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更新日:2022年12月8日
長野県知事 阿部守一
先ほど専門家懇談会を開催しましたが、そこでの議論を踏まえて県民の皆さまに新型コロナに関連してお伝えをしていきたいと思います。「全県に『医療警報』を発出します」ということです。まずL452Rスクリーニング検査陽性率の推移(会見資料1/スライド2ページ)ということで表をお示ししていますけれども、このL452Rスクリーニング検査陽性の場合はBA.5であったりBA.4の疑いが高い。ゲノム解析をやる前の段階で一定程度BA.5等の可能性を把握する上で重要な検査だと思っていますが、ご覧いただいていますように、このL452Rのスクリーニング検査の陽性率ですが、6月13日から6月19日の週は0.0でしたが順次陽性率が上がってきています。直近の7月11日から17日までの1週間の陽性率が58.3パーセントで、これはすべての陽性者を対応しているわけではありませんけれども、かなりこのBA.5等への置き換わりが進んできているという状況です。そういう意味で全国的にも本日陽性者数が過去最多を記録している都道府県が多くなっていますし、全国的にも過去最多の陽性者数ということが報告されていますけれども、本県においてもこの感染速度の速いBA.5に置き換わりがだいぶ進んできていると受け止めています。それから、確保病床使用率と直近1週間の新規陽性者数の推移(会見資料1/スライド3ページ)です。新規陽性者数については本日1594人ということで、すでに公表したところかと思いますが、本県においては過去最多です。過去最多というよりもこれまでの1日当たりの過去最多をかなり大きく上回る陽性者数になっています。また1週間当たりの新規陽性者数は5571人ということで、こちらも過去最多という状況です。一方、確保病床使用率については22.9パーセントということで、陽性者数に比例して同じように動くというより、入院をされる方であったり、あるいは中等症以上になる方の割合は一定程度抑えられてはいる状況ではありますが、ただ確保病床使用率についても着実に増加基調にあるというのが現状です。それから、65歳以上のご高齢の方の陽性者割合(会見資料1/スライド4ページ)ですが、高齢者施設等でも集団感染等が発生しています。そうしたこともあってご高齢の方の陽性者の割合が少しずつ増えてきています。どうしてもご高齢の方が陽性になると入院される可能性が高い状況ですし、また比較的入院も長期化される可能性もありますので、ご高齢の方の陽性者が増えてきているということについては、県としてもしっかり注目をしていかなければいけないと思います。それから、直近1週間の感染経路(会見資料1/スライド5ページ)ですが、濃厚接触者等の把握も以前ほど精緻(せいち)に行わないというような状況になっていますので、不明という方が多い状況ではありますが、その他の属性で見ますと同居のご家族での感染と、ここのウエートがもっとも高くなっています。またその次は、その他の接触ということで、例えば学校とか高齢者施設とか会食とか職場、これは場の概念で整理していますけれども、そうした場はどこだかよくは分からないけれども、知人であったり親族の方から感染したと思われる方が15.3パーセント、学校や児童福祉施設が9.6パーセント、職場が4.2パーセント、県外が3.1パーセントという状況になっています。ご家族であったり、あるいは比較的身近な方を通じて感染が広がっているという状況です。こうした状況を踏まえて本日、今の段階で全県に医療警報を発出(会見資料1/スライド6ページ)したいと思っています。先ほどの専門家懇談会でご議論いただきました。医療警報発出の考え方としては、一つは本日公表分の新規陽性者数が1594人ということで、過去最多の数を大幅に上回る状況になっています。そして入院者数も増加基調にあるところで、昨日時点の確保病床使用率は22.9パーセントです。目安は25パーセントという形にしていますが、先ほどお伝えしたように高齢者の陽性者数も増えてきているという状況です。今後、入院される方の数が増加していくものと受け止めていますので、そういう意味で確保病床使用率は22.9パーセントという状況ではありますが、医療警報を発出していきたいと思います。もう一つの要因は、地域によっては、保健所からの情報ですが外来診療が逼迫(ひっぱく)しつつあるという状況もあるので、こうしたことを総合的に勘案して今回、確保病床使用率は25パーセントに達してはいないという状況ではありますが、専門家懇談会の皆さまのご意見も伺った上で、早めに医療アラートを出す必要があるのではないかということで本日、医療警報発出ということにします。今の感染警戒レベルは医療アラートと連動しています。医療警報が出ていない段階では感染警戒レベルは基本的にレベル3が上限ということになっていますが、今回、医療警報を発出しますので、八つの圏域については併せて感染警戒レベルを4に引き上げます。佐久、上田、諏訪、上伊那、南信州、松本、長野、北信の八つの圏域については感染警戒レベルを4とします。今回、医療警報を発出しますが、確保病床使用率35パーセントを目安にして医療特別警報を出そうと考えていますが、医療特別警報の発出段階になると感染警戒レベルも5に引き上げて、比較的強い要請を県民の皆さまに行っていくことになろうかと思います。そういう意味では、今の段階で医療警報を発出することによって、何とか医療特別警報の発出を回避していきたいと思っています。お一人お一人の皆さまの行動変容を促すことによって、何とか医療特別警報の発出まで至らないようにしていきたいと思っていますし、また、確保病床使用率が今はまだ25パーセント以下ですけれども、今後増えたとしても25パーセントを安定的に下回ることを目指して対応していきたいと思っています。圏域ごとの感染警戒レベル(会見資料1/スライド7ページ)です。先ほど申し上げたように、八つの圏域はレベル4、そして木曽と北アルプスについてはレベル2という状況です。そういう中で県民の皆さまへのお願いです。皆さまに資料をお配りしていますが、「新型コロナ第7波における県民の皆様へのお願い」(会見資料2)をご覧いただければと思います。これまで同様、医療警報の段階ですので、社会経済活動はできる限り維持していくということを前提に呼び掛けを行いたいと思っています。まず一つが、ご自身が感染しない、他者を感染させないことを心掛けて行動いただきたいと思っています。まず体調に異変を感じた場合等の対応ということですけれども、まず高齢者、あるいは基礎疾患がおありの方など重症化リスクが高い方については喉の痛み、せき、発熱等の症状がある場合は速やかに診療・検査医療機関にご相談をいただき受診をしていただきたいと思っています。これは重症化される方をできるだけ少なくしていきたい、命を守るという上では重症化リスクが高い方がしっかり医療機関を受診していただくことが重要であると考えているからです。昨晩現在での療養者数は5200人以上の方がいらっしゃいますけれども、重症の方はゼロです。そして中等症の方が22名という状況です。陽性になる方は非常に多い状況ですが、酸素吸入等必要とされる中等症の方、あるいは人工呼吸器の装着等が必要となる重症の方は非常に限られて、重症者はまだゼロという状況です。そうした状況の中で重症化される方を防ぐという観点の呼び掛けです。そういう観点で、その他の方についてはこうした症状がある場合は外出を控えていただき、症状が続く場合は診療・検査医療機関等へ相談の上、受診をしてくださいということです。少し言い方を変えて言います。「症状が続く場合は」ということで、今回BA.5の病原性がまだ判然としないところがありますけれども、専門家懇談会の先生方のお話によれば、例えばデルタ株のように多くの方が肺炎症状を呈しているということでは必ずしもないという状況です。そういう意味で、軽症の方はどんどん医療機関にかかるということではなくて、むしろ外出を控えてコロナに感染していたような場合であっても、他の方には感染させないということをぜひ心掛けていただきたいと思います。ただ症状が継続するような場合は受診をしていただければと思っています。それから、これから帰省等をされて、普段は一緒に生活をしていないけれども高齢者の方、あるいは病気がある方とお会いになるという方もいらっしゃると思います。そうした場合には今、薬局等における無料検査を行っていますので、ぜひご活用いただきたいと思っています。事前にこうした方、重症化リスクが高い方を守るという観点で検査を活用いただければと思っています。それから、無症状でも他者に感染させてしまいます。発症前、あるいは症状が治まった後も感染させてしまう可能性がありますので、そういう意味では、症状がない方についてもマスクをしていただいているというのが今の状況ですし、体調が少し変だなということが治まった場合でも、他の方に感染させてしまうようなリスクが高い行動はぜひ控えていただきたいと思っています。それから(2)が基本的な感染防止対策の徹底ということで、これまでも繰り返しお願いをしているところです。私の認識では、人との距離の確保であったり、あるいは換気の徹底であったり、こうした部分がかつてに比べると少しおろそかになっている部分があるのではないかと思います。改めて新規陽性者数が非常に多い、今までになく新型コロナウイルスの陽性の方、感染されている方が多い状況ですので、今一度基本的な感染対策の徹底をお願いしたいと思います。特に今エアコンをつけている状況ですが、ここも少し窓を開けていますけれども、換気についてはできるだけ小まめに行っていただくよう改めてお願いします。それから(3)ワクチン接種ですが、先日の第6波の振り返りにもありましたように、第6波の中でも前半と後半、前期、後期に分けますと、後期、後半の方は重症化される方が非常に少なく抑えられている状況です。これはワクチン接種の効果だと考えています。今60歳以上の方、基礎疾患がある方等に対する4回目接種が行われているところです。今、非常に陽性者数が増加している状況ですので、重症化予防という観点で対象になる方についてはぜひ4回目接種のご検討をいただきたいと思います。なお、ある方と話をしたら、診療所における接種、なかなか予約がしづらい環境のところもあるようですので、市町村における集団接種、そして長野県としても集団接種会場を設けていますので、こうした集団接種もぜひ積極的にご活用いただき、早めの接種を行っていただくようご検討していただきたいと思います。また若い方を中心に3回目までのワクチン接種がまだという方もいらっしゃいますので、ぜひ接種のご検討をいただければと思います。それから2番目がめりはりのある行動ということで、一昨年と比べて医療体制等の状況は非常に充実してきています。そういう意味では何でもかんでも行動しないということではなくて、めりはりのある行動をぜひお願いしたいと思います。まずマスクの着用については目安をお示ししていますが、人と屋外で会話をしないような時はマスクを着用する必要性は低いと思っていますので、そういう意味で、今熱中症の危険等もありますので、場面に応じたマスクの着用をお願いしたいと思います。それから裏面ですが、会食についても「新たな会食のすゝめ」を出していますので、感染対策を行っているお店を選んでいただき、マスク会食、黙食の徹底等を行って会食をしていただきたいと思いますし、旅行についても「新たな旅のすゝめ」を確認していただいた上で、今全国的に感染者が増えている中で、訪問先、旅行先の都道府県の呼び掛けであったり状況であったり、こうしたものを確認の上、ご旅行いただければと思っています。それから事業者の皆さまには今新規陽性者が増えてきています。濃厚接触者も増加してきているわけですので、事業継続計画の改めての点検、まだ策定されていない方は策定いただきたいと思いますし、在宅勤務やテレワークも積極的にご活用いただきたいと思います。今申し上げたのは全県の皆さまに対してですが、もう一つ枠内は今回8圏域を感染警戒レベル4に引き上げました。これら八つの圏域においてこうした対応をお願いしたいというのがこの枠内です。まず混雑した場所、あるいは感染リスクの高い場面、場所への外出、移動は十分に注意をしていただきたいと思っています。外出をしてはいけないとは申し上げませんけれども、今、感染の可能性が高い状況にありますので十分注意をいただきたいと思っています。それから家庭内においても必要な場合には対策を行っていただきたいと思いますし、また不特定多数の方を受け入れる施設においては現状を踏まえて状況に応じた入場制限等を検討いただきたいと思っています。以上、申し上げた内容が今回の医療警報、そして医療警報に伴う感染警戒レベル4への引き上げに伴う県民の皆さまへのお願いです。メディアの皆さまにはこうした内容が県民の皆さまに伝わるようにぜひご協力を頂ければありがたいと思っています。それから、パワーポイントの9ページ(会見資料1/スライド)ですが、ワクチン接種のご検討をお願いしますということで、先ほど申し上げた部分と重なりますけれども、ご自身を守っていただくという観点からは有効な対策ですので、ぜひご検討いただきたいと思います。それから、先日「第7波の入口における当面の対策」(会見資料1/スライド10ページ)ということでお示しをしました。県としても医療・検査体制、あるいはワクチン接種、基本的な感染防止対策の徹底、こうした対応を行っていきたと思っています。健康観察センターの体制強化であったり、あるいは保健所の体制を強化することによって、感染者が増加しても対応できるようにしていきたいと思っています。また、ワクチン接種については、特にご高齢の方等を守っていかなければいけないと考えていますので、高齢者施設における速やかな接種の実施、県としても巡回接種を行って市町村の取り組みを応援していきたいと思っています。県機関においてもテレワーク等を活用して、先ほど県民の皆さま、事業者の皆さまに呼び掛けたことと同じような対応を行っていきたいと考えています。以上、早口で申し上げて大変恐縮ですけれども、先ほど開催した専門家懇談会のご意見も踏まえて医療警報を発出し、八つの圏域に感染警戒レベル4への引き上げを行ったというお知らせです。引き続き県民の皆さまにはこの新型コロナの感染はご自身をまず守っていただき、またご自身が感染していても他の方に感染させないように行動いただくと同時に、県からの呼び掛けにぜひご協力を頂きたいと思いますのでよろしくお願いします。私からは以上です。
読売新聞 佐々木想 氏
先ほどの知事のお話の中で、外来診療の逼迫(ひっぱく)について触れた部分がありましたけれども、これは現在のところ地域的にはどの辺り、もしくは全県的にみられているのか、どの辺りの現象なのか教えていただけますでしょうか。
感染症対策課長 大日方隆
外来の逼迫(ひっぱく)ですけれども、保健所長に聞いている状況によると、現段階ではほとんどの地域で外来が逼迫(ひっぱく)している。一部、木曽地域と諏訪地域も比較的まだそこまでいっている状況ではないという保健所長のコメントでしたが、総じて全県で特にこの3連休明けは非常に厳しい状況だと捉えています。
読売新聞 佐々木想 氏
社会経済活動の維持についてなのですけれども、今後さらに感染者数とか、あるいは確保病床使用率が上がっていくと、またいろいろと対策を考え直すフェーズにくると思いますが、現時点でそれがどれぐらいを目安に知事は考えてらっしゃるか教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
先ほども少し申し上げたように、今の感染警戒レベルは医療アラートで上限を定めている形になっています。今回、医療警報発出に伴って感染警戒レベルを4まで引き上げましたけれども、これまで比較的強めの要請をしてきた感染警戒レベル5の段階は医療特別警報と連動していますので、そういう意味では確保病床使用率35パーセントというのが一つの目安になると思っています。
読売新聞 佐々木想 氏
今回確保病床使用率25パーセントよりも手前での医療警報発出となりましたが、理由としては新規陽性者数の急増と、あと病床使用率が上昇傾向にあることを挙げられていましたけれども、これは専門家懇談会の中で、例えば何日中に25パーセントを超えてしまいそうだみたいなそういう見通しについてのお話というのは何かあったのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そこまでの具体的にどれぐらいというのは、なかなか専門家の皆さまも見通すことは難しいと思いますが、先ほども申し上げたように、今、非常に外来診療も逼迫(ひっぱく)してきているということと、ご高齢の方の陽性者数も増えてきているということで、専門家懇談会では早めに医療警報を出す必要があるという認識でしたので、そのご意見も踏まえて出したところです。
中日新聞 城石愛麻 氏
きょうの発表で感染者が過去最大の1500人超えの過去最大、今までの最大よりも倍増というくらいの急激な増加につながった原因というのは、BA.5の特性だと捉えているということでよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回はやはりBA.5に置き換わりつつあるということが一つ大きな要因ではないかと思っています。もちろん3連休がありましたので、人の動きがいつも以上に活発になったというところもあると思いますが、とはいえ、例えばこれまで第6波まで対応してきましたけれども、その間も長期休暇とかありましたが、これほど急速に陽性者数が増えるということはありませんでしたので、それを考えるとBA.5への置き換わりが大きな要因として考えられるのではないかと思っています。
中日新聞 城石愛麻 氏
北信地域に8月中に新たな宿泊療養施設を開設とありますが、これは6施設目の開設と捉えればよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今5施設で運用していますので6施設目です。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
きのうの発表ときょうの発表で700以上新規感染者の人数が増えています。これだけ急激な増え方をしたことというのは今までなかったと思うのですけれども、知事はこの増え方について率直にどう受け止めていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
本日の陽性者数は過去最多でかつ4桁の数字で非常に突出して伸びている状況ですが、ただこの間の増え方を見ていても、ほとんど前の週から倍以上の陽性者数の伸びを記録してきましたので、今回もその延長線上にあるのかなと思っています。ただ、先ほど申し上げたように、順次BA.5への置き換わりが時期と共に進んでいるということがかなり影響してきているものと思いますので、そういう意味では県としては、まだこれからもっと置き換わってくる可能性もありますので、感染拡大にはしっかり気を付けなければいけないと思います。その一方で、医療をしっかり守るという観点の対策も重要だと思っていますので、先ほど呼び掛けましたように重症化リスクが高い方をぜひ県民の皆さまには守っていただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
あした、知事が出馬される知事選が始まるのですけれども、基本的に当初の方針でみますと公務ではなくて選挙活動を優先にということでやる、基本的には空けてもらうというような対策だと聞いていましたし、専門家懇談会は出るけれどもとはおっしゃっていました。今回の増え方を見て、その日程の組み方への影響というのはどのように出てくるでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それはこれからどうなるか分からないので全く分からないです。そういう意味で私の活動をどうするかということも状況に応じて、私は現職の知事ですので県民の皆さまへの責任を負っている立場でいますので、その責任は果たせるように対応していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
バランスを取っていくということにもなるのかなとは思うのですけれども、公務としてコロナに対応するということと、ここで聞くにははみ出るかもしれませんけれども選挙活動で公務として訴えるということと、それぞれどのように重要な活動だと思っていますか。
長野県知事 阿部守一
まず公務の方はこれまで現職の知事として2回選挙を行いましたが、その間、基本的には選挙活動に集中させていただきました。ただ今回、コロナ対応はある意味危機管理の側面でもあり、状況に応じた対応をしていかなければいけない部分がありますので、そういう意味で毎日しっかり情報を把握しながら必要な指示を出せるようにしていきたいと思っています。それから選挙運動の方ですが、これは民主主義の非常に重要なプロセスです。県民の皆さまに私の考え方、私の思いというものをしっかりお伝えさせていただくことによって、改めて負託を得られるのか得られないのかという非常に重要な民主的プロセスですので、そういう意味ではこちらの選挙運動もおろそかにするということはなかなか難しいと思いますので、いずれも重要な活動だと思います。そこの状況を判断しながら対応したいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
少し細かい部分で確認になるのですけれど、全体のニュアンスとして社会経済活動をできる限り維持ですが、県民に行動の抑制は求めないが予防の徹底をお願いしたいというニュアンスなのか、若干体調悪い時は外出を控えるとか、行動の抑制も若干求めつつより感染予防を強化していく、どちらのニュアンスに近いと認識しておられますか。
長野県知事 阿部守一
まだ医療警報の段階ですから、このお願い(会見資料2/別紙)の冒頭にも書いてあるように、社会経済活動をできるだけ維持するためにご協力をお願いしたいということです。ですから社会経済活動を維持できなくなるようにならないように今の段階でご協力いただきたいということです。例えば「症状があるような場合は外出を控えてください」は、これまでもお願いをずっとしていますが、いろいろな活動がやや、人との距離であったり換気の話も緩みがちだなと思いますので、そういう意味で改めてそうしたことを徹底いただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
県としての対策のところでお伺いしたいのですが、健康観察センターの体制強化、こちら1万人の自宅療養者に対応できるようにとありますけれども、この規模感というのはどういったところから1万人ということで出してきているのですか。
感染症対策課長 大日方隆
1万人というのは、だいたい1日で1500人くらい出た場合に通常は10日間療養していただくのですが、2、3日宿泊療養等、自宅療養するまでの期間があるので、だいたい2週間程度、1500人が出ても耐えられるくらいの人数で1万人ぐらいという想定でそれに見合う体制を強化するということです。
長野県知事 阿部守一
今の話で補足すると、健康観察センターがカバーしているのは県の保健所管内ですので、長野市、松本市は基本的には保健所で対応されていると思います。そこの部分は差し引いて考えていただければと思います。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
保健所の体制強化とありますが、きょう急激に増えまして現状、保健所業務に逼迫(ひっぱく)していないかだとか、兼務職員787人というのはこれまでも兼務しているのか、今回兼務するのかというところをお願いできますか。
感染症対策課長 大日方隆
兼務はこれまでも随時そういう状況になった場合は、他部署からの応援をお願いできるようにという体制をとっています。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
きょう急激に増えまして保健所の業務が逼迫(ひっぱく)しているとかそういった現状はどうでしょうか。
感染症対策課長 大日方隆
正直申し上げて保健所の方は非常に大変な状況ではありますが、今のところそれでパンクうんぬんということではありませんが、重症化リスクがある方を中心にそういう方が医療につながるような体制はまだまだ維持はできているというところです。
信濃毎日新聞 岡田理一 氏
学校の対策について伺います。県内の公立学校は今週の金曜日、それから週明けが終業式のピークと聞いているのですけれども、終業式が終わって夏休みに入っても部活動だったり合宿、それから課外活動というのも活発にもなるかと思います。そういった意味で、現状、県教委(県教育委員会)の学校の対策だと部活動だったり授業で制限が出てくるのはどうしても感染警戒レベル5の地域になるかと思います。なので今の医療警報、レベル4の段階ですと基本的な対策を続けながらということになるかと思うのですけれども、その辺り学校の対応についての知事のお考えを伺えればと思います。
長野県知事 阿部守一
学校であったり保育所の対応もこれまで感染警戒レベルの上げ下げに応じて対応をしてきています。今、教育委員会の方で検討してもらっていますが、この医療警報、レベル4への引き上げに伴って教育委員会の方から通知を出す予定になっています。今、詳細は教育委員会で検討しているところだと認識していますけれども、例えば部活動等においては感染リスクの高い活動の実施は慎重に検討していただくといったようなことであったり、あるいは行事については感染防止対策を講じた上でできる限り実施するものの、安全な実施が難しい場合には中止、延期を検討するといったような内容も踏まえて検討していると聞いています。
信濃毎日新聞 岡田理一 氏
子どもたちとしても対策をしていても距離が近くなってしまうということもあると思うのですけれども、知事として学校現場でこういったところに気を付けてほしいというものがありましたらお願いします。
長野県知事 阿部守一
学校は感染対策だけやればいいという話ではなくて、子どもたちの成育であったり教育であったりに影響が出てしまう部分をどうカバーしていくか、あるいはどう両立させていくかということで先生方も非常に苦労しているのではないかと思います。県の方からは一定の考え方をお示ししていきますけれども、お子さんの状況とか学校の状況によっていろいろ違いがあると思いますので、子どもたちの教育にも配慮しながら感染対策にぜひご協力いただければありがたいと思っています。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
外来の逼迫(ひっぱく)の件なのですけれども、具体的にはどういったことが起きているのか、例えば救急車が受け入れられないのか、それとも診療が追いつかないのか、その辺りを詳しく教えてください。
感染症対策課長 大日方隆
具体的に救急ということではなくて、3連休で非常に感染が心配、少し熱等があるという方が電話でこれから受診をしたいという連絡をされるのですが、その時に一気に連絡が来るものですから、若干受診の時間を遅らせたりとか、症状を聞いて少し安静にしていていただくとか、全部すぐには受信できないような状況、そのような状況がいくつかの診療所であるという状況で、先ほど申し上げた地域も全部が逼迫(ひっぱく)しているとか、あるいは全部が大丈夫だとか、そういう状況ではないのですが、そういう医療機関がいくつか見られるという声を聞いているということです。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
そうすると一部の医療機関ではもうすでに受け入れられていない状況があるということでよろしいでしょうか。
感染症対策課長 大日方隆
電話をしてきた方全部を受け入れないで、若干お断りしたり時間をずらしていただくという状況があるということです。
中日新聞 大久保謙司 氏
先ほど質問にありました、知事選での活動についての影響なのですが、先日の会見の中で医療特別警報の発令というのが一つの目安といいますか、それまでは通常の活動を続けて、それ以上になると公務優先に切り替えていくというお考えをお話しいただいたかと思うのですが、現状でもその考えは変わりはないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、社会経済活動については今の段階ではできるだけ維持していくというのが医療警報の状況ですので、そういう観点では今お話があったようにこの選挙に伴う活動自体を取りやめるというような状況ではないと思っています。ただ先ほど少し申し上げたように、社会経済活動の話とは別に私が知事としてやらなければいけないということが出てくれば、そこにはしっかり対応していきたいと思っています。
中日新聞 大久保謙司 氏
あしたは第一声の後の時間帯に県庁の方で打ち合わせ会議への対応というのがありますけれども、このように適宜、公務と活動と組み合わせて両面を進めていくというそういう理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
あしたは第一声の後、県庁に戻って仕事をする予定にしています。また専門家懇談会の開催される日もそちらに出席する方向で予定を組んでいます。また先ほど申し上げたように、万一必要があればオンライン等で対応できるように日程を組んでいるというのが現状ですので、今後の状況に応じて臨機応変に対応していきたいと考えています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
今の質問の関連で念のためもう1回お聞きしたいのですけれども、医療特別警報を出す状態になったら公務優先に切り替えると、そのラインというのはその通りの考え方で今のところいるということでいいのですか。念押しなのですけれど。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、考え方として二つあって、一つは、例えば選挙運動をやるとどうしても人を集めたりするという形になります。そうすると私の方からお願いしている社会経済活動に関するお願いと矛盾しないような対応を私自身もしなければいけないと思っています。そうすると医療特別警報の段階でどういう呼び掛けをするか、まだ決めているわけではありませんけれども、先ほど申し上げたように、感染警戒レベル5の地域も出てくる形になりますので、そうすると一定程度、社会経済活動を制約のお願いをしていく可能性もあります。そうした時に通常通り選挙運動をやるということは考えにくいと思っています。それからもう一つは、先ほど申し上げたように社会経済活動のレベルとは別に、県知事としての対応が必要な部分については最優先で対応していかなければいけないと思いますので、それは臨機に対応を考えていかなければいけないと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
今の臨機応変にというのは、要するにレベルがどうとか医療特別警報を出すか出さないかというところで、それでくるっと変わるというよりはその時によって優先すべきであれば医療警報の段階であっても公務をやると。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、すでに専門家懇談会は私の選挙期間中の日程の中でも入れさせていただいています。例えば、今後全国知事会の会議があるとか、私が対応しなければいけないようなことが出てくる可能性もありますし、対外的な話だけではなくて内部的に責任を持って判断をしなければいけない局面、例えば感染警戒レベルを上げるみたいな話とか、そこは私がしっかりコミットして責任を持って判断をする必要がありますので、そういう部分は選挙期間中も対応しなければいけないと思っています。
ありがとうございました。
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