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更新日:2014年6月24日

水産試験場

ふ化場の建設

シナノユキマス物語コレゴヌス養殖技術開発の記録

ふ化場の建設

古川 賢男

 ペリヤジも技術的には民間普及が行えるまでになったが、その当時の施設では大量の種苗供給ができないことから、昭和57年(1982年)度に種苗供給施設(ふ化場)を建設しようと、総額2,700万円、国庫補助事業(補助率1/2)として実施する予算案をまとめ、建設へ向けての第一歩を踏み出した。
 この予算案をまとめている時、楯園芸蚕糸課長から「この魚をどうしてペリヤジというのか調べろ」との指示があり、内心そんな事わかる訳ないと思いながらも係内で相談し、とりあえず在日ソビエト大使館へ照会しようということになった。早速、電話で照会したところ、確か担当はリヒツエン氏だったと思うが、同氏から「日本ではイワシのことをなぜイワシというのか教えてくれれば、ペリヤジがなぜペリヤジというのか教える」という名言をいただき、そのとおりに課長に報告しこの件は一応終了した。
 ところが、この「なぜ-なぜなのか」の話が、実はこの予算の知事査定で再び話題として持ち上がったのである。楯課長は、ソビエト大使館へ照会した「イワシ云々」の話をし、出席者全員笑いの中で原案どおりの予算案になった。これは、「イワシ云々」の話もさることながら、計画そのものが高く評価されたことにほかならないと考えている。
 予算が昭和57年(1982年)春に成立した段階で、水産庁と補助金の正式協議(内々で事前に協議済み)に入った。この正式協議で問題になったのは建設位置であった。実のところ内々の事前協議の段階では、現庁舎北側の空地に建設することで水産庁の了解を得ていたのを、正式協議で現在位置(飼育池の上)に建設するという変更計画を示したためである。県は経費、施設利用の便宜性から現在位置を主張、水産庁(竹本班長)は、いずれ行われる会計検査院の実地検査を考え、どうしても当初計画の庁舎西側を主張していたため、協議は平行線をたどるかと思ったが、最後は「会計検査で絶対に指摘を受けないよう施工すること」を条件に水産庁の了解を取りつけた。
 建設に当たっては、設計、施工監督を外注するのが一般的であったが、この建設に関しては住宅部施設課が自前で設計、施工監督をも行うという大きな協力も得た。
 会計検査院農林水産第3課による実地検査は昭和59年(1984年)に行われたが、水産庁との約束のとおり何ら指摘はされなかった。


 

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