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更新日:2014年6月24日
水産試験場
コレゴヌス養殖技術開発の記録
ビブリオ病対策
沢本 良宏
平成元年(1989年)、アユとニジマス用のビブリオ病ワクチンが水産用ワクチンとして初めて市販されることになった。私も佐久支場へ転勤して初めての年で、ビブリオ病ワクチンについて何も知らないままワクチン使用指導書の発行をしていた。夏になり、アユのビブリオ病研究部会の連絡試験でビブリオ病の感染実験を始めたが、ワクチンの劇的な効果に非常に感動した。
一方、ユキマスにも慣れ、ビブリオ病に対する感受性が強いこともわかった。ユキマスのビブリオ病に対してこのワクチンを応用できないかと思い付いたときには、既に9月の中旬で水温はとっくに20℃以下となり、そのままではビブリオ病の感染も出来なかった。400LのFRP水槽にヒーターを投げ込んで免疫付与を行い、ビブリオ病の感染後も個々の水槽にヒーターを入れてビブリオ病をわざわざ発病させ、結果が得られたときには既に10月も終わりに近くなっていたが、ニジマス用ワクチンでも効果が期待できることがわかった。
翌年、稚魚の取揚げにワクチン処理をすることになったが、スレヘの対応策と経費的負担を少なくすることが課題として残されたままであった。しかも、当時は適応魚種がニジマスのみであったため、試験用としてワクチンを購入することとした。
その後、ユキマスの飼育業者の方々に聞いてもユキマスのビブリオ病が発生しなくなったと聞いて、単純な発想から始めたにしては効果が高かった。
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