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更新日:2023年6月12日

知事会見(令和4年(2022年)11月14日(月曜日)15時46分~16時43分 会場:県庁)

項目

阿部知事、信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井医師からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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本文

阿部知事、信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井医師からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは、医療非常事態宣言の発出についての会見を行います。本日は信州大学医学部附属病院の金井先生にもオンラインで参加いただいています。金井先生よろしくお願いします。私の方からまず、スライド(会見資料1)で今の状況を皆さまと共有したいと思います。ご覧いただいていますのは、直近1週間の新規陽性者数の推移(会見資料1/スライド2ページ)です。第7波のピークで1週間の陽性者が2万人を超える水準に達した後、減少に転じて、再び10月半ばから増加基調です。直近1週間で1万6486人の陽性者ということで、人口10万人当たりの陽性者の全国との比較を記載していますけれども、長野県は非常に高い状況です。また、高齢者施設、医療機関における集団的感染の発生状況(会見資料1/スライド3ページ)では、グレーの棒グラフが高齢者施設ですけれども、医療機関においても一定程度集団感染が発生していますが、やはり顕著に目立っているのは高齢者施設における集団的感染ということで、高齢者施設における感染を防いでいくことが一つの大きなポイントだと考えています。それから、確保病床使用率の推移(会見資料1/スライド4ページ)ですけれども、8月に68.1パーセントまで達した後、15.8パーセントまで下がりましたが、また今、増加をしてきています。昨晩の時点で56.9パーセントということで、昨日が日曜日ということで少し平日に比べると退院が少なかったかと思いますし、本日の数字もよく見なければいけないと思いますが、いずれにしても医療非常事態宣言発出の目安である50パーセントを大きく上回ってきているという現状です。それから入院者の状況(会見資料1/スライド5ページ)ですが、重症の方が2人、中等症の方が100人ということで、陽性者の方が増加するのに併せて重症、中等症の方も増加をしてきているという状況です。年代別に記載をしていますが、入院されている方の中で65歳以上の高齢の方が89.8パーセント、約9割と、また中等症以上になられている方のうち65歳以上の方が96.1パーセントということで、入院される方、あるいは中等症以上になられる方のほとんどは高齢の方というのが現状です。それから、今年の7月以降の年代別の重症度(会見資料1/スライド6ページ)です。赤く囲っているところが65歳以上の方ですが、ご覧いただいてお分かりになるように、60代の前半までと65歳以上との間ではかなり中等症以上になる方の割合に差があるということで、高齢の方、あるいは基礎疾患のある方については特に注意が必要な状況だと考えています。それから、今年の7月以降の入院率(会見資料1/スライド7ページ)です。先ほどもご覧いただいたように、入院される方はほとんどの方が65歳以上ということです。陽性になられた方のうち高齢の方では約15パーセントの方が入院されています。その反面、65歳未満の方では1パーセントに満たない状況ですので、やはり高齢の方については要注意の状況だと考えています。次に新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの重症化率等の違い(会見資料1/スライド8ページ)です。これは国のデータですが、先ほどからお話しているように、重症化率については、60歳以上か未満かで分けていますが、新型コロナについては今オミクロン株ですので上段になりますが、季節性インフルエンザに比べても高齢の方については重症化される率は高いという状況ですし、また致死率についても高いという状況ですので、新型コロナに対する注意は特に高齢の方においては必要だと考えています。また、外来(診療)のひっ迫状況(会見資料1/スライド9ページ)ですけれども、われわれが把握しているデータを見ますと、やはり入院と同様、外来(診療)についても少しずつひっ迫度が上がってきているという状況です。診療・検査に支障が出てきているとご回答いただいている医療機関の割合は、前回医療非常事態宣言発出した時の約6割の水準まで上がってきていますが、まだその時までには上がってきていませんけれども、かなり外来(診療)のひっ迫度も上がってきているという状況です。そういう中で、私どもとしては、今回、専門家の皆さまのご意見も伺った上で、長野県としては第8波を迎えたものと考えてもいいのではないかと考えています。オミクロン株、BA.5系統で感染が再拡大をしてきているという状況ですし、新規陽性者数、確保病床使用率も第7波と同じような急拡大をしているという状況です。また、BA.2.3.20やBQ.1.1といったような新たな亜系統のオミクロン株も県内で確認されているという状況ですし、全国的に新規陽性者数が増加傾向ということで、長野県においては第8波といって差し支えないのではないかと考えています。そういう中で本日、医療非常事態宣言を発出することといたしました。お手元に資料お配りをしているかと思いますが、まず、全県に医療非常事態宣言を発出します(会見資料2)ということで、今申し上げたような状況認識のもとで県独自の医療非常事態宣言を発出いたします。国の方で医療非常事態宣言というものを制度的に考えているようですので、混同されないようにしなければいけないと思いますけれども、まだ国の方が正式に決まっているわけではありませんので、長野県としてのこれまでも出させていただいています医療非常事態宣言を本日発出するものです。今回の対策、対応については、特に医療側の対応を中心に強化をしていきたいと思っています。一方で、社会経済活動についてはできるだけ維持をしていくということで考えています。この目標としては、まず確保病床使用率、過去の最大値が68.1パーセントですので、今年の夏の水準に達しないようにピークアウトさせていきたいと考えていますので、ぜひ県民の皆さま、事業者の皆さまには何とかご協力いただきたいと思っています。それから、一般の医療に支障が過度に出てきてしまうことがないようにしなければいけませんので、真に対応が必要な方に外来診療、あるいは救急医療が確保できるようにしていきたいと考えています。ぜひ皆さまのご協力をお願いしたいと思います。県としての対策ですが、お手元の資料(会見資料2)をご覧いただきたいと思いますが、まずは病床使用率をできるだけ抑制していきたいと思っています。そういう観点でワクチン接種を促進していきたいと思っています。オミクロン株対応ワクチンについて(会見資料1/スライド12ページ)は、前回接種から3カ月で接種できるという形になっていますので、ぜひ高齢の方、基礎疾患がおありになる方については早めの接種を検討いただきたいと思いますし、またそれ以外の方もぜひワクチン接種をご検討いただきたいと思います。今回コロナ対応だけではなくてインフルエンザとの同時流行も懸念されますので、ぜひインフルエンザの予防接種についてもご検討いただきたいと思います。県としても、そこに書いてありますように、県会場は予約なし接種が可能となっていますし、また、団体でお申し込みいただく団体接種も受け付けています。また、別紙(会見資料3)で資料をお配りしていますように、ワクチンキャラバン隊の活動を始めていきます。11月22日には陸上自衛隊松本駐屯地、25日には松本大学、11月28日には小谷村、白馬村、特に観光事業者、これからスキーシーズンを迎えるに当たって、安心して観光を楽しんでいただくことができるように、観光事業者等を中心に接種を行っていきます。こちらから出向いて接種を行わせていただきます。また、重点的に対応していかなければいけない高齢者施設への巡回接種も引き続き行ってまいりたいと考えています。ぜひ、県民の皆さまにはワクチン接種についてのご協力、ご自分の健康、命を守るという観点、それから感染拡大を何とか抑え込むという観点、両面からご検討いただければありがたいと思っています。それから、県としての対策の資料(会見資料2)の方に戻っていただきまして、今のが3(1)①のワクチン接種ですが、3(1)②の病床の臨時的拡充の要請を医療機関に対して行っていきます。一般医療とのバランスが難しい局面ですので、一般医療に過度な影響を及ぼさない範囲での受入病床の一時的な拡充ということでお願いしていきたいと思っています。それから確保病床の効率的な運用ということで、これまで同様、早期の転院、退院の促進を図っていきますが、今回入院中の方が陽性になった場合には、できる限り院内で療養いただくように医療機関にお願いをしていきたいと思っています。医療機関の中で、コロナ病床以外のところで陽性になられた方も、できる限り当該医療機関で対応いただきたいということでお願いしていきますし、そうした医療機関の支援を保健所等でしっかり行っていきたいと考えています。それから④ですが、高齢者施設等における感染拡大防止ということで、高齢者施設の感染拡大を防いでいくということが当面非常に重要な課題だと思っています。そういう意味でも体調が悪い方についてはご利用を控えていただく、あるいは従事者も従事しないということをしっかり行っていただくと同時に、これまでも検査キットを配布していますけれども、来週から追加で検査キットの配布を行っていきます。週2回以上の予防的検査を従事者の皆さまに行っていただきたいと思っていますし、また新規入所者に対する検査も行っていただき、できるだけ未然に感染を防ぎ、感染拡大を防いでいただきたいと思っています。また、高齢者施設等についても入所中の方が陽性になった場合にはできる限り当該施設内で療養いただくように施設の皆さまにお願いをしていきたいと考えています。経口抗ウイルス薬の早期投与ができるような体制づくりも県として協力していきますし、また福祉施設等支援チームで相談、助言等、高齢者施設等への支援体制の強化をしていきます。また、経口抗ウイルス薬の必要量の確保については、薬剤師会に要請すると同時に、集団的感染が発生した場合にはクラスター対策チームの派遣等で感染拡大を防いでいきたいと考えています。ここのところが特に今回強化をさせていただく部分でございます。あと、宿泊療養施設についてはこれまで同様の運用を行っていきますし、もう1点、外来診療の負担軽減ということで、これはこれまでもお願いしているように、若年の方で軽症の方、基礎疾患等がない方については、軽症者登録センターの利用をぜひお願いしたいと思っています。また、診療・検査医療機関に対しては、診療日、あるいは診療時間の拡大ということをお願いしていきますし、県としては年末年始がどうしても医療が手薄になりますので、医療機関に対する協力金の支給を検討しているところです。また軽症者登録センター、受診相談センター、健康観察センターについてはそれぞれ拡充をすると同時に、学校、保健所等、あるいは事業所等に対しては、感染防止対策の徹底をお願いしていきます。それから、県民の皆さまへのお願いですが、別紙として付けています。感染警戒レベル5の発出に伴うお願い、ということでありまして、基本的には今の医療特別警報と内容的にはほとんど変えていません。追加したのは、この1の(3)、事業者の皆さまも感染防止対策にご協力を、というところを追加していますが、他のところについては基本的には変更しておりません。そういう意味では、今回医療面の対応、福祉施設での対応を強化させていただいたところです。最後に、普及版のお願いを書かせていただいていますが、私から県民の皆さまに改めてお願いさせていただきたいことは、まず一つは重症化リスクが高い方、あるいはその周囲にいらっしゃる方は、ぜひ今の局面、先ほどから申し上げていますように、高齢の方、基礎疾患がある方がどうしても入院リスクが高い、また中等症以上になられるリスクが高いというのがデータ的にも明らかですので、ぜひ最大限の警戒をしていただきたいと思います。これが1点目でございます。それからもう1点目は、新型コロナ、インフルエンザワクチンの接種の検討を、ぜひ県民の皆さまにはお願いをしたいと思います。特に重症化リスクの高い方については、新型コロナワクチン接種を強く推奨させていただきますので、ぜひ、3カ月経過でオミクロン株対応ワクチンの接種が可能ですので、ぜひ接種をお願いしたいと思います。また、高齢の方、基礎疾患がある方については、体調が悪い時には速やかな相談、受診をお願いしたいと思います。速やかな相談、受診です。先ほど申し上げたように、抗ウイルス薬を早期投与することで症状を比較的抑えることが可能ですので、ぜひ高齢の方、基礎疾患がおありになる方、ご自分の健康状況をしっかり把握していただいて、少し体調がすぐれない時は速やかな受診をお願いします。その反面、そうでない方、年齢が若い方で基礎疾患がなく、そして重篤、重症の症状でない方においては、ぜひご自分でまず自己検査をしていただいて、できるだけ軽症者登録センターを活用して、外来診療に負荷がかからないようにご協力いただきたいと思っています。以上が私からの医療非常事態宣言発出に当たっての考え方、そして県民の皆さまへのお願いです。あと、金井先生から、医療のお立場から補足いただければと思いますので、よろしくお願いします。

信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井信一郎 氏
 だいぶ寒くなって、換気もしにくいような環境になってきていて、医療機関とか高齢者施設で集団感染が非常に多く出ています。陽性になった方に関しては、その出た施設とか病院内での療養をお願いしている状況ですけれども、どうしても基礎疾患が増悪したり、全身状態が悪化したりして、確保病床に入院となる方が一定数いらっしゃるような状況です。特に介護を要するような高齢の方が入院しますと、医療従事者にかなり負担がかかっていくと。できるだけ入院期間を短くするように努めていますが、なかなか感染者数が多いので、退院してもすぐに新たにベッドが埋まってしまうような状況で、なかなか現状の確保病床のひっ迫というのは減少していかないというのが状況です。特に、集団感染の原因としては、医療従事者とか施設の職員自身の感染、あるいは、特に家族で濃厚接触になる方が多いのですが、そういった欠勤者が非常に増えてきてしまっていて、医療現場はかなりひっ迫してきているような状況です。なかなか、実際に働いている人たちも気を付けてはいるものの、やはり家庭内での感染というのはなかなか防ぎきれないところがあって、どうしても感染が拡大してしまいますと、一定数職員が感染して、施設の中で広がってしまうということが出てきているのが現状になります。あとは、現状は外来診療に関しては、夏の非常に外来診療がひっ迫した状況までは至ってはいませんけれども、やはり全体として感染症は多くの方に関しては軽症で終わるケースが多いですので、重症化リスクのない人、65歳未満で基礎疾患とか妊娠がない方に関しては、まずは自己検査していただいて、陽性であれば軽症者登録センターで登録していただいて、できればあらかじめ解熱鎮痛薬などを用意していただいて、自宅療養していただきたいと思います。一方で、重症化のリスクがある方、65歳以上とか基礎疾患がある方、あるいは妊婦さん、ワクチンを打たれていない方、あるいは実際に症状の重い方に関しては重症化のリスクがありますので、早めに医療機関にかかって相談の上受診していただけると良いと考えています。私からは以上になります。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

読売新聞 浅川貴道 氏
 いつも知事の会見を通じて医療現場でのことをある意味伝聞で、というか間接的に伺っている立場なので、せっかくですので直接伺えたらと思いまして、今長野県、非常に感染者が増えて全国的にも多くなっています。まず伺いたいのが、この状況が医療に従事する立場の方として、どういった理由が考えられるのか、それは特異な状況なのか、というようなことをまず伺えたらと思います。

信州大学医学部附属病院感染制御副室長 金井信一郎 氏
 第7波までは比較的感染者が長野県は逆に少なかったような状況で、そういった中、今逆の状況になってしまっているのですが、集団免疫としては少し弱いような、ワクチン接種も含めて弱いような状況で、どうしても全国的に見るとわれわれ中で働いている者としては、夏場も大変でしたし、この2022年すごく大変な思いをしてやってきたわけですけれども、全国的に比較するとやはり感染者数は少ないといった状況の中で感染が増えているのかなというところです。加えて季節的な状況であったり、人がかなり動いてきているといういろいろな状況も合わさって、どうしても感染者が増えてきているという状況にあるのかと考えています。

読売新聞 浅川貴道 氏
 以前はお子さんが感染して家庭に持ち込んでご家族が、というケースがあったと思います。今、高齢者施設で非常に増えているということが危惧されています。この要因といたしまして、どういったことが考えられるのでしょうか。

信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井信一郎 氏
 今回も同じで、発端はお子さんが感染して、そのご家族が家庭内で感染して、家庭内から高齢者施設とか病院に勤務するスタッフがそれぞれの施設に持ち込んで広がってしまうというパターンになっているのかなと。だから学校の中で感染が広がるフェーズの、そのさらに先に今至っているような状況なのかなと思います。

読売新聞 浅川貴道 氏
 こういった形で宣言が出ましても、正直なところ、実際これ以上何をしたらいいのかと、戸惑うような県民もおられるのではないかと思います。知事からも意義については何度も説明をしていただいておりますが、医療者の立場としてこういった宣言、何を気を付けたらいいのか、どういったことが必要なのか、お伺いできたらと思います。

 信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井信一郎 氏
 今、原則的には行動制限を求めないようになっておりますので、まずは感染した人が他の方に広げない、症状があった時に早めに検査をしていただいて、あまり仕事とか学校とか行かれないというところはしっかり徹底していただきたいなと。それは結構若い人でも動かれる方もいらっしゃると思いますので、そこは、他の方に広げないという点でやっていただきたいと思います。実際、医療がひっ迫している原因になっているスタッフの感染ですけれども、なかなか家庭の中での感染を防ぐことは難しいのが現状かと思いますが、そういった中でも、スタッフもやはり症状がある人はしっかり休んでいただくと、検査していただくと、検査も迅速キットとか使うと、陰性でも後に実は感染していたということがありますので、しっかり、症状がある時は休んでいただきたいと。なかなか人が休んでいる中で、症状が出ていても陰性だったら休みにくいというところはあるとは思いますが、しっかり、やはり症状がある時は休んでいただくということは大事なのかと。結果として、そういったことをしないと施設の中で感染を広げることになってしまうのかと思います。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 これで第8波ということですけれども、今後県内の感染状況、どのようになっていくのか。展望が何か読めるところがありましたら教えてください。

信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井信一郎 氏
 おそらく、今のところ行動制限を何らかするということはないですので、そういった状況であれば、やはり感染者は一定数出るまではこのまま増加していくのではないかと。加えて、新たな変異株も出てきておりますので、だいぶ免疫逃避能、ワクチン接種とか既感染の人も感染しやすいようなタイプのウイルスが出てきますので、今後、感染者は少し増加していくのではないかと考えています。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 増加の最大値というと、どのようなところに見込まれますでしょうか。

信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井信一郎 氏
 なかなかどのくらいまでという、第7波と比べてどうなるかというのは、新たな変異株、どういうものが流行するかとか、未知数が結構多いので、なかなかどれくらいまで増えるのかというのは現時点では見えにくいかと思っています。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 夏と比べて、今、高齢者施設でも集団感染が広がっていますけれども、例えばワクチン接種の観点から、夏だと6月、7月、8月、高齢者接種4回目がかなり進んでいたかと思います。一方、今では効力がどのくらい持続するか分かりませんが、第5回目接種、オミクロン株対応がまだそんなに進んでいないという状況で、ワクチンの効力が切れているのか、そのへんのところはいかがでしょうか。

信州大学医学部附属病院感染制御室副室長 金井信一郎 氏
 夏場に接種した人に関しては、2カ月、3カ月という時間が経っておりますので、時間の経過とともにワクチンの効力は下がってきておりますので、3カ月経った特に重症化リスクの高い人に関しては、オミクロンに対応したワクチンを打っていただきたいと思います。それが多少なりとも感染を抑えるような効果というのはあるかと思います。

朝日新聞 遠藤和希 氏
 対策本部会議で行動制限について、これから増えていけばそういう制限も視野に、というような発言がありまして、現状で結構、第7波に迫るくらいの勢いで増えていっている中で、今現状で行動制限を求めないというのはどういった理由なのかと、今後、それから求めるというところは、どのラインにあたるのかといったところをお聞かせいただきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 行動制限を求めない理由は、やはり今回も今の時点で重症の方2名という状況です。オミクロン株は、デルタ株のころと比べてオミクロン株になって、非常に重症化される方の割合も少なくなってきているということと、それから先ほどもいろいろご説明させていただきましたけれども、若年層、高齢者と高齢者以外、基礎疾患のある方とそうではない方では、だいぶ状況が違います。基礎疾患がなくご高齢でない方にとっては、季節性のインフルエンザとほぼ同様の状況になってきているということもありますし、そういうことを総合的に勘案すると今の段階で、まだ先ほど申し上げたような対策を講じて医療側の体制であったり、あるいは高齢者施設側の対応であったり強化していきますので、今の段階で社会経済活動を強く制約して抑え込むということはせずに、医療側、施設側の対応の強化によって何とか乗り越えていきたいと考えています。ただ、この医療非常事態宣言発出の趣旨等と書かせていただいたところの最後の段落に記載させてもらいましたけれども、今後、確保病床使用率が過去の最大値を超えるなど医療のひっ迫が深刻になった場合には、行動を一定程度制限する要請をすることも視野に入れざるを得ないと書かせていただきましたけれども、第7波のピークは何とか乗り越えてくることができましたので、この範囲内に抑えられるように取り組んでいきたいと考えておりますし、今回の医療非常事態宣言の目標としても過去の最大値以下、確保病床使用率が68.1パーセント以下でピークアウトさせる、ということを目標にしておりますので、何とかここに至らないように医療関係の皆さまのご協力も頂きながら、ぜひ県民の皆さまにも基本的な感染対策の徹底、特に入院リスクの高い方を守っていただく、こうした行動をとっていただきたいと思っています。

市民タイムス 萩原真一 氏
 今、第8波を迎えたものと考えられるということですが、専門家の意見を伺ってということですが、やはり今まで第7波の再拡大といっていたものが第8波に入ったと、こう変わったところの一番の専門家の方々のご意見の中で、変異株は出てはいますけれども、今のところあまりそれが主流にはなっていないと思うのですけれども、どこらへんの変化が一番影響したと。

長野県知事 阿部守一
 専門家の皆さまの意見も実は微妙に少し分かれています。分かれていますが、8波と称しても差し支えないのではないか、というご意見と、それから医療の専門家の方のご意見としては、7波とか8波というのは、あまり今の時点で議論をすることに意味がないのではないかといったようなご意見もある中で、これは県としての判断として、8波と称していくという形に整理をしました。

市民タイムス 萩原真一 氏
 8波を迎えたということですが、年末にかけてインフルエンザの流行とともに同時流行が懸念されるとおっしゃっていましたが、今の時点で第8波が来て、さっき先生のお話でも新規感染者はまだ増えていくだろうというお話でしたが、改めて第7波から第8波への期間ですね、かなり早くまた再拡大、第8波が来たという認識なのか、それともこんなものだろうというと言い方はおかしいですけれども、どうですか、その時期的なものに関しては、知事の認識としては。

長野県知事 阿部守一
 なかなか、これからも今後どうなるかというのは予見しづらいところがありますが、私の正直な思いとしては、この第7波の陽性者数であったり確保病床使用率であったり、もう少し下がったところからこの第8波がスタートしていると、まただいぶ状況が違ったと思いますけれども、なかなかこれまでのように下がり切る前に陽性者数が増えてきたということで、今この医療非常事態宣言を出さざるを得ないというような状況になってしまっていると考えています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 これまで第7波までといいますと、長野県というのは比較的全国の他の都道府県と比べますと感染拡大というのは遅れて拡大してきて、それでも予測できづらい部分はあったかと思うのですけれども、先行して増えてきたところの対応とか、どういった状況になっているかというところから学んで、割とより先手を打って対応するということもできたかと思うのですけれども、今回の第8波でいいますと、先頭グループを走っているような感じで、これまでの第3波とか第4波の沖縄県だとか兵庫県だとか大阪府だとかが直面したような状況に、そうなるかどうかは別として近いものがあると思うのですね。そういう意味で非常に先が読みづらさというのは増しているのかなと思いますけれども、こういったところで感じている難しさというか厳しさとかというところをどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 非常に、今ご指摘のような点は確かにあると思います。金井先生も先ほどおっしゃっていただいたように、これまで長野県は比較的感染拡大を抑えられることができましたけれども、今度は逆に、今まで陽性になられた方が少ないということも一つの要因として考えられる中で感染拡大してしまっているという状況です。そういう意味では、先ほども例えば、政府も医療非常事態宣言という言い方を使う案が示されてきていますけれども、そういう意味でうちの県がある意味全国的には陽性者が増えている先行県になっていますので、そういう意味で、県としての問題意識をしっかり整理して、国に対しても言うことをしっかり言っていかなければいけないと思っています。そういう意味では、これまで以上に難しい判断が迫られる場面が出てくる可能性があるなとは思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 外来がひっ迫してきているという状況なのですけれども、ワクチンを接種するのも医療機関で個別接種をするという市町村も多いと思います。そうしてきた方も多いと思うのですけれども、発熱した時に行くような外来が、おそらくワクチンを打つような医療機関というのは重なると思うのですけれども、そこもひっ迫している中、ワクチンを接種しにいっていいのかというとこの兼ね合いについては、どのようにお伝えになる感じですかね。県からは。

長野県知事 阿部守一
 それは接種しに行っていただきたいですね。接種しに行っていただきたいというか、今のところ、11月から12月までのオミクロン株対応ワクチンの接種可能回数、これは市町村の皆さまと県とで行っていきますけれども、約118万回接種できる枠を確保していますので、ご指摘の通り、ワクチン接種も医師、看護師はじめ皆さまにご協力いただきますので、そういう意味ではもちろん、その分の負担というのはもちろんありますけれども、逆にいうと新型コロナが陽性になって医療機関にかかっていく、あるいは入院されるという負担に比べると、ワクチンを皆さまに打ってもらう方が、それははるかに負担が少ないと思いますので、ぜひワクチン接種については積極的にご検討いただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 今の局面なのですが、全国的にも先行していて、これから年末年始が控える時期になっていますが、知事ご自身は、今この局面というのが、ここで踏ん張らないとどういう状況になっていくかということについて、どのように考えていらっしゃるかというのを、過去の例で言いますと、救える命が救えない状況になりかねないだとか、そういったような説明が過去にあったかと思うのですが、今の状況をどういうふうに考えていらっしゃるか、どういう局面であるか、という部分についてお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、まずは、これは医療関係者の方とか、あるいは介護施設の方とも意見交換させていただいたりしてきていますけれども、夏のピークについては何とか乗り越えてきていますので、そういう意味では夏のピークの水準を下回るところで何とか収めていきたいというのが一番の思いです。この新型コロナも今の状況は、高齢の方とか基礎疾患がある方と、それ以外の方とで県からの呼び掛け方を全く変えています。ハイリスクの方は速やかに診療、相談、受診してくださいと。そうでない方は、軽症であればできるだけ受診を控えてくださいという形で、全く違うお願いをさせていただいていますが、それは先ほどご覧いただいたように、基礎疾患の有無とか年齢によって、だいぶこの新型コロナのリスクというのはだいぶ違っているということを受けてそういう対応をさせていただいています。従って、これから新規陽性者数が、例えば若年層で一定程度増えても持ちこたえることができると思いますが、高齢の方とか基礎疾患がある方がどんどん陽性になられると、今度は医療の方でなかなか受けきれなくなってしまうという形になりますので、先ほどからお願いしているように、そういう意味でハイリスクの方、高齢の方、基礎疾患のある方、妊婦さん、こうした方についてはぜひご本人も十分気を付けてもらいたいと思いますし、周りの方も守っていただきたい、と思っています。そこをぜひ強く強調いただければとありがたいと思います。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 先ほどの質問の中に、国に対しても第8波の中で先行する事例として意見だとか考えなどがあれば発言していきたいというようなことがありましたが、知事、今の現在の問題意識の中で全国的に旅行支援であるとか人の動きが活発化している中なのですが、何かそういった、県の枠を超えた中での問題意識というのは今あるでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 国と都道府県との役割というか関係性については、いま一度考え方をしっかり整理していただきたいと思っています。もとより都道府県知事は、現場の実情がよく分かっていますので、県の責任と権限において、しっかり取り組むべきことは取り組んでいきたいと、そういう部分はできるだけ県の主体的な判断を尊重してもらいたいと思っていますが、一方で、例えば高齢者施設等への支援みたいなものについては、例えば全国一律でしっかり措置してもらうということが重要だと思いますので、そういう意味では、国が担うべきところと、都道府県が責任を持って担うべきことというのは、一定程度整理していく必要があるのではないかと思います。全国知事会、また開かれると思いますので、そうした場面では意見を言っていきたいと思います。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 政府の方で名前が重複しているときょうの会議や会見でも出ているのですが、緊急事態宣言とそれに伴う行動規制みたいな話が出ております。まだ判然とした内容というのは、十分に出てきていない状況なのですが、知事自身は今こういう国の考え方についてはどのように考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 これはまだ報道で知り得ている限りで、まだ正式に照会してもらっていないので、正確にコメントしづらい状況ではありますが、今後想定される事態に対して方向性を示していただくということについては、ありがたい方向性だと思っています。ただ、先ほどのご質問とも関係しますけれども、長野県はどちらかというと今先行して感染拡大していますので、ぜひ国においては都道府県の意見も聞いていただいた上で、早く方向付けをしていただきたいと思っています。加えて、意見照会があれば申し上げますけれども、これまでも県独自に医療非常事態宣言を使ってきていますので、用語の使い方等はできれば混乱しないような用語にしてもらいたいとは考えています。

テレビ信州(TSB) 小林尚史 氏
 社会経済活動については当面できるだけ制限をしないということですが、少し気が早いかもしれませんが、これから忘年会シーズンということで、徐々に忘年会の予約も増えてきているとお聞きしておるのですが、そこに対して呼び掛けなど何か考えていることはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず、まだ少し早いですけれども、一つは先ほど少し申し上げたように、年末年始はどうしても医療機関が手薄になります。そういう意味では、医療機関側への支援策ということも検討していかなければいけないと思っていますし、これまでも感染拡大が懸念されるような期間については、一定程度通常の呼び掛けとは別にお願いをしてきた経過もありますので、時期的なことを捉えてのお願いということも今後必要があれば行っていきたいと思っています。あと、会食については、今の時点で時短要請等を行うということは考えていませんし、今後も一定程度陽性者がさらに増えても、そうした強い制限を行うということは考えていません。ただ、この「新たな会食のすゝめ」ということで、呼び掛けさせていただいていますように、どうしても会食の場面はマスクを外して会話をする状況になりますので、大声での会話、長時間の利用を控えていただくと同時に、マスク会食や黙食、こうしたことにも心掛けてもらいたいと思っています。このことも県民の皆さまには改めてしっかりお伝えをしていかなければいけないと思っています。

中日新聞 清水悠莉子 氏
 病床使用率が50パーセントを超えた段階で医療非常事態宣言を出す基準ではあるのですけれど、先週の木曜日の時点で50パーセントを超えていたわけですが、このタイミングでの発出に至った理由を教えていただいてもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これ先週も少しお答えしたように、50パーセントは目安です。先週の段階では少しずつ確保病床使用率が上がってきているという状況でありましたので、もう少し見極めるということで発出は行いませんでした。先ほども少し申し上げたように、昨晩の段階の数字は、どうしても休みの日は病院からの退院件数が減るという傾向がありますので、日曜の数字で判断するかどうかも少し迷ったところは正直ありますけれども、ただ数字が50パーセントを大きく上回っているということからきょう発出、という形にさせていただきました。

市民タイムス 萩原真一 氏
 長野県が特に新規陽性者数が多いということで、自分が上高地のふもとに住んでいる、他県のナンバーばかり見ている影響もあると思うのですけれども、松本の人なんかが言うには、やはり全国旅行支援とか始まって、人的交流と皆さんおっしゃっていますけれども、特に長野県は観光で人気で、秋の紅葉とかいっぱい来たから、それで増えているのではないかと、誤解なのか正しいのか、そういった声もよく聞くのですけれども、そのへんの認識というのは、観光との関係というのはどのようにお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 観光だけを捉えて議論しづらいところがありますが、先ほども金井先生も少しおっしゃっていたように、この場でも感染者が増えている要因、大きく三つ申し上げてきたと思います。一つは長野県の場合、これまで陽性になられた方が少ないので、いわゆる集団免疫というような観点からは免疫が弱い地域だということが一つ、それから比較的寒冷地が、今陽性者数が増加している傾向にありますので、やはり換気が不十分になっている可能性があるのではないか。それからもう一つは今の旅行とも関係しますけれども、だいぶ人の動きがありますので、人と人との接触機会が増えてきているということは考えられる要因としてはあると思います。県でも、例えば仕事上でも対面で、例えば県民対話集会も対面でやる機会、基本的には対面で行わせていただいていますが、それを今のところ中止するとか縮小するとかというのは、コロナ対策に私が従事する時は場合によってはそういうことを考えますけれども、今の段階で陽性者が多いからそういう活動をやめようという考え方は全くありませんので、観光についてもこれまで申し上げているように、観光施設、観光関係の皆さまには、感染対策をしっかり講じていただいているという状況ですので、そういう意味では観光については制限をかけることなく継続をしていきたいと、観光支援策も今の段階では継続していきたいと思っています。
 ありがとうございました。

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