご活躍の皆さんにもご参加いただいて、信州らしさとは何か、ブランド作りで最も重要な視点でありますけれども、このことについて考え、語り合っていきたいと考えております。また、ご講演をいただく岡康道さん、お招きをしたいと思っておりますけれども、NTTドコモ、あるいは、サッポロビールなど数々の企業ブランドキャンペーンを手掛けていらっしゃる方であります。日本のトップCMプランナーでございます。岡康道さんからは、「ブランドをつくる広告~いくつかのトライアル~」と題したご講演をしていただく予定になっております。昨年は、自然エネルギー元年ということで申し上げてきましたけれども、今年はぜひ信州ブランド元年という形にしていきたいなと思っておりますので、ぜひこのブランド元年の幕開けを飾るイベントとしてぜひ大勢の県民の皆さんに会場にお越しいただきたいと思いますし、またメディアの皆さんにもこの信州ブランド、これを契機にですね、どんどん発信に努めてまいりますので、一層のご協力をいただければありがたいと思っております。私の方からは以上でございます。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
先ほど、安倍総理が国の緊急経済対策、閣議決定しまして発表されましたが、史上最大の額ということで、知事は評価としてはいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
中身を私見ていないですけれど、どういう中身になっているんですかね。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
一応、柱が「復興・防災」というのと「成長による富の創出」「暮らしの安心」「地域活性化」というところで、耐震関係とか防災対策の辺りにも力を入れるというようなところになっています。
長野県知事 阿部守一
詳細を見て評価をしなければいけないと思いますけれども、これまで、今の経済雇用環境の中で、私も政府に対してぜひしっかりした経済対策を行ってほしいということで求めてきておりますので、そういう観点で国として財政的な裏打ちのもとで、しっかりとした補正予算を組んだ上での経済対策を行っていただけるということは、大変ありがたいことだと思っています。国のメニューをできるだけ地域の経済にプラスに役立つように生かしていくのが、われわれの責任でもありますので、情報をしっかりと取ってですね、適切に対応していきたいと思いますし、経済対策は財政的な部分だけではなくて、金融政策、成長戦略、そうしたものと相まって効果を発揮していくべきものと考えておりますので、そうした全体の経済戦略、経済政策についても引き続きしっかりと国において対応していっていただきたいと考えています。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
防災面なども掲げられていますが、この経済対策で県の課題も含めてどういったところに知事は力を入れてほしいとお考えでしょうか。特に具体的に言うと。
長野県知事 阿部守一
これはちょっと私、国のメニューをまだよく見ていないので、しっかりとした評価は今の時点ではできませんけれども、いずれにしても長野県においても社会資本の整備、あるいは防災・減災対策ということは、これはまだまだやらなければいけない事業があるわけでありますから、そうした部分に対してしっかりとした措置をしていただけているということであれば、これはありがたいなと思っております。長野県の財政もそうでありますけれども、他方で財政の健全化ということも中長期的には求められているわけでありますから、そうしたものとのバランスを考えたときには、本当に今必要な事業、それから次の時代の成長へとつながる分野、そうしたものに対してしっかりと財政資源を配分してもらいたいと思っております。
日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
大阪市で市立の高校に通っていた高校生が、体罰を受けて自殺するという事件が起こっておりますが、それについての知事の受け止めと昨日も県教委の会見でもお話あったんですけれども、県としてどのような対策をお考えであるかという2点お伺いできますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。まず、学校の中で、いじめであったり、体罰であったり、そういう問題が後を絶たない状況であるということは、非常に憂慮すべき状況だと思います。長野県でも、いろいろ課題が、教育をめぐってあるわけでありますので、昨日も教育委員会の皆さんとも懇談をさせていただきましたけれども、教育、学校現場の本当に頑張っている先生方もいる半面、不祥事が起きたり、問題が起きたりということがあるわけでありますので、そうした要因は何なのか、なぜそういうことが放置されてきてしまっているのかということをしっかり見極めて対応していかなければいけないと思います。長野県も今、「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」で、学校の在り方、教育制度の在り方を検討しているわけでありますから、そうした中で、大阪で起きたことを大阪の問題だということにするのではなくて、長野県においてもしっかりと、他山の石として生かしていかなければいけないと思います。教育委員会においては、体罰があってはならないということを再度徹底するという考え方であると聞いていますので、ぜひこれは、さまざまな課題がありますが、教育委員会においてしっかり対応していってもらいたいと思います。
日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
例えば、県下の学校に調査をするとか、そういったことっていうのはお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは、まず教育委員が主体的に考えていただく必要があると思いますので、この会見は教育委員会も聞いていると思いますので、私の方からも伝えたいと思いますが、教育委員会の責任と判断を最大限活用してですね、これは、子どもたちのために教育委員になっていただいているわけですから、しっかりと対応していただきたいと思います。
共同通信 小田智博 氏
知事が以前ですね、民主党政権で評価できるところもあるとした、ひも付き補助金の一括交付金化の件で、国が見直す方向で検討することを考えているというようなことが各紙で報道されていますが、そのことについて知事の考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
はい。一括交付金の話は、これまでの縦割りの枠組みを超えて活用できるということで、私は評価しています。ただ、事務手続きの煩雑性とか課題ももちろんあるわけですけれども、従来の各省縦割りの、ある意味で硬直的なものから比べると進化をした形だったと思っています。見直しの議論も、報道では私、承知していますけれども、どういう形で、本当に全く昔の状況に戻すのかどうかというのはよく分かりませんけれども、少なくとも大きな方向性としてはですね、地方の自由度を高める、分権を進める、そうした方向の中で国の補助金の在り方も、ぜひ新しい政権においても考えていってもらいたいと思っています。
読売新聞 中村和裕 氏
以前から議論されている富士山の入山料について、今年に入って静岡県知事がまた改めて導入の検討方針を示して、また山梨県知事もそれに賛成を表明して近く協議が始まるとのことです。この動きについて、山の費用負担を検討している長野県としてはどのように受け止めているか、知事のお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
どのように受け止めているかというか、それは富士山の問題は山梨県、静岡県の問題だと思いますけれども、山全体の資源、自然環境であったり、景観であったり、そうしたものを持続可能な形で守っていく上でどうするかということに関しては、共通する視点もあると思うのでですね、今税制研究会においても検討してもらっているわけでありますので、そうした点は大いに参考にさせていただける部分があると思います。ただ長野県の場合、富士山のような一つの単体の山があって、そこをどうしようということよりは、もう少しですね、範囲が広い話になりますので、富士山の議論と全く同じような議論ではないだろうなとは思っています。
読売新聞 中村和裕 氏
こうした動きの中で、隣県との連携については、知事はどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、まず私どもの方で一定の検討をしていかなければいけないわけでありますけれども、費用負担の在り方についての手法次第では、長野県単独ではなくて隣県と相談しながら進めていかなければいけない場合もあると思いますし、どういう負担の在り方が望ましいかということをわれわれがまずしっかり持った上で、その先、これ全国的な形で制度設計していただくのが望ましいのか、あるいは長野県単独でもいいのか、あるいは隣県との協調でやるべきなのか、そうしたことを判断していく必要があると思います。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
大阪の体罰の話にちょっと戻るんですが、あり方検討会でも罰則の強化ですとか、教員同士の風通しとかの課題は挙がっているんですけれども、今回の件を見られて、知事として今回の課題とかですね、考えられる対策とか、何かあればと思うんですが。
長野県知事 阿部守一
そうですね、私はかつて横浜市でコンプライアンスの担当をしていたんですけれども、その時に、何というか、虫の問題とカビの問題というかですね、虫とカビ、組織にいろいろな課題があるときに、そこに虫がいますという問題と、カビが生えていますと、両方望ましくない話であるわけですけれども。その虫がいるっていうのは、虫を取れば健全な形になるんですけれども、カビはなかなか取れない。一つの点として問題が存在しているわけではないわけで、組織のコンプライアンスを考える時に、いろんな問題が起きた時に、どっちの形の問題であるのかというのを考えなければいけないということを常に意識していましたけども、いじめの問題であったり、体罰の問題というのは、私から見ていると、どちらかというと、やはりカビの問題、要するに組織の風通しの問題とかですね、組織風土の問題だと感じています。ですから、個々の先生方がいくら頑張ってもですね、個々の教員にいくら研修をしてもですね、たぶんそれだけで無くなっていく問題ではないんではないかなと思っています。そういう意味で、虫の問題より実はカビの問題を改善する方が難しい課題であると思います。長野県においても教員の不祥事が昨年は相次いでしまったわけでありますので、しっかりとですね、現場で頑張っている先生方のモチベーションをしっかりと高める工夫をしながらも、とはいえ今の職場の風土が今のままでいいのかどうかということを、しっかり検証していくことが重要だと思っています。
信濃毎日新聞 山越悌冶 氏
最初の話に戻ってしまうんですけれども、国の緊急経済対策の関連で、先ほど知事は財政の健全化が他方で求められるとおっしゃったと思うんですが、もうちょっと踏み込んで、例えば今回の20兆という事業の規模だとかですね、国債の発行が増えるだとか、そういったことに対する懸念とか、不安とかがもしありましたらお願いしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
私は、まず中長期的には財政健全化をしていくということは、政府全体で取り組んでもらう話だと、地方の財政健全化を含めてでありますけれども。ただ、今の局面で、どっちを重視するべきかといったら、やはり私は経済対策を、これは政府として本気で取り組んでいるなという姿勢をまずしっかり打ち出すということが大事だろうと思っておりますので、今の段階で財政が悪化するから問題ではないかと受け止めては全くいません。そういう意味では、政府においても、そこのところは今の経済情勢・雇用環境に鑑みての対応、あるいは消費税導入を控えての対応ということで、考えていると思いますので、短期的な対応と中長期的な対応というのは、一定程度分けて考えることが重要ではないかなと思います。
信濃毎日新聞 山越悌治 氏
規模については、若干金額が先行しているとか、そういった観はないでしょうかね。
長野県知事 阿部守一
さっきも言ったように、まだ事業の中身を十分見ていないので、何ともそこのところはコメントできませんけれども、年末にも経済対策の要請を、県関係の国会議員の皆さんにもさせていただきましたが、そのときに私からお願いした方向性というのは、やはり、公共事業でも、例えば景観形成、電線の地中化とかですね、電線の地中化で景観形成をすることによって、観光客を呼び込めるようなものにつなげるとかですね、まず次のステップにつながるような事業をできるだけ重点的に考えてほしいということと、笹子トンネルの事故もありましたけれども、社会資本全体が老朽化しつつあります。長野県でも長寿命化計画を作って、いろいろな施設の長寿命化の取り組みを進めているところでありますが、かつてと違って新しくものをどんどん作るというよりは、維持補修、維持管理、そうしたところに地域のニーズは高まっている部分がありますから、そうした部分に対しての財政措置ということもしっかり考えていただきたいという趣旨のことを求めてきておりますので、まだ補正予算の中身を見ていませんけれども、そういうことになっていっていれば、大いに評価したいと思いますが、その辺がまだ必ずしも十分でなければ、ぜひ国においては、そういう部分にこれからも引き続き配慮してもらいたいと思っております。
信濃毎日新聞 山越悌治 氏
来年度予算の絡みで、今まで知事が県政運営で基本的な方針として執られてきた県債発行抑制だとか、そういったことの方針に影響があるとか方針が転換するとかということがあり得るのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
長野県としては、当初予算の県債発行の枠組みは作っているわけですけれども、今経済情勢が厳しい中で、毎度の補正はその枠とは別の考え方でしっかり対応していこうということで取り組んできています。そういう観点で、その考え方は今後も基本的に同じ形になると思います。今回の国の補正に対しても県としてはしっかりと対応していくスタンスで取り組んでいきたいと思っております。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
たびたび同様のことを聞いて恐縮なんですが、自民党の方はですね、知事がこれまで慎重な姿勢を示してらっしゃる道州制の基本法案を通常国会に提出する構えを見せているということなんですけれども、この受け止めをお願いします。
長野県知事 阿部守一
そうですね、道州制、ちょっと今どこまでどういう検討になっているのか、十分承知をしていませんけれども、報道を見る限りでは、そうした方向で議論されているということのようですが、これは道州制を進めていこうという考え方の皆さん、やっぱり国の形を変えていかなきゃいけないという発想で、そして競争力を高めていく上でも、今の中央都道府県の枠組みとは違った形にしていかなきゃいけないという問題意識が強いのだろうと思っていますが、この場でも申し上げますが、私はその問題意識に対応するのが本当に道州制なのかというのは、慎重に考えてもらわなければいけないと思っています。首都圏、例えば一都3県首長同士、政令市も含めて議論して、共通のテーマで議論する機会多かったわけです。私も横浜におりましたから、例えば首都圏は共通の課題が多いわけですよね。交通の問題、例えば羽田空港にしても、あるいは東京都の問題だけではなくて、横浜市、川崎市も財政的な負担をしてきているわけでありますから、そういう意味では東京首都圏であるとか、関西圏というのは、今の自治体の枠組み自体が狭すぎるんじゃないかというのは当然ある議論だと思いますので、そのこと自体は、私は全く否定しませんし、むしろ広域化すべきだと思っています。逆に私今、長野県の知事で、全くそういう問題はないですよね。まあ、全くというと言い過ぎかもしれませんが、観光で協力しようとか、そういうことはありますけれども、羽田空港共通の課題としてどうするかと、あるいは東京港と横浜港をどうやって連携させていくか、同じ東京湾の中の港がですね、それぞれの自治体がやっているなんて私は非常に効率が悪いと、そういう問題があるわけで、大阪の橋下元知事も恐らくそういう思いでですね、大阪都構想、あるいは道州制という発言をしてきているんだと思いますが、それと長野県の置かれている状況は、皆さんもご承知の通り全く違う状況ですから、日本全国が一律に道州制をすることが、道州制を進めていこうと考えていらっしゃる皆さんの問題に対する唯一の解なのかということをぜひ考えてもらいたいと、私はそうではないんじゃないかと思っていますので、この点については、また機会があれば長野県としての考え方を国に対して伝えていく必要があるのかなと思っています。
信濃毎日新聞 須田充登 氏
何か具体的に今活動の取り組みとして予定しているものってありますか。
長野県知事 阿部守一
これはまず道州制に対して全国知事会としてどう対応するかっていうところは出てくると思うんですよね。知事会の中でも意見がさまざまあるわけでありますから、これは何ていうか、一直線にですね、道州制に向かって行くというようなことは、私はあってはならないと思うし、なかなかそういうふうにもなりにくい環境ではないかと思いますが、やっぱりこれは国民の思いと違うところで議論が進められてはいけないと思っていますので、さっきも言いましたように、これは知事会がどう対応するかということもありますが、私もですね、国に対していろいろ要望をする際に、道州制の話も折に触れて、長野県としての問題意識、あるいは知事としての、私のですね、地方行政にずっと携わってきていますから、そうした観点で見た時の考えというものは伝えていきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
はい、どうもありがとうございました。
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