ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2022年度知事会見録一覧 > 知事会見2022年11月29日

ここから本文です。

更新日:2023年6月12日

知事会見(令和4年(2022年)11月29日(火曜日)16時00分~16時57分 会場:県庁)

項目

阿部知事、松本市立病院長 中村医師、信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎医師からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について(感染状況等)

取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

ページの先頭へ戻る

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について(県からの呼び掛け)

取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

ページの先頭へ戻る

本文

阿部知事、松本市立病院長 中村医師、信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎医師からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について(感染状況等)

長野県知事 阿部守一 
 冒頭、趣旨と県からの状況認識を簡潔にお話ししたいと思います。皆さまご承知の通り、確保病床使用率、あるいは確保病床外の入院者数も増え、また外来(診療)にいらっしゃる県民の皆さまも増える中で、外来診察についてもひっ迫をしつつある現状にあります。こうした中で、医療関係者の皆さま、あるいは保健所長たちとも意見交換をさせていただきましたけれども、医療関係者の多くの皆さまの共通の意見が、まずは県民の皆さまに広く今の医療の状況、厳しい実情を知っていただきたいと、そしてその上でお一人お一人の行動変容を促してもらいたいと、こうしたご意見が非常に強く出されています。きょうは、一番は医療現場の状況を県民の皆さまと共有させていただきたいということです。皆さまに先に私から数値的なデータだけお話ししますが、お配りしている資料(会見資料1)があります。まず1枚目、療養者の状況、全体で2万人を超える方たちが昨晩の段階で療養中です。特に折れ線グラフをご覧いただきますと、確保病床で入院されている方が368名、そして確保病床外で入院されている方が338名で、これまでのピークの8月半ばから下旬にかけての状況に比べても大きく上回ってきている実情があります。入院者は、何度も申し上げている通り、ほとんどの方、約9割の方が高齢の方という状況です。次のページ、皆さまから一番端的にお伝えしていただいている確保病床使用率は69.3パーセントが最新の数字ですけれども、内訳にありますように、中等症・軽症者用の一般病床は全県で76.7パーセント、またブロックごとにご覧いただきますと、東信で91.7パーセント、北信で83.2パーセントということで、極めて高い水準になっています。またこれは、確保病床に対してどうなっているかという数字ですので、かなりの医療機関で、先ほどご覧いただいたように確保病床外で患者さまを受け入れていただいていますし、また後ほどご説明しますように医療従事者の方も働けない、陽性になったり濃厚接触者になったりということで、働けない中で病床があっても稼働しづらい、稼働できない病院もあります。今、全体では69.3(パーセント)ということでお伝えしていますけれども、この数字でご覧いただいている以上に厳しい状況であることをご理解いただければと思います。3ページのところは、高齢者の割合と、そして下の方は外来(診療)のひっ迫状況ですが、こちらもご覧いただきますとお分かりになるように、3つ指標を設けていますけれども、これら3つの指標も夏とほぼ同様かそれ以上の水準にまでひっ迫度合いが上がってきています。最後のページは、先ほど申し上げたように、医療従事者の欠勤者も非常に多い状況です。ほぼ、夏と同じくらいの方が欠勤せざるを得ない状況になっていると。私の方からまずデータだけお伝えをしましたので、あとはお二人の先生から実情をお伝えいただければと思います。よろしくお願いします。

松本市立病院長 中村雅彦 氏
 当院の現状なのですけれども、きょうの時点で入院患者が40人になりました。今まで第7波までは40人を超えることはなかったですけれども、きのうが42人できょうが40人、確保した病床数が37(床)なので、もう明らかにオーバーフローしている状態です。内訳は、40名の方全員が65歳以上の高齢者です。80歳以上の方が34人いて8割を占めていて、100歳以上の方も1人いらっしゃいます。40人のうち酸素を投与されている方が7人です。入院の状況を見ると、やはり高齢者が多いのですけれども、第7波と比べてさらに超高齢化している、年齢層がさらに上がっているのが特徴だと捉えています。そして、酸素を吸入されている方もウイルス性の肺炎で酸素を使うのではなくて、誤嚥性肺炎や心不全、それから、もともとある肺気腫のような肺の病気があって、それが悪化したために酸素を投与している方がほとんどです。高齢者が多いということで、入院日数が非常に伸びています。第5波のデルタ株の時は、日数は10日を切って、という状況もあったのですけれども、今の、たぶん正確に計算すればもう10日は明らかに超えていて、隔離期間明けになかなか退院ができない、退院困難例が非常に増えているような状況です。一方、外来(診療)です。外来(診療)は10月中旬に一時、15人くらいまで減ったのですけれども、11月に入ってからまた増えてきて、ここ1週間くらいは1日に60人くらいの患者が受診をされています。予約制にしているのですけれども、昼までにはもう夕方までの予約が全部埋まってしまうような状況になっていて、そこの中に予約以外の緊急の患者さまや救急搬送などを受け入れるようにしています。外来(診療)を受診される患者さまは、全く入院患者さまとは違います。65歳以上の高齢者は外来(診療)では2割くらいです。全体の3分の1が小児で、あとはそのご家族とか、いわゆる青壮年の方が全体の8割を占めるということで、入院と外来(診療)でまったく患者のプロフィールが違います。なので、これから対策を考える上では、やはり入院と外来(診療)を分けて考えていくことが必要なのではないかと思っています。それから、病院は本来できればコロナ陽性の患者さまの振り分け外来、重症度を判定する、採血をしたり、CTを撮って精密検査を行って入院の必要があるかどうかを判断する、振り分けを行いたいのですけれども、外来(診療)の6割くらいが検査目的の方が受診されるのです。そうなってしまうと、本来の重症者を診ることができないような状況にもなっています。それから、電話相談も非常に多いです。外来(診療)を受診される患者さまと同じくらいの50人、60人くらいの電話があって、朝から電話が鳴りっぱなしです。ですから、昼間は本当に電話対応に一人職員をつけなければいけないくらい、非常に大変な、困難な状況になっています。これが夜間になってしまうと、救急車も入る、他の重症患者も入る、その中で電話を受けることになると、電話の対応を1時間待ってください、1時間したらこちらから電話します、というような対応を取らざるを得ないような状況になっています。今、病院の中で一番私が懸念しているのが、職員のメンタル不調者が非常に増えていることです。オミクロン株の感染が今年の1月から始まって、いわゆる収束する兆しもなく高止まり状態から第6波、7波、8波と続いて、もう1年近くになろうとしています。非常に高齢者が多いので、一生懸命に看護師も看護したり、私たちも治療に当たるのですけれども、高齢の方は治療に対する反応がよくなくて、かえって入院という環境の変化で日常生活動作が下がってしまって、せん妄状態になったりとか、筋力が落ちて寝たきりになってしまう、そして持病である心不全とか誤嚥性肺炎なんかが悪化する。ですから、私たちや看護師は目の前で悪くなっていく方ばかりをここ最近ずっと見ています。そんな状況が続いているので、非常に無力感というか、意欲が失われてきてしまう、そういった状態が1年くらい続いている。緊張の糸がずっと張りつめながら仕事をしつつ、無力感にさいなまれているというような状況になっています。社会は、今、人の移動、行動制限が緩和されたり、全国旅行支援というような非常に明るい、開放的な雰囲気の方に進んでいるのですけれども、医療現場と社会とのギャップ、隔たりは非常に大きいというのを最近感じています。なので、病院としては職員が疎外感を抱くことがないように、カウンセリングを先週から準備をして始めているところです。そのような対応をしているところです。そういったメンタル不調に陥っている職員を何とか、私たちも実際仕事場を離れて自宅に戻れば社会に戻るわけなのですけれども、すぐ気持ちの切り替えができるかというと、この2年半以上にわたって続いているストレスによってかなり負担になっています。ですから、なかなか気持ちの切り替えができないような状況に今なっています。それから、一般診療ですけれども、制限せざるを得ません。当院も当番医の時は救急医療を受け入れているのですけれども、当番医以外の時の救急の受け入れは制限をして当番医に依頼をするということをしています。それから、集中治療室が4床あるのですけれども、集中治療室は非常に負担が、スタッフを必要とすることもあって、一時的に閉鎖をするようなこと、ですから救急医療を制限しないといけない状況にもなっています。それから、緊急を要さない手術とか内視鏡、そして検査等々も2週間程度の延期を決めているところです。これは、職員の欠勤が非常に多いことも理由の一つで、きょうの時点で職員が24人欠勤をしています。ですから、当院の職員数からすると1割弱の職員が今、欠勤しているのですけれども、なるべく業務を縮小することなく、医療と看護の質を落としたくないという気持ちで診療に当たっているような状況です。このような状況ですので、入院と外来の対策を分けて考えるということになるのですけれども、入院に関しては、やはり高齢者施設での対策が本当にポイントになってくると思っています。今、高齢者施設でクラスターが発生していて、第3波よりも多いと思います。高齢者施設は非常に差があって、対策が非常に進んでいるところと感染とか災害が起きた時のBCP(事業継続計画)をしっかり立案しているところもあれば、全くないところも、非常に高齢者の施設は差が大きいです。感染したというだけでもすぐ入院というような状況にもなっていますので、できれば高齢者施設でもしっかり軽症の方は経過を追うことができるような体制を作っていく。特に高齢者の場合、90歳以上の場合は、例えば入院されても、治療は抗ウイルス薬の投与とかに限定されます。なので、施設で内服の抗ウイルス薬を処方していただいて、経過を見ていくと。入院によってかえって、先ほどお話したように環境の変化で寝たきりになってしまう、せん妄状態になってしまう患者さま、高齢者が非常に多いですので、なるべく施設で見ていただいて、場合によっては施設で看取る、というようなこともこれから考えていかないといけないような状況にまでなっていると思っています。これは、大事なことなのですが、コロナを特別視、特別扱いしないことにも通じると思うのですけれども、いわゆる普通の疾患として捉えて、例えば心不全や、あと誤嚥性肺炎の患者さまも施設で多く見られていますので、終末期も高齢者施設で見ていただくようなことも少し考えないといけないのではないかと考えています。それから、外来(診療)についての対策ですが、外来(診療)は県民の皆さまにはぜひ適切な受診行動をお願いしたいと考えています。アルファ株とかデルタ株の時には、2、3日で急変して肺炎になる、急に呼吸困難になるとよく言われたのですけれども、オミクロン株になってそういうことはありません。ほとんどないです。急変ということはまずないので、落ち着いて行動していただきたいと思っています。日中は、やはり検査目的での病院の利用はなるべく控えていただいて、事前に(検査)キットを用意して、自分で自己チェックをして陽性であれば登録センターに登録をする。そして夜間も同じです。夜間も急に熱が出た時にパニック状態になってしまって、救急車を呼ぶケースが非常に増えています。これは若い方に多いです。やはり不安になります。手足のしびれが出て過換気状態を呈するということがあります。その時に、少し落ち着いて考えていただいて、熱というのは自然な反応でもあるので、自宅に解熱剤とか総合感冒薬があれば、そういったお薬を使っていただいて、水分が取れる状態であれば水分を十分取ることで安静、静かにしていただければ熱が下がってきますので、翌日に受診をするということも考えていただきたい。夜間はですね。ということを考えています。受診をされる場合なのですけれども、夜間とか休日に受診される場合に、事前に必ず病院に連絡を入れていただいた上で受診をお願いしたいと思います。電話なしに、連絡なしに受診されると非常にお待たせすることもあるし、症状も把握できないといったこともあるので、病院に連絡した上での受診をお願いしたいと思っています。以上です。

信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 当院は現在、軽症、中等症の患者さまが20名ほど、あと重症患者さま、人工呼吸器を要する患者さまも1名入られています。そのケアというのは非常に大変な状況になってきています。コロナ病床の特徴からまずお話ししますけれども、オミクロン株、特に第7波、8波になりまして、先ほど中村先生からもお話ありましたけれども、やはり高齢者の方がほとんどを占める状態になってきています。多くの方が80歳以上、そして介護を要する方、あるいは介助を要する高齢者の方というのが現状です。そういった方が、発熱をきっかけにしたりとか、あるいは咽頭痛をきっかけにご飯が食べられない、水分が取れないことで脱水症状になったり、あるいは誤嚥性肺炎を起こしたりして、介護施設から入院したり、あるいは今、デイサービスとかへ週3回とか通われている方も多いのですけれども、そういった方が施設等で感染をして、そして具合が悪くなって自宅から病院へ入院してくる患者さまも増えてきています。最初は介護施設からの入院が多かったのですけれども、最近はデイサービスを利用している自宅療養の患者さまの入院が増えてきているという印象です。ということは、やはり高齢の方をいかに守っていくかということがこれからのポイントではないかと考えています。特に、介護が必要でデイサービス等を利用されている方、そういった方ができるだけ感染させないような対策を皆で取っていく必要があるし、あと、介護施設の皆さま、本当に大変な状況にあって、スタッフの方も本当に日ごろから感染対策に気を付けていらっしゃいますけれども、症状が出たら県から配布されているような検査キットを早く使って、利用者さま、あるいは職員に早く診断をつけようと、少しでも熱があって心配だったら、病院に相談することも一つ大事なポイントかと考えています。入院された患者さまの予後についてですけれども、以前は高齢の方、長期の入院になることが多かったのですけれども、最近は介護施設で施設内感染を起こしたりとか、あるいはデイサービスを利用されているような高齢者の方でもクリニックの先生が抗ウイルス薬を早期に処方していただけることがあり、それほど重症に至らないケースも増えてきています。ということは、入院して抗ウイルス治療をしたり、あるいは点滴をして水分を補給してあげるという治療によって比較的早く退院できる高齢者の方も増えてきていますので、そういった方についてはもともとの介護施設の方へ療養期間中ですけれども戻っていただくとか、あるいは陽性者がいる場合には自宅へ戻っていただくということでできるだけベッドの回転を早くさせるように努力をしているところです。予定よりも短期間で退院させることは、かなり看護師の負荷もかかるのですけれども、多くを受け入れるためにはやむを得ないかということで協力をもらってやっているような状況です。あと、少し入院が長引きそうな高齢の方については、後方支援病院へ入院を依頼したり、あるいは、隔離解除されたら自分の病院の一般病棟に移動していただくというようなことでコロナ病床をできるだけ空けるような対策も取っているところです。いかに高齢の方に感染をさせないかということが重要なポイントということと、あと中村先生もおっしゃいましたがやはり早期に抗ウイルス薬を高齢の方、リスクのある方に内服していただくことが非常に大事な状況になってきています。私どもも高齢の方、介護が必要な方に外来(診療)で抗ウイルス薬を処方して、その2日後とか4日後に電話をして確認をすることもあるのですけれども、だいたいの皆さまは抗ウイルス薬を飲みますと、2日後くらいにはだいぶよくなりました、とお声を聞くこともあります。そういう声を聞きながらお互い安心して診療ができることも一つの方法かと考えています。電話診療も大事な状況になってきています。あと、外来診療のひっ迫に向けた呼び掛けになりますけれども、やはり多くの病院で今救急外来が非常にひっ迫をしてきています。それはスタッフが感染者になったり、あるいは濃厚接触者になったりして欠勤者が増えていることが一つの大きな要因となっています。従って、救急患者さまを場合によっては断らなければいけないような、非常に大変な状況に向かってきている印象があります。あと休日夜間です。発熱ということでコロナの診断目的で受診される方も多くいらっしゃいます。そのような患者さまの中でやはり若い方、元気な方、年配でも元気な方です。そういった方は、今のコロナは急激に悪くなることはありません。安心して自宅にある解熱剤とか、あるいは総合感冒薬等内服していただいて、翌日等に連絡いただいて受診していただきますと救急外来のひっ迫も少し抑制される可能性がありますし、最近多くの方に普及してきた検査キットで陽性者がだいぶ増えてきています。検査キットで陽性になって、そのまま登録センターへ登録して、総合感冒薬等でよくなっていく方もいらっしゃいますし、あるいは検査キットで陽性だからということで病院に受診される方もいらっしゃいますが、少なくとも検査キットで陽性というだけでも情報があると、医療機関のひっ迫度は少しだけでも下がりますので、やはり自己検査は積極的に行う、そんなことがお互い医療従事者、患者さまの負荷を減らす意味では大事かと思っています。若い方、健康な方にコロナが発病した場合、現在、発熱、だるさ、咳、のどの痛み、頭痛、そういったものが多くの方は3日ほどで自然に軽快してきます。中に、症状が強い場合には解熱剤とか総合感冒薬を内服しますと改善傾向になる、安心できるということがあるので、まず病院等へ電話する、あるいは救急車を呼ばれる前に解熱剤をまず1錠飲んでから少し落ち着いたところで対応を考えていただきたい。そんな思いを持っています。私からは以上です。ありがとうございました。

ページの先頭へ戻る

取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

市民タイムス 萩原真一 氏
 先生お二方にお伺いしたいのですけれども、今のお話で高齢者の方で軽症の方、高齢者にまずはうつさないというのはよく分かるのですけれども、もし仮にうつってしまった場合、それで軽症の場合、施設で様子を見るなり自宅で見るということになると思うのですけれども、そのへん留意すべき点を一般の人に分かりやすくもう一度お願いできればと思います。施設の職員が見る時に留意すべきこと、自宅で見る場合に留意すべきこと、それをもう一度お願いできればと思います。

松本市立病院長 中村雅彦 氏
 高齢の軽症の方を見る時の注意ですけれども、軽症というのは指で測る酸素の値で測るのですが、軽症といわれてもやはり熱は出るわけですし、激しい咽頭痛があります。なので、食事が取れるかどうか、というのは非常に重要なことです。なので、水分を取る時に、高齢者はむせることが多いですので、自宅とか施設で見る時は、少し水分にとろみをつけたりしながら誤嚥を防ぐ、それから食事も普段よりは柔らかめのものを取るような工夫をする。まず食事が取れれば、処方されたラゲブリオという抗ウイルス薬とか、それからきのう報道されているようにゾコーバという新しいお薬も出ています。高齢者は使えない、高齢ということだけでリスクが一つあるということなので、ラゲブリオの使用になるのですけれども、こういったお薬をしっかり飲めるような状況をつくっていただきたいと思います。

信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 今、中村先生がおっしゃられたことに加えますと、トイレまで歩けるかどうかということも大事な点かと思います。息切れがしていないかどうか、そういったことを確認してあげるとよいかと思います。高齢の方が熱出た場合は早めに検査キット、あるいは高齢の方の場合は受診ということになると思うのですけれども、陽性かどうかを早く確認をしてあげて、中村先生がおっしゃられたように、抗ウイルス薬を早く飲んでいただくことが大事かと思います。いずれにしても高齢の方でも少し弱っている方が対象になるかと思います。以上です。

長野県知事 阿部守一
 重症化リスクが高いカテゴリーの方は、発熱等があれば診療・検査医療機関にまず相談してください、というのが基本的な対応なので、高齢者であること自体がハイリスクなので、そういう人たちが医療機関とつながらないとリスクになりかねないので、そこだけ誤解のないようにお願いしたいと思います。

市民タイムス 萩原真一 氏
 先ほど中村先生、職員の24人が欠勤とおっしゃっていましたが、この24人欠勤されているのはコロナの関係で、ということでしょうか。

松本市立病院長 中村雅彦 氏
 21人が家庭内感染等で感染を起こしている職員で、3人は濃厚接触で待機中の職員で24人です。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 先生方から高齢者の方の重症化を防ぐということと、外来のひっ迫をどうにかしなければいけない、ということがありましたけれども、一般の県民の人に対して、それぞれについて、これはやめてほしい、というのを端的に短くメッセージとして言った方が伝わる部分もあると思うのですよね。もし言うとしたらどういったことが言いたいでしょうか。中村先生と山崎先生に伺いたいのですけれども。

松本市立病院長 中村雅彦 氏
 今、第8波に入って、この間の23日に県内で4000人を超えましたので、最初のピークを迎えていると思います。これからクリスマスシーズンとか年末年始になるので、行事が控えているので、おそらく高止まり状態のまま第8波の二つ目のピークを迎えると思います。なので、仮にこのまま高止まりのまま第2のピークを迎える場合には、やはりクリスマスシーズンにかけて、自分自身の行動について少し考えていただいて、自らが無症状ということもありますから、自ら感染しているかもしれないことを想定しながらマスクや手洗いをしっかりと行う、要するに相手を気遣いながら行動してほしいと思います。

信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 なかなかしてはいけない、ということは答えが出ないのですけれども、若い方、健康な方の受診に当たって、まず自己検査等を行ってその上で受診をしていただきたいと思っています。セルフケアとして、解熱剤とか総合感冒薬等は用意をして、発熱があった場合にはまず内服をしてみるということを若い方、健康な方にはおすすめをしたいです。あと、やはりオミクロンワクチンです。ワクチンを積極的に接種することを推奨して、感染者をある程度抑制できるような方向にご協力を頂ければと思います。

松本市立病院長 中村雅彦 氏
 特に注意していただきたいのは、検査キットがなかなか手に入りづらい状況の中で、通販で手軽に入る研究用のキットを使ってしまって陽性が出たと。けれど、届け出をせずに、仕事に行かないといけないからといって仕事に出て行ってしまっている方もいるのではないかと思います。なので、検査はしっかり受けていただいて、他人に広げない、感染をさせないという意味でしっかり検査を受けて、陽性ということが判明したらしっかり療養していただきたいと思います。決して仕事に出ていくとかしないようにしていただきたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 山崎先生にお伺いしたいのですけれども、そうした自分で検査をするとか、風邪薬とか解熱剤を飲むということをした上で、外来診療を受けることは問題ない、受けることもなるべくやめてほしい、ということはないのですか、軽症の場合。

信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 感染の状況によると思います。現状のひっ迫からさらに悪化するようなことがあれば、そういったことをまたお願いしていかなければいけないかと思っています。ただ若い方の場合、どんなタイミングで受診したらよいかというと、若い方の場合は咽頭痛がひどくて喉が赤く腫れます。水分が取れない、あるいは物が食べられない、そういう症状が明らかに出てきた場合には、場合によっては点滴とかしなければいけないので、積極的な、そういう場合には受診をお願いしたいと思います。

(松本市立病院長 中村雅彦 氏、信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏 は所用により途中退席)

ページの先頭へ戻る

阿部知事からの説明

1 新型コロナウイルス感染症への対応について(県からの呼び掛け)

長野県知事 阿部守一
 皆さまにお配りしているペーパー(会見資料1の5ページ)、「医療への負荷軽減にご協力をお願いします」ということで、お二人の先生が言われたこととほとんど同じ話ですが、まず今の状況は、入院の状況とか、お二人の先生からのお話を聞いていただいてお分かりのように、高齢の方や基礎疾患がある方、重症化リスクの高い方と、そうでない方との対応はかなり違っています。だから、みんな同じ行動をしてくださいとかということではなくなっています。まず、ご自分が重症化リスクが高い側に入っているのかそうでないのかというのをまずお一人お一人がしっかり確認をしていただきたいと思います。私は61歳ですが基礎疾患がないので、ぎりぎり重症化リスクが高い側ではないと思っていますので、多少のことでは医療に負担をかけないように行動しようと思っています。先ほどお話あったように、例えば水分が摂取できないといったような状況になれば医療機関を受診しますけれども、熱が出た、咳があるくらいでは私は受診しないと思っていますので、これはお一人お一人、受け止め方とか不安感とか違うので、一律にこうなったら絶対こうだ、と申し上げにくいところがありますけれども、ご自分が重症化リスクが高いのか、そうでないのか、ということをまずしっかり確認をしてもらいたいと思います。その上で重症化リスクが高い方は、今、全国的にも非常に長野県は人口当たりの陽性者が多い状況ですから、それだけ感染リスクが高い状況です。従って、最大限警戒をしていただきたいと思っていますし、症状があれば、先ほど、抗ウイルス薬の早期投与で非常に退院も速やかに行っていただけている高齢者の方もいらっしゃるという、山崎先生からもお話がありましたけれども、重症化リスクが高い方については、早期の対応が必要ですので、ぜひ診療・検査医療機関等に速やかに相談していただきたいと思います。先ほど中村院長からもお話があったように、医療機関もかなりひっ迫している状況です。高齢者やリスクが高い方は速やかに相談してもらいたいと思いますが、そうでない方はできるだけセルフ・メディケーション、自分で対応いただくということで、検査キットで自己検査をして、軽症者登録センターへのオンライン登録をして、ご自分で解熱鎮痛薬等を服薬する対応をしていただく、そのことによって医療に負荷をあまりかけないことに協力をしていただきたいと思っています。特に休日夜間に、症状が重くないのに検査だけしに医療機関を受診するとか、あるいは休日夜間は医療資源が限られていますので、救急とか真に必要な方に医療資源が振り向けられないと困りますので、休日夜間の診療とか、あるいは中村院長がおっしゃっていただいたように、例えば基幹病院に多くの相談者が行くと困りますので、今、710の診療・検査医療機関が全県にあるので、みんなコロナの入院患者を受け入れているところとか大きな病院とかにかかるのではなくて、710診療・検査医療機関があるので、そういうところに心配な方はまず相談いただければありがたいと思います。それから、大きな2点目はワクチン接種の検討ということで、新型コロナ、それからインフルエンザの同時流行が懸念されていますので、どちらのワクチン接種についてもこの機会にぜひ検討いただきたいと思っています。特に、高齢者、重症化リスクが高い方に対する接種はぜひ検討いただければと思っています。あと、検査キットと解熱鎮痛薬等は日ごろから準備をしておいていただければありがたいと思います。日ごろから準備していないと検査できないので、検査のためだけに、少し熱が出ただけで医療機関に行ってしまう方が増えてしまいますので、高齢者でない基礎疾患がない健康体の方はなるべくご自分で対応していただきたいと思いますので、そのための備えをぜひ日ごろから行っていただければありがたいと思っています。医療現場の皆さま、それから介護施設の皆さまも非常に厳しい状況の中で対応いただいています。県からは確保病床を超えての入院のお願いもしていますし、介護施設の皆さまにもできるだけ施設内で陽性者が出ても施設で対応いただきたいというお願いをしています。こうした状況をぜひ共有いただいて、県民の皆さまにも同じ思いで今申し上げたようなことにご協力いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。

ページの先頭へ戻る

取材者からの質問

2 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 知事が最後におっしゃった、若くて健康体の方はなるべく自分で検査キットなど、薬を用意、というのが非常に分かりやすかったと感じました。感染予防というところでいいますと、私の周囲でもかなり感染したとか濃厚接触者になったという方が多くて、いったい感染の防ぎようがあるのかと、皆気を付けているはずなのに防ぎようがあるのか、というのが実感として結構あるのではないかと思うのですけれども、ここ足りないのではないか、というような、挙げられるところというのはありますか。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘のように、医療関係者の皆さまとか介護関係者の人たちも相当注意いただいていると思っていますが、それでも、院内感染とか施設内感染が出ています。やはり非常にオミクロン株の感染力が強いというのが医療関係者とお話ししていても出てくる言葉ですので、お話のように細心の注意を払ってもどうしても感染してしまう可能性もあると思います。ただ、今、県からお願いしていることの中で、特に換気の徹底ですね。時々寒いので、あと光熱費も高くなってしまっているので、もっと換気した方がいいと思う環境が、私が行動する中でも少し見受けられたりしますので、今、感染者が多い状況なので、事業所とか店舗とか、そういうところはぜひしっかり換気をしていただければありがたいと思っています。

読売新聞 村上藍 氏
 本日、医療のひっ迫の状況とかを県民の皆さんと状況を共有したいということで会見ということでしたが、国の方で医療ひっ迫強化宣言とかの検討も進められていて、各自治体にも締め切りを設けるといいますか、検討がされていると思います。それの宣言を出してやっていくという意思でしたり、共有するに当たって、そういうのも一つかなと思うのですが、その検討についてというか、出されるかどうかを含めて、検討を進めているのかどうかなどを含めていかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 コロナ対応は常に臨機応変に対応しなければいけないと思いますので、医療の状況とか産業、経済の状況とかをしっかり把握しながら、常にあらゆる選択肢は検討しています。ただ、今、長野県としては、国が新しいスキームで国としての医療非常事態宣言とか作ったので、若干分かりにくい状況になっていますけれども、長野県としては医療非常事態宣言を出して、県民の皆さまに先ほど申し上げたようなことも含めてお願いをしています。また、医療現場、介護現場にもお願いをし、例えば介護施設には検査キットを配布したり、また昨日も施設内療養の研修を行ったりして、いろいろな先生から、特に高齢者施設への対応がかなり重要だと思っていますので、研修会の対応であったり、あるいはワクチン接種の推進であったり、こうしたことに今取り組んでいる状況ですので、現状は県としての医療非常事態宣言と県民の皆さまへの協力のお願い、そして今申し上げたような点を含むさまざまな対策で何とか乗り越えていきたいと考えています。

読売新聞 村上藍 氏
 現状、他県さんでは検討されているというところがあるそうですが、県としては今の状況としてはあしたあさって、30日くらいまでに出す予定というのはない、ということですか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたようにいろいろな検討はしています。ただ、今、例えばあした直ちに出すとか、そういう考え方は持っていませんので、今申し上げたような対策を進めているところですので、そうしたことをしっかり進めて、きょう、医療の実情の共有をメディアの皆さまにもご協力いただいた上で、県民の皆さまにもぜひお一人お一人が感染防止対策、気を付けていただければありがたいと思っています。

市民タイムス 萩原真一 氏
 2日続けて確保病床使用率が68.1パーセント超えて、きのう70パーセント超えということもありましたが、きょう改めてこういったことで注意を呼び掛けて、知事さんのお考えとして、行動制限とか社会経済活動の維持との絡みとか、今の中村先生の発言の中でも、やはり世の中は開放的な方にいっているけれども医療現場はそうではないんだよ、というようなご発言もありましたけれども、そういった行動制限、もしくは社会経済活動の維持との両立に関しては、現時点のお考えはどのような感じでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 新型コロナも当初の頃は正体不明というところからスタートして、また、医療も非常に対応力が小さくてワクチンもないところからスタートしたわけですけれども、だんだんウイルスも変化して、今、高齢の方が感染してお亡くなりになられる件数が非常に増えていますが、これまでと比べると陽性者数に対するお亡くなりになられる方の割合は、だいぶ減ってきている状況です。また、先ほど申し上げたように、高齢の方、基礎疾患がおありになる方以外は、重症化リスクがだいぶ低くなっている状況ですので、行動制限については、できるだけかけずに対応していくことが必要だと思っています。いろいろな対策をこれまでも影響を見極めながら対応してきていますけれども、何度もここで申し上げたように、毎回毎回、対応している状況は変わってきています。今の状況は特に高齢者を守ることが至上命題ですので、先ほど申し上げたように、高齢者施設への検査キットの配布であったり高齢者施設の対応能力向上のための研修であったり、あるいは山崎先生からお話しいただいたようになるべく確保病床も有効に使えるように早期の退院ができるような後方支援医療機関との協力であったり、こうしたことを通じて何とか乗り切っていきたいというのが今の私の考え方です。ただ、先ほど申し上げたように、いつどういう変化が起きるか分からないので、そうした状況は常に注視をしながら必要に応じた対策を適切に行い、また県民への呼び掛けもその状況に併せて行っていきたいと思っています。

市民タイムス 萩原真一 氏
 現時点で高齢者を守ることが至上命題で行動制限はできるだけかけずに対応する、現時点ではそれを基本とされて、認識として、ただこのまま本当に協力を依頼しても、減らなかったとかなった場合、将来的に例えば行動制限をお願いすることもあるかもしれないから、そうならないように、改めてここらへんの対策を徹底というような認識でよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 行動制限も定義なしに行動制限と使うと何を意味しているかがよく分からなくて行き違ってしまう可能性もありますけれども、例えば高齢者の方に対しては、今でも感染リスクの高い場面・場所を最大限避けてくださいと言っていますので、これを行動制限といえば行動制限ですし、昔のような、例えば外出自粛とか時短要請に比べれば行動制限ではないといえば行動制限ではないので、行動制限は何を言うかということにもよりますけれども、その時に応じた呼び掛けをし、かつウイルスの特性を踏まえて過剰な要請とか対策にならないように注意しつつも、しかしながら今、医療を守るというのは至上命題になっていますので、医療とか介護面での対策をしっかり行いながら、何とか医療を維持できるようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 今、県が出している独自の医療非常事態宣言なのですけれども、出す時は第7波の68.1パーセントを超えないようにということを目指していたのですけれども、超えてしまったというところ、これは何が足りなかったのか、あるいは先ほどすごく注意している人でもかかっていると、この流行の状況が思っていたより厳しいという面があるのか、どうして超えてしまったと捉えていますか。

長野県知事 阿部守一
 これとこれという理由はなかなか明確に挙げるのは難しいですけれども、これまでに比べると陽性者の数が圧倒的に多くなっていますので、感染力が非常に強いというのが先ほど申し上げたように医療関係の皆さまもそのようにおっしゃっています。かなり注意している機関でも感染者が広がってしまっているというのが一つあります。ここでも何度も申し上げたように、長野県が多くなっている要因はやはり寒い地域で換気が不十分なことが考えられるのではないかということであったり、これまで陽性になっている方が少ないので、集団的な免疫が十分ではない、あるいは他の地域と比べると弱いのではないか、こうしたことが専門家から言われています。この夏の波を超える大きな波になっていますが、月曜日の陽性者数は日曜日の反映なので、数字の出方が低くなったりしますので、少し状況を見極めなければいけないというのが今の私の率直な感覚です。どうしても週末は上がって、陽性者数も土日をまたいだり休日をまたぐと、少しイレギュラーな出方になりますし、確保病床もどうしても日曜日は退院数が少なかったりしますので、もうしばらく見極めないとなかなか今後どうなっていくかは見通せないということで、数字はしっかり注目しているところです。
 ありがとうございました。

ページの先頭へ戻る

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

  • 長野県公式観光サイト ゴーナガノ あなたらしい旅に、トリップアイデアを
  • しあわせ信州(信州ブランド推進室)