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更新日:2023年2月28日
長野県知事 阿部守一
それでは会見を始めます。本日は、全部で6項目お話をしたいと思います。まずプレスリリース資料(会見資料1)をお配りしていますように、沖縄県を訪問したいと思っています。2月1日から3日まで、資料に記載の通りの行程とご一緒いただく皆さんと共に沖縄県を訪問していきたいと思っています。本来昨年度、沖縄にある「信濃の塔」の追悼式へ参加しようと思っていましたがかないませんでしたので、「信濃の塔」に出向いて追悼式を行うということと、沖縄との交流については、チャーター便の就航をはじめ、これから長野県としてさまざま連携を強化していきたいと考えている中で、沖縄の玉城知事とも懇談をしたいと思っています。加えて観光関係者、あるいは経済界の皆さまと懇談をする中で、沖縄と長野県、海の県と山の県同士の交流連携を深める機会にしていきたいと考えています。両県の交流が未来に向けて一層強化されるように、訪問をしてさまざまな関係性を強化していきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから2点目です。資料がないですが、長野県においても、それからわが国全体にとっても人口減少・少子化の問題が非常に重要な課題になっています。社会的に問題だということとあわせて、その要因は、女性や若い世代がなかなか希望をするような人生を送れていないということの一つの側面でもあると思っています。女性や若者から選ばれる県づくりを進めていきたいと考えていますけれども、そういう観点でも少子化・人口減少という問題は重く考えていかなければいけないと考えています。そういう観点で、庁内でまず検討チームを設けて、少子化・人口減少対策の具体的な施策の検討に着手をしたところです。子育て支援、子ども支援、あるいは女性や若者から選んでいただくことができるような魅力ある楽しい長野県づくり、こうしたことも進めていきたいと思います。また一方で国に対しても、今、全世代型社会保障構築会議でも鋭意議論を行っているところですが、国においても少子化対策、総理の指示で取りまとめていく方向になっているので、県としてもできるだけ早い段階で国に対しても提言を行っていきたいと考えています。県民の皆さまとの対話集会を行っていますが、そうした中でも、子育てであったり結婚であったり、あるいは教育、子どもあるいは若者に関連する課題や悩みというものを多く伺っていますので、そうした皆さまの思いもしっかり受け止めながら、県としての対策の検討、国への提言を行っていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから3点目です。今の子育て支援に関連します。これは資料(会見資料2)をお配りしているかと思いますが、「社会全体で子育て応援『リレーセミナー』を開催します」ということで、長野県として子育てしやすい環境づくりという観点でセミナー開催をしたいと考えています。子育て家庭優待パスポートであったり、あるいは「いい育児の日」の啓発であったり、子育て川柳の募集、表彰であったり、県としてもさまざまな取り組みを通じて社会全体で子育てを応援する機運の醸成に努めてきています。こうした中で、お父さん、男性が家事・育児に取り組むグループの皆さんとも意見交換をしてきていますが、こうした皆さんとも協働で男性の育児参画を促していきたいと思っています。今回のリレーセミナーにおいては、今週末からパパ、ママ、地域、祖父母、それぞれの立場で子育てに関わっている方を講師にお迎えしてリレーセミナーを開催していきたいと思っています。そのトップバッターが丸山さん、ファザーリング・ジャパン信州ということで、男性の立場から男性の育児等への関わり方を変えていこうということで取り組んでいますので、トップバッターとしてセミナーを行っていただくことにしました。さまざまな子育てについてのヒントも得られるものと思いますし、男性も女性も子育てにしっかり向き合っていくことができる県づくりを行っていきたいと思いますので、多くの皆さまにぜひご参加、ご視聴いただきたいと思います。どなたでもご参加いただけますし、またオンラインでご参加いただけますので、ぜひ多くの皆さま方にご視聴いただくことをお願いします。
長野県知事 阿部守一
それから4点目でありますけれども、「地酒で巡る『山の洲(くに)』ほろ酔いセット」販売開始(会見資料3)というお知らせです。新潟県、山梨県、静岡県と長野県で中央日本四県サミットを例年開催しています。一昨年のサミットにおいては、中央日本四県知事共同宣言「バイ・山の洲(くに)」ということで、お互い地域の産物を購入して支え合いましょうということを宣言しています。長野県からは、ECサイトを活用して県産品の販路を拡大していったらどうかということを提案し、今回4県、連携した日本酒のセットをECサイトで販売するという形にしました。青沼酒店さんのECサイトで販売をしていきますけれども、ご覧いただいているように新潟県、山梨県、静岡県と、そして本県からは「真澄」と「大雪渓」、この日本酒をセットで販売するということです。4県の地酒がいっぺんに楽しめる商品です。またECサイトで全国どこにお住まいの皆さまにも購入いただけます。ぜひ全国の方に中央日本四県、味わい楽しんでいただきたいと思いますし、4県、長野県をはじめとする新潟、山梨、静岡、各県に、ぜひ観光でもお越しいただければと思います。新潟、山梨、静岡においてもプレスリリースをしていただく予定と伺っていますので、引き続き4県の連携を強化していきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから5番目、新型コロナウイルスのワクチン接種の関係です。「速やかなオミクロン株対応ワクチン接種のご検討を」(会見資料4)ということで、お配りしています。多くの皆さまのご協力の中で、1月17日の時点で対象者の57.1パーセントまで接種が進んできています。65歳以上のご高齢の方を見ると75.5パーセントと、だいぶ接種率も上がってきており、重症化予防あるいは医療逼迫(ひっぱく)の軽減にも寄与していると考えています。一方でまだ接種がこれからという方もいると思います。これまでもオミクロン株対応ワクチンについては、オミクロン株に対して従来のワクチンを上回る重症化予防効果が期待されているとお伝えをしてきましたが、今回お配りしている資料にあるように、65歳以上の陽性者で中等症以上になった方について調査をすると、ワクチンの追加接種によって中等症以上となる方の割合が減少しているということがわかりました。今、新規陽性者、非常に高い状況が継続していますし、依然として医療非常事態宣言発出を続けているという状況です。特に重症化リスクの高いご高齢の皆さまには、ぜひこのワクチン接種の検討を改めて行っていただきたいと思います。ご覧いただいているように、やはり未接種の方と5回接種した方を比べると、ワクチン接種を行うことによって重症、中等症になる方の割合というのはだいぶ少なくなっているという状況ですので、ぜひこうした実情を多くの皆さまに知っていただいた上で、ワクチン接種の検討をお願いしたいと思います。
長野県知事 阿部守一
それから最後、「ハンセン病元患者の御家族の皆様へのお知らせ」(会見資料5)です。ハンセン病元患者家族に対する補償金制度ということで、この補償金制度、令和元年11月22日に施行された「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」に基づいて国において実施をされているものです。令和6年11月21日までが請求期限となっています。補償金の支給対象となる方は、平成8年3月末までにハンセン病を発病された方の配偶者や親、子ども等で、現在生存されている方とされています。補償金額は、配偶者や親子等は180万円、兄弟姉妹等は130万円となっています。一昨日の17日にこれまでの認定件数が更新されたところですが、全国の見込み件数が約2万4000件に対して、7641件ということで、今の段階で見込み件数に対して3割程度にとどまっているという状況です。県内の件数ははっきりわかりませんけど全国では3割程度という状況です。認定件数が少ない理由としては、一つはきちんと対象者の方に情報が届いていないのではないかということ、それからもう一つは偏見や差別を恐れてこれまで隠していたことが明るみに出ないよう、という観点で請求をためらっている方がいらっしゃるのではないかと思っています。そういう意味では、今回、周囲に知られないという配慮もなされています。委任状があれば弁護士等の代理人が請求するということも可能です。対象となる方、ご不明の点、ご不安がある方は、まずは厚生労働省の相談窓口にご相談いただいて、ぜひ請求期限までに。せっかくこういう補償金の制度ありますので、ぜひ期限後に気付くということがないように請求をいただければと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
沖縄訪問の関係なんですけども、いくつか確認させていただきたいのは、知事就任後こういう正式な形で沖縄に出向かれるっていうのが初めてでしょうかという点と、それから「信濃の塔」の追悼式ということでしたけれども、観光交流の促進というような面と、こういう戦時中の歴史も省みるというような歴史の面なんかにも目を向けてこられるという趣旨か、ちょっとその辺全体的に教えていただきたいんですが。
長野県知事 阿部守一
まず訪問するのは初めてじゃないです。公式で訪問するのは2回目だと思います。あと交流のあり方ですけれども、やはり沖縄の皆さんにとっては、沖縄戦をはじめとする戦争の惨禍、非常に厳しい状況に沖縄の皆さん置かれてきましたし、今もかなりの基地が沖縄に集中、米軍基地が集中しているという課題もあります。長野県の子どもたちも沖縄に修学旅行に行く子どもたちが多いわけですが、そうした平和の尊さを学ぶという観点で訪問している学校も多いと思いますので、まず「信濃の塔」、ここで戦争で亡くなられた方の追悼式に関係の皆さんと一緒に出席をしてきます。そこでは平和についての祈りを県知事としても行いたいと思っています。もちろん沖縄との関係は、そうした過去の問題についての交流だけではなくて、未来志向で、子どもたちの交流であったり、あるいはできれば環境面の交流であったり、こうしたことも含めて幅広く連携交流をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
先ほど2点目におっしゃった少子化対策で国への提言ということでしたけど、これはいろんな論点とかあると思うんですが、現状庁内に検討チームつくって、例えば財源というようなことが、この提言の論点といいますか、中身といいますかは今どんなイメージで描いてらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県民対話集会でずっと回っていますが、昨日、一昨日も南佐久郡を伺いましたけれども、子育てあるいは教育に対してのご意見、かなり切実なものがあると思っています。これまでも対話集会の中で私が感じていることは、一つは子育て、教育に係る費用の負担軽減、何とか考えてもらいたいというご意見があるということと、もう一つは保育士の充実、配置基準の充実であったり、あるいは教員配置の充実であったり、教育であったり子育てにおける体制の強化、こうした点もあります。加えて、保育に欠ける子を預かるというのが保育園の原則的な考え方ですけれども、例えば、今回南佐久をお伺いしたときも、農業が忙しいときだけ預かってもらうとかもう少し柔軟な対応ができないものだろうかといった、いわゆる制度とか規制に関わるご意見、こうしたものがあります。財源的な部分も含めて今申し上げたような負担軽減の問題、それから教育、子育ての供給側、行政サービスの充実という問題、さらには今の現行制度面の課題、こうしたことについてしっかり考えて、県として取り組むことは取り組んでいきますし、また国でも少子化の問題、最重要の課題として位置付けて検討を始めていただいているので、現場に近い長野県の声としてしっかり国に対して提言をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
明日、コロナの感染症法上の見直しの動きがあるっていうことで、一部にはもう春にも5類へ移行するのではないかというような報道もありますけれども、現状8波の最中にあって死者数も多いという中で、医療費の公費負担のあり方とか待機期間とかマスクの着用であるとか、そういった多方面に影響が出てくると思われますけれども、以前質問も出ていたかと思いますが、現状で知事の見直しに関する賛否といいますか。それと個別の課題等あれば挙げていただきたいんですが。
長野県知事 阿部守一
これはもう見直しは不可避だと思います。なぜならば2類相当と位置付けられていますけれども、実際の対応は、例えば全数届出なくしたりとか、だいぶ当初の対応と変わってきているところもあるので、位置付けのあり方というのは国においてしっかり見直していただくことが重要だと思っています。ただその一方で、今お話あったように、現時点でも新型コロナで入院されている方も大勢いますし、また医療現場や介護現場は非常に逼迫(ひっぱく)した厳しい状況が継続しているので、すべてガラッと1日で転換するというのは現実的には不可能だろうと思いますので、出口戦略と、しっかり段取りを踏んで、医療費の負担のあり方等も含めて、手順を追って段階的に見直していく方針をぜひ示していただきたいと思います。
日本放送協会(NHK) 峯田知幸 氏
先ほどもありましたけれども、岸田さんが子ども子育て政策に関しては最重要政策に位置付けるというふうにしています。先ほども発言ありましたけれども、改めてこういった子ども子育てに対する政策どういうふうにしていくのか。一方で岸田さんも、次元の異なる少子化対策を実現していくという中で、具体策であったり、安定財源の検討も進めるとしていますけれども、この辺り、かなりこの財源との兼ね合いというのは大きく県にも関わってくるかと思うんですが、その辺りどのように考えてらっしゃるのか。最後にもう一点、財源の関係で言いますと、東京都の場合は18歳以下の子どもに対して5000円を月に給付していくという考えも示しています。ただこの5000円というのも大きな額である可能性もありまして、いろんな知事もこれに関しては財源の確保の観点で指摘もしていますけれども、改めてこの点については知事はどのように受け止めてらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
冒頭も申し上げたように、子育ての問題とか教育の問題というのは、若い人たちが希望を持って暮らしていくことができる社会をつくるために極めて重要な課題です。また、社会的には人口減少・少子化ということで社会保障制度の基盤を揺るがすような大きな課題だと思います。そういう意味では、政府全体で人口減少・少子化の問題に取り組んでいこうという方向性を示していただいていることは大変ありがたいことだと思っています。その一方で、先ほども対話集会で出ているいろいろな声についてお話をしましたが、昨日の東京都みたいな対応はできないのかというお話もありました。これについては、具体的にどの部分を充実した少子化対策を取るかということについては各都道府県、各知事の判断があると思いますけれども、小池知事がああいう形で大きな大きな一歩踏み出されたということについては敬意を表したいと思っています。非常に重要なことだと思います。ただその一方で、これは地方自治制度とか、あるいは国全体で考えていかなければいけないこともあると思っています。本県を含めてほとんど多くの都道府県では、東京都と同じようなことはなかなか現実的には今の財源だけでは無理だと思っているところが多いんじゃないかと思います。東京都の税収規模は5兆円とか6兆円とかっていうレベルです。長野県の税収は2000億円台ですので桁違いに税収規模違います。人口等も違うので、そうだよねって思われるかもしれないですけれども、人口1人当たりでみても、例えば法人二税の税収は長野県と東京都の差って人口1人当たりでも約3倍です。こうしたことを考えると、やはり、私としては少子化あるいは子育て、教育の充実というのは相当程度行政が踏み込んだ対応をしていかなければいけないと思っていますが、今の国と地方の財源配分とか、あるいは税の偏在ということを前提に考えれば、一つは国が児童扶養手当というような、私は現金給付については基本的には国が責任を持って行うべきだと思っていますが、国がより踏み込んだ対応をしっかり行っていただくということと、あわせて保育であったり教育だったりそうしたサービスは実際は地方、市町村中心になりますが県も関わりながら、地方公共団体が実際の事務は実施している部分が教育、子育てについて多いわけですから、抜本的な地方財源の充実。今の仕組みというのは、県民対話集会でも申し上げましたけれども、かなりの部分を国税でいっぺん国に持っていって、そこから補助金とか交付税で都道府県・市町村に配分されるという形になっています。そういう意味で、かなり財政の自主性が弱いというのが今の地方自治です。ある意味「分散型集権システム」という言い方が適切だと思いますけれども、仕事は都道府県・市町村が行っている仕事が多いけど、お金は国がいっぱい握っているというのが、今の日本の行政システムになっています。そういう意味では、国が本来行うべきところは国がもっと踏み込んでもらいたいと思いますし、先ほどから教育とか子育ては制度的な見直しも必要じゃないかということを少し申し上げました。そういうことを考えれば、より抜本的には教育とか子育て分野における分権、権限も分散、分権化してもらうと同時に、財源も国からの補助金依存ではなくて、もっとそれぞれの地域に合った、都市部における保育と例えば農山村における保育というのは、私は相当程度あり方が違ってもいいんじゃないかと思います。今はもう全国一律の制度になっていますので、権限それから財源の本格的な分権ということも、ぜひ少子化対策の論議の中では行っていっていただくことが重要だと思います。財源の地方移譲を行うときには、先ほど申し上げたように東京都と長野県の例えば法人二税の1人当たりの税収額約3倍の差がありますので、偏在性が少ない税で地方税体系を構築していくということも重要だと思いますが、そうしたことも含めて少子化の問題、ぜひ国と地方の関係性のあり方ということも含めて、この機会にぜひしっかりとした議論を行っていただきたいというのが私の考えです。
市民タイムス 萩原真一 氏
まず沖縄なんですが、今回、行きが福岡経由で帰りは羽田ということで直行便じゃないんですけれども、改めて沖縄との交流の上でチャーター便または定期便化、直行便飛行機に対する考え方をお伺いしたいのと、あと今回一緒に行かれる方が松本市長さん、須坂市長さん、千曲市長さん、あと松本青年会議所理事長さん等々となっていますが、ここら辺はどういった基準で一緒に行かれる方を決められたのか伺いたい。
長野県知事 阿部守一
私も詳細理解していないですけれども、須坂市長それから千曲市長行かれるのは「北前船寄港地フォーラム」というのがあるので、そちらにも参加されるご予定であったのではないかなと思います。それから松本青年会議所は、先般、県民主催のタウンミーティングで松本空港の活性化について子どもたちの意見も踏まえてご提案いただきましたので、しかも沖縄との交流についても熱心に取り組んでいただいていますので、今回一緒に行っていただくのがいいなということでお声掛けをしたところです。いろいろなつながりが沖縄県と広まってきていますので、そうした連携を広げていきたいと思います。それから今回、ご指摘の通り福岡空港経由で松本空港から那覇空港行くのと、帰りは羽田に戻ってくるということで、大変申し訳ないですが日程上こういう形になっています。こうしたことをできるだけ改善する意味でも、チャーター便の就航についても県としてしっかり取り組んでいきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
今日ちょっと議題にないことなんですけれども、先ほどの産業イノベーション推進本部会議の中で、信州ITバレー構想で市町村と連携してIT人材が住みたいようなまちづくりを進めるというようなお話あって、いいなと思って聞いたんですけども、そこら辺の、まちの魅力も上げつつIT人材を呼び寄せるっていう今後の取り組み方針出されたと思うんですけれども、その辺の考え方を改めて伺います。
長野県知事 阿部守一
ITバレー構想に限らず長野県は移住したい場所として評価をいただいていますし、また今回の総合計画の中でも「女性や若者から選ばれる県づくり」についてはしっかりと力を入れて取り組んでいきたいと思っています。そういう中で、先ほども本部会議の場でも申し上げましたが、どちらかというとデジタル人材の皆さんは自分で起業している事業主であったり、あるいはそもそも従来の雇用の形にとらわれずに副業兼業ができたりとか、先進的な働き方取り組まれている企業も多いので、そういう方を積極的に長野県に誘致したいと思っています。そのための魅力づくりとしては、まさにこれから総合計画の中でしっかり具体化をしていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
予算の関係で2点伺います。まず当初予算が大詰めに来てるかと思うんですけど、予算要求も出そろって改めて新年度当初予算に対する意気込み、思いをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
今回の当初予算は、一つは県の新しい総合計画、最終的な取りまとめ段階ですけれども、そのスタートの年でもあり、また私もいろいろな公約を掲げて昨年4期目の知事職として皆さまから選んでいただいたわけですので、そうしたものを具体化していく第一歩の予算だと思います。しっかりとした第一歩、だけど将来に向けて大きな一歩をしるすことができるような予算にしていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
最後にもう1点。県民参加型予算、今、提案共創型のヒアリング行われているかと思うんですけれども、提案件数計28件、5テーマ28件ということでしたが、これらの知事としての手応えと意気込みというかその辺、県民参加型予算の関係でお伺いします。
長野県知事 阿部守一
私も個別具体的な内容を詳細に把握しているわけではないですが、ご提案いただいているものを拝見すると、かなりいろいろな皆さんがこれからの長野県にとって非常に重要なご提案をしていただけているんじゃないかなと思っています。すべての皆さんと共創していくわけにはなかなか物理的にいかないと思いますけれども、できるだけ考え方を生かしながら一緒に取り組んでいきたいと思っています。
信越放送(SBC) 宮下滋 氏
先ほども少し出たんですが、新型コロナの5類への移行に関してなんですが、特に今、屋内でのマスクが不要ではないかという議論がされていると思うんですが、そこに関する知事の賛否とお考えをお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今は屋外でも屋内でも、近くで会話するようなときはマスクしてくださいという形で、原則屋内はマスク着用という形で、私も日頃仕事をそうやってしています。ある意味慣れてしまったところがありますけれども、ただだんだん会食等の機会も増える中でマスクを外して屋内で過ごすということも、しばらく前に比べるとだいぶ機会としては増えてきているんじゃないかなと思います。そういう中で、できるだけエビデンスをもってどういう対応していくかということを県として示していかなければいけないなと思っています。私の個人的な思いでこうですというのは、この問題については多分お話しするのは適切ではなくて、県としては専門家懇談会のご意見を聞いて、国がどういう方針を示すかというのはありますけれども、県は県として専門家懇談会の意見を聞いた上で県民の皆さまへの呼び掛けは考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
地域振興局を中心とした地域政策というところをちょっと伺いたいんですけれども、今、地域振興局関連の県政でいいますと阿部知事の就任前からある「元気づくり支援金」というのがあって、一方で就任後、地方事務所とか現地機関を改組して地域振興局って形になって、「地域振興推進費」という形で振興局の裁量の中で地域の事業やっていくということを始めました。一方で、知事4選した選挙を経て今回改めて「住民(県民)参加型予算」というのを始めると。従来からの振興局での事業という「元気づくり支援金」だったり「(地域振興)推進費」であったり、そういったものの性格というのを今現在どのように総括、総括というか評価しているのかと、自己評価ということと、それに加えて今回改めてやります「(県民)参加型予算」というのをどんな位置付けとしてやっていきたいというふうに思ってらっしゃるのかというのがあればと思います。
長野県知事 阿部守一
まず地域振興局の「地域振興推進費」と「元気づくり支援金」ですけれども、「地域振興推進費」の方は、やはり局長が仕事をしていく上で何も財源を持たずに仕事をするっていうのは、現実にいろんなことを取り組んでいかなければいけないので、そういう意味では必要な財源だと思っていますし、各局でしっかり活用してもらっていると思っています。それから「元気づくり支援金」は、市町村とかNPO等の活動を応援しているお金になっていますけれども、私としてはいろいろなところに行くと、これは「元気づくり支援金」で行いましたとか「元気づくり支援金」のおかげでこんなことができていますということで、大変喜ばれているという意味では、県民の皆さまにとってはいい予算になっているんだろうなと思っています。ただ私の見方は少しだけ違っていて、先ほど国と地方の関係の話をしましたけれども、やっぱり県と市町村の関係というのもあるわけで、これ補完性の原理とも言いますけど、市町村ができることは市町村が取り組んで、県としてはやはり市町村ではなかなかできないということに注力していく、あるいは市町村行政を補完、支援していくというのが、県としての重要な役割だと思っています。そういう意味で、「元気づくり支援金」はどちらかというと市町村とか地域の皆さんからは喜んでいただける予算にはなっていますけれども、ただ県全体の政策目的の実現という観点からすると少し色彩が違う予算になっています。もちろん私としては地域の皆さんの思いを何とか応援したいということもありますし、だけどもう一方では県の本来の役割として達成すべきところにも財源を振り向けたいと思いますので、「元気づくり支援金」のあり方については、公約の中でもあり方を検討していきたいということをお示ししているところです。
「県民参加型予算」についてはまだ試行という段階でありますので、「提案・選定型」については局の事業で行わせていただいています。ただ、これ最初からあれもこれもやると収拾がつかなくなるので、まずは地域振興局の部分で「提案・選定型」からやろうということで進めていますけれども、場合によっては振興局の事業ではなくても、こうした県民の皆さまの考え方を取り入れるということはあってもいいと思っています。まずは試行段階の「提案・選定型」、それから「提案・共創型」、しっかりと成果を検証した上で次につなげていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
「元気づくり支援金」のある側面をバージョンアップしたようなものが、振興局で言えば「県民参加型予算」の「提案・選定型」になるというような整理する部分もあるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
似ているけどちょっと違うと思っていて、「(提案・)選定型」っていうのは選定のプロセスにおいても県民に参加していただく、無作為抽出で就任いただいている県政モニターの皆さんに加わっていただくという形で、「元気づくり支援金」も選定委員会ありますけれども、一般の県民の皆さまとの関係性という意味では違う部分があると思っていますし、先ほど申し上げたように、まずは地域振興局から「県民参加型予算」の「提案・設定型」始めていますが、決して地域振興局予算に固有のものだということで始めていませんので、「元気作り支援金」とも違うと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
どちらかと言いますと、要するに県の政策目的に合致するようなことを、今回の「(提案・)選定型」で言えば振興局という地域の単位でやってもらう、「(提案・)共創型」といえば全県の単位でやってもらう。いずれにしても県の政策目標に合致するようなことを民間のアイデアを入れていくっていうことが狙いということですかね。
長野県知事 阿部守一
微妙に私の感覚と違っていて、「県民参加型予算」は提案も県民ですし、「(提案・)選定型」は選定するのも、一応試行なので決定は局長決定ですけれども、その過程で県民の皆さんの意見を聞くという形になるので、選定プロセスにも県民の皆さんが入ってもらっているというので、県がこれをやりたいからこれやりましょうというより、むしろどちらかというと県民の皆さんがこれが必要だとか、こういう事業をやるべきだっていうことをできるだけ尊重して実行していくのが「県民参加型予算」だと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
お題というかテーマというのを県の方が提示するものですから、そういう意味ではそういう色彩が強いのかなと思った次第。
長野県知事 阿部守一
ご指摘の通りだと思います。それも試行段階なので、何もお題がなく提案いただくとあれもこれも出てきて、多分最初の段階では収拾がつかなくなると思いましたので、一定のテーマ設定させていただきましたが、そのあり方も含めて、これからどう展開していくかということについては考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
あと一方で、先ほども触れました「地域振興推進費」と「元気づくり支援金」を含めた振興局長の裁量経費、こちらの方が5パーセントシーリング来年度で3年目になると思うんですけど、「(地域振興)推進費」の方も知事が力を入れて設定したものだと思うんですけれども、ちょっと微減にしていく、せざるを得ないということなのか、ここら辺の事情っていうのはどんなふうにおっしゃったらいいでしょう。
長野県知事 阿部守一
先ほどの、例えば子育て支援をはじめとして、かなり今、県として取り組まなければいけない予算が増えている中で、既存の事業も聖域なく見直していかなきゃいけないと思っています。ただ、もちろん今お話しいただいたように、地域振興局は地域の課題にしっかり向き合って行動してもらいたいということで設置しましたので、必要な活動できるように私も配慮していかなければいけないと思います。地域振興局の場合は、予算面の問題ももちろんありますけれども、特に体制のあり方とか職員配置のあり方とか、そうしたことも含めて今後ともしっかり考えていきたいと思います。
読売新聞 浅川貴道 氏
人口減少対策の検討チームについて具体的なことを伺えたらと思いますけれども、一口に人口減少対策、少子化対策といっても非常にバックグラウンドが広いものになるかと思うんですが、大体このチームの規模感というのがどれぐらいになるかなと思いまして。例えば部局横断ですとか、もしくはこども・家庭課内にそういったチームを設けるですとか、どのような形かなと思いまして。あと、本当に問題自体は根深いもので、実際に対策を取って成功した例というのもなかなか聞かないなと思います。先ほど知事も都市部と地方ではまったく事情が違うということをおっしゃっておられましたが、何かモデルケースのようなものを想定して政策ですとか提言なり、そういったようなことを行われることを想定してらっしゃるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
一つはチームの考え方ですけれども、こども若者局、それから総合政策課が全体調整やっていますので企画振興部、こうした部局を中心にしながら、雇用の面であったり移住の面であったり、あるいは男女共同参画といったような観点が関わってきますので、産業労働部、県民文化部、連携したプロジェクトとして進めていきたいと思っています。それからどういうところを参考にするのかということですが、海外の事例もしっかり視野に入れなければいけないと思っております。『縛られる日本人』というハーバード大学の先生が書かれている本があって、山崎史郎さん、今、国で人口減少問題に取り組んでいる山崎さんからも紹介されて私もざっと読んできていますけれども、価値観であったり仕組みであったり、結構海外と日本、違っています。少子化の問題というのは、一つはそういう制度、仕組みとか財政的な問題も重要だと思いますし、それと同時に、先ほども男女共同参画という話もしましたけれども、働き方とか男女の役割分担とか、そうした人々の価値観にも関わる、非常に行政として扱いづらい分野でもあります。そういう意味では、もちろん全国の良い事例、それから世界の取り組みということもしっかり視野に入れて考えていかなければいけないと思っています。はるか昔ですけど、私が国家公務員をしているときに各省庁横断の研修があって、それで海外研修に行かせてもらいました。当時オランダとかヨーロッパの何カ国か行かせてもらいましたけれども、今わが国が検討しているようなことをはるか昔にヨーロッパでは検討しているというような状況もあります。わが国の特色として、あるいは文化的な特性もあるけれども、その一方で海外の進んだ事例も視野に入れて考えていくということも重要だと思っています。
読売新聞 浅川貴道 氏
これは具体的チームの立ち上げはいつになりますか。
長野県知事 阿部守一
既に政策会議で「新時代創造プロジェクト」の検討タスクフォースの一環として立ち上げているので。まず一つは、総合計画まだこれから策定するわけですけれども、総合計画の中で位置付ける少子化関連、若者、女性関連の施策を検討するチームにしていきたいと思います。その前段としては、まず国に対しての提言をまとめていきたいと思っています。
ありがとうございました。
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