長野県知事　阿部守一
　それでは、荻原長野市長と本日共同で会見をさせていただきたいと思います。本日の趣旨ですけれども、今、御開帳開催中ということで、御開帳にお越しになられる皆さまへの長野市長と私、長野県知事からの共同での呼び掛けということです。全県の感染状況、あるいは県としての対策については、先ほど会見の場で私からご説明をした通りの状況です。御開帳、あるいは関連するさまざまなイベントがありますけれども、感染防止対策を徹底しながら行っていただくということになっています。この点については荻原市長から後ほどご説明をいただきたいと思います。また併せて私から県民の皆さまにお願いしたい事項についてお伝えをしていきたいと思っています。県内外から御開帳、あるいは関連のイベントへ多くの皆さまがお越しいただくことになると思います。長野市と連携をしながら、安心してお越しいただけるような対策を講じていていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

長野市長　荻原健司　氏
　日ごろは長野市のさまざまな情報発信にお力添えをいただきましてありがとうございます。また、本日は共同会見ということで大変皆さまにはお忙しいところお集まりをいただきましたことに私からも御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。さて、長野市は善光寺の御開帳が始まっています。また市内、特に中心市街地において、「日本一の門前町大縁日」といった御開帳に関連する事業もこれからさらに本格化していきます。そのような中で阿部知事から共に来県する方に対して呼び掛けをしたらどうかというご提案をいただき本日に至りました。まずは阿部知事に心から感謝を申し上げたいと思います。ご承知の通り、長野市は市の保健所において、新型コロナウイルス感染症のさまざまな対策に取り組んでいるところです。常に長野県と共に連携、協力をしながら対応に当たってきました。また市として、独自に長野市新型コロナウイルス感染症対策有識者会議というものを設置して、感染症、また公衆衛生の専門家の皆さんからご助言を頂くなど、現在の対策に生かしているところです。さて、ご承知の通りですが、このところ長野市内の新規感染者数が増加をしているわけでして、大変予断を許さない状況ではありますけれども、そして新年度を迎えて小・中学校が始まりました。感染防止対策をしっかり講じて感染者数を抑える努力を続けながら、重症者リスクの高い方に対する医療体制をより確かなものにした上で、市民生活や社会経済活動を通じて、街に活気と元気を取り戻したいと考えています。そのためにもこれまでと同様に注意喚起を引き続き行い、また今月4月に入ってから、テレビCMを通じてワクチンの追加接種についてお願いをするということも取り組ませていただいています。善光寺御開帳関連事業については今後さまざまなイベントが開催されますし、長野市を訪れていただくお客さまを温かく迎えていきたいと思います。長野市では御開帳の関連事業における関連対策を徹底するために、市役所の中に特別なチームを結成して、そしてさらに善光寺さん、そして関連事業の主催、主体である皆さまと関係団体連絡会議を設置して、情報共有をしながら感染対策に取り組むとともに、またそれぞれのイベントごとに感染防止安全計画を作っています。これは県に提出して県の確認を経た上で、この計画に基づいてさまざまな事業が展開されるというところです。この感染防止安全計画の作成にも、先ほど申し上げました有識者会議において、有識者の皆さんにいろいろとご助言を頂きながら感染防止安全計画を作っています。こういった取り組みを通じて善光寺御開帳、また開催期間中にあるイベントに多くの皆さまにお越しいただきたいと思っていますが、もちろん一方で、安全・安心にお越しいただき、皆さまが喜んでお帰りいただくためにもしっかりと対策を徹底していきたいと思っています。その上で何度も申し上げているような状況ではありますが、ぜひこの会見を通じて、私から長野市にご来県いただく方に3点お願いを申し上げたいと思います。一つ目ですが、これまでと同様に長野市にお越しになる皆さまには、やはり感染防止対策の引き続きの徹底をお願いしたいということです。二つ目では、長野市にお越しになりましたら御開帳、または関連イベントにおいて主催者が実施する感染防止対策、あるいは誘導であるとか案内に何とぞご協力を頂きたい。三つ目は長野市に来られる前の健康観察を引き続き続けていただく中で、もし仮に発熱等がありましたら長野に行こうかなということをお控えいただき、今回の御開帳はご承知のように1カ月延長した88日間、6月29日までとゆとりもありますので、日を改めて長野に行くということをお考えいただきたいと思っています。こういった3点の項目についてお願いしながら、それでもわれわれとしてはこの善光寺御開帳、あるいは関連事業を通じて街の元気、にぎわいを取り戻していきたいと思いますので、皆さまのご理解をよろしくお願いしたいと思っています。私からは以上になります。

長野県知事　阿部守一
　今、基本的な対策内容等については荻原市長からお話をいただきました。私からは御開帳、あるいは関連のイベントにお越しになる皆さまに4点ほどお願いをしたいと思います。まず一つは、これは先ほども少しお話ししましたけれども、県外からいらっしゃる方は基本的な感染防止対策をしっかり講じていただいた上で、ご来県いただきたいと思いますし、先ほども県民の皆さまにはこれまで以上の感染防止対策の徹底ということでお願いをしましたが、ぜひこうした基本的な対策を講じていただきたいと思っています。それから2点目ですけれども、長野市、あるいは善光寺、イベントの主催者の皆さまは感染防止対策をしっかり講じていただいています。感染防止安全計画については、県の方にもご提出をしていただき確認させていただいているところですので、ぜひご来県される方はこうした市や善光寺の取り組みにご協力いただきたい。それから3点目ですけれども、先日の専門家懇談会においても、例えば善光寺に参拝されることが感染リスクではないという専門家のご意見も頂いています。いろいろな活動がそうなのですけれども、そうした活動の前後をぜひご注意いただきたいと思っています。そういう意味では、例えば食事をされるときとか宿泊をされるとき、いろいろな行動をされる場合があると思いますけれども、ぜひそのような際にも特に気を付けていただいて、安全なご旅行をしていただきたいと思っています。それから4点目ですが、これは先ほどの会見で申し上げたことと共通です。これは「信州版新たな旅のすゝめ」を作成しています。これは宿泊施設等でも配布をしていきたいと思っていますので、またご旅行でお越しになられる皆さまには「信州版新たな旅のすゝめ」をぜひよくお読みをいただいて、長野県の対策にご協力を頂きたいと思っています。こうしたことを心掛けていただいて、安全・安心なご旅行をしていただきたいと思っています。

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取材者からの質問

1　新型コロナウイルス感染症への対応について

日本放送協会（NHK）　牧野慎太郎　氏
　荻原市長にお伺いしたくて質問させていただきます。今回、長野市に来られるときは対策を強化というところで、対策を徹底してから来てくださいという形で呼び掛けをされていらっしゃったかと思うのですけれども、市長としては改めて現在の長野市内の感染状況についてはどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

長野市長　荻原健司　氏
　すでにご承知おきですが、昨日202名の方が確認され、本日が160数名という方が新規感染者数ということで確認しています。昨日は長野市の保健所の小林保健所長からの会見もあった通り、特に最近は10歳未満のお子さんの感染者数が伸び、加えてその保護者の方の感染者数が多いという状況で、特にこれまでは飲食を伴う、そういう場で感染者が多くというような状況から、同居されている方、あるいはご家族の方に感染者が広がりつつあります。こういう状況としては保育所、あるいは幼稚園、こども園などに感染対策の徹底の呼び掛けもしなければならないと思っていますし、ご家庭内にあってもこういった感染防止対策を徹底していただくということも注意喚起をする必要があると認識しています。ただ一方で、これもご承知の通りですけれども、重症者は非常に少ないという状況もありますので、それに伴い、国や県の方針も変わってきましたので、そういう状況の中とは言っても、やはり多くのお客さまを迎える長野市の市長としては、引き続きできるだけの感染防止対策を呼び掛けながら、とはいってもやはり長野にせっかくお越しいただく際には楽しんでいただきたいと思っていますので、お互いに協力をしながら善光寺さんにお参りをいただいたり、あるいは市内のイベントを楽しんでいただきたいと考えています。

日本放送協会（NHK）　牧野慎太郎　氏
　先ほど市長がおっしゃった中で、呼び掛けの中で体調が悪いときには日を改めてと、善光寺の御開帳の期間も通常より1カ月延ばしているという話もあったかと思うのですけれど、一方で、長野市内の感染状況がこういう状況になっているのであれば今は来るのを控えてくださいと、その上で感染状況が落ち着いた段階になってから来てくださいというような呼び掛けも一方でできるのかなとも考えるところなのですけれど、その辺りはどうですか。

長野市長　荻原健司　氏
　われわれの方からは来ないでくださいというのはもちろん言うつもりは全くありません。とはいっても、やはり皆さまが長野市に来て楽しんでいただく、その上でどのような取り組みができるのかというものをこれまで徹底的に考えてきました。そこでご承知おきですけれども、感染拡大した際の実施の判断というものは明確に決められていますので、それは善光寺の御開帳、そして関連イベントの実施の主体者がその状況に照らし合わせながら、中止をするのか延期をするのかというものが、例えば長野圏域の感染警戒レベル、あるいは医療アラートが出ているか出ていないかに応じて、そのイベントを中止するのか中断するのかというものが明確になっていますので、われわれとしてはやはり基本的には多くのお客さまに長野に来ていただきたい。そして、ただ長野圏域の状況を見ながら各イベントの主催者が、あるいは市としてもその状況に応じて、今申し上げたような中止なのか延期なのかというものを判断していくということで、基本的なご来県いただく方には楽しんで、そしていい思い出をたくさん作っていただきお帰りをいただくというそのような気持ちでお迎えをしたいと思っています。

読売新聞　佐々木想　氏
　荻原市長にお尋ねしたいのですが、御開帳が始まってから本日までの間で、市の方で御開帳の関連行事やイベントも含めて、何か感染リスクが高まるような状況が確認されていたら教えてほしいのですけれども。

長野市長　荻原健司　氏
　善光寺の御開帳の前日に回向柱が善光寺に運び込まれました。その際に私も主催者の一人として参加をしていましたけれども、若干お客さまの中には少し密の状況も見受けられたとは思いますけれども、基本的には市の職員が現地の確認をして、今後の対策に生かされると思っています。また、基本的には屋内においては1メートル以上の間隔を空けましょうということですが、この関連事業の多くは屋外という状況もあります。とはいっても、こういった事業前に計画されている感染防止安全計画をしっかりと実行性があるものにするためにも、引き続き、現場確認を通じて改善をすべき点があればそこに対して意見を申し上げていくという対策をとっていきたいと思っています。

読売新聞　佐々木想　氏
　追加で、御開帳の関連する方の間で、例えば感染が確認されたりとか、あるいは接触があったような状況だったりとか、そういった事例は今、市の方で把握しているものはありますか。

長野市長　荻原健司　氏
　私の方では今そういう情報はありませんし、保健所の方にも今そういう情報は入っていないと聞いています。

長野日報　前田智威　氏
　阿部知事に伺います。これから他に御柱祭などの大型行事をまだまだ控えていますけれども、今後も同じように今回のような共同の呼び掛けをしていくお考えがあるのでしょうか。

長野県知事　阿部守一
　今回、荻原市長とこういう形で共同で会見をさせていただいて、長野市、それから長野県としての呼び掛けをしています。これからの状況にもよりますけれども、私としてはこれまでも市町村長の皆さまと連携、協力をしながら、このコロナ対策を進めてきていますので、必要があれば他の地域においても同じような対応をさせていただきたいと思っています。先方がある話ですので、これはまた相手方の市町村長の皆さまのお考えも踏まえて対応は考えていきたいと思います。
　ありがとうございました。

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