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更新日:2021年3月12日

知事会見(令和2年(2020年)12月18日(金曜日)11時02分~12時24分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 令和3年度 地域発 元気づくり支援金の募集について
  2. 「Learn by Creation NAGANO」の開催について
  3. 新型コロナウイルス感染症への対応について
  4. 政教分離問題について

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取材者からの質問

  1. 政教分離問題について1
  2. 新型コロナウイルス感染症への対応について1
  3. 政教分離問題について2
  4. 「Learn by Creation NAGANO」の開催について
  5. 新型コロナウイルス感染症への対応について2
  6. 政教分離問題について3
  7. 新型コロナウイルス感染症への対応について3

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本文

阿部知事からの説明

 1 令和3年度 地域発 元気づくり支援金の募集について

長野県知事 阿部守一
 それでは12月18日の会見を始めます。私からは冒頭三つ、お話ししたいと思います。
 まず初めに元気づくり支援金の募集についてです。先ほどの部局長会議においても企画振興部から報告してもらったわけですけれども、お手元にプレスリリース資料をお配りしていると思います。地域発 元気づくり支援金については例年500を超える事業が行われていまして、地域における住民の皆さまの主体的な活動、住民協働による取り組みが着実に進んでいるものと考えています。今回来年度の事業の募集に当たりまして、県全域の重点テーマとして昨年から設定しています「地域防災力の向上」に加えまして、新しく「2050ゼロカーボンに向けた取組の推進」を追加したいと考えています。このことについては、これまでも「気候非常事態宣言」であったり、気候危機突破方針を定めて取り組んできましたし、また9月県議会においては議員提案によりまして脱炭素社会づくり条例が制定され、庁内にもゼロカーボン戦略推進本部を設置して取り組んでいます。県全体、県民の皆さまにも問題意識を共有いただいて取り組んでいくことが極めて重要ということで、こうした取り扱い、県全域の元気づくり支援金の重点テーマという形で位置付けて取り組みを進めていきたいと思っています。また加えて、元気づくり支援金を活用するすべての事業において、「プラスワンアクション」ということで、例えばイベント等で人が集まるときにはペットボトル飲料をマイボトルに変えてもらうといったような取り組みも含めて、何らかの取り組みを行ってもらいたいと考えています。今回こうしたテーマ設定を行うに当たりましては、この2テーマ、県全域の重点テーマについては募集期間を1カ月延長して募集をする、県民の皆さまにお考えいただき、ぜひ積極的に応募いただきたいという趣旨で募集期間を延長しますので、皆さまにはゼロカーボンの推進、そして地域防災力の向上、まさに地域の皆さまの取り組みが不可決な事項ですので、積極的なご検討と取り組みをお願いしたいと思っています。

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2 「Learn by Creation NAGANO」の開催について

長野県知事 阿部守一
 それから2点目ですけれども、「私たちで自治る(つくる)学び Learn by Creation NAGANO(ラーン・バイ・クリエーション・ナガノ)」を開催しますというお知らせです。来年の1月に開催していきたいと考えていますが、一般社団法人Learn by Creationと県との共同で、1月9日から24日にかけての土日にオンラインイベントを開催していきたいと思っています。「私たちで自治る(つくる)学び」ということで、まさに「学びと自治」を県政の推進エンジンにしていこうということで、「自治」と書いて「つくる」と読んでいますけれども、「私たちで自治る(つくる)学び」ということで、新しい学びを実践されている方の事例紹介、あるいはトークセッション、こうしたことでこれからの学びを多くの皆さまと一緒に考えていきたいと思っています。オープニングセッションには私も参加します。長野県も強く求めてきましたけれども、報道では小学校でさらに少人数での学級編成を行う方向でご検討いただいているようですけれども、「GIGAスクール構想」の推進であったり、あるいは少人数学級の推進であったり、だいぶ教育の在り方もこれから大きく変わろうとしています。そうした中、自分たちでこれからの学びの在り方を考えていく、主体的に取り組んでいく、そうした機運を「Learn by Creation NAGANO」を通じて高めていきたいと考えています。ぜひ多くの皆さまのご参加をお願いしたいと思います。

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3 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それから3点目ですけれども、新型コロナウイルス感染症に関しての今の状況と改めてのお願いです。昨日の20時時点の数字ですけれども、入院者数が143名ということで、ピーク時に比べると少し入院されている方の数が減ってはいますが、まだ予断を許さない状況です。特に重症者の数が7名という状況になっています。重症者用病床の使用率も14.6パーセントというところまで来ていますので、県民の皆さま、事業者の皆さまには改めて基本的な対策の徹底をお願いしたいと思います。そうした中で特にきょうお伝えしたいのは、全国的に陽性者の確認数が非常に増えてきている状況です。東京も過去最多の数字を記録するといったような状況ですので、改めて県民の皆さまには、陽性者が多数発生している地域をホームページ等で毎日出していますので、他の都道府県の状況にも十分注意を払っていただきたいと思います。とりわけ人口10万人当たりの直近1週間の新規陽性者数が15人以上になっている都道府県に行かれる際には、特に訪問自体を慎重に検討していただきたい、訪問するかどうかを慎重に検討していただきたいと思っています。「地域間の往来」についてはいろいろな都道府県からもメッセージが出されてきている状況ですけれども、私どもの基本的なメッセージをもう一回繰り返しますけれども、今申し上げたように、まず感染拡大地域、東京とか、大阪とか、愛知とか、そうした地域への訪問に当たりましては訪問そのものを慎重にご検討いただきたいと思っています。それから帰省についてはご家族で事前に十分ご相談いただきたいと思っています。特に感染拡大地域からの帰省、あるいは重症化リスクが高い方のお住まいの自宅への帰省は慎重に判断いただきたいと思っています。それからお住まいの都道府県等からの外出、帰省などに関する呼び掛けに沿った行動、それぞれの地域でいろいろなメッセージが出てきていますので、そうしたメッセージにもぜひ注意を払っていただきたいと思います。例えば東京都からは昨日の段階で「帰省はできるだけ避ける」、「帰省する場合には2週間前から会食を控える」といったようなメッセージが出されています。そうした各都道府県等のメッセージに即した行動をお願いしたいと思います。それから最後4点目ですが、10日以内に風邪症状等があった方については、県内外を問わずですけれども、外出を控えていただく、そして人に感染させないための行動の徹底をお願いしたいと思います。旅行に行かれる方、旅行に来られる方、帰省をされる方、そうした方も同じですので、ぜひご自分の健康観察をしていただいて、10日以内に風邪症状があった方は行動はくれぐれも慎重に行っていただきたい。風邪症状がある方はまずかかりつけ医にご相談いただくということが基本ですし、他の方に感染させないというための行動をぜひお願いしたいと思います。それからマスクの着用、手洗い、そうした基本的なことをこれまでも繰り返しお願いしてきています。周囲の方に対するエチケットということで、ぜひ励行をお願いしたいと思います。多くの方は無症状だと思います。ただ症状がなくても、例えば無症状の病原体保有者の方もいらっしゃいます。また発症される方も発症前から人に感染させてしまう恐れがあります。ぜひそういうことに十分気を配っていただいて、マスクの着用等は行っていただきたいと思います。それから店舗等を利用される際にも、他の利用客の皆さま、あるいはお店の皆さまに対するエチケットとしてマスクの着用をお願いしたいと思いますし、手指消毒等を店舗の入り口に置いていただいているところがほとんどですので、そうした店舗が講じている感染防止策にも積極的にご協力を頂きたいと思います。また帰省された方は、自宅においてもできるだけマスクの着用や人と人との距離の確保をお願したいと思います。自宅の中ですのでなかなか徹底しにくいところもあると思いますので、「できるだけ」と書いていますけれども、通常同居されている方以外の方が帰られるということは、しっかりとした感染防止を取っていただくということが基本的には必要な局面だと思いますので、できるだけマスクの着用とか距離の確保、こうしたことにご留意をいただきたいと思っています。

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4 政教分離問題について

長野県知事 阿部守一
 
私からは以上3点ですが、最後にもう1点。きょう報道もされていましたけれども、護国神社の崇敬者会会長に関連して、会見の場でも多くの記者の皆さまからこれまでもご質問を受けてきましたので、私から状況をお話ししたいと思います。まず崇敬者会の会長としての職については12月15日付けで辞任届を出し、受理いただいたところです。崇敬者会の会長については辞したということです。年が明けますと10年会長職を務めるという形になりますので、私としては一定の役割を果たしてきたものと思っています。ただここで憲法に違反するのかどうかということも再三にわたってご質問を頂いてきましたけれども、私としてはこれまで申し上げてきた通りの認識です。個人的な活動ですので、憲法に抵触するものとは考えていないと現時点でも考えています。これまで専門家の皆さまのご意見をお伺いし、また私自身も昔習った憲法の教科書も含めてさまざまな文献を読んで、私としての考え方を深めてきました。専門家のご意見は弁護士の方、あるいは大学の先生、憲法を専門とされる方、複数ご意見を伺ってきましたけれども、ご意見はさまざまです。憲法に抵触するのではないかというのに近いご意見は、「私人として」と私は申し上げていますけれども、「私的活動とは見なされない可能性があるのではないか」というご意見も頂いています。しかしながらその一方で、「憲法はすべての国民に信教の自由を保障しており、憲法上全く問題はない」といったようなご意見、また「崇敬者会自体、世俗の非宗教団体である」、「個人の立場で会長に就任することは政教分離に反しない」といったような憲法上問題がないといったご意見、さまざまなご意見があるというのが実態です。憲法の専門書を読みますと、私がかつて勉強した書籍ですけれども、例えば「現代法律学講座」、古い本ですけれども、佐藤幸治先生の憲法ですけれども、「専ら私人としての資格において行われるか否かによって判断すべきものと解される」と、多分多くの考え方はこうした考え方ではないかと思います。例えば政府の見解、いろいろな見解が靖国参拝等に関連しても出されていますが、そうしたものとは関係なく、憲法第20条第3項についての、いわゆる質問主意書に対する答弁というのがありますが、それを見ますと、国の機関に当たる自然人の行為が憲法第20条第3項の「国及びその機関」の活動となるための要件は、「その者が国の機関としての公的な資格で行為することが必要」というのが質問主意書への答弁ですから、内閣法制局も通して内閣で決定している解釈であると理解していますけれども、こうした「公的な資格での行為」ということが言われているところです。また私も報道等で知っている限りですけれども、同様の役職に就かれている知事がいらっしゃるという報道もあります。こうしたことを勘案しますと、少なくとも法律論としては私の活動が明確に憲法に違反するものであるという判断はできないものと考えています。私としては私人としての行為であることが分かるようにこれまでも努めてきました。公用車の使用等は控えてきているわけです。当然のことながら個人の活動ですので、私自身が訪問して、県の職員が同行するような形は全く取らずにこれまでも行ってきています。そうしたことから私の活動が憲法に抵触するものではないという判断ですので、崇敬者会会長の職については辞することにはしました。しかしながら、憲法に違反するからということではないということは明確に申し上げておきたいと思います。従いまして個人的には護国神社への参拝等は今後とも、個人としては行わせていただきたいと考えています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 政教分離問題について1

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 今お話がありました護国神社の崇敬者会長を辞任されたことについて質問させてください。まずこの事案が出た昨年の夏時点で、直ちには辞任しないといった答弁を一般質問でもされていましたが、実際に1年余りたっての判断になりました。時間がかかった要因について何でしょうか、教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 本来もう少し、例えば憲法上の判断はお示しをできるだけ早くできればよかったと思っていますが。ただこの間、新型コロナウイルスの感染状況等で、なかなか学者の方とかと直接お会いする機会も制限されていた時期もありますので、少し憲法上の問題についての整理をすることについては時間がかかったという状況です。ただ崇敬者会会長としての職を辞することについては、もう約10年会長職を担わせていただいているので、そうした中で退くという判断をしました。憲法問題ですけれども、非常に政治的な論争になりつつある、あるいはなってしまっているということは、私は率直に言って残念なところがあります。残念というのはどうしても憲法問題は政治問題と表、裏の関係になりがちですけれども、私のところにもこの問題をめぐって賛否両論のご意見が来ています。私は県知事の立場ですから、今まさにコロナ禍で県民の皆さま一丸となってという呼び掛けもしていますので、政治的な分断が起こるようなことは私としてはできるだけ避けなければいけないと思っています。またこの間のさまざまな報道等もある中で、護国神社をはじめ逆に関係の皆さまには大変なご迷惑をお掛けしている部分もあると思っています。メディアの皆さまへのお願いは私も相当真剣にこの問題に向き合ってきました。先ほど申し上げたように、いろいろな先生のお話も伺い、さまざまな文献も読みました。憲法第20条の問題は、基本は信教の自由からスタートしている問題です。何度も申し上げてきているように、すべての国民には信教の自由がある、これは大前提だと思います。私はなぜこれに時間をかけたかというと、私個人の問題ではないと思っているからです。要は憲法判断が安易になされる、あるいは非常に議論があるところが、あたかも片方の側の説だけが基本的に正しいというようなことになると、県民の皆さまに誤ったメッセージを送ることになりかねない。私は憲法を守るという意味でもこの問題にはしっかり向き合わなければいけないということで、時間をかけて慎重に検討してきたところです。その結論が先ほど申し上げた結論です。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 この問題をめぐって賛否両論があるという話がありましたが、9月にはプロテスタントの県内教会の牧師さんたちが知事に抗議文を送っています。他にも県の弁護士会の方や市民団体からも同様に会長を辞めるべきだという声もありました。こうした動きというのが今回の判断に影響があったのでしょうか、そういったところについて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 私は憲法問題については先ほど申し上げた見解です。ですから、私自身は当初から申し上げている通り、憲法に抵触するものとは考えていません。今でも考えていません。加えてこの間、いろいろな方のお話を伺い、またいろいろな文献等も読んできましたけれども、法律論としては少なくとも私の活動が明確に憲法に違反している、もう完全に憲法に違反だというようなことは判断できないものと思っています。ただ先ほど申し上げたように、憲法問題と政治問題は、自衛隊の問題も含めて、非常に密接に関連をしています。政治的な議論としてはいろいろな議論があり得ると私は思っていますが、憲法問題、純粋な憲法論とそこは分けるべきだと思っています。ただ私は今、知事という立場をいただいている立場ですので、先ほど申し上げたように私の個人的なことで県民が分断されるということは私としてはできるだけ避けたいと思っています。こうした事態は、私は残念だと思っています。冷静に憲法問題を議論しないと、憲法を改正するかどうかというようなこともこれから議論になってくる中で、国民の間で冷静な憲法論、本当にやるべきだと私は思っています。そういう意味でこの問題についても、私個人の問題でなくて非常に重要な信教の自由、例えば政治家にも信教の自由があるわけですし、また政教分離も信教の自由を守っていく上では重要なことですので、そういう意味で報道の皆さまにはさまざまな立場、さまざまな見解があるということをご理解いただき、ぜひ客観的かつ冷静な報道をいただければありがたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 先ほどのお話の中で、護国神社への参拝については個人として続けていきたいというお話がありました。過去に4月の例祭にご出席されたり、参拝されたりしていたこともありまして、今年は新型コロナの影響もあって出席されませんでしたが、来年以降、新型コロナの収束があって以降、出席についてどう考えているのか。併せて参拝しない代わりに玉串料や供物などを納めるお考えなどについて、そこら辺の見解について教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これまでも当然ですけれども、公務優先で対応してきました。玉串料等も出していませんので、そういう意味で基本的にこれまでと同じ対応ということです。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 来年以降の例祭への出席については個人でという考え方ですか。

長野県知事 阿部守一
 もう繰り返し申し上げてきましたけれども、個人でこれまでも活動してきましたし、これからもそれ以外ということはあり得ません。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 今の知事の合憲だという論理はすべて前提が要するに私人、あるいは個人としての活動だという前提に立っているわけですけれども、でも本当にそれが個人としての活動なのかということは議論があるところで、例えば歴代知事が崇敬者会長を務めたということは知事として会長になっているということであり、さらに知事の肩書を使っていなくても、阿部守一さんという人が寄附の募集に刻まれていれば、それはもうみんな阿部守一さんというのは知事だということを知っているわけで、完全な、純粋な私人と言うことは困難ではないかと思いますがいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、専門家の皆さまの議論はさまざまありますので、渡辺さんがおっしゃったような見解の立場の方もいらっしゃると思います。ただそうでない方もいらっしゃるという中で、これまで渡辺さんからも本を頂戴してよく拝読しましたけれども、公的な資格なのかどうかというのは、先ほどのお話ですと、知事という身分を持っている人間は、いかなる行為をしても公人だというお話に聞こえてしまうのですけれども、それですと例えば総理等が伊勢神宮に参拝する、あれは私的なのか公的なのかということを問わず、公人が参拝するのは政教分離に反してしまうというものに限りなく近いお話ではないかと思いますけれども、そこまでの制約が課せられているかどうかというところはかなりセンシティブな問題だと私は思います。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 ただ政教分離が定められた歴史を振り返ったときに、要するに国と宗教というものが一体化して戦争を遂行していったということを踏まえたときには、公人には宗教の自由はあるけれども、公人としては一定の制約を受けるものだと解するのが憲法第20条の趣旨です。

長野県知事 阿部守一
 それは渡辺さんのご主張ですか。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 いや、憲法学者の見解です。

長野県知事 阿部守一
 私は渡辺さんの本も随分参考にしました。大変参考になる書籍だと思いますけれども、靖国懇(閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会)のときに芦部委員がいろいろ主張されていらっしゃるのは渡辺さんも当然よくご存じだと思います。議事録だからそのままのご発言だと思いますけれども、当然芦部先生も公人としての参拝と私人としての参拝は明確に分けていらっしゃるというふうに私は読み取っていますが、そうではないでしょうか。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 この問題は要するに知事が参拝したかどうかという問題よりも、知事が神社を支援する会の会長に納まっているということを言っているのです。だから芦部さんが言っている趣旨とは次元が違う問題です。

長野県知事 阿部守一
 私人か公人かの問題と、その議論は次元が違うと思います。渡辺さんと一度憲法問題について公開シンポジウムでもやってもいいぐらい、この間、渡辺さんも随分調べられていますし、私も相当この問題は真剣に調べました。そういう意味で渡辺さんのご主張は、ご主張として決して全部否定するつもりはありません。そういうご意見の方もいらっしゃると思いますし、また過去の問題にさかのぼって、純粋な憲法論ではなくて、政治的な意見としてそういう主張があるということは私も重々承知はします。ただ憲法問題としてどう考えるかということと、その話は少し次元が違うのではないかと思います。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 あまりここで議論になってもいけないので、もう一つ質問ですけれども。10年というタイミングでお辞めになるということですけれど、10年のタイミングは来年の3月になるわけで、なぜ3月でなくて今辞めるのですか。

長野県知事 阿部守一
 先ほどから申し上げていますように、今回さまざま報道がされる中で、ご承知の通り渡辺さんが一番この間の経過をよくご存じだと思いますけれども、私は私人としての活動として行ってきましたから、例えば私はこういう職を担っているとか、そうしたことを一切公の場では申し上げてきていません。当たり前です、私人としての活動ですから。そういう意味で個人的な活動として行ってきましたけれども、しかしながら今の渡辺さんのご主張のように、知事の立場である人間がそうした活動を行うのは憲法に違反するのではないかというような問題提起がされて、そして多くの皆さまからさまざまなご意見を頂くようになりました。私としては10年間務めた中で一定の役割を果たしてきたという思いもあります。そして先ほど申し上げたように、こうした問題で今まさに県民の皆さまと一緒になって新型コロナ対策を進めなければいけないときに、政治的な分断が起きるというようなことは何としてでも避けたいということを、知事として責任がある立場であるからこそ思っています。また関係者の皆さまにもご迷惑をお掛けしているという状況は、私としては大変心苦しい残念な状況です。憲法の問題は非常に難しい問題だと思います。一人の主張だけ、あるいは片方の主張だけが本当に正しいのかどうかということは慎重な検討、そして最終的には国民主権ですから、国民の皆さまがどう判断するかということによらざるを得ないものだと思っています。私も相当この間悩みましたけれども、しかしながら先ほど申し上げたように、現時点において明確に憲法に違反するものだとは判断できませんので、そういう意味では私としてはこれまで通りの考え方、主張を申し上げています。その点については信教の自由という非常にデリケートな、芦部先生も恐らく非常に重要な問題だとお考えになられるだろうと私は勝手に推測しますけれども、渡辺さんも相当研究をされていらっしゃいますので、釈迦に説法ですけれども、丁寧かつ慎重に扱うべき問題ではないかと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 最後に一つ伺いますけれども、われわれは誰が憲法違反だと言っているのかというのを必ず明らかにしています。そうしないと勝手に創作することも可能なわけでして。だから知事も合憲だと言っている人が誰なのかということを明らかにすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私がお話をお伺いしてきた方、主な方を申し上げますけれども、弁護士の方にも何人かお伺いしましたが、弁護士の方は個人的なお名前は控えてくれということですけれども、弁護士の方は例えば「私人としての行為であり問題がない」という方、あるいは違う観点ですけれども、「崇敬者会会長は宗教的色彩を帯びるものとは必ずしも言えない」と、こういったことで「憲法に抵触するものではない」というご意見を頂いています。また個人のお名前を挙げさせていただくと、東京大学大学院の宍戸常寿先生にもお話をお伺いしました。宍戸先生は「崇敬者会の一般的性格からすると直ちに黒とは言えない」、直ちに違憲とは言えないということだと思いますけれども、「個々の活動においては政教分離違反として評価されるものがあり得る」ということで、非常に慎重な言い方だと思いますけれども、そうしたご意見を頂いています。あるいは例えば私にとって厳しいご意見を申し上げれば、大阪経済法科大学の山本健人先生。「私的活動とは見なされない可能性がある」と、こういうご意見です。これは憲法違反だと明確に言われているわけではありませんけれども、グレーではないか、見なされない可能性があるのではないかというご意見です。ただ一方で、日本大学名誉教授の百地章先生は、「憲法はすべての国民に信教の自由を保障しており、私人としての会長就任は憲法上、全く問題はない」、「知事の立場である者がこうした活動を行うことは控えるべきとの意見は一つの政治的な見解であり、法的問題ではない」といったようなご意見です。また麗澤大学の教授の八木秀次先生は、「崇敬者会は世俗の非宗教団体であり、個人の立場で崇敬者会長に就任することは政教分離に反しない」といったご意見です。そういう意味で冒頭申し上げたように、さまざまなご意見があるという状況です。渡辺さんには釈迦に説法で恐縮ですけれども、私もご著書を読んで勉強しましたけれども、芦部先生は例えば裁判所の判断、最高裁判決に対しても批判的なご意見を持たれる場合もあられたわけです。そういう意味で学者の皆さまはいろいろな見解があります。ただわれわれ行政は先ほど申し上げたような、例えば裁判所の判例だとか、あるいは政府の公的な見解だとか、そうしたことを基本に考えていくということが、われわれ行政として基本的なスタンスだと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 百地さんとか、八木さんとか、およそ中立的な立場とは思えない人から話を聞いて、それを論拠に合憲であると主張するのはいかがなものでしょうかね。

長野県知事 阿部守一
 それを論拠とは申していないので、そこはご理解が食い違っていると思いますけれども。学者の方の見解はさまざまあると申し上げているので、学者の見解が論拠であるとは申し上げていません。そこはよろしいでしょうか。そこが食い違うと、ですから憲法に抵触する恐れがあるのではないかと渡辺さんはおっしゃっていますけれども、そうした見解に近い方もいらっしゃると思いますが、そうでない方もいらっしゃる。したがって学者の方のご意見で判断するのは難しい。先ほど申し上げたように、芦部先生も最高裁判決でさえ批判的に論評される場合もあるわけですよね、ありますよね。しかしながらそれは学者の見解でわれわれ憲法解釈をやるというのは、今まさに渡辺さんがご自分でおっしゃったように、いろいろな立場とか、いろいろな見解の方がいらっしゃいますので、そういう意味ではどちら側の方の見解であっても、その一部の方の見解だけに依拠して対処していくというのは、今の非常に難しい判断のところにおいては必ずしも適切ではないと思います。申し上げている趣旨はお分かりいただけますでしょうか。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 今の学者の選定が疑問は残りますけれども。

長野県知事 阿部守一
 学者の方の意見で、私の判断をしているわけではないということを再三申し上げていますので、そこは誤解がないようにしていただければと思います。先ほど申し上げたように、例えば佐藤幸治先生の憲法の本では「専ら私人としての資格において行われるか否かによって判断すべきもの」と書かれていますし、先ほどの質問主意書への答弁書では、「国及びその機関」の活動となるための要件、「その者が国の機関としての公的な資格で行為することが必要」ということになっています。そういう前提を踏まえた上で私としては先ほど申し上げたような結論だということです。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 これまでの期間、真摯(しんし)に検討されたということで、そういうことには敬意を表したいと私は思っていますが。ただ疑問が残ることは事実なので、今後もこの問題についてはよく見ていきたいと思いまして、この質問を終わります。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございます。

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2 新型コロナウイルス感染症への対応について1

読売新聞 松本将統 氏
 話題変わりまして、昨日飯田市や塩尻市で成人式の延期(の決定)が相次ぎましたけれども、この決定について知事の受け止めをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 きょうまた市長会、町村会の皆さまともお話をする機会をつくろうと思っていますが、今かなりいろいろな地域で陽性者が増えている中でのそうした市町村のご判断だと思っています。そして先ほども紹介したように、東京都等においても帰省に関する呼び掛けが出されつつあるという状況の中で判断されたと思います。式自体は市町村が中心で行っていただいていますので、きょう感染状況も共有しながら、また各市町村の皆さまのご意見とかお考えもお伺いをしたいと思っています。私どもとしては現時点では先ほど申し上げた帰省については、感染拡大地域から帰られる場合、重症化リスクが高い方がお住まいへの帰省は慎重な判断をということで申し上げてきていますので、成人式を迎える若者たち、いろいろな地域にお住まいであったり、いろいろな家庭環境の方がいらっしゃると思いますので、そうしたことを踏まえての市町村の判断だと思います。

読売新聞 松本将統 氏
 知事自身は成人式の在り方について、コロナ禍ではどのような形が望ましいと思いますか。

長野県知事 阿部守一
 開催する場合には基本的な感染防止対策は徹底していただくということです。ただ、今こういうことでお願いをしている中で、例えばご家庭の状況等、あるいはお住まいの地域によっては参加が難しい人たちも出てくる可能性がありますので、そうした中でどう判断をされるかということだろうと思います。

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3 政教分離問題について2

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 護国神社の関係で分からなかったことを2点ほどお聞きします。一つ、この10年間、一定の役割を果たされてきたとおっしゃられました。一定の役割というのは例えばどういったことをお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 一定の役割というのは、あまり役割を果たし切れていないと思いますけれども、例大祭に参加してということでして、基本的にそれ以外、何度も繰り返し申し上げてきているように公務優先で行ってきていますので、あまり貢献はできていないだろうと思いますけれども、ただ10年間、長い間務めましたので、ここで辞任して、後の方がどうなるのかというのは神社側のご判断だと思いますけれども、対応いただきたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 少し話題となった募金といいますか、会長としての資金を募るというのもあったかと思いますが、それなどもそこには含まれているという理解ですか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、基本的に私人の活動かどうかという論点、それから崇敬者会という会長の仕事自体が宗教的な活動と言えるのかどうか、幾つか論点がありますけれども、私としては先ほど申し上げたように、これまでの活動全体は憲法に抵触するものではないという判断です。

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 それらも含めて役割を果たされてきたという、一応ご自身としてはお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 今まで行ってきた活動は当然すべてそうです。

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 もう1点。関係者の方にどうしてもご迷惑になってしまうという話がありましたが、もう少し具体的に言うと、どういった迷惑ということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 宗教の問題というのは内面の問題であり、いろいろな皆さまがいろいろな思いを持たれています。例えば先ほど申し上げたように、政治的に見れば過去のその経緯から、いわゆる軍国主義的なものと結びつけて論じる方もいらっしゃいます。しかしながら必ずしもそうではなくて、純粋な思いから祈りをささげる方もいらっしゃいます。そうした中で私の会長職ということから派生して、さまざまな議論が起きて報道もされているわけですので、その中で心を痛められる方もいらっしゃると思います。そういう意味で私としてはご迷惑をお掛けしている部分もあると思っています。

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4 「Learn by Creation NAGANO」の開催について

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 毛色が変わって恐縮ですが、「Learn by Creation」のことでお聞きします。新たな学びをつくるということですが、知事の問題意識として現段階において今後補っていく、つまり今の長野県の学びの現状についてどう評価されているかということを踏まえた上で、こういったイベント、取り組みをすることで、どういった点を伸ばしていきたい、補っていきたいだったり、どんなふうにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この間、一緒にやっていただく一般社団法人Learn by Creationの皆さまとウェブで意見交換しました。そのときに私から申し上げたのは学びの在り方の、正確な言い方ではないかもしれないですが、要は今の学びに満足していない方が結構大勢いらっしゃる、そして新しい学びを追求しなければいけないと思っていらっしゃる方が大勢いらっしゃる、そういう状況だと思っています。これまでの戦後の日本の教育は、集団で教室に入って先生の方をみんな向いて、そしてみんな同じことを学ぶというのが標準的な形でずっと来ましたけれども、これからは個々の子どもたちに合わせた学びであったり、そして一方的に教えられるのではなくて自分で探究していく学び、そうした動きが少しずつ出てきていますけれども、まだまだそうしたものを深めていく、進めていくことが必要だと思います。そういう意味で新しい学びをまさに参加している皆さまで一緒に考えてつくっていきたい、そういう思いです。

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 それらを踏まえたときに、今後の教育の在り方として、例えば具体的にこういうことに取り組んでいきたい、こういうことに予算を付けていきたいとか等々何か構想等があったらお願いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 学校教育自体、教育委員会の所管になるので、あまり私が勝手なことを言いづらいですけれども。例えば今、信州ITバレー構想を進めようということで取り組んでいますけれども、そういう中でも人材の育成が非常に重要だと思っています。今、「STEM(ステム)教育」とか、「STEAM(スティーム)教育」とかと言われていますけれども、サイエンス(Science)、テクノロジー(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、マセマティックス(Mathematics)、そういう部分を若いうちからもっと伸ばしてあげる教育だとか、あとアート(Art)。私は学生時代は芸術系の科目は極めて不得意だったのですけれども、アートのためのアートではなくて、アートを学んで例えば自分の自己表現をすることによって、もっと創造性を高めていろいろな分野に波及効果を及ぼすとか、そうした新しい教育の方向性というのが今、世界でもどんどん進んできていますので、そうした方向性を長野県としても打ち出していきたいと思います。

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5 新型コロナウイルス感染症への対応について2

信越放送(SBC) 髙野祐樹 氏
 コロナの関係で高齢者の患者も増加してきていると思いますけれども、それについての受け止めと、そういった対策、どういったことを呼び掛けるか改めて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今、療養者の数が増えて少し横ばい状況という感じで、下がることを期待していますけれども、繰り返し申し上げているように重症者を極力少なくしたい、当該の方の命を守るという意味と、それから医療機関への負荷をなるべく抑制していきたいということです。そういうことになりますと、ご高齢の方の重症化リスクは高い状況ですので、これまでも呼び掛けていますけれども、重症化リスクがある方を社会全体で守っていただきたいと思います。特にご高齢の方、基礎疾患がある方は少しでも風邪症状があるときはすぐかかりつけ医にご相談いただきたいと思いますし、またご家庭にご高齢の方とか基礎疾患がある方がいらっしゃる方は、今の時期はくれぐれも慎重な行動をお願いしたいと思います。

信越放送(SBC) 髙野祐樹 氏
 先ほどもお話にありましたけれども、医療機関の逼迫(ひっぱく)であったりとか、重症化の方が多いと、そういった病床の使用率も上がってくるということで、医療機関へのそういった対策、どういった対応を行政としてしていくかというのを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 特に陽性者が多い地域の医療機関の皆さまは本当に大変な思いで対応いただいています。心から感謝したいと思います。またかねてお話ししているように350床ということですけれども、一部の病院では当初予定した病床数をさらに上回って陽性者の方を受け入れていただいているということで、これも本当にありがたいことだと思っています。県としてはそうした医療現場の皆さまの負担をなるべく減らすように努力しなければいけないと思っていますので、一つは保健所を中心に積極的疫学調査ということで濃厚接触者の調査とか、あるいは濃厚接触に限らずできるだけ幅広い検査も行って、早め早めに対処できるようにということで取り組んでいます。そうした努力はこれからも継続していきたいと思います。また宿泊療養施設、各地域なるべく近いところでお入りいただける形をつくるということが望ましいと思っています。今、北信圏域に陽性者の方が比較的偏っている状況の中で、東信と中信に宿泊療養施設を開設していますけれども、年内には北信に開設して医療機関の負担を減らせるようにしていきたいと思っています。

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6 政教分離問題について3

中日新聞 我那覇圭 氏
 大きく2点テーマがありまして、一つは崇敬者会、もう一つはコロナの対応についてお尋ねします。最初に崇敬者会の関係でお尋ねするのですが、先ほど知事がおっしゃっていた中で、政治的な分断が起こるようなことは避けたい、こうした事態は残念だとおっしゃっていたのですけれども、私の記憶が間違っていなければ、知事は当初、歴代の知事の判断によらずに、ご自身の判断で就任されたとおっしゃっていたような気がします。だとすると、その判断が今の分断を引き起こしている可能性もないとは言えないような気がするのですが、その点ご自身の最初の判断に対する責任というのはどういうふうにお感じになっていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私が申し上げてきているのは、まさに個人として就任しているわけですし、充て職でやっているわけでは決してないわけです。ただ政治的な議論もどうしても一緒になってきてしまっているという状況でして、繰り返し申し上げて恐縮ですけれども、私は自分の活動を、例えば政治的な宣伝とかそうしたことに使ったことは一切ありませんし、そうした発言は公の場で一切行ってきてないと思っています。それはあくまでも私人の活動だからです。しかしながら、あたかも憲法違反の色彩が極めて濃いというような形で報道されたことを契機にしてこうした議論が起きてしまったわけです。先ほど申し上げたように、いろいろな見解、いろいろなお立場がありますけれども、政治的な議論はともかく、憲法問題としては、一つは冷静に扱っていただく必要があると思っています。繰り返し申し上げますけれども、さまざまな見解があるということであったり、でき得れば私が申し上げたような憲法の教科書であったり、あるいは内閣の質問主意書への答弁であったり、そうしたことも引用いただきながら事実を正確に伝えていただければありがたいと思っています。結果としてこういう状況になってしまっているということは、先ほどから申し上げているように、私としては残念な事態だと思っています。例えば先ほど申し上げたように、他の県でも同じような議論がなされているのでしょうか。あるいはなぜ本県では過去にそういう議論がなかったのでしょうかというところは率直な思いとしてはあります。ここについては、私としては辞するという行為自体は、10年間務めてくることができたということで、感謝の思いとともに辞させていただくという形ですけれども、ただこれまでこの議論をめぐって、さまざまなご意見を県民の皆さまからも頂いているということも事実ですので、私としては繰り返し申し上げるように、公務優先、県知事としての仕事と責任を全うすることが優先だということの中での判断です。

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7 新型コロナウイルス感染症への対応について3 

中日新聞 我那覇圭 氏
 あと新型コロナの関係ですけれども、少し早いのですが12月ももう終わるということで、この1年のコロナ対応についてお尋ねしたいのですけれども。大きく分けて初期の緊急事態宣言とか出ていたような頃の、まだ今ほどどういうような感染症か分かっていないときの対応と、現在の今まさに足元の状況の対応の難しさというのはどういうところにあるかという、どこに難しさがあるとお考えになっているのかということと、それぞれの段階で十分に対応できているかどうかということについてお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 今の対応の難しさですか。

中日新聞 我那覇圭 氏
 最初の方と現在です。

長野県知事 阿部守一
 今年はもうずっとコロナ対応をやってきたというような感覚ですけれども、先ほど病床数も350ということで申し上げていますけれども、最初はいわゆる感染症指定医療機関の数十床だけで対応ということでしたし、また検査自体も県の環境保全研究所、あるいは長野市保健所で1日数十がせいぜいというところからスタートしています。新型コロナウイルスへの対処の仕方もなかなか判然としていないところもありましたし、また医療・検査体制も今の状況に比べると非常に弱い体制でしたので、そういう意味で何とかそうした未知のウイルスとの闘いにどう対応するかということはかなり手探り状態でスタートしたというのは事実だと思います。ただ、これまでいろいろ対応を行ってくる中で、そして医療関係者の皆さま、検査関係の皆さまにも大変ご支援を頂く中で、今は入院できる病床も350床、そして宿泊療養についても今年中には275程度まで持っていけるという状況になっています。そうした状況であったり、検査体制も診療・検査医療機関を555機関指定させていただく中で、1日4700検体対応可能ということになりましたので、そういう意味では医療体制、検査体制についてはおかげさまでだいぶ充実させてくることができたと思っています。ただその一方で、今これが収まっていくように努力したいと思いますけれども、暮らしや経済への影響ということがこれまでも大変生じてきている状況ですので、今の私としての厳しさは感染拡大の防止と経済活動、社会活動をどうバランスさせていくのか、両立させていくのかというのは非常に難しい判断が迫られる局面が多いと思っています。そういう意味で例えば県の感染警戒レベルも地域的な対応、とりわけ具体的な措置を講ずるに当たっても、できるだけ地域を限定して対応することによって感染拡大を防止しつつ、社会経済活動についてはできるだけ維持できるようにということで取り組んできています。今後医療に対する負荷がさらに増していくというようなことになると、より強いお願いをさせていただかなければいけない可能性も出てきますけれども、そういうことになると社会経済活動についてはマイナスの影響がより強く現れますので、そうならないように県としては努力をしていきます。しかしながら感染拡大を食い止めるために必要な場合には、また県民の皆さま、事業者の皆さまにいろいろなご協力をお願いすることになるということで、その両立をどう図るかというところが今の局面では極めて難しい判断が迫られる局面になりつつあると思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 端的に伺うと、県としての対応は十分にできているとお考えになっていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 県としては先ほど申し上げたように、これまでも医療・検査体制を強化してきました。そして現場の保健所もしっかり濃厚接触者の調査等を行ってきています。そういう意味では県としては最善の対策、対応を行ってきたという考えですし、これからも県民、事業者の皆さまの声も十分お伺いしながら全庁挙げて全力で対応していきたいと思っています。

市民タイムス 田子元気 氏
 忘年会シーズンの対応について改めてお伺いします。菅首相の会食の関係で、自民党内では予定されていた忘年会が軒並み中止になるという事態がありまして、それを受けて中止した方がいいのではないかという、世間にそういった流れが広がっています。県は11月末に忘年会シーズンの呼び掛けということで特に中止ということは求めておらず、感染拡大予防ガイドラインを遵守している店の利用を促すということをされていたと思います。自民党で中止になっているという今の流れを受けて迷っている方もいらっしゃると思いますので、改めて知事から忘年会シーズンの対応、注意というのを呼び掛けていただければと思いますがお願いします。

長野県知事 阿部守一
 年末年始に向けてのメッセージも出していますが、基本的にはガイドラインを守っているお店を利用していただいて、そして小規模、分散、リモート、そうしたことも含めて考えていただきたいというのが基本的な考え方です。先ほど申し上げたように、医療関係者の皆さまは相当神経を使ってこの間対応されています。ですから多くの県民の皆さまにも医療関係者の皆さまの思いは共有していただきたいと思います。しかしながら一方で観光とか、飲食とか、そうした皆さまが今、非常に苦境に立たされているということも事実です。そういう意味では感染防止にしっかり取り組んでいただきながら会食を行っていただくということが今の時点では必要な局面だと考えています。いつものようなわいわい、がやがや、みんなで忘年会をやりましょうということが行われてしまうのは避けていただきたいと思いますけれども、できるだけ人数を絞ったりとか、しっかり距離を空けてとか、あるいはアクリル板を通じて対面するとか、いろいろな工夫をしながら行っていただくということは、地域の支え合いという観点からもすべてやめてしまうということでなくて、関係の皆さまにはいろいろな努力をぜひお願いしたいと思います。

市民タイムス 田子元気 氏
 あと1点ですけれども。基本的に県の職員の方も同じ対応でよろしいのでしょうかということと、知事は忘年会の予定はおありでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今のところないです。というのはそういうところに行ってはいけないから行かないというよりは、毎日夕刻に当日の状況がある程度分かってきますので、そうすると翌日以降どう対応するかというのは打ち合わせをしていかなければいけないので、率直に言ってそういう時間はないという状況です。

市民タイムス 田子元気 氏
 あと県の職員の方の対応というのは一般の方と同じでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 県の職員にはこうしろ、ああしろということは私からは特段は言っていませんけれども、基本的には県民の皆さまと同じスタンスで対応をしてもらいたいと思います。要するに会合をするときにはしっかりとした対策を行った上で忘年会とか新年会をやってもらいたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 先ほど医療体制の関係で、感染者が集中している地域では医療機関に当初の予定以上に受け入れてもらっているという話がございました。多分ひと月近くそういう話が確かあったのではないかと思うのですけれども、そもそも入院調整に関して言うと、広域的に分散させることで、たとえ一つの地域に患者さんが集中していても、そこの医療機関が過度に逼迫(ひっぱく)しないようにするはずだったと思います。ということですと、現在当初の予定よりも多く患者を受け入れている医療機関に負荷がかかるようにするよりは、もう少し広く浅く受け入れてもらうように調整するのができたらいいという話でもありますし、そうするのが県なりの役割だったはずではないかなと思うのですけれども、そうできない事情があるのか、なぜこうなっているのかというのを伺えないでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それはケース・バイ・ケースだと思います。入院調整は個別の医療機関とお話をする中で先方の考え方もお伺いしながら対応しています。私が聞いている限りでは、他圏域の患者の受け入れに対しても非常に気持ちよく受け入れていただいている医療機関ばかりだと伺っています。その一方で、患者の皆さまにとってみれば、身近なところで入院できればそれに越したことはないということで、そういう意味で地域の医療機関の皆さまはそうした患者の皆さまの思いに立っていただいて頑張っていただていると思います。私としては本当に感謝をしていますし、そうした医療機関の皆さまの思いをぜひ多くの皆さまと共有をしたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 もう1点ですけれども、帰省に関してです。知事からの先ほどの呼び掛けで、帰省しようと考えている方について、お住まいの地域の都道府県の呼び掛けに沿った行動をということで、東京都などは帰省を控えるか、2週間様子を見てからという呼び掛けをしているわけですけれども、そうするとなかなか自主的に帰省は難しい、素直にそれに従うとすれば、なかなか帰省できないということになると思うのですけれども。という対応がある一方で、国で言いますと「Go To トラベル」を年末から年始にかけて休止するということで、ただし帰省についてどうこうというような、そんなに言っていないというところで、振り返りますと、夏の時点で言いますと、知事は帰省というのは旅行よりも感染するリスクが相対的に高いということをおっしゃって、やめたほうがいいと呼び掛けたところですが、実際のところ旅行と帰省の考え方について現時点ではどのように考えていらっしゃいますか、リスクについてです。

長野県知事 阿部守一
 きょうもここ(会見資料1 スライド4ページ)の最後のところに書いたように、「10日以内に風邪症状等があった方は、外出を控えるなど、人に感染させないための行動の徹底を」ということで県民の方にもお願いしていますし、それから帰省される方も同じです。「帰省した方は、自宅内においてもできるだけマスクの着用や人と人との距離の確保を」と書いていますけれども、あえてこういうことを申し上げているのは、血縁関係とか親しい方同士というのはどうしても近くで接しやすい、あるいはマスクも着けずに会話をする場面というのが旅行される方に比べるとより多く想定されますので、あえてこういうお願いをしています。そういう意味では一般的に観光で来られた方と実家に帰省される方というのは人との接触度合いが違うということで、メッセージの出し方は少し違っています。ですから、先ほど東京都においても帰省はできるだけ避けるというメッセージが出されていますけれども、県としては「事前にご家族で十分なご相談を」と言っていますけれども、この場でも申し上げているように、いろいろな状況の方がいらっしゃいます。一律に駄目とか、一律にいいということではなくて、こうしたことを十分検討していただいた上でご判断いただきたいと思います。また県民の皆さまには、それぞれのご家庭の事情もあるし、それぞれのご判断もありますので、そうした多様な判断だとか多様な状況を尊重していただいて、くれぐれもこうしたことに関連して誹謗(ひぼう)中傷等が行われることがないようにお願いしたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 ということで恐らく帰省される方はいるだろうと思われるのですけれども。そうはいっても実家に帰れば、人と人との距離の確保というのはなかなか難しい面もあるということも知事は言及されましたので、いろいろ気を付けていてもリスクがないわけではないと思うのです。県内の感染症状況に影響はするだろうと織り込んでいるのですか。

長野県知事 阿部守一
 ゼロリスク、100リスク、どちらもあり得ないと思っています。そういう意味で、できるだけ感染リスクを抑えていただく努力を呼び掛けているわけでして、単に帰省をするのがいいとか悪いとかと申し上げているわけではなくて、感染拡大地域からの帰省なのかとか、重症化リスクのある方がいらっしゃるところへ帰られるのかということはよく考えて、こうした場合は慎重に判断してもらいたいと思っています。またそれぞれの地域からいろいろ発出されているお願いも踏まえてもらいたいと思います。10日以内に風邪症状があった方、できればそういう方は外出を控えるというのは県民の皆さまにもお願いしていますけれども、そうした方は帰省をすることは控えていただくというのが重要だと思います。ちゃんと健康観察をしていただいて、そうした症状があればご家族とよく相談をしていただいて、こうしたケースも慎重に対応していただく場合だと思っていますので、こうしたことを県もしっかり伝えていきたいと思いますし、またこうしたことを念頭に置いて判断をいただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 長野県としては知事からこういったメッセージを出していて、東京都は東京都なりのメッセージを出していてということで、それぞれ個別に呼び掛けをしている状態ではありますけれども、知事はこれまで、広域的な人の移動に関して言いますと、国からメッセージを出してほしいということを再三おっしゃっていました。今、現状の国の対応については率直にどんなふうに思われますか。

長野県知事 阿部守一
 私は知事会で繰り返しそういう意見を申し上げてきています。加えて新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて対応してきているわけですので、対応のフェーズを変えるのであれば、国としてしっかり基本的対処方針に位置付けて、都道府県にそうした方針の下で行動を促すというようなことも必要だと思います。とりわけ都道府県境をまたぐ移動の話については、それぞれの県がそれぞれメッセージを出すということだと、同じメッセージで統一されていればいいですが、なかなかそうなっていない場合についてはメッセージを受ける側もお困りになられる場合もあると思います。そういう意味で国においてそこの部分についてはより明確な方針を示していく必要があると、これまでも申し上げてきていますし、今でもそう思っていますので、また知事会等の会合でも必要があればそうした発言をしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 知事としては現在の国の対応の課題としてはメッセージを受ける側が統一したメッセージがないので判断に困る、そういうところは課題だと認識しているということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私はこうやって県民の皆さまにいろいろお願いをしています。その前段として専門家懇談会を開いて、専門家の皆さまとも状況認識を共有した上でご意見を伺って、それを私から発信しています。政府の場合、分科会からも直接メッセージが出されていますが、あれは政府に対するメッセージで、政府がもう一回翻訳して出すべきものなのかというところが何となく曖昧な感じがしていますので、しっかりとしたメッセージの発信ルートというのもつくってもらって、今非常に重要な局面になってきていると思いますので、分かりやすい、明確なメッセージを都道府県も出す努力をしたいと思いますし、国においてもぜひそうした取り組みを行っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

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