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更新日:2014年6月24日

水産試験場

ふ化仔飼育にタライを

シナノユキマス物語コレゴヌス養殖技術開発の記録

ふ化仔飼育にタライを

山本 聡

 仔魚を水槽で飼育することは残餌との戦いである。北欧では専門の自動水槽掃除機まであるそうである。長方形の餌付け槽で飼育した場合、ちょっと掃除をサボると、原虫の寄生により1日で全滅することもあった。
 ユキマスは餌付きの良い魚なので、この点さえ何とかなれば高密度での集約的飼育ができるはずである。掃除をしなくても、残餌がたまらない水槽をと考え、平成7年(1995年)にカジ力で使っていたタライの円形水槽を試してみることにした。残餌が出て行くほど、水量を多くしたら仔魚は排水スクリーンに張り付いてしまうのではないかと心配したが、流速5cm/秒程度なら問題はなかった。始めは中央の排水スクリーンを底に接着したが、そのわずかの凹凸に残餌がたまり思わしくない。そこで、排水スクリーンは接着することをやめて自由に回転できるようにした。すると、全くたまらないという訳にはいかなかったが、残餌や糞は水槽中央部に集まるので、掃除は極めて簡単になった。水位を少し高くしておいて、スクリーンを回転させながら排水すれば終わりである。ときどきスクリーンを歯ブラシでこすってやればよい。全ての問題が解決した訳ではないが、自動給餌機の使用と合わせて仔魚の管理は本当に楽になった。
 この結果に気を良くして、平成8年(1996年)には全国湖沼河川養殖研究会の外国産新魚種導入検討部会の連絡試験を兼ねて飼育試験を行った。結果はまずまずの成績だった。詳細は平成7年度事業報告を参照されたい。平成9年(1997年)にはバイテク試験も含めて試験室はタライだらけになった。

写真:タライの円形水槽
タライの円形水槽


 

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