ここから本文です。
更新日:2014年6月24日
水産試験場
コレゴヌス養殖技術開発の記録
業者の育成
ホテルに売り込む
深津 鎮夫
昭和58年(1983年)、14業者に5万2,000尾の稚魚を配布して事業普及に移った。昭和56、57年(1981、82年)に4業者あて、それぞれ1万6,000尾、3万尾と試験飼育の稚魚配布を行ってきたが、それが食用サイズに成長していた。事業を成功させるためには、魚を使ってくれる所を見付けなければならない。売込みは業者自身が行うことだが、そのホテル、料理屋の反応を見たかった。
試験場にお客が来ると、昼食・夕食のついでに試験場の魚を氷蔵で料理屋・ホテル・寿司屋に持って行き、これを刺身にしてくれと頼んだ。1尾は調理師に差し上げた。どの調理師もいい魚だと誉めた。
そうこうしているうちに、軽井沢の塩壺温泉ホテルの社長が知るところとなり、試験場に来て、忘年会・新年会用の「シナノユキマス活造り」として新聞折り込み広告となった。後から聞いたところによるとシナノユキマスでホテル経営が持ち直したという。
販売価格は、当時のイワナ価格が2,000円/kgしていた。これと同等の価値があり、高級魚のイメージの植付け、生産費はニジマスよりも相当高い感じ、価格の値下げは簡単だが今後値上げはできない等の観点からイワナと同価格に設定した(ホテルに届けて2,000円/kg)。これが今も継続している。
シナノユキマスの活造り
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください