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更新日:2023年5月30日
長野県知事 阿部守一
それでは、本日全県に医療警報を発出するということで会見をしたいと思います。まずは現状をお知らせします。直近1週間の新規陽性者数の状況ですが、これまでの第7波においては、1週間当たりの新規陽性者数のピークが2万人と少しということで、8月の半ばにピークがありました。その後、新規陽性者数は減少基調でしたが、(会見資料1/スライド2ページ)ご覧いただいていますように、下げ止まってきて、ここに来て少し新規陽性者数が増加傾向です。次のグラフ(会見資料1/スライド3ページ)ですが、高齢者施設や医療施設における集団感染の事例も落ち着く方向でしたが、ここに来て少し右肩上がりの傾向が出始めている状況です。確保病床使用率も新規陽性者数とほぼ同じような傾向で、ピーク時は68.1パーセントに達したわけですが、そこから順次減少をして一番小さい値で15.8パーセントまで下がりましたが、新規陽性者数がやや増加傾向にあるということで、直近、昨晩の数字では28.4パーセントまで再び上昇してきている状況です。入院されている方の状況ですが、昨日の時点で9割の方が65歳以上の方です。また、中等症以上の方も9割以上が65歳以上の方で、やはり高齢の方、基礎疾患のある方については、引き続き注意を要する状況が継続していると考えています。確保病床以外の入院者の状況についても、6名まで減少しましたが、再び増えてきています。院内感染等も出てきている、病院の集団感染等も出てきているということで、また増加に転じている状況です。
そうした中で、県としては感染警戒レベルと医療アラートを運用してきていますが、確保病床使用率25パーセントが医療警報の目安です。3日続けて25パーセントを上回ってきていることを踏まえて、本日全県に医療警報を発出したいと思っています。そこに(会見資料1/スライド7ページ)目標を掲げていますが、まずはこれ以上、確保病床使用率が上がらないように、医療特別警報の発出を回避していきたいと思いますし、また、確保病床使用率が25パーセントを安定的に下回るようにしていきたいと考えています。感染警戒レベルの現在の運用は医療アラートで上限を決めていますので、木曽圏域は現在レベル2で、他(圏域)はこの医療アラートでレベル3にとどめていましたが、今回の医療警報発出に併せて、9圏域のレベルを4に引き上げることとします。呼び掛けと対策の内容については、皆さまにお配りしている資料(会見資料2)をご覧いただければと思いますが、趣旨等や目標、圏域の感染警戒レベルについては今申し上げたとおりです。県としての対策は「ワクチン接種の推進」、「自己検査及び軽症者登録センターの利用促進」、「高齢者施設等の従事者等に対する検査の実施」で、これらについては、また呼び掛けの方で言及したいと思います。(会見資料2/2ページ)(4)の「更なる感染拡大への備え」については、先日の新型コロナの専門家懇談会においても少し意見交換をしていただいたわけですが、この冬に向けて、今年の夏を上回る発熱患者が発生したときの対応を、医療関係者の皆さまと構築をしていきたいと思っています。新型コロナとインフルエンザの同時流行も視野に入れた体制の検討を進めていきたいと思っています。それと併せて、これまでの第7波の実態に合わせて、現行の感染警戒レベルで対応していますが、実態を踏まえた見直しを行っていきたいと考えています。県民の皆さまへのお願いを別途ご説明しますが、ぜひ引き続き差別や誹謗(ひぼう)中傷が起きないように、県民の皆さまにはご協力をお願いしたいと思います。
県民の皆さまへのお願いですが(会見資料2/別紙)、冒頭のところに書きましたが、これから冬に向けての対応を急いでいかなければいけない状況です。感染者数、入院者数をできる限り抑制をしていきたい、そのためにご協力いただきたいと思いますし、併せて、社会経済活動については感染拡大防止と最大限両立をさせていきたいと考えています。本日発出する医療警報ですが、これまでと同様、医療警報段階では基本的に社会経済活動を控えていただくような内容ではありません。そうした状況にならないよう、県民の皆さまにはぜひご協力を頂きたいと考えています。呼び掛けの内容ですが、一つ目はまず「感染しない。感染させない。」、これをぜひ心がけていただきたいと思っています。特に、先ほど申し上げたように、入院者あるいは中等症以上の患者の方のほとんどが高齢の方ですので、65歳以上の高齢者、基礎疾患がある方、妊婦さまといった重症化リスクが高い方、そしてその身近にいられる方は、感染リスクの高い場面・場所においては、感染しないように十分注意をしていただきたいと思います。また、基本的な感染防止対策の徹底については、引き続きのお願いですが、特に今回強調したいのは(2)の丸の二つ目の後段です。だいぶ気温が下がってきました。どうしても寒いので窓を閉め切りたいとなってしまいますが、何度も繰り返し申し上げてきているように、新型コロナはエアロゾル感染ということで、換気が非常に重要です。常時換気、機械換気、あるいは窓を開けることも含めて、常時換気をしっかり行っていただくことを、県民の皆さま、事業者の皆さまにはお願いしていきたいと思っています。特にここは強調をしたいと思います。それから、体調に異変を感じた場合の対応ですが、重症化リスクがある方は速やかに受診していただき、そうでない方については自己検査を行った上で、軽症であれば軽症者登録センターのオンライン登録を積極的にご活用いただきたいと思っています。これから冬にかけて、新型コロナ、あるいは季節性インフルエンザの感染者の方が増えてくることを警戒していますが、軽症の方で重症化リスクが低い方については、軽症者登録センターをぜひ積極的にご活用いただき、医療機関の外来(診療)がひっ迫していかないようにご協力を頂ければと思います。そして2ページ目ですけれども、今の時点で薬局等で新型コロナの検査キット、解熱鎮痛剤等をあらかじめご購入をお願いしたいと思います。医療ひっ迫を避けることが、これから冬にかけて重要なテーマになりますので、ぜひご自分で検査をする前提での備えを行っていただきたいと思っています。また、発熱等の症状がある方は他の方にうつす可能性もありますので、外出、人との接触は控えていただくように改めてお願いをしたいと思います。ワクチン接種ですが、これまでも接種を呼び掛けしてきていますけれども、接種間隔については、今、政府において短縮する方向で検討がされています。近々、記載していますように、5カ月から3カ月に短縮されるものと考えています。短縮されると、かなり多くの方が本県でも前倒しで接種が可能になっていきます。ぜひ接種対象になられる方、3カ月短縮で新たに接種対象になられる方は、一定期間時間が経つとワクチンの効果も薄れてきますので、安心して新年を迎えられるように、これから冬が正念場になる恐れがありますので、ぜひ速やかな接種をご検討いただきたいと思います。併せて、季節性インフルエンザのワクチン接種については、まずは高齢の方等の定期接種の対象の方については、市町村からご案内がいくと思います。希望される方については、早めの接種をお願いしたいと思います。また、定期接種の対象外の方についても、もちろんご自分のためでもありますし、医療現場の負担を軽減する観点でも、この機会にぜひインフルエンザのワクチン接種のご検討をお願いしたいと思っています。マスク着用、会食、旅行等については、これまで呼び掛けしている内容と同様です。なお、概要版(会見資料2/別紙)を付けていますが、特に今回強調したいところを、今申し上げたところからピックアップしています。医療警報がさらに医療特別警報、医療非常事態宣言にならないように、県からもこれから呼び掛け、市町村はじめ関係の皆さまにご協力を頂きながらしっかり行っていきたいと思いますし、ぜひメディアの皆さまにもご協力を頂ければありがたいと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。
時事通信 齋藤開 氏
今回感染者数が増加しているということで、県としてはなぜ感染者が増えているとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県としてというよりは、専門家懇談会でいろいろご意見を伺っていますが、これが唯一絶対の要因だということではないのですが、頂いているご意見として出ているのは、一つは再び人の動きが活発になってきていること、そして今、長野県であったり、これまで長野県も含めて比較的陽性者数が少なかった地域が、人口当たりでみますと陽性者数が多くなっています。これは、いわゆる集団免疫的な部分が薄い地域が今、比較的多くなってきているのではないか、とご指摘を頂いています。それから、今回特に強調していますが、換気の徹底が非常に重要ですが、だいぶ気温が下がってきましたので、どうしても換気がおろそかになっている傾向もあるのではないかと思っています。さまざまな要因が複合して、今の状況になっていると考えています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
今の関連でもありますけれど、第6波と第7波の間では(新規陽性者数が)3桁くらいまで下がったところが今回4桁で、なかなか下がり切らずに今のような動きになっている背景がもしあればということと、あともう1点、高齢者施設での発生が大幅に増加ということなのですが、この辺の背景も何か情報があれば教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
前段の話は先ほどのご質問に答えたことと基本的に同じだと思っています。季節的な要因であったり人の動きであったり、あるいはこれまでの感染の状況であったりという部分だろうと思っています。これが唯一絶対ということではないですが、いくつかの要因が複合していると受け止めています。それから集団感染ですが、医療機関であったり、高齢者施設の皆さまは細心の注意を払われていると思いますが、ただ、長野県内、あるいは日本全体も少し新規陽性者数が増加基調になりますので、どうしても全体的に陽性者が増えると、一定程度、施設内感染とか院内感染はこれまでも起きていますので、そうした動きと連動しているものと考えています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
先月、発生届の簡略化が始まりまして、もうじき1カ月経過するかと思うのですけれども、当初言われていたように、医療機関とか医療体制全体のメリットと、あるいは当初、低リスクと言われているような人が急変するようなことに対するアプローチであるとか、そういったメリット、デメリットみたいなことがあったと思うのですが、この1カ月においては、今、簡略化に関する受け止めといいますか、ご認識があればお伺いしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
まずは重症化リスクが高い方については、基本的に医療機関を受診していただいて、発生届も出していただいている状況ですので、そうした方については、これまでと同様に把握をしていますし、医療機関でも十分対応いただけていると思っています。また、発生届が必要とされなくなった方についても、必要なサポートはさせていただいていますし、特にそのことによって課題となるような事例が発生している認識ではありません。医療体制面では一定程度、今の対応が定着してきているのではないかなと思いますし、反面、保健所の対応については、発生届が全数ではなくなったことによって、相当程度軽減をされてきていると考えていますので、これはやはり陽性者が増えていく局面を考えれば、こうした対応に切り替えている状況で良かったのではないかなと思っています。引き続き、そうした中で対応が十分でない方が出ることがないように取り組んでいきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
2点伺いますが、まずは今月4日の解除から半月で再びということで率直な知事の受け止めと、第8波ではなくて第8波の再拡大という位置付けでいいと思うのですけれども、意外と早く来たなというか、その辺の時期的な受け止めというのはどうですか。
長野県知事 阿部守一
専門家懇談会の中でもご意見を頂いていますし、先ほどもご覧いただいたように、前回のボトムの陽性者数が少ない状況に比べると、今回は少し早い段階で反転してきている認識ではあります。時期的にももう少し先の段階になるのではないかというのが専門家懇談会の皆さまも感じていたということですが、そういうことからすると少し早めに陽性者が増え始めているなという認識です。ただ、ここから急激に増えていくのかどうかは、まだ予測が難しいと思っていまして、先ほど申し上げたように、ワクチン接種も4回目、5回目の接種ということで、できるだけ前倒しで行う考えですので、急速に陽性者が増えて医療機関への負荷が増えることをぜひ回避していきたいと思いますので、ぜひ多くの県民の皆さまにはご協力を頂ければと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
もう1点、先ほどこの冬が正念場という言葉もありましたが、以前、知事が早くコロナも一般の疾病、季節性インフルエンザの定点観測とか、一般の疾病と同じ扱いに早くなってもいいのではないかというご発言がありましたが、その点、今のお考えはどうですか。再拡大を受けて。
長野県知事 阿部守一
先ほどご説明したように、今入院されている方や中等症以上になられている方は、ほとんど高齢の方とか基礎疾患がある方という状況ですので、コロナ自体も当初の頃とはだいぶ状況は変わってきていると思っています。ただ、今でも重症になられる方もいらっしゃいますし、また、多くのケースは基礎疾患が増悪してお亡くなりになるケースが多いと思いますが、コロナに感染されてお亡くなりになられる方もいらっしゃいますので、引き続き、まだ今の時点ではしっかり対応していかなければいけないと思っています。治療薬の普及等を含めて、あるいはワクチン接種の、今回は前倒し接種になりますので、そうしたことを通じて、新型コロナの感染拡大であったり、入院される方、重症化される方が少なくなるように県も取り組みますし、これは県民の皆さまのご協力が不可欠ですので、より少なくなって抑制されるように県民の皆さまにご協力をお願いしたいと思っています。
中日新聞 大久保謙司 氏
1点お伺いします。県としての対策の中で感染警戒レベルのお話がありましたけれども、これまでレベルの見直しをするとすれば、感染状況が落ち着いたタイミングを待って見直しを検討するという話があったかと思うのですが、また再拡大してきて、かつ冬が近づいてきているという中で、このレベルの見直しをどのタイミングで検討していくかということについて、改めてお伺いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
ご指摘の通り、感染状況が落ち着いているタイミングで(感染警戒レベルの)見直しをしたいと思っていましたが、先ほど申し上げたように、かなり早いタイミングで反転してきている状況です。反転してしまったので見直さないということは、実態と合わなくなる可能性がありますので、今回は第7波の状況も踏まえて、それに合致するように見直していきたいと思います。いつとまでは言い切れないですけれども、私としては今月中には見直して、新たな運用をできるようにしていければと思っています。
日本放送協会(NHK) 高田実穂 氏
今年の冬はインフルエンザとの同時流行が想定されるので、それを視野に入れた体制の検討を進めたいというご発言があったと思うのですけれども、現時点で具体的に言うと、どういったことを体制として検討しているのか教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
国からも一定程度考え方が示されてきていますけれども、まずは発熱外来を訪れる方の数が、インフルエンザと同時流行になれば、コロナの方とインフルエンザの方と両方いらっしゃる形になりますので、この第7波のピークの週2万人を大きく超える陽性者がいる状況を想定して、外来(診療)とそれから入院の在り方を考えていかなければいけないと思っています。そこは、いろいろシミュレーションをし、対応の在り方について医師会の皆さまはじめ、医療関係者の皆さまと相談をさせていただいた上で、方向をお示ししていきたいと思います。
日本放送協会(NHK) 高田実穂 氏
あと、今回の医療警報をどういうふうに受け止めたらいいかというところなのですけれども、かたや全国的に見ると全国旅行支援であったり水際対策の緩和だったりで、全国的な人の動きも活発になって、自然に考えると増えていくというのは、ある意味自然の動きなのかなというふうにも感じるのですけれども、一方で、今回医療警報を出して数を抑えていこうというメッセージを出したときに、なかなか医療警報をどう受け止めたらいいのかというのが、その意義や意味というのが、なかなか薄れてきてしまっているような感覚も個人的にはあるのですけれども、その辺りはどういうふうに考えたらいいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
新型コロナの対応をだいぶ長く行ってきていますので、県民の皆さまの中でも、ある程度ご自分なりに対処の仕方が確立されている方も出てきていらっしゃると思います。そういう意味で、今回医療警報ですので、社会経済活動は普通通り行っていただく前提です。ただ、基本的な感染対策であったり、感染リスクが高いような場面では、特に高齢の方とか基礎疾患がある方については十分注意してもらいたいというメッセージを出したところです。社会の状況を見ると、行動をしてもいいのですけれど例えば会食の場面等でもこれまでより少し緩みがちな状況があると思いますので、先ほどの換気の話も含めて、今一度基本的な部分をしっかり対応していただきたいと考えています。
最後に一言だけ。今回、医療警報を出していますが、医療警報を出したということは、医療にも少しずつ負荷がかかりつつあるということで、先ほどのご質問にもあったように、今回、確保病床使用率が前回ほど下がらない中で反転してきていますので、医療関係者の負担が十分軽くならないまま次の波に行くか行かないか、という瀬戸際になっています。そういう意味では、医療従事者の皆さま、医療関係者の皆さまには、私から心から感謝申し上げたいと思いますし、そうした皆さまが私たちの命と健康を支えていただいているということを、多くの県民の皆さまと共有をして、ぜひ基本的な対策の徹底についてはお願い申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
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