ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2022年度知事会見録一覧 > 知事会見2022年8月24日

ここから本文です。

更新日:2023年3月1日

知事会見(令和4年(2022年)8月24日(水曜日)13時02分~13時55分 会場:県庁)

項目

阿部知事、新型コロナウイルス感染症対策専門家懇談会 山崎医師からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

ページの先頭へ戻る

取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

ページの先頭へ戻る

本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは、BA.5対策強化宣言の発出についてお伝えしたいと思います。本日、午前中に県としての新型コロナ対策本部会議を開催しました。その場において、BA.5対策強化宣言の発出について決定をしました。
 発出の背景、状況認識ですが、スライドでお話ししたいと思います。まず直近1週間の新規陽性者数の推移(会見資料1/スライド2ページ)ですが、ご覧いただいていますように非常に急速に増加をしてきています。先ほどの本部会議でも言及しましたが、本日の発表分を入れると2万人を超えるという状況になりますので、本県も人口10万人当たり1000人を突破してくるというレベルにまで新規陽性者数が増えてきているという状況です。途中、若干ギザギザという形で横ばいに転じそうな時期もありましたが、お盆の時期を挟んで人の動きが変わっていったこと、それから医療機関が休診であったり、若干イレギュラーなデータになっていますけれども、総体として見ると、継続して新規陽性者数増加してきていると大きく捉えれば言えると思っています。確保病床使用率(会見資料1/スライド3ページ)ですが、医療非常事態宣言発出後、お盆の時期を挟んだので若干いろいろな影響があって横ばい、やや減少という時期がありましたが、その後増加に転じて、今60パーセント半ばで推移してきているという状況です。後ほど山崎先生からもコメントいただければと思いますけれども、全体として外来診療、それから入院診療、ひっ迫をしてきているという状況になっています。高齢者の新規陽性者数の推移の状況(会見資料1/スライド4ページ)ですが、いわゆる高齢の方の陽性者が、まだ割合としては、全体の中では十数パーセントという状況ですけれども、しかしながら全体の絶対数がどんどん増えてきていますので、ご高齢の方の新規陽性者も増えてきている状況です。特に前回もお示ししましたけれども、入院される方が増えるとどうしても入院医療、ひっ迫してしまうわけですが、ほとんどの方が高齢の方という状況ですので、高齢の方の命と健康を守るためにも、そして入院に負荷を与えないためにも、高齢の方あるいは基礎疾患がある方、重症化リスクが高い方が感染しないようにしていくことが重要な局面だと考えています。入院の状況(会見資料1/スライド5ページ)ですが、確保病床使用率をずっとお伝えしていますけれども、確保病床以外で入院されている方もかなり増えています。直近、昨晩の時点で185人という状況でありまして、これはもともと入院されていた方が院内感染でコロナの陽性になるという状況もあり、病院の中の状況もかなり厳しくなってきているという現状があります。それから、集団感染の発生状況(会見資料1/スライド6ページ)ですが、しばらく学校が休みでしたので学校関係の集団感染はもともと子どもたちが学校に行っていなかったので、非常に少ない状況が続いてきていますが、他方で、高齢者施設それから医療機関における集団感染が非常に多くなっています。例えば高齢者施設の中でも、コロナ陽性になってもそのまま対応いただいている施設もあるわけですけれども、介護が必要な方が入院をすることになると、どうしても医療機関の負担が重くなります。また医療機関で集団感染が発生すると、医療従事者が陽性になったり、あるいは濃厚接触者になったりという形にもなりますので、そういう意味で陽性者が増える、入院患者が増えるということと併せて、医療従事者自身が陽性者になったり、あるいは濃厚接触者になったりということが、かなり増加をしてきています。これも医療のひっ迫を招いている一因となっています。
 そういう中で、(会見資料1/スライド7ページ)新規陽性者数が非常に増えてきています。それから、それに伴って外来診療も非常に負荷が高くなっています。また入院されている方の数も確保病床使用率も上がり、また確保病床以外で入院されている方も非常に多い水準になっています。そういう観点で、ずっと、救える命を救うことができない状況を回避してきた長野県ですけれども、そうした事態に至らないための最後の正念場だと考えています。そういう意味で、今申し上げたようなことを書いていますけれども、何とか県民の皆さまにご協力を頂いてこの状況を乗り越えていきたいという考えで、今回はBA.5対策強化宣言を発出するということにしたわけです。ここで山崎先生、もし差し支えなければ医療現場の状況を先生からもコメントいただければありがたいのですが、いかがでしょうか。

長野県立信州医療センター 副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 お盆過ぎから医療現場では感染者が増加してきまして、現在は家族内感染等によりまして高齢者あるいは基礎疾患のある方に感染が拡大し始めています。そこで医療現場では、やはり二つのひっ迫が起きてきています。一つは救急医療のひっ迫です。救急車で搬送された患者さんに対応する場合ですけれども、コロナ陽性の患者さんへ対応するために救急の現場では時間とスペースが必要となってきました。従いまして、一般の救急医療になかなか手が回らなくなり始めているというのが現状かと思っています。救える命を救うことが極めて重要ですので、まずは患者総数を減らすことが大事ではないかと考えています。もう一つ、入院のひっ迫です。やはりコロナ病床においては、現在、介護を要するご高齢の方とか、あるいは基礎疾患を有する患者さんの入院がほとんどを占めるようになってきました。従いまして、医療従事者は感染対策をした上で看護しているわけですけれども、介護をするのに多くの人手が必要となっておりまして、スタッフにとっても負担が大きくなってきています。一方、一般病床のひっ迫についてです。医療機関に勤務する医療従事者も家庭内等で感染者になったり濃厚接触者等になることによって欠勤者が増えてきています。さらに院内感染等によって、予定している入院ですとか、あるいは予定の手術を延期していただく、そのような事態も起きてきているというのが現状です。いずれにしましても、まずは感染者数を減らすことが今一番大事ではないかなと考えています。

長野県知事 阿部守一
 
今、山崎先生からも医療現場としてのコメントをいただきましたけれども、昨日の専門家懇談会の場においても、やはり今、医療が非常に厳しい状況になっているということを、まずは県民の皆さまに理解してもらうことが重要だというご意見が相次いでおりました。まず、この点を皆さまにはお伝えをして、ぜひこれからお願いする対策についてご協力を頂きたいと思っています。そういう観点で(会見資料1/スライド8ページ)、今回は医療非常事態宣言発出中ですが、それに加えてBA.5対策強化宣言発出という形で対応します。本日8月24日から9月4日までということです。12日間になります。ぜひこの期間は集中的に、これから申し上げるような対策に一人でも多くの県民の皆さまにご協力を頂きたいと思っています。確保病床使用率50パーセントを下回るということが医療非常事態宣言の目標にしていましたけれども、今回のBA.5対策強化宣言は、医療が非常に厳しい状況になっています。これは山崎先生のお話にもあったようにコロナに対応するということだけではなくて、医療機関、他の疾病あるいはけが等にも対応していただいていますので、コロナ陽性者の方のためだけではなくて、すべての県民の皆さまのために、何とか確保病床使用率を下げ、そして新規陽性者数を減少させる。先ほどご覧いただいたように、今、増加トレンドにありますけれども、何とかこれを減少にもっていきたい。この期間中に減少にもっていきたいと考えていますので、ぜひ県民の皆さまにご協力を頂きたいと思っています。ここ(会見資料1/スライド9ページ)に書いてある前段のところは、先ほど申し上げたような背景ですので説明は省略しますけれども、まず本県の医療体制はひっ迫した状況であるということ。そして今申し上げたように、医療の負荷を下げて、真に医療が必要な方を守るという観点で、すべての県民の皆さまにご協力を頂きたいと思っています。これは新型コロナ以外の疾病等の方も含めて守るという観点で、ご協力いただきたいと思っています。
 まず一つ目(会見資料1/スライド10ページ)は、これ以上入院患者を増やさないという観点で、ご協力いただきたいと思っています。重症化リスクが高い方、それからその同居の家族あるいは身近で接する方、ぜひこの期間は感染リスクが高い場面・場所は避けてください。最大限慎重な行動を取っていただくということをお願いしたいと思います。また、今ワクチン接種を進めていますけれども、重症化リスクが高い方はぜひ4回目までのワクチン接種、そして同居の方も、自分は重症化リスクがないとはいえ家族に高齢の方等がいれば感染させてしまう恐れもありますので、ぜひ3回目までのワクチン接種の積極的なご検討をお願いしたいと思います。まずは入院する方を減らすという観点でのご協力のお願いです。それから、外来診療も負担が重い状況になっています(会見資料1/スライド11ページ)。そういう意味では、外来の負担の軽減もぜひ県民の皆さまにご協力いただきたいと思います。こちらについては、重症化リスクが低い方についても感染リスクが高い場面はできるだけ避けていただいて、感染しない、させない、こうした観点で改めて基本に立ち返って感染防止対策の徹底をお願いしたいと思います。また、かねてからお願いしていますが、重症化リスクが低い方については、軽症の場合には慌てて医療機関を受診するということは控えていただきたいと思っています。今回、若年軽症者登録センターの対象を40代の方にまで拡大しました。これまで20代、30代でありましたが40代まで拡大します。明日から拡大しますので、基礎疾患がない20代、30代、40代の方は基本的には重症化リスクが低いと考えていますので、軽症の場合はすぐ医療機関にかかるということではなくて、登録センターから検査キットを送らせていただきますので、まずご自分で検査をしていただいて、しばらく状況をみていただくということにご協力を頂きたいと思います。また、医療機関を受診しなければいけないと思われる方も、ぜひ検査キットで自己検査をまずできるだけしていただきたいと思います。医療機関でいちいち検査をするとまた医療の負担が増えますので、できるだけご自分でお持ちの、あるいは診療・検査医療機関によっては自分のところで検査せずに配付をされる場合もあると思いますので、そういった形での自己検査にご協力を頂きたいと思っています。それから休日夜間も医療関係者の皆さん対応をしていただいているわけですけれども、とはいえ、平日の昼間に比べればかなり医療資源が少ない状況です。そういう意味で、休日夜間の診察、受診はできるだけ控えて、もちろん本当に重症の方については受診をしていただかなければいけないわけですけれども、休日夜間、やはり医療資源が限定されているということは、ぜひ多くの県民の皆さまに共有をいただいて、なんとか対応できる、重症化リスクがなくて軽症という方については休日夜間は控えていただいて、平日の昼間、診療・検査医療機関がしっかり機能しているときに受診いただくようにお願いしたいと思います。また、救急外来、救急車の利用については、真に必要な場合にお願いをしたいと思います。救急車を呼んでも、例えば先ほど申し上げたように医療機関、非常に負担が重くなっていますので、軽症者が呼ぶとなかなか逆に受け入れられないという話になってしまいますので、今の状況をぜひご理解をいただいた上で、こうした救急の利用については、本当に必要な場合にしていただきたいと思います。相談の連絡先も前回、医療非常事態宣言の時、お伝えしているかと思いますので、心配な方はそうしたところに、まずは相談いただければと思っています。それから重症化リスクが低い方についても感染拡大防止の観点も含めて、今非常に陽性者が増えています。感染の可能性がこれまでで最も高いと言っても過言ではない状況ですので、ぜひ感染拡大を防ぐという観点も含めてワクチン接種の検討をお願いしたいと思っています。それから3点目、事業者の皆さまへのお願い(会見資料1/スライド14ページ)ですけれども、まず、県民の皆さまには今のようなお願いをしていきますので、ぜひ事業者の皆さまには休みやすい環境づくり、あるいはこの期間中はリモートワークを活用するなど、感染拡大防止に最大限のご協力を頂きたいと思っています。またイベントについては感染対策を改めて徹底いただきたいと思っています。イベントの種類、内容にもよると思いますけれども、なかなか十分な対策ができないというようなことがあれば、この期間中、中止あるいは期間をずらす、延期といったようなことをご検討いただきたいと思っています。細目の話(会見資料1/スライド12ページ)ですが、重症化リスクが低くて、かつ軽症の方については、まず検査キットによる自己検査。陽性の場合、陰性の場合、それぞれの対応を書かせていただいていますので、ぜひご協力を頂きたいと思います。また検査キットを入手できないような場合にも、ぜひ症状に応じて総合感冒薬等の服用で様子を見ていただきたいと考えています。それから次のページ(会見資料1/スライド13ページ)ですが、陽性者の増加を防ぐという意味でのワクチン接種、重要だと思っています。50代以上の方については、3回目接種率8割を超えてきている状況です。多くの皆さんにご協力いただいていること感謝申し上げたいと思いますが、他方では20代、30代の方は5割程度、10代は4割程度という状況になっています。今10代の方の接種率が少し上がってきているような状況も見受けられますけれども、非常に陽性者多くなっていますので、どんどん感染者を増やしてしまわない、社会経済活動を維持していくという観点でも、自分は重症化リスクが低いからワクチン接種はやめようという判断ではなく、ぜひ今の社会全体の状況、それから新規陽性者数を何とか減少に転じていきたい、そうした方向性をぜひご理解をいただいた上で、改めて若い世代の皆さんにもワクチン接種をご検討いただければありがたいと思っています。また、繰り返しのことですが、体調が少しでも悪い場合は外出は控えていただきたいと思っています。また会食、旅行ですけれども、ぜひマスク会食、黙食、こうしたことを徹底していただきたいと思っていますし、大声での会話あるいは長時間のお店の利用、こうしたことをぜひ控えていただきたいと思います。この夏休み期間中、私も飲食店に行きましたけれども、一部大声で集団で会話していることも見受けたこともありますので、改めて基本に立ち返っていただければありがたいと思いますし、利用者に対してお店の方からはなかなか言いづらいところもありますので、ぜひ飲食店を利用される場合には、自主的、主体的に感染リスクが高いような行動は控えていただきたいと思っています。また、感染対策を十分講じられないような場合には、大人数での飲食はこの期間中はぜひ避けていただきたいと思います。また旅行されるときは訪問先の都道府県等からの呼び掛けに従って行動いただきたいと思っています。こうしたことについては重症化リスクが高い方、あるいはその身近な方については特に注意をいただければと考えています。それから最後のページ(会見資料1/スライド15ページ)、今、申し上げたようなことと併せて、県として次のような取り組みを行っていきます。まずは医療機関に対して診療・検査医療機関それから確保病床の拡大を依頼していきます。当面まず10床程度拡大をしていきたいと思っています。この場でも緊急的対応病床の話をしたと思いますけれども、緊急的対応病床については、今回稼働させるという要請は行わないということにしています。緊急的対応病床を稼働させると一般医療に影響する、一般医療を制限するということが前提になってきますので、今の状況を鑑みますと、コロナだけに重点をおいて対応するのは必ずしも適切ではないと考えています。そういう意味では、ぜひ今申し上げたようなことにご協力を頂いて、これ以上コロナで入院しなければいけない方が増えないように、県民の皆さまにはご協力を頂きたいと思っています。それはコロナで入院しなければいけない方が入院できなくなってしまうということを防ぐということだけではなくて、他の医療を受けなければいけない方が受けられなくなってしまうということを避けるという意味からのご協力をぜひお願いしたいと思います。それから、宿泊療養施設については、6施設目を8月26日から77室の規模で増設をしていきます。それから先ほど山崎先生のお話にもありましたように、高齢の方で、例えば特に介護が必要な方が陽性になると非常に対応に負担がかかるという状況もありますので、施設内での対応力の強化であったり、あるいは入院した方が症状が軽快した後は施設で対応いただけるような受け入れの円滑化、こうしたことについて医療機関それから高齢者施設と連携しながら対応していきたいと考えています。
 以上、駆け足でお話ししましたけれども、今回のBA.5対策強化宣言に伴う県民の皆さまへのお願い事項です。発出の本文(会見資料2)にいろいろ県としての対策を書いていますが、これまで講じてきていることに加えて新たに実施することについてはアンダーラインを引いていますので、ご覧いただければと思っています。私からの説明は以上ですが、山崎先生から何か補足的にコメントが、もしあればお受けしますがいかがでしょうか。

長野県立信州医療センター 副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 コロナに感染しましても多くの方は、軽症ということは事実だと思います。発熱、咽頭痛、せき、倦怠感、こういったものが主な症状ですけれども、まれに39度を超えるような発熱が出ることもありますが、それは重症とは言えなくて軽症に分類されることがほとんどだと思います。普段から風邪薬、総合感冒薬などをご用意いただいて、発病したかなと思ったらまずは早期に薬を飲んでいただくということをお勧めしたいと思います。明日病院にかかってから薬を飲もうなどと思っていらっしゃいますと、症状がどんどんと悪化していくこともあります。不安が強くなって心配になるということが多いですので、まずは薬を飲んで対応をしていただきたいというのが軽症の皆さまへのお願いということになります。介護を要するご高齢の方ですとか基礎疾患がある方については、速やかに電話で相談の上、医療機関を受診していただきたいと思います。発熱による細菌性肺炎ですとか誤嚥(ごえん)性肺炎を生じる、そういったことによって脱水症になったり入院が必要になったりすることが多く認められます。高齢の方あるいは基礎疾患がある方にも抗ウイルス薬が有効であるということが分かってきました。早期に抗ウイルス薬を内服していただけますと比較的早く発熱を抑えられたりとか咽頭痛を抑えられたり、そんな効果が出ることが分かってまいりました。ぜひ多くの医療機関で抗ウイルス薬の処方もできるような体制づくりにご協力を頂きたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 今、先生からもお話しいただいたように、まずはご自分が重症化リスクが高いのか低いのかはあらかじめよくお考えいただいておいて、重症化リスクが高い方は医療機関に連絡いただいて速やかに受診いただくと。そうでない方については、慌てて受診をせずに薬を飲んでいただいて状況を見ていただくということが基本ですので、このことについては、また県からもいろいろな方面を通じて県民の皆さまにお伝えしていきたいと思いますけれども、ぜひメディアの皆さまからも伝えていただければありがたいと。われわれ行政が伝えるよりメディアの皆さんが伝える方が影響力もありますし分かりやすくお伝えいただいていますので、ぜひご協力いただければありがたいと思っています。私からは以上です。

ページの先頭へ戻る

取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 8日の医療非常事態宣言発出時に知事からは、BA.5対策強化宣言については次の段階の対策として念頭に置いているというご発言があったかと思います。医療非常事態宣言発出から2週間余りたちましたけれども、このタイミングで対策強化宣言を発出した狙いを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 先ほども申し上げたように医療非常事態宣言発出後、お盆休み等があって新規陽性者数が一時、外形的には少なくなったりしていた時期もありましたし、またかなり医療機関とか保健所の皆さんの努力で確保病床使用率がどんどん上がっていくという状況も一定程度抑えてきていただいていると思っています。入退院もかなり円滑に、大変厳しい状況ではありますけれども、退院できる方は退院していただくような形で運用してきていただいています。そういう中で今回、確保病床自体も増やしていこうと、限定的な形ではありますが、先ほど申し上げたように医療従事者の方自体も陽性になったり、濃厚接触者になっていたりする状況があるので、単に病床だけ増やしてもなかなか人的対応ができないという状況もあるので、そういう意味で現実的な部分については、当面拡大をしていこうということで考えています。先ほど医療非常事態宣言のときは、冒頭で申し上げたように、次の段階は緊急的対応病床を稼働させて一般医療を制約してでもコロナ病床を増やすという局面だと私自身は考えていましたけれども、先ほど申し上げたように、実はまだコロナの陽性になった方がもう少し受診を抑えてもらうということが可能な状況だと思いますし、一方で、一般の医療について制限すると逆にそちらに影響が大きくなってしまうということもありますので、今回、緊急的対応病床については、まだこの時点では稼働させません。ただ全般的に医療の負荷が非常にかかっているという状況になっていますので、このタイミングでBA.5対策強化宣言を出して、何とか新規陽性者数と確保病床使用率を減少に転じさせたい。その考え方、その思いで今回この宣言を発出するということにしました。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 今、知事からも確保病床等のさらなる拡充について触れられてましたけども、一方で医療従事者の感染や濃厚接触者となってマンパワーが足りないという状況もあります。病床を増やしたからといって、なかなか対応の難しさもあると思うのですけれども、その辺は病院によっても負荷のかかり方がまちまちで、なるべく対応できるところにそういった病床の拡充等をお願いするという、そういう理解でよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まさに、病院の中でも院内感染が起きているところとそうでないところ、本来コロナ患者を受け入れていただいているところとそうでないところ、同じ医療機関でも状況はさまざまですので、一律に病床を増やしてくれということではなくて可能なところにお願いをしていくという形で対応していきたいと思います。それが、現実的かつ円滑に進めていく上では必要なことだと思っています。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 新型コロナの専門家懇談会の委員の先生からは、感染者のピークが9月上旬という一つの見立ても出ていますけれども、今回BA.5対策強化宣言の期間を9月4日までとした、その理由はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 基本的に2週間程度という想定で県は考えていますが、4日が日曜日ということになりますので、どうしても週末が一つの節目になりますので、そこまでということで今回12日間の宣言にしています。もとより来週の後半の状況を見て、延長の必要があるのかどうかということについては見極めていきたいと思いますけれども、それまでに一定程度、この確保病床使用率と新規陽性者数がピークアウトすることができるように県民の皆さまにはお願いをしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 延長をする場合は、確保病床使用率と新規陽性者が減少に転じなかった場合ということですかね?

長野県知事 阿部守一
 基本的な目標はピークアウトさせるということです。ただ、例えば新規陽性者数が増えても、今回対策の中で若年軽症者登録センターの対象を40代まで拡大しています。ここもぜひ普及をしていきたいところですが、20代、30代、40代が対象になると新規陽性者数の半分近くを理論上はカバーできる話になりますので、ここを積極的に使っていただくと、特に外来を中心とする医療機関への負荷はだいぶ減っていく形になると思いますので、医療機関の負荷の状況も見ながら判断していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 細かいところで、スライドの最後のページ(会見資料1/スライド15ページ)の県として次のような対策を講じますのところの3と4の、この「施設」というのは、これは宿泊療養施設を指していますか。

長野県知事 阿部守一
 これは表現が十分に書ききれていなくて申し訳ないです。「施設」と書いているのは、基本的に高齢者施設の話です。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 山﨑先生になんですけれども、ご発言の中で感染者数を減らすことが一番大事ということをおっしゃられました。そのために取るべき対応として、最も必要だと思われるものを教えてください。

長野県立信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 まず感染者数の増加によって救急医療、入院医療がともにひっ迫しているということがあります。特に高齢者、基礎疾患のある方を感染から守るということが極めて大事かと思っています。従いまして、同居している家族からの感染が多いということを考えますと、ワクチン接種をもう一歩進めて、特に20代から30代の方の3回目接種をできるだけお願いをしたいと思っています。もう一つは、介護を要する高齢の方あるいは基礎疾患のある患者さんについては、抗ウイルス薬の投与も積極的に進めて、入院に至るケースを少しでも減らせればよいのではないかと考えています。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 医療従事者の感染や濃厚接触者が増えていて医療現場のスタッフも欠勤されたりという状況があると思いますが、そういったスタッフの欠勤を防いでいくために、なかなか難しいと思うのですけども、どんなことが必要でしょうか。

長野県立信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 医療従事者の濃厚接触あるいは感染者も、やはり家族内で起きているという方がほとんどです。なかなか現状では小さなお子さんのいる家族などで感染を100パーセント防ぐということは難しいことだと思っています。病院としては、できるだけ早期に家族内の感染などについても察知して、検査などをして、早期に発見して、濃厚接触者、感染者のまま病院に出勤しないような体制を整えていくことが大事ではないかと考えています。以上です。

読売新聞 浅川貴道 氏
 きょう、政府の方で、奇しくも第7波後の全数把握の方法の見直しについて、自治体の判断で行ってくださいというアナウンスをすると、ちょうど今ごろ発表しているのではないかと思われるのですが、このような形で自治体の全数把握をもし執り行うことをやめるとなると、これもまた負担の軽減につながるのではないかと思いますけれども、恐らく把握されているのではないかと思いますが、ご認識と、あと長野県として全数把握どのように今後されていくのか教えていただけたらと思います。

長野県知事 阿部守一
 まだ私も報道レベルでしか承知していませんので、どういう発表がされるのか分からない状況ですけれども、ただ全国知事会等からも現場の医療機関とか保健所の負担軽減、これまでも強く求めてきた経過もありますので、全数把握を地方に委ねるという方向ですか、ちょっと内容は分からないですけれども、一定程度緩和してもらうという方向は歓迎すべきものだと思っています。本県としての対応については、長野市、松本市が別途保健所設置市になっていますので、両市とも考え方を擦り合わせなければいけないと思いますし、また専門家のご意見も伺った上で方向性は定めていきたいと思いますが、今の状況から考えると、やはり医療機関の負担を軽減する方向で検討していく必要があると思っています。

読売新聞 浅川貴道 氏
 まとめますと、つまりまずは医療機関の負担、こちらを優先してやるために現状の宣言を出しておると。その後、もしそういった全数把握に関して解除するということになれば、これは歓迎だけれども、まだ検討の余地はある、後々考えていく、そういったような。

長野県知事 阿部守一
 まず、国の方針は歓迎すべきものだと思っています。本県が具体的にどう対応するかは保健所設置市とも対応を協議した上で専門家の意見も聞いて方向を決定していきたいと思いますけれども、基本的には現場の負担を軽くする方向で考えるべきだと思います。ただ一方で、状況把握がなかなかしづらくなるというところもありますので、定点観測的なことを行うのかどうかということも含めて代替的な対応と一緒にどうあるべきか検討していきたいと思っています。

市民タイムス 萩原真一 氏
 1点、社会経済活動との絡みで認識を知事にお伺いしたいのですけれども、認識として、社会経済活動は基本維持する方向で今回も過度な行動制限はかけずに基本的な感染防止対策と、あと医療へのかかり方、その辺を県民に求めていくという、こういう考え方でよろしいんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 過度な行動制限の中身にもよるかもしれないですけれども、例えば時短要請をするとか旅行をやめてくださいとか、そういうことは申し上げませんので、基本的にBA.5の宣言自体は国の考え方も社会経済活動と両立させていくという考え方ですし、県としても、もちろん感染拡大を抑止するために県民の皆さまのご協力が必要だと思っています。先ほど申し上げたようなことをぜひすべての県民の皆さんにご理解いただいた上でご協力いただきたいと思いますけれども、片方でいろいろな活動が止まってしまうと、またそれはそれで非常に影響を受ける人たちが増えてしまうということになりますので、そういう意味で両立をさせながら、受診行動であったり、あるいは重症化リスクが高い方を守るための行動であったり、こうしたことにぜひご協力いただきたいというのが今回の趣旨です。

中日新聞 城石愛麻 氏
 今回の宣言についてですが、陽性者を減少に転じさせるというのを目標にしていますが、これは具体的にどの程度までというふうには、目標は、数字は掲げずに、ひとまずピークアウトさせるということが目標ということでいいんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今の状況は厳しい状況ですが、医療関係者あるいは保健所も頑張ってギリギリ何とか医療を支えていただいているという状況になっていますので、これ以上どんどん増加をするということはまずストップさせて、できるだけ早く減少に転じさせたいと。そういう目標設定ですので、ぜひ県民の皆さまにはご協力いただきたいと思っています。

中日新聞 城石愛麻 氏
 このBA.5対策宣言ですが、これまで県が発表してきた医療非常事態宣言と、その対策の部分でいうと結構重なる部分もかなり多いと思うのですけれども、この宣言を発表することによって、知事としてはどのような効果を期待したいと思われますか。

長野県知事 阿部守一
 「BA.5対策強化宣言を発出します」というペーパー(会見資料2)自体が医療非常事態宣言のある意味上書きというか、今回変えたところについて付加をしていると。あるいは強めているという状況ですので、何を期待しているかということですけれども、やはり、一番は今の状況をまず共有していただく、医療の状況を共有していただくということと、それに併せてぜひ多くの皆さまに先ほど申し上げたような行動変容をお願いしたいと。受診行動であったり、あるいは感染拡大(防止)であったり重症化リスクが高い方を守るための行動にぜひ協力を頂きたいというのが今回の主眼です。

中日新聞 城石愛麻 氏
 最後に山崎先生に伺いたいのですけれども、先ほどのお話の中で、一般の救急医療にかなり手が回らなくなり始めているとおっしゃっていましたが、その状況をもう少し具体的におっしゃっていただければ。例えば救急搬送をお断りしているとか、そういった状況が生まれているということでしょうか。

長野県立信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 救急搬送を断るところまでは現状としてはいっておらず、ひっ迫しながらも医療従事者の頑張りで、どこの医療機関でもすべての救急車等を受け入れていただいている状況だと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 今回の上が赤いチラシ(会見資料3)の関係なのですけれども、一般県民への呼び掛けとしては、医療非常事態宣言とちょっと違うところが、感染リスクが高い場面・場所を避けるようにということで、重症化リスクが高い方に呼び掛けているところがあると思うのですけれども。要するに、どういうふうな行動変容、もう少し具体的に落とし込むと、どういった行動をやめていただきたいということなのか。あとは、ここに対する今回の呼び掛けでの重み付けというか、どれくらい切実に訴えているのかということを伺いたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 実はご指摘の通り、リスクが高い場面ってもう少し本当は具体的にお示しした方がいいかなと思ったのですが、間に合ってないのでまた別途お示しするようにはしたいと思いますけれども、これまで散々申し上げてきているような状況です。ですから例えば換気が十分でないところに大勢の人が一緒いるような場面とか、あるいは近くの人同士がマスクを外して会話をしているような場面とか、こういうところはやはりどうしても感染してしまいかねない。感染リスクが高いと思っていますので、そういう場面は避けてもらいたいと思っています。しっかりお示しした方がいいなと私も思っているので、別途工夫してお示しするようにしたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 その呼び掛け自体は、知事が今おっしゃった通りだとすると、一般的な呼び掛けなのかなという気もするのですけれども、これはやっぱり非常事態宣言の時とは呼び掛け内容は強めたというふうな位置付けになるんですか。

長野県知事 阿部守一
 内容的には強めています。まず重症化リスクが高い方と同居の方については、感染リスクが高い場面・場所を避け、最大限慎重な行動を、ということで、今は社会経済活動と両立をさせていく考え方が基本に立ってはいますけれども、そうした中では、最大限強い呼び掛け内容になっていると思っていますので、今回、BA.5対策強化宣言については時限的な措置で9月4日までと、お尻を区切らせていただいていますので、ぜひこの期間中はこうした呼び掛けにご協力いただければありがたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 最大限強い呼び掛け内容というお話なんですけれども、現時点では県としての最後のカードを、きょう時点ではもう切ったという位置付けになるんでしょうか。今回の対応は。

長野県知事 阿部守一
 新型コロナに着目すれば、先ほど申し上げたように、まだ緊急的対応病床を稼働させるというところまで至っていませんので、その選択肢はさらにギリギリの局面で、しかも新型コロナの入院患者への対応が他の医療にも上回って重要度が高いというような状況になればそうした対応をすることも考えられますが、今の状況認識の中では、もうこれで何とかピークアウトさせたいというのが県の考え方です。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 最後に知事と山崎先生、お二方に伺いたいんですけれども、今までの医療警報だとか医療非常事態宣言といった呼び掛けというのは、効果はあったんでしょうか。一般県民に対しする呼び掛けとしては、効果があったとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは毎回、各波の後に専門家の皆さんのご意見も伺って振り返って検証していったり、あるいは県民の皆さんにもアンケート調査をして、この呼び掛けに応えてもらいましたかということも聞いていますので、そうした検証は今回も第7波が落ち着いた段階では行っていきたいと思いますので、今の段階でどの程度影響があったのか、あるのかということについては、なかなかコメントしづらいと考えています。

長野県立信州医療センター副院長兼感染症センター長 山崎善隆 氏
 私の方からも現状としては、コメントを控えたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

ページの先頭へ戻る

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

  • 長野県公式観光サイト ゴーナガノ あなたらしい旅に、トリップアイデアを
  • しあわせ信州(信州ブランド推進室)