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更新日:2023年3月6日
長野県知事 阿部守一
あけましておめでとうございます。昨年1年間多くの県民の皆さまにお支えいただく中で、長野県政前進をさせてくることができました。コロナ禍であったり物価高騰であったり、さまざまな危機に見舞われた年ではありましたけれども、多くの皆さまのご理解とご支援、ご協力のおかげでさまざまな対応、対策、進めてくることができました。改めて感謝を申し上げたいと思います。
新しい年を迎えました。引き続き物価高騰、コロナ対策、目の前の危機にしっかり立ち向かっていきたいと思っています。また気候変動であったり、人口減少問題であったり、大きな変化をしっかりと受け止めながら、県民の皆さまの確かな暮らしをしっかりと守り抜き、そして折しも新しい総合計画を策定している途中でありますので、パブリックコメントを踏まえてしっかりとした総合計画を取りまとめた上で、本当の意味での豊かな社会、物質的にも経済的にも精神的にも豊かな社会を目指して県政を進めていきたいと考えています。引き続き多くの皆さまのご理解とご支援、ご協力を頂きながら、「対話と共創」を基本に県政を進めていきたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
長野県知事 阿部守一
私の方からは本日2点お話をしたいと思います。まず1点目ですが、長野県の組織風土改革に取り組んでいきたいと考えています。午前中の部局長会議で私の手書きのメッセージを部局長に配りました。皆さまのところにもお配りしているかと思いますが、「長野県の組織風土をともに創りかえませんか」-明るく楽しく前向きな職場を目指して-(会見資料1)というタイトルを付けて、県職員向けにメッセージを出したところです。内容はお読みいただければ、趣旨はおわかりいただけるかと思いますけれども、県組織は県民の皆さまのために日夜仕事をしているわけですけれども、そうした中で職員と対話をすると、多忙感であったり徒労感であったり、こうしたことを感じている職員もたくさんおります。また一方で、どうしてこうしたミスが起きてしまうのだろうかというような事務処理の誤り、少しコミュニケーションが取れていれば防げたのではないかというようなことも目に付くようになってきています。行政財政改革に取り組もうということで、方針作成に向けて検討してきているわけですけれども、これまでだと、県全体でこういう方針の下で取り組もうということで行財政改革進めているわけですけれども、そうしたものの根っこにあるさまざまな課題にしっかりと向き合って、すべての職員の思いを一つにして組織風土改革に取り組んでいきたいと思っています。県知事としては、もとより県民の皆さまのための行政サービスの向上に努めていかなければいけないわけですけれども、いろいろな施策、政策に取り組むということはもちろん、その前にさまざまな政策を立案実行してもらっている職員、今まさに取り組まなければいけない課題であったり、中長期的に取り組むべき課題であったり、あるいは特に仕事の内容自体目新しくない地道な作業、仕事であっても、県民の皆さまにとっては極めて重要な仕事もたくさんあります。そうした全ての職員の課題や悩み、そうしたものを組織全体でしっかり共有をして、県の組織風土をしっかりと創り上げていきたいと思っています。そういう意味で、改革に取り組んでもらう、中心となってファシリテート(話し合いを円滑に進める)してもらう検討チーム、ファシリテートしてもらうメンバーを、まずは30名程度募集をしていきたいと思っています。ただ、この30名だけで取り組んでいくということではなくて、すべての職員と共にこの組織風土改革に取り組んでいきたいと思っています。「かえプロ」ということで名付けました。「かえるプロジェクト」、「(通称)かえプロ」と呼んで取り組みを進めていきたいと考えています。組織を変えていくという意味での「かえる」。それから、県民の皆さまのために仕事をしているという原点に立ち返るという意味での「かえる」。こうしたさまざまな思いを「かえる」ということに込めて、「かえプロ」に取り組んでいきたいと考えています。公募のチームを年度内の早い段階で発足させていきたいと思いますし、また検討の過程ではすべての職員との対話も行っていきたいと考えています。今年中を目途に具体的な取り組みの方向性を取りまとめてもらい、県知事としての私が責任を持って実行していく。もちろん県職員の皆さんに協力をいただきながらですけれども、知事として行わなければいけないことは私が責任を持って実行していきますし、逆に私だけではできないことについては、それぞれの部局やそれぞれの職員にも共に取り組んでもらいたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それからもう1点目ですけれども、『田舎暮らしの本』の「移住したい都道府県ランキング」で17年連続1位になったということです。毎年新年にお伝えしていますけれども、おかげさまで2023年版「移住したい都道府県ランキング」で長野県17年連続1位という形になりました。多くの皆さまに移住したい県だということでご評価いただいておりますことに改めて感謝を申し上げたいと思います。また市町村、あるいは民間の事業者の皆さんをはじめ多くの皆さんと共に、オール信州で取り組んできた成果だと考えています。移住施策の推進にご協力、ご支援いただいているすべての皆さまに改めて感謝を申し上げたいと思います。近年、コロナ禍の中でテレワークが普及して、仕事と住居の、必ずしも近接性がなくても仕事ができる方も増えてきています。また長野県でも、直接感じていますけれども、自然豊かなところで子育てをしたいという若い世代の方も増えています。こうしたことが要因となって、長野県連続1位17年を記録することができたと思っています。こうしたことに安住することなく、人口の社会増を目掛けた取り組みを引き続きしっかり講じていきたいと考えています。なお、昨年の本県の社会増減を見てみますと、1月から11月までの人口の社会増をみますと、一昨年、令和3年がマイナス1760人。その前の令和2年が(マイナス)2440人、コロナ禍前の令和元年が(マイナス)2088人、それぞれマイナスでしたが、昨年の11月まで、12月1日時点の数字でみると2477人の社会増、プラス、転入超過となっています。12月1カ月分のデータが残っていますけれども、これまでの調子でいけば、ほぼ確実に社会増が達成できるのではないかと思っています。現行の総合5か年計画の重点目標の中に「人口の社会増実現」ということをうたっているので、通年で社会増ということになれば大変ありがたいことだと思っています。なお、人口の社会増減が、本県において最後に社会増となったのは平成12年(2000年)ですので、昨年社会増という形になれば22年ぶりということになります。コロナ禍という少しイレギュラーな状況の中ではありますけれども、多くの方をお迎えできているということを大変うれしく思っていますし、こうした動きがしっかり定着することができるように、県としても移住をされる皆さまへの支援、あるいは移住をご検討いただいている皆さまへの積極的な情報提供や相談会の実施等、引き続き移住促進政策に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。私からは以上です。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
部局長会議で話をされた組織風土改革についてなんですけれども、知事の問題意識をお聞きしてても、間口がかなり広い、広く捉えられる取り組みなのかなというふうに思いますけれども、やはり器というかこういう目標は掲げた上で、現場からいろいろな知恵を出してもらって、このファシリテートというイメージがちょっと、もう少し具体的に教えていただければなというふうに思うんですけれども、その辺お願いいたします。
長野県知事 阿部守一
ファシリテートって書きましたけれども、まずこの「かえプロ」については、トップダウン型ではなくて、ボトムアップ、あるいはミドルアップダウンというか、要はすべての職員に参加をしてもらうことが重要だと思っています。私のメッセージの中には具体的な方向性とか課題については、あえて私からは言及をしていません。もちろん私から見えている課題や問題というのもありますが、ただこれは知事の立場から見えているものなので、多分、例えば若い職員から見ればもっと違うことが見えていると思っていますので、ファシリテートと書いたのは、これからの検討をぜひ多くの職員を巻き込みながら進めていっていただく、そういう役割を担ってもらいたい。また一人ひとりの職員がどんな課題や問題意識を持って、どうした取り組みを行っていくことによってそれを改善していきたいと考えているのか、こうしたことも引き出していってもらいたいと思っています。改革マインドに富んだ人たちに、まずは手を挙げていただきたいと思いますが、決してその人たちだけでこんなことをしたいとか、こういうことを取り組もうということで考えてもらうというよりは、多くの職員を巻き込む、その巻き込み役になってもらいたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
この取り組みも含めて昨年来、民間人材の方に県庁の業務に携わってもらって、一緒に活性化していくだとか、あるいは今年、来年辺りはまた定年延長とか、そんな働き方に関する節目を迎えているのかななんていうふうにも思いますけれども、そういったことも知事の念頭にあって、こういった試みをされるということにもつながっているんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もちろんそうしたことも背景にはありますが、一番は、私は県知事の立場として、県組織を県民の皆さまの、本当の意味で役に立つ組織にしていかなければいけないという役割、責任を担っています。ただ、これは私だけの力ではできないことです。特に組織風土というのは、長年の仕事の仕方とか職員同士の関係性とか、こうしたことで定着をしてきているわけですので、そうしたことは私が号令をかけて変わるものではないと思っています。ただ、そうした組織風土の改革なしに、非常に社会経済が大きく変化する中で、県としての役割や責任を果たし続けていくことがなかなか難しくなりつつあると思っています。昔ながらの行政の仕事の仕方だけでは、もはや県民の皆さまの期待に応えることは難しいと思っています。「対話と共創」ということを掲げていますが、これだけを取っても、おそらくかつての行政は対話だとか共創だとかそうしたことはほとんど考えずに仕事をしても一応曲がりなりにも仕事ができてきたと思います。ただこれだけ社会経済が複雑化してくる中で、行政も、行政だけで仕事ができるという範囲が非常に狭くなっていますので、これまでと同じ行動原理、あるいはこれまでと同じ組織風土では、県民の皆様の期待に応えづらくなってきていると思いますし、またそうした中で、一生懸命仕事をしている県職員の皆さん、あるいは一生懸命仕事をすればするほど、なかなか成果が見えづらい、上げにくいということで、多忙感や徒労感に苛まれるという形になっていますので、そうしたことを何とか改善をしていきたい、変えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
「移住したい都道府県ランキング」での17年連続1位ということで、喜ばしいことだと思うんですけれども、社会増という人の動きに着目すると、かなり長野県の強みが発揮され続けているのかなと思いますけれども、今後の政府による後押しですとか、そういったところではデジタル田園都市国家構想等もありますけれども、今後コロナ後に向けて政府あるいは国等にこんな施策を引き続き期待したいといった面があればよろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
人口の社会増減自体は、ある意味、都道府県間の人の移動ですので、私としては長野県が選ばれる県になるということは非常に重要なことだと思っています。従って移住促進についてはこれからも力を入れていきたいと思いますが、やはりそれ以上に深刻なのは日本全体が急激な人口減少だということだと思っています。これは長野県だけの取り組みで変えていける部分と変えていけない部分があって、長野県だけでは変えていけない部分については国においてしっかり取り組んでいってもらいたいと思います。特に子育て世代の皆さんの経済的負担の軽減。今、全世代型社会保障ということで、国でもさまざまご検討いただいているわけですけれども、ぜひ大胆な改革の方向性を示してもらいたいと思っています。また国の教育未来創造会議でも私申し上げてきていますけれども、若い世代が大都市に行ってしまう要因の一つは高等教育機関がかなり大都市に偏って存在しているということですので、地方の高等教育の充実振興、これは県も主体的に取り組んできている課題ではありますけれども、ぜひ国全体においてもしっかり取り組んでもらいたいと考えています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
春に統一地方選が予定されておりまして、県で言えば県議会議員選挙も予定されております。これまでも何度か伺ったことがあるかもわかりませんけれども、知事として迎えられる県議選としても何度目かになると思うんですが、各議員さんへの関わり方、応援のあり方等々、今、現時点でお考えがあればお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
現時点で特に何かこれと考えているわけではありませんので、基本的に従来と同じ形になると思います。選挙中に私が誰かを応援するということは、これまでも行ってきていませんし、今回も特にそうした働き掛け、お願いもありませんので、行う考えはありません。ただ、為書みたいなものを求められればこれまでもお出ししてきていますので、そうした対応は今後も行わせていただく形になると思います。ただ、今の時点で具体的に何かそういう依頼があるという状況ではありませんので、私自身まだ深く考えているわけではありませんけれども、基本的には従来通りと思っています。
中日新聞 大久保謙司 氏
新型コロナ関係で2点お伺いします。今年、行動制限がない3年ぶりに年末年始を過ぎたということで、県内の観光地もかなり多くの人出があったようなんですけど、やはり昨年一昨年と年明けに感染者が増加したという状況がありまして、年末にも知事からギリギリの状況であるというような認識が示されていたかと思うんですが、年が明けて今現在感染状況についてどのように見られているか、あるいはちょっと注視している部分等ありましたら教えてください。
長野県知事 阿部守一
まず年末年始も新型コロナウイルス感染症に対応いただいてきている医療従事者の皆さん、あるいは介護施設の皆さん、関係の皆さまに心から感謝を申し上げたいと思います。私も、年末年始も毎日報告される数値をずっと見てきましたけれども、確保病床使用率については少し下がってきていますし、また新規陽性者数についても、傾向としては減少傾向だと思っています。ただ、年末年始はご承知の通り外来診療機関の数が限定されている中での数値です。私からは、健康な方で軽症な方についてはできるだけ自宅で市販の薬を飲んでということで呼び掛けていますので、その数字だけをもってなかなか判断しづらいところもあるかなと思っています。三が日明けてのきょう、あしたの数字、それからまた3連休ありますけれども、その後の数字、陽性者数、それから確保病床あるいは確保病床外の入院者数がどうなってくるかということについては、私としてはしっかり注目していかなければいけないと思っています。ピークの数字からは下がってはいますけれども、ただ、今時点の数字だけをもってなかなか安心するわけにはいかないと思っていますので、引き続き状況をしっかり見極めながら必要な対策対応を講じていきたいと考えています。
中日新聞 大久保謙司 氏
補足でもう一点なんですが、昨年一昨年の例を見ますと、対策を打っていてもどうしても新規陽性者数が増加するっていう可能性が十分にあるかなと思うんですけども、そうした事態を想定して、医療関係者の方ですとか、ちょっと可能であるというか対策の検討が必要であるというふうに認識している点等がありましたら教えてください。
長野県知事 阿部守一
年末にも申し上げたように、今の状況はかなり二極化しています。高齢者あるいは基礎疾患があるいわゆるハイリスクの方とそうでない方、かなり状況が変わってきていますので、引き続きハイリスクの方をしっかり守るという対応に力点を置いていきたいと思っています。昨年末に確保病床も少し増加をしていますし、今、確保病床使用率が50パーセント台まで、ピークに比べると少し下がった状況ですので、病床使用率の状況等を見極めながら必要なメッセージを出したり、あるいは介護施設の皆さんへもできるだけ介護施設内で療養いただくようお願いしてきていますけれども、こうしたメッセージ引き続き徹底をすると同時に必要な支援を行っていきたいと考えています。
読売新聞 浅川貴道 氏
「かえるプロジェクト」先ほどおっしゃられた、ちょっと追加で伺いたいんですけれども、非常に興味深いなと思うんですけれども、その一方で、30人集めておそらく自由に意見を出し合ってということになるかと思うんですが、得てしてあまりいい意見が出てこない、逆にちょっとラジカル(急進的)過ぎるものが出てきて対応に困ってしまうというようなケースもあるんじゃないかと思います。これは具体的にどこの部署が所管して、どういったイニシアチブ(主導権)をとって、知事はどの程度こちらのプロジェクトに関わられるのかなというようなところを伺えたらと思います。
長野県知事 阿部守一
所管するのは総務部のコンプライアンス・行政経営課です。進め方については、これもメンバーと一緒に考えていく部分が多くなると思いますけれども、私の今のイメージで申し上げれば、先ほど申し上げたように私が感じている問題意識もあります。ただその一方で、例えば新採職員が抱えている課題や悩みというのもありますが、必ずしも同じじゃないと思います。同じじゃないのを、立場が違う、ポジションが違う職員同士が一緒に語り合うことで、根源的な問題は一体何なのかということをしっかり考えていきたいと思っています。どれだけの職員が応募してきてくれるかにもよりますけれども、できるだけこの30人の検討チームっていうのは、今の県の職員構成の相似形というか要するに、うんと若い人たちばかりとかあるいは課長、係長級の人たちばかりということではなくて、一定程度今の組織におけるメンバー構成と似たような形になるような人選ができればいいなと思っています。やっぱり立場が違うと同じ課題でも、上司が見えている課題と部下が見えている課題というのは結構論点が違ったりしますので、そういうところをできるだけ率直に出し合って共に解決できるようにしていきたいと思っています。
読売新聞 浅川貴道 氏
わかりました。これはすぐにでも着手して立ち上げていくということでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、速やかに私のメッセージだけではなくてコンプライアンス・行政経営課から正式な募集の通知を出して、遅くとも年度内にはチームを立ち上げて、具体的な取り組みを進めていきたいと思っています。
読売新聞 浅川貴道 氏
もう一点全く別の話なんですけども、昨日の信濃毎日新聞さんですけれども、1面の方に飯田市の放課後等デイサービスの件で虐待とみられる事案があったというようなことで、内容としてはもう記事にある通りかとは思うんですが、その中に県の方では報告があったけど公表されていないというくだりがございまして、この辺りについて知事どのように受け止められているか、また公表するような可能性はあるかどうかお伺いできたらと思います。
長野県知事 阿部守一
これも年末にメールで報告を受けて、障がい者支援課としての対応の考え方についても聞いている状況です。まず障がい者あるいは子どもさん、なかなか社会的に声を上げづらい方たちに対する虐待というのは決して許されないことだと思います。そうした事態が起こらないように、また起きたときに適切な対処を関係者に求めていくというのが行政の役割であり責任だと思っています。そういう意味でこうした事案が起きてしまったということを、私としては大変重く受け止めなければいけないと思っていますし、関係の皆さまにも改めて、障がい者あるいは子どもたちに対する虐待というのは決してあってはならないということを、私から言うまでもない話ですけれども、今一度認識をしっかりしていただきたいと思っています。公表についてですけれども、障害者虐待防止法に基づくスキームでは、社会的制裁を与えるというために行っているのではなくて、できるだけ改善してもらうということが第一義的な目的でありますので、そうした観点で市あるいは県としては、当該事業者が適切な対応を行っているのかどうかということを継続的にチェックしていくということが重要だと思っています。事案の公表のあり方については、今非常に、保育所等における虐待事案も世間的、社会的には大きな議論を呼んでいる部分がありますし、また言い方に語弊があるけれども、昔、数十年前の人権意識と今の人権意識でかなり違ってきているところがあると思いますので、公表のあり方についてはいくつか考えるべき点もあるんじゃないかなと思っています。例えば県と市町村の役割分担のあり方とか、あるいはこうした事案が発生したときにいろんなケースがあり得ると思います。例えば関係者の皆さまが社会的な論議を逆に起こしてもらいたいと思う場合もあると思いますし、逆に虐待をされた方あるいはそのご家族はそっとしておいてほしいというようなケースもありますので、いろんな事態を想定して、県としての対応のあり方とか公表のあり方については考えていく必要があるんじゃないかと思っておりますし、担当課においてもそうした観点で検討してもらえないかということでお願いをしたところです。
読売新聞 浅川貴道 氏
ごくテクニカルな話で言うと、報道の通りといいますか信毎さんの通りであれば、行政指導はあったけれども行政処分というところまでいくと報道するかなっていうようなところにテクニカルではなってくるんですが、今回行政指導だということで、そこには当たらないっていうことも公表しない一つの基準になったかというような考え方もあるんですが、今回出していないというのはそういった論点もあるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回のケースであれば障がい者の権利利益を擁護するということが一番の目的でありますし、先ほど申し上げたように行政指導で改善をしてもらうということが重要であって、メディアの皆さまにとっては公表する、しないというのは非常に重要な論点だと思いますが、県としては一義的には虐待を受けた障がい者の方の権利利益を守っていくということが重要だと考えています。法律上、毎年度公表する内容として施設種別、従事者の職種、虐待の状況、取った措置、こうしたことが規定されていて、個別の事案の公表というのは予定されていないという形になっています。制度に忠実に対応すれば今回の対応という形になりますけれども、先ほど申し上げたように県と市町村の関係性、例えばいろんなケースがあって、市は公表しようと思うけど県は他の事例との関係を鑑みれば公表する必要ないんじゃないかと考えるケースもあれば、逆もあって、県は公表すべきだけど市は反対だということもあったりするので、そういうことも含めて県としての考え方は整理をしていきたいと思います。
市民タイムス 萩原真一 氏
先ほどコロナの関係の質問にちょっと加えてなんですけれども、この3連休終わってみてどうなるか状況見なきゃというのはよくわかるんですけども、あわせて知事も前からおっしゃってるように、インフルエンザとの同時流行というのがこれから本格化していく可能性も捨てきれないというか、どっちかというとしちゃうのかなという感じもするんですけれども、そこら辺やっぱりインフルエンザとコロナの同時流行って本当に未知の領域に入ってくと思うんですけども、その辺の体制とか対策とかお考えをもう一回、改めてお伺いできればと。
長野県知事 阿部守一
まだ幸いなことに長野県がインフルエンザの流行期には入っていないという状況ですので、できるだけこうした状況を維持したいと思っています。こうした状況を維持するためにも、基本的な感染対策、コロナ対策であると同時に、マスク着用とか手洗い徹底、これはインフルエンザの流行防止にもつながる話でありますので、これまでも繰り返しお願いしているように基本的な対策の徹底は引き続きしっかりお願いしていきたいと思っています。同時流行になった場合にどう対応するかということについては、国からも、どれぐらいの発熱外来に来訪者があってということを推計して対策を講じるという形で、県としての必要な受診想定数を見込んで対応と体制をつくってきておりますので、一定程度インフルエンザと同時流行しても対応はできると思っています。ただ、油断はできませんので、引き続き呼び掛けの徹底と、それからなるべく医療への負担がかからないように、例えば軽症者登録センターの利用も全体の陽性者数からするとまだ1割から2割の間ぐらいになっていますので、本格的に同時流行になればできるだけ多くの皆さまには、コロナ陽性になった場合には軽症者登録センターの利用ということをしっかり呼び掛けていかなきゃいけないと思いますので、そうしたことも含めて徹底をしていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
ちょっと仮定の話ばっかりで恐縮なんすけども、例えば組織をすぐにそう変えてどうのこうのっていうのは対応は難しいと思うんですけれども、とりあえず現状ある組織の中で同時流行した場合も対応していくっていうお考え。
長野県知事 阿部守一
発熱外来で対応していただかなければいけないということは変わりませんので、そういう意味ではできるだけ今の体制を維持しながら、片方で県民の皆さまには軽症のときには医療機関にかからずにできるだけ対応していただく、そうしたことをお願いしていくという形になると思います。
長野朝日放送(abn) 山岸玲 氏
今日の部局長会議で配られたメッセージ、あれ手書きにされた理由とか、例えば知事これまでお仕事されてる中でそういうことをされてる首長さんや知事がいらっしゃったのかなど、参考になった、した事例とか、その思いとかがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
参考になった事例というのはあんまり思い浮かばないですけれども、あえて私、今回自分で下手な字で、もう少し字がうまければなと思いながら書いていますけれども。書いたのは、私としては、本当にの職員一人ひとりにぜひ協力してもらいたい、そのためには、私も最近はほとんどワープロ打ちの文章で私の考えを伝えていますけれども、組織風土っていうのは、極めて人間的なものですよね。デジタル化しましょうという話と違って、ある意味、人と人との人間関係であったり、心の触れ合いであったり、あるいは情緒的、感情的な部分がかなりウエートを占めていますので、私としても、組織風土改革についてのメッセージについては、自分の手書きで、この字で、こんな下手な字を書く知事かと思われるかもしれないですけれども、やっぱり自分の言葉で自分の思いを伝えたいということで書きました。
日本放送協会(NHK) 高田実穂 氏
先ほど読売さんも伺っていた飯田の施設での心理的な虐待の事案の関係でお伺いしたいんですけれども、先ほどは県知事としての受け止めと、どうして公表しなかったのかという点についてお答えいただいたんですが、私からは、そもそも飯田市の方から、飯田市の方は21年度に県の方に報告したというふうに話しているようなんですけれども、県としてもその認識で事実関係として合っているのかということをまずお伺いしたいと思います。あと、先ほど知事からは、市あるいは県としては事業者さんが適切な対応をしているのか継続的にチェックしていくことが重要というふうにおっしゃっていたと思いますが、事案を県の方で把握されてからどのような対応をとってきたのかというの教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
担当課の対応としては、個別事案について認めると、県が公表したということと同じ結果になってしまうということで発言を控えたと聞いています。これまでの対応、県としての対応については、担当課長の方から説明をしてもらえればと思います。
障がい者支援課長 藤木秀明
これまでの対応ですけれども、今回の件に限らず、市町村から虐待の認定をしたという報告をいただいた場合については、市町村からご相談をいただいて、助言をさせていただきながら進めていくというのが基本的な考え方になります。場合によっては、市町村から一緒に合同で実地調査をしてもらいたいというような要請があれば、一緒に県も同行するということもありますし、それから事案によっては県の判断で市町村と一緒に調整に入って指導していくというケースもございます。ケースバイケースでそれぞれ対応させていただいているということでご理解いただければと思います。
日本放送協会(NHK) 高田実穂 氏
それは今回の事案についてもそういった対応がなされたという理解でよろしいんでしょうか。
障がい者支援課長 藤木秀明
今回の事案につきましても市からご相談をいただいておりますので、そういった対応をさせていただいてるということでございます。
時事通信 齋藤開 氏
今の事案に関連してなんですけど、そもそもどういった虐待があったのかっていうのは県としては公表される。今、ご質問したら答えていただけるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今の段階では答えないということですが、先ほど申し上げたように公表のあり方についてはさらに検討したいと思っています。例えば、以前「子どもを性被害から守るための条例」を制定しましたが、一つ一つのケースを公表するのかどうかということが議論になったことがありました。その時には、被害者のプライバシーを最大限尊重しなければいけないということで、個別の公表は控えるということにいたしましたが、ただそれだとどんな案件があって、県が何したかわからないということもあって、子ども支援委員会には個別の状況を報告して、かつ、年間まとめてどういうケースが何件あったかということについては公表するという形で整理をしたこともありますので、今回、障害者虐待防止法に基づいて対応を講じる場合、あるいは報告があった場合にどういう対応をしていくのが望ましいのか、公益を守るという観点とそれから個々のプライバシーを守るという観点の両面をしっかり念頭に置きながら対応を考えていきたいと思っています。
ありがとうございました。
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