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更新日:2014年6月24日

水産試験場

漁業権魚種に設定

シナノユキマス物語コレゴヌス養殖技術開発の記録

漁業権魚種に設定

古川 賢男

 養魚への普及が進む中で、水産試験場の湖沼等での試験も成果が上がっていることから、この魚を公共水面へ放流し、漁業、遊魚の対象にしようとする新たな動きが、業界を含めこの魚に携わっている関係の機関から出てきた。確かにこの時は各県で飼育試験が行われており、時期を逸すると他県に先を越されてしまう危惧があったことも事実である。そこで、漁業権魚種として設定する場合の関係機関、すなわち技術面での水産試験場、漁業協同組合を代表する長野県漁業協同組合連合会、そして免許事務を行う園芸蚕糸課が会合を持ち、シナノユキマスの漁業権を設定する方向で、次の手順による作業を行うことに決定した。
(1) すべての河川湖沼漁業協同組合を対象に、この魚の生態等の説明会を開催する。
(2) 各漁業協同組合長あて漁業権設定の希望について、園芸蚕糸課から照会を行う。
(3) 希望があった湖沼について、増殖が可能かどうか水産試験場が調査する。
(4) (2)と(3)の結果により、漁業権設定候補湖沼を選ぶ。

 (2)の調査では、現在漁業権を設定している湖沼以外では、南佐久南部漁協の加和志湖、上小漁協の菅平ダム、内村ダム、裾花川水系漁協の鏡池、鑑賞池も設定湖沼として希望されたが、(3)の水産試験場による調査の結果、水位変動があったり、既にニジマスを主な魚種としていたり、またプランクトンが少ない等の理由から設定水域としては見送らざるを得なかった。
 以上の調査等を行った結果、立岩湖、柳久保池、青木湖、松原湖及び白樺湖の5湖沼を漁業権設定候補湖沼として選び出し、漁業法に基づき昭和61年(1986年)12月4日付け長野県告示第905号で漁場計画を策定、昭和62年(1987年)4月1日付けでシナノユキマスにかかる漁業権を各漁業権者に免許した。
 実のところ、この免許に際して放流をどうするかという大きな問題があった。というのは放流サイズとしては1~2g物が適しているが、免許予定の4月ではふ化仔魚のみしかおらず、漁業権を免許しても直ちに放流が行えないという現実があった。この点をどうクリアするかということで、事前に免許予定漁業権者、県漁連、水産試験場、園芸蚕糸課が水産会館に集まり協議を行った。その結果、免許されたらとりあえず漁業権者はふ化仔魚を放流、その後時期をみて1~2gもしくはそれ以上のサイズを放流するとのことで話がつき、無事スケジュールどおりの免許を行うことができた。

写真:結氷した立岩湖(南佐久郡南相木村)でシナノユキマスの穴釣り
結氷した立岩湖(南佐久郡南相木村)でシナノユキマスの穴釣り


 

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