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更新日:2016年12月25日
■“いじめを見逃さない長野県”をめざす共同メッセージ 他(PDF形式:161KB)
長野県知事 阿部守一
大変お待たせを致しました。今から、いじめに対する長野県と致しましての対応についての教育委員会と知事部局一緒になっての会見を始めさせていただきます。
まず、皆さまのところに資料をお配りさせていただきましたが、私、知事の名前と、矢﨑教育委員長との連名で子どもたち、そして県民の皆さまへのメッセージを作らせていただきましたので、子どもたちへのメッセージを私から読み上げさせていただきたいと思います。
長野県のすべての子どもたちへ
“いじめを見逃さない長野県”をめざす共同メッセージ 長野県知事 阿部守一、長野県教育委員会委員長 矢﨑和広
長野県に住んでいるすべての子どもたちに伝えたいことがあります。
私たちは長野県からいじめをなくしたいと本気で考えています。いじめられている子どもがいたら、全力でその子を守りたいと思っています。
いままで、私たちおとなは、いじめられた子どもたち、いじめてしまった子どもたち、いじめを訴えてきた子どもたちの声や気持ちを、十分に受けとめきれなかったことがあったかもしれません。
いじめられるのは、その子が悪いからではありません。いじめられていい人なんて誰一人いません。私たちは、いじめを絶対に見逃してはいけないと思っています。
いじめをなくすためには、みなさんの協力がどうしても必要です。
あなたが、いじめを見かけたら、また自分がいじめを受けたら、勇気を出して、できるだけ早く、誰か身近なおとなに相談してください。
あなたの声をちゃんと聴くことができるように、私たちは、これから一生懸命に努力します。
自分のつらい気持ちをわかってくれるおとなが見つかるまで、絶対にあきらめないでください。あなたが困っている時に、必ず助けてくれるおとながいるということを、どうか信じてください。
みなさんが直接相談できる電話を用意して待っています。どんなことでもかまわないので勇気を出して電話してください。
緊急いじめ相談電話 こどもの権利支援センター 026-235-7458
夜間は、24時間いじめ相談電話 0570-078310
大人に対するメッセージについては配布資料のとおりでございますので、お目通しを願えればと思います。
着席をさせていただきます。
2枚おめくりいただきまして、その後ろに長野県における「いじめ根絶」に向けた緊急対応策ということで、当面の対応ということで3点まとめさせていただいております。
まずは1点目が、今、読み上げさせていただいたメッセージでございます。知事そして、教育委員長連名、これは知事部局と教育委員会が一緒に力を合わせていじめの根絶に向けて取り組んでいくという強い決意をお示しして、具体的な取り組みをしていきたいと思っております。また、こうした思いをぜひ、県民の皆さまに広く共有していただきたいと考えています。
そうした中での具体的な対応として、2点目でございますけれども、私どもは、教育委員会だけでなく、知事部局の職員も一緒になって、まずは学校に出向いていって、学校現場の声を直接お伺いしていこうと思っております。また、緊急いじめ相談ということで、子どもたちまたは県民の皆さまからさまざまな相談、これは具体的な相談があるかもしれません。あるいは、一般的な対応についてのご意見があるかもしれません。そうしたものに対して、しっかりと耳を傾けて、これからの具体的な対応、そして、教育制度の検討会議、まさにスタートさせていただいているわけでございますけれど、そうした制度的な検討も含めて、本気でいじめをなくす取り組みを進めていきたいと思っております。これは、学校現場にすべてですね、小・中・高、そして特別支援学校に出向いていくということは、なおかつ教育委員会だけでなく知事部局とが一緒になって取り組むということはこれまでなかったケースだと考えております。8月上旬から9月にかけまして、各学校にお伺いをして、まずは各学校の状況を十分把握をして、その上でいじめの解決に困難さをもっている学校、悩みを抱えている学校、そういう学校の校長、先生の皆さんと、われわれも情報共有して、思いを共有していきたいと思っております。また逆にさまざまな学校現場の良い事例、成功事例、そういったことについてもしっかりとお話を伺っていきたいと考えています。さらに必要に応じて、学校の先生だけではなくて、場合によっては子どもたち、私も教育のタウンミーティングを何度も繰り返させていただく中で、参加している子どもたちからもいじめについての思い、考えというものも聞かせていただいたこともあります。そういう観点で、子どもたち自らも問題意識を持っているわけですから、必要に応じて、児童生徒、あるいは保護者の皆さんの声もお聞きする中で、学校と協力をしていじめの解決に立ち向かっていきたいと、対応していきたいと考えております。また、県の教育委員会、市町村の教育委員会、特に義務教育の関係は権限が分かれている部分もあるわけでありまして、この機会に学校現場から見たときの教育行政の課題とか問題点、そうしたものもお伺いをしたいと考えています それから、裏面の(2)でありますが、緊急いじめ相談を実施致したいと考えています。8月8日、明日から22日までの間、2週間ですけれども、緊急いじめ相談ということで、対応を致したいと考えています。こどもの権利支援センターで子どもたち、あるいは保護者、関係者の皆さま方の声を丁寧にお受けしたいと考えています。通常のこどもの権利支援センターは2回線で対応しておりますが、3回線増設して5回線で受け付けをしたいと考えておりますし、また、義務教育課・高校教育課・特別支援教育課それぞれのいじめ担当の指導主事が責任を持って、個別具体的な相談にも一体で対応していきたいと考えています。今回、土日もはさみますが、土日も含めて8時30分~18時00分まで対応して、さまざまな具体的な事例への対応、そしてさまざまご意見・ご提言を頂戴したいと考えています。
それから大きな3点目でございますが、先ほど読み上げさせていただきました、共同メッセージへの賛同者を広く募って、県民運動としていじめを見逃さないと、いじめをなくす取り組みを進めていきたいと考えています。ホームページで賛同者、賛同いただける方につきましては名称、お名前をご紹介させていただきたいと思っておりますし、ご賛同いただける方にはぜひ、それぞれのホームページ等でですね、私どものメッセージを広めていただきたいと思いますし、また各地域で今でもいじめ防止に向けた活動をされていらっしゃる皆さんがいらっしゃいます。そうした皆さま方とも一緒になって、この県民運動で取り組んでいきたいと考えています。そうした観点で今回の賛同者をまず募る、そして県民の皆さま方から具体的な問題提起・ご提案をいただくと。さらにはそこに記載してございます通り、多くの皆さま方、関係機関と連携して、いじめの県民会議、これはまだ仮称でありますけれども、今日は教育委員会と私の共同会見ということでありますが、やはり子どもたちを守るのは地域社会であったり、あるいは大人全体の責任であるわけでありますので、広く県民の皆さまと一緒になって、このいじめをなくす取り組みを進めていきたいと考えています。どうかメディアの皆さま方にはこの共同メッセージを広めていただきますとともに、ぜひ長野県としてのいじめをなくす、根絶に向けての取り組みについて今後ともさまざまな機会を捉えて県民の皆さま方にお伝えいただければありがたいと考えています。
これまでも、例えばこの会見場でもこどもの権利支援センターの課題をお話させていただいたこともございます。とかく伝言ゲームになりがちな部分が、これ教育行政の教育委員会が悪いとか学校が悪いとかそういうことではなくて、教育委員会制度の仕組み上ですね、県の教育委員会と市町村の教育委員会が義務教育の場合は権限の責任を分担し合っていると。そしてその先に県から見た場合には学校があるということで、非常に複雑な制度になっています。今回のいじめの対応につきましては、先程申し上げましたように、県の教育委員会の人間、知事部局の人間が直接ですね、学校現場に伺うと。もう間に人を介してですね、あるいは文章のやり取りをしてということではなくて、顔と顔を、膝と膝を交えて学校現場の問題意識、現場の課題というものを共有していきたいと思っておりますし、いじめ相談にあたりましても、こどもの権利支援センターがただお話をお伺いするということだけではなくて、具体的な解決に向けたアクションをしっかり起こしていく取り組みにしてまいります。
長野県のいじめの件数は大きな方向性としては、発生件数は減少傾向にあるわけでありますけれども、昨年度も1000件を超える認知件数があるということで、いじめに悩んでいる子どもたち、大勢いらっしゃるわけでありますので、ぜひこれは県と教育委員会は本気で力を合わせて取り組みますので、ぜひ大勢の県民の皆さま方にご賛同いただければと思っております。よろしくお願い致します。
長野県教育長 山口利幸
私の方からも一言申し上げたいと思います。
今回の知事と教育委員長の連名で共同メッセージという運び、そのメッセージを具体化すべく、知事からご説明をいただきましたけれど、具体的な行動をお示ししたわけでございます。私はですね、このいじめの問題は、一時的には学校のありようの問題として、一番学校の教育関係者が真剣に立ち向かわなければならない課題ではございますけれども、ただ全国を含めてさまざまな具体的ケース、特に、非常に重要な事案に発展するものをみますと、学校だけではなくて地域を巻き込んだ、あるいはさまざまな志のある方の支えの中で解決していかなくてはいけない。学校をそういう形で地域に、また、関係者の方に広く開くという言い方もできますけれども、そういう方の中でしか解決されないんじゃないかという思いがありました。そういった面で、知事と教育委員長の連名で共同の具体的な活動というようなことを設定できたことを転機といいますか、今までにない段階にこの問題を捉えていけるかなと思います。従いまして、こういう形で具体的なお話があったわけでございますけれども、実効性のある学校訪問であるとか支援センターの緊急電話の受け付けでありますとか、今持っているいじめ対策に厚みを加えるだとか修正を加えるだとか、もっと工夫する点が見えてくるんじゃないかと思っております。実効性が上がって学校現場にいじめというものがもし発生しても早期に発見して対応できる、あるいは、重大な事案に発展しない、あるいは、関係者の協力によって、あるいは生徒の自宅も含めて関係者によって、さらに学校が新しくよみがえるということを目指していく転機としなくてはいけないという思いであります。個別具体的には、知事の方から縷々(るる)ご説明がございましたので割愛させていただきます。以上であります。
信濃毎日新聞 小坂真紀 氏
知事に伺いたいんですけれども、今回初めて知事部局と教育委員会で共同していじめに取り組むということですが、教育委員会だけではなく知事部局も絡めて行うことのねらいをもう一度お願いします。
長野県知事 阿部守一
知事と教育委員会の権限の話は、いつも話題になりますが、教育長からも話していただいたように、いじめをなくすということは学校の中だけのことではなくて、広く地域社会で子どもたちを守っていくという取り組みが不可欠であります。そういう観点で教育委員会だけが取り組むというわけでなく、知事部局、私の立場は県民の立場を代表するものでありますので、私と教育委員会とそれぞれ協力し合って、また一体となって県全体としての強い決意を示しているということが重要であると思いますし、具体的な取り組みも先ほど申し上げたように県民会議、仮称ではありますけれども、設置をするなどして広く、学校関係者だけではなくて地域で子どもたちを支える活動をされている方々を巻き込んで取り組んでいくという観点で教育委員会と私の連名という形にさせていただきました。
中日新聞 小西数紀 氏
知事にお聞きしたいんですが、学校に個別の訪問されるということなんですが、知事部局のどういった方が行かれて、さらに学校現場でどういったレベルの方と、例えば校長先生ですとか、どういったイメージの訪問なのかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
学校の数が非常に多いですので、短期間に回るのは大変な部分もあります。教育委員会と次世代サポート課あるいはこども・家庭課の職員が訪問して、基本的に校長先生からお話を伺うことになろうかと思います。加えて必要があれば、先ほど申し上げたように、例えば生徒会の子どもであったり、担任の先生とかいろいろな形があると思います。あまり画一的にどこの学校にいっても同じことをやるということではなくて学校によって抱えている問題とか状況とかさまざまだと思いますので、そういう状況に応じて、ある意味で柔軟な対応をしていくということも必要であると思います。
中日新聞 森若奈 氏
いじめ相談の電話の件ですが、こちらは知事がおっしゃっていたように、昨年は1000件の認知件数があるということで、長野県でもかなりの件数があると思われるのですけれど、子どもと保護者から電話がかかってくるとして、かなりの件数が電話で寄せられるのかなと思いますが、全ての件数について、義務教育課か高校教育課か特別支援教育課のいずれかの主事の方がその案件について必ず目を通されるのか、それとも、相談の段階で深刻な事例ではないと判断されるとそこで止まってしまうのか。そこの所を教えていただきたいのと、あと相談を受けられる方はどんな資格を持った方なのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
まずですね、教育長から後補足をしてもらった方がいいこともあるかと思いますが、私が教育委員会にお願いしていることとしては、伝言ゲームにならないようにと、そういう意味で受け付けはこどもの権利支援センターで対応しますけれども、義務教育課、高校教育課、特別支援教育課、それぞれ関係する相談についてはしっかりとそれぞれの課で責任を持って把握をして対応してもらう。ただ、これまでのいじめの相談というのは、私が聞いている限り、比較的匿名でご連絡をいただくと。やはり、いろいろな個々の状況をつまびらかにお話ししにくいと、匿名で電話が寄せられることが多いわけで、そういうときはいろいろな課題を聞いてあげると、傾聴すると。そういうことで、それだけでも一定の効果はあると思います。ただ、今回、緊急いじめ相談ということでありますので、具体的な課題については県の教育委員会が受けるわけでありますから、具体的な解決に結び付けたい。匿名ではなく、個々のお話しをいただければ、いじめの解決に向けて、学校現場と一緒になって責任を持って取り組んでいくというのが第一です。ただ、大人の皆さんの電話とか子どもたちからの電話の中でも、直接いじめの当事者ではないけれども、もう少し、例えば、先生がこういうことをしてくれればよかったんじゃないかとか、いろいろ一般的なご提案とかご意見とかも出てくると思いますので、そうしたものについてはこれからのいじめに対する行政としての対応に役立てていきたいと思っています。
長野県教育長 山口利幸
私の方から申し上げる部分がございます。こどもの権利支援センターの相談受け付けですけれども、先ほど知事の方から長野県のいじめの認知件数が1,000件余とありましたけれども、その全てがここに来るわけではございません。ちょっと数字については担当が来ておりますのでお伝えしますけれども、だいたい年間70件から90件ぐらいの幅の中ですね。ただ、支援センターにかかってくる電話についてはですね、どうしても行きなずんでいる、あるいは壁にぶち当たっている、あるいはどうしても学校との間の理解が進まないとか、対応が進んでいかないというようなケースが多いわけですね。それで、知事が冒頭申し上げたように、教育委員会制度で、例えば義務関係の学校ですと基本的には具体的な市町村立の学校長、あるいはその所管の教育委員会というのが一義的にその問題に担当すべきでありますけれども、そこでらちが明かない、こう行きなずんでいるということでこっちにかかってくるケースがあるわけであります。そうしたときに、行政の権限の中でのことを四角四面にやっていきますと伝言ゲームのような形になって、一体誰が責任取って相談に乗ってくれるのかということが必ずしも明瞭でなかったという部分がございます。そういうものをできるだけ今の制度の中でありますけれども、できるだけ明瞭にしたいと、そういう意図がございます。従って、この難しいケースとか困難なケースというのは、必ず学校運営に深く関わっている部分がありますので、どうしても管理分野の指導主事が関与しないとなかなかうまくいかないというケースが多いわけですね。従って心の支援室ではそういう担当の主事はいるわけですけれども、たとえば○○小学校の管理分野に関わったいじめの相談をいただいたときに、即対応できるように義務教育課の管理分野の主事と一緒になって対応できるような仕組みを今回考えたということでございます。高等学校についても同じでございます。特別支援学校についても同様であります。つまりそういう三課の指導主事というのは管理部門を担当している指導主事と一緒になって現場の解決に対応していくという形で、なかなかワンストップという形にならないケースもあろうかと思いますが、とにかく今申し上げた点でのスピーディーなそして実質的な効果が上がるようそういったものを目指してこういう仕組みを考えたということでございます。
中日新聞 森若奈 氏
相談を受けられる方がどんな資格を持った方なのかをお願いします。
長野県教育長 山口利幸
資格と申しますと、例えばスクールカウンセラーでありますとかそういう資格を持った者というわけではございませんが、いずれも今申し上げた心の支援室の指導主事とか窓口になる管理分野の指導主事はさまざまな形で学校現場で生徒指導に精通した人間とこういうふうに考えていただいて結構であります。従って具体的な事例の対応はもちろんですけど、関係者との連携プレーと申しますか、そのつなぎの役目は十分果たしてくれるものとこんなふうに思っております。
朝日新聞 浅野有美 氏
まずいじめの調査について伺います。各学校に行くということですが、これは知事部局と教育委員会が一人ずつで回るようになるのか、学校によって教育委員会が回るところ、知事部局が回るところと分かれてしまうのか。それはどういった形になるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは短期間で多くの学校を訪問するという関係もあって、必ずしも両部局が全ての学校に行くと言うことではなくて、教育委員会だけで伺わせていただく場合もあります。
朝日新聞 浅野有美 氏
ありがとうございます。それから場合によっては保護者や生徒会に話を聞く場合もあるということなんですが、実際学校に行った場合にそういった権限は校長に委ねられているところがあると思うんです。そのあたりはどう判断されるのか、そこはどうお考えなんでしょうか。
長野県教育長 山口利幸
回ってみないと確たることは言えないんですが、私の一つの推測で申し上げますけれども。今回の学校で校長にヒアリングするということの中に、必ず現在行きなずんでいるとか、壁にぶちあったっているとか非常に困難度が増してきているそういったケースがあれば、それは必ず聞いてきてもらうというふうになっております。もちろん、学校のいじめの認知件数はどうだとか、あるいは相談窓口はどうなってますかとか、校内体制はどうなってますかとか、もちろん聞くんですけれども、そのヒアリングの中の一つに、行きなずんでいる者、困難な者そういったものについてヒアリングするとなっております。従ってその時に、いやこれは当事者の例えば保護者の声を聞かなきゃいかんなとかいろんなケースがあろうかと思います。そういうものがあったときには、そういう必要性を感じたときには、ここに書いているようなものも守備範囲に入れて考えていくといったことでございます。
朝日新聞 浅野有美 氏
ありがとうございます。緊急相談の方なんですけれども、これ回線は5回線増やすということで、人数も増やしていくということなんでしょうか。これは心の支援室にあったと思うんですが、知事部局の方も加わって相談センターに入るのかその点を教えてください。
長野県知事 阿部守一
これは先ほど申し上げたように、教育委員会サイドで、今まで心の支援室が基本的に全部受け止めて、そこから関係する課に、支援室のほうでお伝えしていく形だったわけですけれども、今回、義務教育課、高校教育課、特別支援教育課のいじめ担当の指導主事の皆さんにも加わってもらって対応していくということで、基本的にそういう意味でご質問いただいた教育委員会がこの部分は対応していただくと。対応範囲は心の支援室だけではなくて関係課広げて対応していくとそういう形になります。
朝日新聞 浅野有美 氏
何人規模になるかは今のところ決まっていますか。
教育委員会教学指導課心の支援室長 澤井淳
通常は支援室総員で対応します。それから先ほど発表がありましたように、義務教育課、高校教育課、特別支援教育課にお願いしますので、ちょっと何人でというのは分かりませんけれど、支援室だけで十数名おりますので、かなりの人数になると思っております。
朝日新聞 朝野有美 氏
ありがとうございます。すみません、あとごめんなさい、追加で、学校調査は公立学校ということなんですが、私立学校については、今お考えはありますか。
長野県知事 阿部守一
これは今回公立学校ということで対応をさせていただこうと思っています。私立学校はもちろん同じような課題があるところもあるとは思いますけれども、それぞれの建学の精神に基づいてですね、学校運営されているわけであります。そういう観点からすると、今回は公立学校を対象ということで、対応致しますが、逆に個別に学校側、私立学校の方からですね、県としても何か協力をしてほしいというようなことがあれば、それは協力するのには何らやぶさかではありません。
朝日新聞 浅野有美 氏
ありがとうございます。すみません、長くなって。最後に知事がお考えになっている県民会議のことなんですけれども、ちょっと具体的にイメージがあまり湧かなくてですね、構成は県とNPOさんとかそういう団体になると思うんですけれども、具体的にここで何をするのかというような、どういったイメージをお考えなんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず県全体としては、やはり今回学校を訪問したり、あるいは緊急相談を実施したりすることによって、いろいろな情報、いろいろな課題出てくると思います。そうした中で、もちろん教育委員会であったり、あるいは知事部局で対応しなければいけないこと、向き合わなければいけないことがかなりあると思いますけども、それだけではなく、多分地域との関係とかですね、あるいは学校だけでは抱えきれないような問題という側面も出てくると思います。そうしたときに、今でも子どもたちを支えて活動されてらっしゃる方、本当に大勢いらっしゃいます。行政だけがいじめの根絶だということで行動するんじゃなくて、広く県民の皆さま方が一緒になって考えて、一緒になって行動する、まさに協働の県政の一つの大きなテーマだと思いますけども、そういう形で具体化をしていきたいと思います。これは組織を作ることが目的ではなくて、実際にいじめをなくしていくということが目的でありますから、これは行政、県として、初めからこれをやりますとか、初めからこういう形式の組織にします、ということではなくて、賛同者を募る中でですね、どうすれば本当にいじめが根絶できるかという形で、最も良い形態を作っていきたいと考えています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
今回緊急対応策ということなんですけれども、今後、何かいつまでに、例えば具体的な、そういういじめを見つけたらこうしましょう、ああしましょうみたいな、そういった対応策については、今どのように考えているんでしょうか。それから、そういった具体策をしっかり何か示すみたいな考えはあるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
具体策というか、まずこのこと自体が具体策の一つだと思っています。メッセージを出すということだけではなくて、これまでとは違ったアプローチでですね、個別の学校現場に出向いたり、あるいは短期集中でいじめの問題についての相談を受けるという形で、そこからいろいろな課題が見えてくると思います。そうしたものを踏まえて、これまでの対応が十分だったのか、あるいは改善するべきところがどういう部分があるのか、そうしたことをしっかり検証して次のステップにつなげていくと考えていますので、今の時点でこれとこれが課題だからいつまでにこうするということではなくて、むしろ今お話した学校訪問なり緊急相談、そして県民の皆さま方からの賛同と提言、そうしたものをいただく中で、次のステップにつなげていきたいと考えています。
長野放送(NBS) 野平崇 氏
すみません、あと一点別の件なんですけれども、このいじめの問題じゃないんですが、今日、今日というか、県内のまた教員が盗撮というようなことで、事実があったということで、警察にも相談があってという内容があったんですが、これについてお二人方の、現在ちょうど資質向上とかっていうような検討会議も開かれる途中でして、お二人方の受け止めをお願いしたいんですけども。
長野県知事 阿部守一
今のご質問の件については、この後、教育長の方から会見をさせていただく予定と聞いておりますので、そちらの方で具体的な内容は聞いていただければと思いますが、一言だけ私の方の、知事として申し上げれば、非常に綱紀粛正そして教員の資質向上の検討会議のまさに立ち上げていく中で、こうした事態が起きてしまったということは大変遺憾だと思っています。具体的な事実関係の確認等は、まだこれからの部分があろうかと思いますけれども、ぜひ学校現場、本当に子ども達のために一生懸命取り組んでいる教員も大勢いるわけでありますけども、改めてですね、教員の皆さま一人ひとりが、ぜひしっかりと自覚を持って子どもたちに向き合っていただきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
このタイミングで共同メッセージ発信されたってのは、どういう理由なんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
このタイミング、このタイミングっていうのは。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
この社会問題になっているからというか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。このいじめの問題については、子どもたちの学校生活を豊かにする、学習環境を整えるという上では、まさに基本的な部分だと思っています。大津での大変痛ましい事件を契機に、大勢の皆さま方が、いじめというものについて、再びそれぞれの皆さんの課題、問題意識としてお考えになられている、こういう機会をとらえて、長野県としてもこれまでの取り組みでいじめの認知件数は長期で見れば減ってはきているわけです。全国平均の認知件数と比較すると、相対的には少ないわけではありますけども、ただ先ほど申し上げました通り、認知件数レベルで昨年度、失礼、22年度ですけども、1,000件を超えているという状況がありますから、これは子どもたちに対してのしっかりとしたメッセージ、そしてもう一回大人も含めてですね、私たち行政も含めて、しっかりとした取り組み、決意を示していくということが重要だということで、今日こういう形でメッセージを出させていただきました。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
それから教育長に伺いますけども、これまでのいじめへの対応っていうのは、学校に、それぞれの学校に任せたところが大きかったということでしょうか。
長野県教育長 山口利幸
基本的にですね、私どもの方で、いじめの認知、それから初期対応、あるいは指導のあり方等の基本についてはですね、指針となるべきものは何回かお伝えしたり、あるいはさまざまな実践例、具体例をですね、定期的に情報で流してきた、あるいは研修にそういう講座を設定してですね、やってきたと。さまざまな取り組みをやってきましたけれども、ただ、例えば学校の認知の状態を私どもがつかむ際に、今まではペーパーによるアンケート調査等でありました。だけども今回はですね、じかにお伺いしてですね、やりとりをする中で、先ほど申し上げましたようなものを聞き取ってくるという形で、今までじゃないような形を考えたわけでございます。あるいはまたですね、例えばいじめを発見する際にどういうことに気を付けなくちゃいけないか、例えばマニュアル、基本的な方針、さらに具体化したマニュアルみたいなものが作れるかどうかっていうことなんですけど。これ作っていい部分と作って役に立つ部分と、作ってあまりそれにとらわれてですね、硬直した思考でしかみれないっていうようなケースもありますけども、これもヒアリングの中でですね、さまざまな良い事例、あるいは逆に言えば、うまくいかなかった事例なんかの中で、何か教訓的なものがあればですね、こういったものも含めて、いじめのマニュアルみたいなものが可能であれば、それも具体的に示していく、そういう具体的な、何ていいますか、現場での取り組みを踏まえたものをですね、今考えております。あと国の方でも、いろいろな調査をかけてきたり、ちょっと現場にとっては重なるような部分もあったりして、重複しちゃうようなところあるかもしれませんけども、できるだけそういったものを避けながらですね、実効性の上がるものをやっていきたいと、こんなふうに思っております。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
すみません、もう一つ。聞き取りっていうことで把握をするっていう部分では、知事部局も県教委も踏み込んでいくんだなっていうのは思うんですけども、発覚した後の対応ってことについては、どこまで踏み込むのか、やっぱりそこは学校任せになってしまうのかっていうのはどうなんでしょうか。
長野県教育長 山口利幸
一番はですね、今知事も申し上げたのですが、学校というのが子どもたちにとって、まず安全で安心して、そこで学べるというものでなければ絶対いけないわけであります。いろいろな教育課題というものはありますけれども、一番に学校に行っていじめられるんじゃないかとか、いろいろいじめを受けるんじゃないかというような形で行っているという状態は、なんとしても変えていかなければいけないわけでありまして、例えば一番悪しき事例が、いじめが原因となって命を絶つみたいなことが、これはあってはならないわけですけれども、そういう事態になったときにどうするんだと、そういったご質問の部分があったと思うのですが、実は長野県でですね、平成4年に、飯田高校で学校の部室で生徒が上級生に刺殺されるという大変衝撃的な事件がございました。そして、この件を検証する委員会が立ち上がりまして、裁判で県が敗北した後のことですが、そしてこれが10年ほど前に検証委員会から報告書をいただきました。この報告書は非常に教訓に満ちておりまして、生徒の、子どもたちの命に関わる、あるいは命が危うくなるような重大な事案については、学校だけに任せておくのではなくて、加害・被害を含めた被害アドバイザーでありますとか、学校サポートチームでありますとか、専門的な、第三者的なサポートチームを組んでですね、原因の究明とサポート体制っていうものを作り上げていくと。さらに必要があれば、関係専門家を含めた第三者的な検証委員会を立ち上げて、原因の究明とか今後の改善策につなげていくと、こういった意味合いの報告をいただいておりまして、いざ、そういったことがあってはいけないわけでありますけれども、あった時にどうするかという対応は本県なりに一つ形もできておりますし、実際にある程度そういったものが具体的に運用されたケースもございますので、そういったものはよりいっそう現場に、今回の機会を通じても周知徹底、改めてしていきたいと考えを持っております。
中日新聞 小西数紀 氏
2点なんですけれども、1点は、知事にお伺いしたいのは、先ほど、いじめの件数、把握件数のことなのですが、全国平均に比べて低いというのはお話があって、僕はちょっとデータ知らないんですけれども、数が少なければいいという問題でもないのではないかと思うのですが、捕捉率の問題だと思うのですが、そこら辺、例えば今回このような調査なり今後の取り組みでなるべくあぶり出していくように進めていくのか、それとも未然に防ぐというような形にして、なるべく件数を抑えていくようにしていきたいのかという、件数についてはどういう評価を今後していこうと思っておられるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
件数は、先ほどデータ的な話を申し上げたので、少し誤解を招く部分があったかもしれませんけれども、何というか、1,000件だからいいとか悪いとか500件になればいいとか悪いとかっていう、そういう問題では私はないと思っています。数字で把握すると1人の子どもの問題、1件というカウントになってしまうわけですけれども、その子の日々の暮らしであったり、これからの将来考えたときに非常に重たい1件である場合もかなり含まれている可能性もあるので、そういったものにもやっぱりしっかりわれわれは向き合っていかなければいけないと。単なる統計数字として処理するというようなことがあってはいけないというのが私の思いであります。これは教育委員会でもそうした思いをぜひ共有して取り組んでいきたいと思っています。
中日新聞 小西数紀 氏
もう1点、教育長さんになんですが、このタイミングでというのと関連するんですけれども、夏休みで学校がない時期なんですが、学校がないからこそ部活でいじめがさらに強くなるっていうような事例もあるようでして、教育委員会としてはこの夏休みという期間はいじめがどういうふうな現象を起こす時期だと考えられて、この時期にこういうような相談電話の拡充をされたりという、どういう狙いがあってこの夏休みにやられるのかというのを一言あれば。
長野県教育長 山口利幸
夏休みにやることに意味を見出してこのタイミングっていうふうに考えたわけではございません。全国的な動き、あるいはこれは決して他県のことにあらずというような基本的な認識がございまして、知事部局とできるだけ早急に詰めるものは詰めていこうという共通の認識を持って、その1つの形が今日になったということであります。ご指摘のように、私は生徒がいるところにはいじめっていうものが起こりうると認識していた方がいいと思っております。だから先ほど知事が申し上げたように、認知件数が少なければいいなんてさらさら思っておりません。むしろ、例えばサインを出す、それを察知するというその子どもがサインを出す、それを察知する感覚が鋭ければ鋭いほど件数が増えていく傾向も当然あり得るわけであります。ただ、重大な事案にならないうちに、関係者が全体の認識を共有して学校で解決できるものは、例えば陰口をたたいたとか仲間外れとかですね、からかいとか、いろいろなケースが初動にはあるわけですけれども、その辺の感覚を学校関係者は鋭くしていかなければいけませんし、それを即、関係者で共有して個々人ではなくて、学校の体制として解決していくと、できればそういうところに子どもたち自身の介入も含めてですね、参画も含めてやっていければいいなと思っておりますので、夏休みだからっていうわけではありません。それから、先ほど申し上げたように、ワンストップで伝言リレーみたいになっているのをなんとか解決できないかというようなことで工夫をしたっていうようなことを申し上げたんですけど、2週間やらしていただいて、どういう課題が出てくるのか、ということはやっぱり少し整理させていただいて次につなげていきたいという意味合いがございまして、できるだけ今日の発表の直後からやっていきたいと、こういう形でございまして、タイミングを得てのものではございません。
朝日新聞 浅野有美 氏
1つ確認したいのが、知事部局側で回る学校が出てくるというところで、やはりこの分野の専門ていうのは教育委員会になると思うのですが、重大事案を発見するという場合に、やっぱり教員の方が、教育関係を体験した方が回るのと、そういったのが全く分からず回るのとでは、たぶん察知するというか、事案を把握するのに差が出てくると思うんですけれども、その辺りはどういうふうにフォローしていくというか、何かもしあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
教育委員会の職員はすべて行きます。知事部局の職員は行かないケースもあるということで。今お話ありましたように、教育委員会の担当者の方は全ての学校には行く形になります。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
今の質問にちょっと関連で、知事部局から、ここでいえば、次世代サポート課とか、こども・家庭課の方になるかと思うんですけれども、その皆さんが現場に出向いて教育委員会サイドと一緒になって聞き取って、現場においてというか、施策面ではどんなことを、知事部局として期待ができるということで、一緒に回られるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほども申し上げましたけれども、学校だけの問題ということではないわけで、いじめ自体も学校の中だけで起こっているものが、いじめという形で捉えているわけではないんでですね。そういう意味では知事部局も一体となって取り組んでいくと、そういう中で、1つは県民会議みたいな形で、学校関係者とそうでない人たちが一緒になって取り組みを進めていく上では、知事部局の参画というのは不可欠であると思っておりますし、それから例えば、特に重大な事案等になってくれば、児童相談所とかですね、学校だけではなくて関係の行政機関が関わっていかなければいけないようなケースもなくはないので、そういう意味で、教育委員会と知事部局とでできるだけ情報を共有して、同じ目線で取り組んでいくということが重要だと考えております。
長野県知事 阿部守一 / 長野県教育長 山口利幸
ありがとうございました。
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