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更新日:2013年8月18日

平成22年10月23日 県政タウンミーティング資料

テーマ:『NPO等市民活動と行政との協働について』

日時・会場

平成22年10月23日(土曜日)13時30分~15時30分

長野市勤労者女性会館しなのき

会議録

 目次

本文

事前説明
【司会】

 本日は大変お忙しいところ、「県政タウンミーティング」にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。私は本日の司会を務めさせていただきます、長野県総務部広報課の青木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 これから、県政タウンミーティングを始めさせていただきますが、本日の進行につきまして、私から事前に説明をさせていただきます。

 最初に阿部知事からごあいさつを申し上げます。そのあと皆様からご意見を伺ってまいりますが、意見交換に先立ち、県の取り組みについて県の担当者から説明をさせていただきまして、意見交換に入らせていただきます。

 本日はあらかじめご案内しておりますとおり、「NPO等市民活動と行政との協働について」をテーマにしております。テーマに即して意見交換をしてまいりたいと存じますので、ご協力の程よろしくお願いいたします。

 ご発言を希望される方は手を挙げていただきますと、私のほうから指名をさせていただきます。係りの者がマイクを持ってまいりますので、差し支えない範囲でお名前、また活動されている団体名等をおっしゃっていただきまして、ご発言をいただければと思います。2ないし3人の方からご発言をいただいたところで一旦区切りまして、それぞれにご回答申し上げますが、この際、できましたら意見交換の内容がいろいろと拡散してしまわないように、お一人目のご発言と関連したご意見をお持ちの方につきましては優先的にご発言をさせていただきたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

 本日はせっかくの機会ですので、できるだけ多くの皆様からご発言を頂戴したいと思っておりますので、恐れ入りますが、ご発言の際には、要旨を簡潔にお願いできければと思っております。

 それから、本日のこの集会の会議録につきましては、お名前など個人情報を除くなどいたしまして、後日、県のホームページに公開させていただきますので、あらかじめご了解をお願いいたします。

 最後になりますが、皆様のお手元にお配りいたしました資料でございますが、このあと、県の取り組みの説明の際にごらんをいただくA4判の資料、それから、直近の広報ながのけん等を同封させていただいております。少し長くなりましたが、私からは以上でございます。

 それでは阿部知事、お願いいたします。

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 知事あいさつ
【長野県知事 阿部守一】

 皆さん、こんにちは。今日は「県政タウンミーティング」第1回ということで開催をさせていただきました。本当に土曜日の、しかもこんなに天気がよくて、どこかへ出かけたくなるような気分のときに、大勢お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

 私も最近運動不足なんで、ここへ来る前に、車を途中で降りて、ここまで歩いてきましたけれども、カラっとした感じで、ちょうど過ごしやすい気候だなというふうに思っております。

 県政タウンミーティングの第1回目ということで、ちょっと私の思いをお話をさせていただきたいと思います。まず選挙の公約の中に「県民主権の長野県を実現します」ということで皆様方に訴えさせていただきました。その中に、具体的にいろいろな項目がありますけれども、食事を食べながら県民の皆さんと語り合うランチミーティング、これは既に開催させていただきましたけれども、今日、第1回目のこの県政タウンミーティングも、私としては、県民の皆さんと同じ目線で県政をやっていきたい。そして、本当に肩肘張らずに公約のこと、あるいは県政のこと、そうしたものについて皆さんと継続的にお話をしていきたい。そして私としては、皆様方から出た意見についてできる限り県政に反映していきたい、そうした思いで開催をさせていただいております。

 今日は1回目ですので、どういう形になっていくかというのは、今日の取り組み次第だろうと思いますので、ぜひ皆様方、それぞれいろいろなお考えとか思いがあると思いますので、今日は「行政と市民との協働」というテーマでありますけれども、これからもいろいろなテーマをやってみたいと思いますし、また本当は運営も、私のイメージは、どちらかというと、こういう公共的な施設の箱の中に閉じこもってしまうのではなくて、どこか街中の喫茶店とかそういうところでやって、何かおもしろそうなことをやっているなということがあれば気楽に入ってきてもらえるようなことが、本当は望ましいと思っているんですけれども、なかなか、初回からそういうところまでいけないので、徐々に改良しながら進めていきたいというふうに思っています。

 私は、今日、毎日新聞の記事を見て非常にガックリきたというか、まあこんなものかなというふうに思ったんですけれども。地域主権改革について、これ国民の皆さん4,600人に面接方式で世論調査をやったみたいですけれども、政府が進めようとしている地域主権改革について、「知らない」という人が66%というので3分の2ですね。地域主権改革は民主党的な言い回しですけれども、その前から地方分権というものはずっとやってきているわけですけれども、ほとんど国民の皆さんの問題意識にあまりなっていない。自分自身、地方自治、地方行政をやっている人間としては、まだまだ地方分権の必要性の訴えが足りないのではないかということと、いつまでたってもなかなか何も世の中が変わらないから、もう皆さん諦めてしまっているのかなと、そういう複雑な思いで見ましたけれども。

 なおかつそこに、「あなたの住んでいる自治体の首長に期待できるか」という質問だと、「大いに期待できる」という人が7%しかいなくて、これはちょっと私自身も心しなければいけないなというふうに思いますが。さらにもっと悪いのは、自治体の議員への期待は、「あまり期待できない」が47%、「全く期待できない」が10%で、半分以上の人が議員の皆さんにはどうも何も期待できないじゃないかというふうに思っているというのは、これからの地方自治を考えるときに、いろいろな問題を含んでいるのではないかというふうに思っています。

 今日は「行政と市民との協働」というテーマでありますから、ちょっと地方分権そのものとはテーマが違うわけですが、私の考えとしては、実はすごく密接にこの分権、あるいは地域主権の話と行政と皆さんとの協働というのは近接している、密接に関連しているテーマだというふうに思っています。

 どうしてかというと、私が地方分権をしていく、あるいは私が言っている言い方で言えば、県民主権を確立していくためには、一つは、国と地方の関係を変えていかなければいけないと。今、いろいろなものを都道府県とか市町村が、例えば教育を改革しよう、あるいは介護保険制度を何とかしようというふうに思っても、多くの基本的な事項については、国が制度と仕組みをつくっている。あるいは、多くの財源については補助金とか地方交付税という形で、国からお金をもらって仕事をしているんです。こういう状況であると何が起きてしまうかというと、自治体が、我々、私自身が長野県がこういうことをしたいと、例えば介護保険、今の制度はいっぱい問題があるから、もっとガラっと違うのにしたいと思っても何もできないです。国が決めた枠の中で、ちょっと微調整をすることはできるんですけれども、それ以上はできない。

 そうすると何が起きてしまうかというと、今日は県民の皆さんにお越しいただいていますけれども、皆さんが、この福祉制度はおかしいんじゃないかとか、あるいは、学校の教育の中身はおかしいじゃないかとか、あるいは、県としての環境問題の取り組みはおかしいんじゃないかと、多分、私に言われたときに、いや、それは私も全く同感なんだけれども、国の法律がこうなっていますとか、これ国からお金をもらってやっているのでこういうやり方しかできないんですという、そういう中途半端な話になってしまわざるを得ないというところが、今の地方自治行政の問題点だと私は思っています。

 そういうことが積もり積もると、昨日も廃棄物関係で私のところに住民の皆さん、いろいろな思いを伝えにお越しいただきましたけれども。そういうことが積もり積もると、何か県に言ってもどうせ何も変わらないじゃないかとか、聞くだけ聞くけれども何も動いてくれないじゃないか。事実、そういう部分ももしかしたらあるかもしれませんけれども、そういう何か、住民の皆さんと行政との不信感のもとになっていることの一つに、やっぱり分権が進んでいないという、大元のところは多くの部分が国が所管している、あるいは、補助金とかお金で縛っているというところはあると思うんです。

 そういう意味で、私がこれからの県行政を進めるに当たっては、ぜひ県民の皆様方と同じ思いを持ちながら、そして、同じ方向を目指して進んでいかなければいけないと思っていますけれども。そうしたことを実現していくためにも、やはり本当の意味での地方分権が、国からの権限と財源を都道府県とか市町村に任せてもらう必要がある、というふうに思っています。

 それと同時に、地方自治というのはもう一つある。国と地方の関係だけじゃなくて、住民の皆さんと我々都道府県、あるいは市町村の関係のほうがもっと重要でありますけれども、先ほど申し上げたように、皆さん選挙で、私もついこの間選んでいただきました。県議会の議員の皆さんも皆さんが選んでいます。選んでいる人たちに対して何かあまり期待できないというのは、一体何なんだろうなというのが、正直な思いであります。

 これもいろいろな要因があると思いますが、例えばなかなか自分たちの思い、きめ細かな対応をしてもらえていないという部分があると思います。それは財政的な制約があったり、先ほど言った国との問題もあると思いますし、あと、私はやっぱり行政自体が、一つは縦割りが非常に強すぎる。これ、国も縦割りですけれども、都道府県、市町村レベルでもどうしても、もっと総合的発想しなければいけないことが、とかく細かい専門分野に分かれてしまっているものですから、なかなか皆さんの思いがストレートに受けとめきれていないというところが正直あると思います。そうした部分、いろいろな住民の皆さんと行政との関係の齟齬というか、思いのズレというのは、私も少しずつでもしっかりと軌道修正していかなければいけないというふうに思っています。

 そういうためにも、今日のような形で、県民の皆さんと直接、私がお話し合いをさせていただいて、皆さんの思いを聞かせていただく。あるいは逆に、私が皆さんに対してお願いすることとか、あるいは、そうしたことは実現したいけれども、こうこう、こういう制約でできないということを理解していただくとか、そういうストレートな対話というのが重要だと思っております。

 ちょっと最初、私の話が長々と時間を割いてもいけませんので、このぐらいにいたしますけれども。ぜひ我々自身が社会を良くしていく、あるいは、我々が住んでいるこの長野県を良くしていくのは、もちろん長野県政、全力を挙げて取り組んでいきたいと思いますし、私自身、責任を持って対応していきますが、もう今や、いろいろな課題に行政だけの発想、行政だけの視点、あるいは行政だけの行動で対応できるという部分はほとんどなくなってきているというふうに私は思っています。むしろ大勢の県民の皆様方と思いを一つにして、そして一緒になって考えて一緒になって行動していく、それが長野県の全体のために重要だというふうに思っています。

 まず私の思いを申し上げさせていただきまして、今日の本題に入りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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【司会】

 それでは、意見交換に入りたいと思いますが。その前に、NPOと行政との協働に関しまして、県NPO活動推進室の羽場室長から、詳しい説明をさせていただきます。

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<県からの説明>

説明資料は、こちら(PDF:93KB)からご覧ください。

【NPO活動推進室長 羽場町子】

 皆さん、こんにちは。NPO活動推進室の羽場と申します。よろしくお願いいたします。貴重なお時間をいただきまして、NPO活動と市民活動の県の取り組みについて、簡単ではありますが、説明をさせていただきます。

 今現在、長野県内には、知事認証のNPO法人は現在819です。人口10万人当たりの法人数は、全国で東京、京都に次いで多い数となっています。なお内閣府認証の法人数は96ですので、1,000近い法人の方たちが県内でご活躍されているということになります。

 20年度の県が行いました実態調査の状況を見ますと、こちらは知事認証の法人の方たちにお願いしたものですが、主な活動分野は保健、医療、福祉の分野が約5割と最も多く、次いで学術、文化、芸術、スポーツの分野、環境保全の分野、このほか子供の健全育成と、非常に多岐にわたり幅広い分野で地域の課題に取り組んでいただいております。県民の皆様方のNPO活動への参加意識が非常に高く、熱心な活動が地域で展開されていることが伺えます。

 しかし一方では、活動上での悩みは、第1位はやはり資金不足であり、加えてスタッフが少ないことから、特定のものに業務が集中する。役員等の高齢化や後継者がいないなど、法人経営の元になる十分な資金や人材確保をすることが難しいといった経営力や人材育成、情報発信等の運営上の課題が挙げられております。

 県では、ボランティア、NPOが活躍する環境づくりを施策の柱といたしまして、NPO法人の設立支援のための相談研修を毎週水曜日に、ボランティア交流センターの会場で実施していますほか、今年度は地方事務所単位でも実施してきました。大変多くの方にご利用をいただいております。また、NPO法人等の企画力や広報力のアップ、会計、税務等の実務習得の研修のほか、NPO夢バンクへの原資提供や活動支援税制の猶予といった活動環境の整備事業、また、市民活動の具体的促進を図るため、市町村等の市民交流イベントでのNPOの広場や情報誌の発行等を行っております。また県庁の敷地の中にありますが、東庁舎1階に、「ボランティア交流センターながの」を運営しております。

 お手元の資料をごらんください。NPOと行政との協働を推進するための基本的な考え方やルールを明示するとして、「NPOと行政との協働指針」を平成15年12月に策定しております。

 この指針では、「協働」についてNPOと行政が共通する公益的課題の解決や、社会的目的の実現のために、お互いの特性を認識・尊重し合い、意思疎通を図りながら、役割分担に応じた協力・協調を図る関係として定義づけをしております。

 協働相手のパートナーであるNPOの特徴には、先駆性や多様性、非営利性、自主性などといった特性が挙げられますが、多様化する市民ニーズに対して、こういった特性を生かしたNPO等活動者の力は大変大きく、行政のみでは対応できない新たな公益サービスの担い手として、みんなで支え合う社会の形成に向けてますます重要な役割を担っていただくことが不可欠であり、NPOへの人達への期待は一層大きいと言えます。なお、協働を進めるに当たっては、市民への情報公開は、事業の進捗に合わせて、行政とNPO両者からの情報公開が求められてきます。またNPO法人は、市民が見守る中で発展すべきものであるといった趣旨のもとに、法律で広範な情報公開が規定されていることから、情報公開に対して支援を進めております。

 資料の裏面をごらんください。この協働指針に基づき実施している協働事業の一例です。参考までに、上から3段目になりますが、チャイルドライン支援事業は、全国統一のフリーダイヤルにかかってくる子どもたちの声を聞き、その気持ちに耳を傾け、子ども自身の問題解決能力を高める活動は、県内では「チャイルドラインながの」、「チャイルドラインすわ」、同じく「チャイルドラインうえだ」の3つのNPO団体が運営しています。

 また次の段になりますが、地域発元気づくり支援金は、市町村や公共的団体が住民とともに自らの知恵と工夫により、自主的、主体的に取り組む地域の元気を生み出すモデル的で発展的な事業に対して支援金を交付する事業です。NPO等市民活動を行っている団体は、その公共的団体の対象者として、多くの方が支援金の選択を受け、地域で活躍をされています。

 活動分野、事業の内容によって、そういった事業担当課や、協働の経過にもかかわってきますが、県では全庁的に協働事業に取り組んでおります。例年、60から70程度の事業が実施されておりますが、今後も一層、この協働の推進を進めてまいりたいと考えております。以上です。

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【司会】

 それでは早速でございますけれども、ご発言を伺ってまいりたいと思っております。どなたからでも結構でございますので、挙手のほうをお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(以下、司会の発言は省略)

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 1.NPO等への人的支援について

【男性(No.1)】

 声が大きいので、あまりマイクを近づけないで欲しいんですが。今日は京都からです。栄村から京都に通勤しております。週に1回。住みかは栄村です。

 いろいろあるんですが、先ほど知事がおっしゃったこととの関係でくっつけてみますと、NPO活動で一番大事なのは、先ほどもおっしゃっていましたように、資金問題であります。ご多分に漏れず、うちの村でも高齢化が非常に順調に進んでいまして、今年の6月から8月くらいにかけて、栄村の集落で集落点検をやりました。これは熊本大学の徳野先生というかたが書いたものが研究報告、T型集落点検と言いますが、いわゆる集落の中に住んでいる人の世帯構成だけを見るのでなくて、他出した家族まで含めて全部見て、今現在、どの程度実家に対するサポート関係があったとか、将来にわたってのUターンの可能性、意思の有無、そういうことも含めて全部聴取をしているという、そういう趣旨のものでございます。

 この集落というのは17世帯です。点検してみますと、何とか跡継ぎがUターンで確保できるかなという家が9世帯。それで、本気で取り組めば、1世帯でお子さんが3人、3人が3人とも村といいますか、集落に残りたいと思っている方もおられまして、それらを合計すると、実は逆に現在の17世帯を超える世帯数を確保することも不可能でないと、そういう結果が出てまいります。

 ただし、現実的には、そこまでいくのは大変なことでして、先日も村の集落懇談会がございましたが、ある76歳ぐらいの男性の方、この方、息子さんと同居されていますが、息子さんは46歳でまだ独身です。76歳ですから、いつ病気になってもおかしくない。それで、自分で自分のことができなくなったときに何らかの施設が、そういうものに入れる展望があるだろうかという御質問というか、ご意見を出されました。実は栄村に民設民営の特養が、4、5年前ですか、できましたが、現在は三桁単位での待機者がいるという現状でありまして、おそらく、この76歳の方が、ここ数年のうちにそういう施設入所が必要になったという場合には、とても入所できないだろうという現実がございます。

 6月に集落の方々に集まっていただいて、大学の学生などを含めて懇談させていただいて、女性の方々のご意見で、集落の中に「共同の家」というのが造れないだろうかと。いつもいつも一緒にいるわけではないけれども、1人で家の中にいるのが寂しくなったときにやってきて、そこで他の人たちと一緒に、今晩は泊まりたいと思えば集まれるような、そういう共同の家というのが造れないかというご発言がございました。私はそんな発言と、今回のこの76歳の男性の発言を統合しますと、すぐに何か新しい施設をつくるという発想ではなくて、集落の中でお年寄り、かなり高齢の人たちが頻繁に一緒にお話をしたり、時には一緒に泊まったりできるような建物を確保するのはそんなに難しくない、空き家もありますから。ただ、その場合にどうしても、やっぱりそのお世話する若い人が1人ないし2人ぐらいいてくれませんと、これ年寄りだけの支え合いでは、非常に心許ないと思うんですね。

 そこで、先ほど知事がおっしゃった介護保険制度の話です。栄村には、前村長がおつくりになった、「げたばきヘルパー」という優れた制度もございますが。やっぱりこれ介護保険制度の枠組みの中に入っていますので、例えば年寄りが、お年寄りが数人集まってお茶飲みをしている。そこにヘルパー資格を持った方が同席したとしても、今度は介護保険手当の対象には全くならないんですね。あるいは、うちの村が、普通の冬でも積雪が3メートルぐらいに達するという村で、独居老人世帯の屋根の雪おろしなんかは、村の責任でやっていますけれども、やっぱり高齢者の不安は非常に強い。そういうときに、若いヘルパーの資格を持ったような方が、順次、お宅を訪ねて、少しはちゃんといろいろな確認していくということができれば、私は非常にいいなと思っています。

 そこで提案なんですが、これ介護保険制度云々というだけではどうにも打開できない問題ですので、こういうことに、今、国の制度でいいますと、「地域おこし協力隊」という総務省が出している制度がございますけれども、こういうものを導入して、そういう制度を使って、ヘルパーの資格を持っているけれども、狭い意味の介護保険制度という介護活動だけではなくて、そういう地域全体を支えていくような活動になっていく巡回をつくっていく。残念ながら、市町村レベルでありますと、こういう地域おこし協力隊のような制度を導入することを嫌がる面があるんです。おそらく考えられるのは、制度的に非常に煩雑だとか、あるいは国のそういう様々な補助金制度等々について、なかなか少ない役場のスタッフでは手が回らないというようなことがあるのではないかと。

 先日、九州の方とお話しましたら、宮崎県では今度、県として地域おこし協力隊制度を導入して、それで市町村レベルで活動しているNPOとか任意団体等、県が協働してそういう協力隊の制度なんかも活用して、NPO等との活動にも資金的バックアップもしていくということを始めているんだということをちょっとお聞きしました。

 確か知事も自治省ですか、総務省のご出身だと聞いていますので、その辺のことはお詳しいと思いますが、そういう形で地域づくり、検討して支援していただくというようなことはできないかということを一つ考えております。

 

【男性(No.2)】

 すみません、長野県林業センターの○○と申しますが、よろしくお願いします。

 今の話にちょっと関連してというか、今、福祉の話に特化したことと同じになるんですけれども、私は個人的に動物、もう今、熊で大騒ぎしていますけれども、福祉だけで住民を支える、目指すというような人材の育成等だけではなくて、こういう自然環境も含めた人材を、広く浅く知識を持って、その地域を考えていけるような人を育成していくようなことにつなげてもらいたいと思います。以上です。

 

【男性(No.3)】

 小川村の○○と申しますが、よろしくお願いいたします。

 先ほどの知事のごあいさつの中で、縦割りのお話がありました。そしてまた、今、栄村さんのほうから、地域おこし協力隊の話がありました。国が農水省や厚労省、総務省、それぞれのところで、条件は若干違いますけれども、目的は同じ制度が既に2年ほど前から運営をされているんですけれども。

 それより先に、国より先に、外郭団体のほうで「みどりの協力隊」というような制度がスタートしているわけであります。縦割りの中で、国が制度を取り入れたことについては評価をするわけでありますけれども、みどりの協力隊を取り入れた際にも、国のほうの制度、交付金の制度の対象にするような、そういう縦割りを解除するような、総合的に国が支援していくような、そういう制度が必要ではないかなというふうに感じたところですけれども、よろしくお願いいたします。

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【長野県知事 阿部守一】

 県議会と違うので、私が一方的に質問されたりするような形ではなくて、みんなで考える場に私はしていきたいと思っていますが。

 地域おこし協力隊、先ほど栄村のお名前何とおっしゃいましたか・・・○○(No.1)さん、すみません、○○(No.1)さんおっしゃったように、ずっと旧自治省に入っていろいろなところで地方自治の仕事をやってきたので、とかく国が何か支援するというのは、物をつくるお金とかそういう部分ばかりだったのが、人に対して目を向けてきたというのは、ある意味、進歩してきたんだろうなというふうに思っています。

 そういう意味で、これは県としても、市町村なり地域とかNPOとの関係で、今までは、どちらかというと、NPOに対しても国民に対して、はい、こっちはお金を出す側、審査する側みたいな感覚でやってきていた部分もあると思います。そうじゃなくて、やっぱり県の職員も一緒に入るとか、あるいは、そういう地域おこし協力隊みたいな人たちがコーディネート役とか代替役になって、一緒になって取り組んでいける環境をつくっていくというのは非常に大切なことだというふうに思います。

 ただ私は、さっきの分権の話からすると、実は気になっているのは、そういう、いつも何か人材を確保するについても、国が制度を作ってくれなければなかなかできないとか、あるいは、国のお金があるからできるというような状況では本当はいけないだろうなというふうに思っています。

 そういう意味では、さらに今の制度を、地域のほうが改良していかなければいけないんだろうなと。要するに、国の制度にいつまでもぶら下がっているのではなくて、そのときに多分一番、これNPO活動と同じだと思いますけれども、やはりその財源をどうするかと。それから、人をどうやって確保するかというところが問われてくるんだろうと思うので。

 私が、昔、副知事をしていたときに言ったことがあるんですけれども、私、究極の形が、行政とNPOというのは、今、協働のあり方と言っていますけれども、協働するべきところは協働しなければいけない。ある意味で競争するところは競争、競うところは競ったほうがいいのかなと。実は同じようなことをやっていて、本当は、行政のところの仕事というのは、なかなか人件費をコストとしてカウントしない思想がありがちなんですね。実は公務員の人件費を入れれば、NPOの皆さんがやっているものに比べて非常に高コストでやっているにもかかわらず、でも表面的な事業費は100万円とか200万円だからやってしまっているという事業があると思います。私はそういう事業は、もっとNPOとか県民側でやれるようにしていく環境というか、仕組みというか、そういったことを作って、究極の形は、今、皆さんから税金をいただけるのは自治体だけですけれども、寄附税制をもう少し優遇することによって、NPOの活動にもうちょっとお金がしっかりと回っていけるような仕組みを作っていかなければいけないだろうというふうに思っています。

 今言ったようなことは、これから限界集落の問題とか、過疎地域の活性化と言われている中で、やはり重要なのは人的な支援とか、人材の確保をどうするのかというものだと思いますので、私も公約の中で、「地域づくりリーダーを養成します」というようなことを書かせてもらっています。そうした地域にもともといる人たちが、地域づくりについて考えられるようにするためには、どういうことが必要か。それから、地域の外側から応援に行ったりして、その地域を発展させるために協力できるような人材をどうやって確保して、財源的に支えることができるのかというものは、少し大きな課題として受けとめて考えていきたいと思います。よろしいでしょうか。

 ちょっとこれ、別に私とやりとりをするのではなくて、逆に皆さんのほうから、これがおかしいとか、これが問題だと、もっとこうしたほうがいいとかというものをどんどん言ってもらって結構ですので。ちょっと私も上着をとらせてもらっておりますので、ざっくばらんにお話し合いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

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 2.NPOへの支援策について
【男性(No.4)】

 福祉系のNPOの話が出まして、過疎というか、そういうふうにやっているんですが。私の場合は、長野市北部で高齢者、障害者への生活支援サービスを展開して7年の、NPO法人ホットラインながのの○○と申します。

 せっかくの機会ですから、現場で体験したことの中から3点ほど、提言と要望を申し上げたいと思いますが、阿部知事のご所見をいただければと思います。

 1点は、これからもNPOはどんどん生まれてくると思いますが、その人たちを含めて、私ども7年たっても、事務局強化ということでITの関連用具貸与制度を提案したいと思います。

 それから2点目は、NPOの、今のスタッフの問題もそうなんですが、就労創出への助成金制度。

 そして3番目は、国の制度とは違った県知事による認定NPO制度化、この3点を提言したいと思います。

 それで若干の補足説明をさせていただきます。第1点のIT用具の貸与ですが、今も戦後、ずっと戦国時代だと言われているんですが、武将の槍のかわりに鉄砲を与えてほしいということです。要するに戦略的に立てていくためには、近代化しなければなりません。お金を払うのではなくて、まずスタートをするのにどうしても必要とするパソコンとかプリンター、光回線とか固定電話、ファックス、あるいはそこへ転送したらどうかという携帯電話、このようなものをセットにして、仮に県内1,000団体に貸与しても、ざっと3,000ぐらいで足りるのではないかと。要するにお金でばらまいて買わせてしまうと、売ってしまうという弊害も発生します。

 それから2点目の就労創出助成金ですが、国の各種助成金は民間向けですから、いろいろな矛盾だらけです。例えば、一に雇用、二に雇用、三に雇用と叫んだ方が首相になられましたが、実際は、私たちNPOもそれに呼応するごとく、ハローワークと協力しながら、春から秋にかけて団体や市が4名、それから精神障害者4名、母子家庭の母2名の計10名の従業員を迎えました。これは強力なNPO活動のスタッフとして育ちつつあります。ところが、こういった特定求職困難者雇用開発助成金というのはいろいろ矛盾がありまして、多分今度の仕分けの対象になっておりますが、その予算を減らすということではなくて、例えば私たちもしばらくの間は様子が、両方とも必要だからということで、短期間労働者として迎えたんですが、3カ月の試行期間を経て一般労働者に契約変更したところ、助成金は、スタートラインが短期間であったから、いくら3カ月後に一般労働者になっても適用はされないと。その反対の一般労働者が、やってみたら少しきついので、短時間労働者のほうに替わりたいといった場合には、即減額となります。また障害者雇用で、本人と保護者の希望で県の最低賃金681円、今度693円になりますが、下回る賃金、例えば500円でも働きたいといって、うんと言っていただいた方には、労働局の調査を経て雇用したにもかかわらず、助成金は2分の1になってしまう。なぜそういうふうになるんですかと、あちこちに質問したところ、すべて決まりですと、この一点張りです。

 最後に3点目ですが、認定NPO法人の件なんですが、これは国税庁長官が、収入の20%以上を50名以上から集めていないとダメという決まりがあるんです。私どもは何とか認定NPOの資格をとって、県民、市民から支えられるNPOになりたいと思いまして、昨年春の善光寺の御開帳の折、640万人が訪れた方の約3分の1の200万人くらい、学生10名、スタッフ10名で交代で呼びかけて、約2,000人から30万円ほどの寄附をいただきました。NPO活動を説明していただいたお金ですから、浄財であります。ところが認定NPOのときに書類を提出した中に、住所氏名が不明なものは寄附とは認められないと、そういうことで対象になりませんでした。

 認定NPO法人は、今、4万団体の1%にもなっておりません。県民で1%活用提案は6年前にも阿部知事が副知事のときにありましたが、大賛成で、私どもはそのちょっと前に創立しておりましたから、飛び立てるのではなかろうかと期待したんですが、あっという間にしぼんでしまいました。せめて、ボランティア団体を含むNPO法人等が3分の1ぐらいは認定されるような、もっと緩くて役に立つ県知事の認定NPO化のようなものを望んでおります。

 そもそも最初の認証を受けるときには県知事の認証を受けているわけですから、ステップアップの制度があった場合も、やはり県知事の権限のもとに行われるのがよろしいのではなかろうかと思います。以上です。

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【長野県知事 阿部守一】

 ちょっと答えというか、3点ほどお話あったんですけれども、認定NPO法人になるというのは、これ税金の関係ということですよね。

 今、3点ほどお話があって、1点目のIT機器を貸与したらという話。現物でそうやって支えるという発想は、私は悪いことではない、いい発想といったほうがいいのかもしれないんですけれども。ただ、私はそういう仕組みを全て本当に行政がやるのかどうかというところは若干引っかかるんです。若干引っかかるというのは、要するにすべて税金でそういうことをやらないと回らない社会を変えたいというふうに私は思っているので。最初のきっかけづくりみたいなことは行政がやってもいいのかもしれないんですけれども、そういう仕組みは、本当は企業とも連携して自立的に回るようなことを、まず私は考えたいと、そういう感覚ですね。

 2番目の就労創出の助成金で、これ国の制度のお話ですけれども、まさにさっき私が申し上げたように、国の決めたルールは身の丈に合わない。ダブダブだったり窮屈であったり、そうした話の典型的な事例ではないかなというふうに思います。

 それでぜひ、○○(No.4)さん始め皆さんにも、さっき言った、だから地方分権を本当にしなければいけないんだということはぜひご理解いただきたいですね。これは、何というか、国と地方が権限の分捕りあいをしているみたいに、ともすると報じられがちですけれども、私は本当に、国家公務員の経験をしているから余計分かるんですけれども、国の役所はまず縦割りがちです。それから、組織が大きいですから総合調整が利きづらいんですね。要するに、去年の制度の仕分けで幾つかの視点がありましたけれども、まあいろいろな役所で同じようなことをやっているという部分もあるわけです。

 それに加えて、今、国も予算厳しいですから、財務省がかなり制約をかける。各省庁と財務省とで予算のやりとりをすると、最後はいろいろな制約、現場の自治体のすべての霞が関の役所が分かっていないとは思わないんですけれども、やっぱり国としてお金を出すからには、野放図に何でもいいよというわけにはいかないんです、これ当然の発想だと思うので。そうすると全国一律のルールを作ろうと。そうすると、東京には合っても長野県には合わないとか、あるいは、先程みたいな、常勤的な雇用から非常勤の雇用に移りかわるときに不都合が生じるみたいなことというのは、これは制度設計するときには、多分、ほとんど視野に入らないということになって、現場では使いづらいと。せっかく制度をつくっても、なかなか活用しづらいということになってしまっているので、これは私は、今、具体的にお話いただいたものは、少し県としても、制度のあり方の問題が大きいのではないかと国に対しても言っていかなければいけないと思いますし、より根本的には分権を進めなければいけない話だろうなというふうに思います。

 それから、認定NPO法人の話も全く同じ話で、これ国税が関係してくれば一番、厳しく見るのは財務省ですから、そういう意味で国税と地方税、県税、市町村民税、県税のところだけ優遇すると、あるいは、軽減するみたいな配慮であれば、今おっしゃったように、独自の制度を考えるということもあるんだろうなというふうに思いますけれども、国にかかわる部分であれば、それを都道府県の独自の制度というのは、国は確実に認めないと思います。それも分権の話に近い話と思いますけれども。

 いずれにしても、今、機器の貸与と税制の話と助成金の話と、いろいろなメニューのお話を出していただいたんですけれども、やっぱりこれは協働というよりも支援の話になってしまいますけれども、支援をするときに、本当に何が一番活動されている人にとってかゆいところに手が届くのか、何が一番変な意味での平等、公正、公平性じゃなくて、本当にその公正、いろいろな活動をしたり、いろいろな法人、あるいは法人格を持っていない市民団体である、そういうところに対して応援するのに一番いいやり方かというのは、いろいろなもの、メニューがある中で見きわめていかなければいけないかなというふうに、お話を伺っていて思いました。ありがとうございます。

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 3.IT機器の貸与について

【男性(No.1)】

 今の件で提案してよろしいですか。その機器の貸与だとか、知事は企業云々とおっしゃいましたね。それで私、たまたま早稲田大学の研究者と「山村CSRプロジェクト」というのを立ち上げていますが、その中で調べていったら○○、ここが企業本業、○○の本体事業でCSRをやりたいと、つまり、ITで様々な貢献をしたいという意向を持っておられるようです。

 ですからこれ、もしあれでしたら、県のNPO推進室なんかに間にお入りいただいて、私のほうから、今、ITのこういう意向を持っておられますという情報提供をして、県の中で、そういうものの貸与に恵まれていないところを、例えば推進室でまとめていただいて、その○○なら○○のCSRに結びつけていくというような、そういうことをちょっとやったらいいのではないかなというふうに思います。

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【長野県知事 阿部守一】

 ぜひ、そういう具体的な話ができれば、ありがたいと思いますので、また、NPO推進室のほうで、いいですか。

 私、企業というのは、今、おっしゃったように、結構CSR活動をやりたがっている企業はあるかと思っているんですね。またはそういうところとどうやってつながりができればいいかというのは、個々のNPOではなかなか難しい部分もあるので、そういう企業を行政が補完するとか、あるいはNPOの中間支援組織もある、そういうところがつなぐとか、やり方は多分いろいろあるのかなと。ただ、そこら辺のつなぎが、今、なかなかうまくつながっていないのではないかというのが私の感覚ですので、またぜひその辺、具体的に話をつなげていただけるのであれば、ぜひお願いいたします。

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 4.犯罪被害者支援センターの協働について
【男性(No.5)】

 私、長野犯罪被害者支援センターと申しまして、ボランティアの皆さんにお手伝いいただきまして、犯罪被害者の方がお持ちになっている各種の悩み事の相談、あるいはその犯罪被害者の方が、将来的にご自分の受けた被害についての裁判が起こったりします。こういったときに裁判の付き添いをしたり、こういうことをした、ボランティア団体として運営しております事務局を担当しております。

 この中でこういった事案が出ております。申しますのは、私どものほうへ参加していただいているボランティアの方が約50名、長野県下においでになります。この50名の方の男女別を見ますと、約70数%が女性の方でございます。この女性の方の年代的なことを申し上げますと、約80%近くが50代後半から70代までの女性の方と、こういうことでございます。

 こんな中で最近非常に増えてきているのは、被害者の方が、いろいろご自分の受けた被害について裁判が行われまして、この裁判について、ぜひ裁判所というのはあまりかかわりのなかったところだから、付き添いをしていただきたいというようなお申し出を受ける場合が非常に多くなってきております。

 少し前でございますが、飯田でございました事件の裁判ということで、ぜひ裁判の付き添いをしていただきたいという依頼を受けまして、わかりましたということでお受けしたわけででございます。このときに支援を行いましたのが、ボランティアの相談員の方、女性の方が2名でございます。私どもはもちろん自動車もございませんので、レンタカーをお借りしまして飯田まで駆けつけたわけです。本来的でしたら、電車を使って飯田まで行けばいいんですが、最近の飯田線は非常に不都合な状態になっておりまして、待ち合わせが非常に多い時間があります。こんなことがありまして、レンタカーをお借りして行ったという状態でございます。

 9時にこちらを出まして、向こうへ少し前につきました。1時半から始まる裁判に一緒に付き添いをするということで、約2時間の裁判の付き添いを行いました。裁判の付き添いが終わってすぐに帰ってくるというわけにはいきません。その時点で裁判所、あるいは検察庁の方からいろいろな自分の受けた被害についてご説明をいただいたり、そういったことで、この次の公判の準備の体制づくりなどもして帰ってくるわけです。こんなことで4時過ぎにこれが終わりまして、長野へ帰ってくるのが夜の7時半以降であったということでございます。

 考えてみますと、高速を使って女性のボランティアの方が飯田まで往復をすると。この間に何らかの形で交通に関しますトラブルがあったりしますと、もう私どものようなボランティア団体としては、運営していくことは非常に難しい状態があるのではないかというふうに考えております。こんなことで、これ以降、もうこういった長い期間の支援につきましては、私が直接出て行きましてやるというような体制を行っているわけでございます。

 こういったことを考えまして、ぜひお願いしたいこと。ここで行政の方と、こういった全てをボランティアに任せるということではなくて、もう少し協働という形がしっかりあらわれてきていただければ、もう少し犯罪被害者の方も安心して、支援を受けられるのではないかと。現在、県の警察の中にも犯罪被害者の支援の方がおられます。あるいは、県の中にも人権・男女共同参画課さん、あるいは各市町村にも犯罪被害者の支援を担当する方がおいでになります。しかし、被害者の方がご相談をするというのは非常に難しい場面がございまして、例えば公的機関に申し入れるというようなことができなくて悩んでおられる方が非常にたくさんおられるわけです。こういった方が私どもの民間の団体へご相談に見えられるということでございます。

 こういったことがありまして、ぜひ、この件につきまして、行政としての協働ということをもう少し積極的にお取り計らいをしていただけるような場面が出てきていただけるようお願いしたいというのが、私の主張でございます。よろしくお願いします。

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【長野県知事 阿部守一】

 犯罪被害者支援センターというのは、国の法務局なり司法関係の機関とか、あるいは警察とは、そういうところとは何か関係はあるんですか。

 

【男性(No.5)】

 私ども組織自体、犯罪ですから多分に公共性があるということではないかと思います。こんなことから県警察本部のほうでご指導いただきまして、私どもの団体が立ち上がったということでございます。

 しかし、実際に運営しているのは、全く私どものボランティア団体が全てのことを、相談いただいたことについては一つの契機というような体制づくりになっているために、あまり行政の方と深い協働があるということが図られていないというのが実情でございます。こんな状態です。

 

【長野県知事 阿部守一】

 どういう形の協働ができるのかというのは、今、直ちに私がこれがいいのではないかというご提案ができないんですけれども。また、県のほうと一緒になって考えることが、何か具体的にあるのであれば、それはいつでも、NPO推進室がいいのか県警の部署がいいのか、どちらがいいのかというのがありますけれども、より密接にお話し合いをしていただくということは可能だろうと思います。

 例えば警察との連携とか協働というのは、今の時点では、具体的なご提案なり具体的な関係というのはないということなんですか。

 

【男性(No.5)】

 私どもの組織、全国にございまして、47都道府県のうち48の団体がございます。各都道府県に1つないし2つがあるということでございます。内閣府などでも、非常に犯罪被害者の支援ということでお力をいただいております。

 こういう事例がございます。これは神奈川県でございますが、神奈川県では行政の方、それから警察の被害者支援の担当の方、それと民間の団体、この3つが一つのところに集まりまして、神奈川犯罪被害者支援サポートセンターというのを一つ立ち上げております。その前の段階でありますが、神奈川県犯罪被害者支援条例というのをお作りになられておりまして、この条例に基づきましてサポートセンターというのが行われておりまして、県、行政の県、それから警察、民間の私どものような団体、これが一緒になりまして、神奈川県中の犯罪被害者からのご相談に対応しまして、その時点でそれぞれが話し合って、どういう支援が一番よろしいものかと、こういうやり方を行っているというのが、私どもの中では一番、今、望んでいる状態ではないかというふうに考えております。

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【長野県知事 阿部守一】

 わかりました。今、長野県というのは、協働をしたいという提案があったら、何かそういう提案は受けつけているようになっているんでしょうか。

 県とこういう部分で協働したりというような、その提案を聞くような場というのはあるんですか。聞かせていただく場はあるんですか。

 

NPO活動推進室長 羽場町子

 市民さんの側から事業提案をしていただくという事業は今もありますので、ぜひ、声に挙げていただくというふうに思いますけれども。

 そういうときに、今、警察なのか、男女共同参画なのかという話がありましたが、この提案によると、私どものほうで、担当の課については調整をすることはできます。

 

【長野県知事 阿部守一】

 それはNPO推進室に言っていけばいいんですか。


NPO活動推進室長 羽場町子

 私のほうに言っていただければ、そちらのほうにつなげていきます。事業そのものはうちでは担当はしておりませんので、どこがそれになじむかというところで調整はさせていただきたいと思います。

 

【長野県知事 阿部守一】

 ちょっといいですか、お手数をかけてしまいますけれども。また、いろいろご相談いただいて、いい方向に協働が進むとありがたいと思いますし、神奈川県等の例なんかも少し参考にしなければいけないと思いますので、またそういったことも教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

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【女性(No.6)】

 ちょっと、犯罪被害者支援センターのほうの事務局長の補足をさせていただきます。

 私は、今、副理事長を被害者支援センターのほうでしておりますけれども。今日、事務局長がお話した協働については違わないんですけれども、非常に公共性の高い活動でございまして、今年、認定NPOをとりました。それで、これは本来、国が政策として取り上げるべき支援活動であるにもかかわらず、これをNPOという私ども、県警が非常に力を入れたんですけれども、ボランティアを育成して、それで支援活動をしているわけです。

 それで、私が携わりました経過は、協働という行政、いわゆる公の県警という方達と、それから市民がどうやったら協働できるのかなということで、非常に、私、ここ12年ほどになりますが、ずっと研究といいますか、少し客観的に見ながら活動をしてきました。今、県警と協働しておりますが、○○事務局長が言いましたのは、そこに行政が入っていないということに非常に、やはり活動が前に進めないという実情がございます。

 今、NPOの推進室が入ってということですが、そのレベルではないんですね。NPOといいますか、活動自体は、むしろ国の政策であり県の政策、そこで条例を作ってということになりますと、かなり協働といいますか、本当にひざを交えて、どうしたら犯罪被害に遭った人を支援していくのかということを本当にまさに、どちらが上でどちらが下ではなくて、平面の中で協議をしていかなければならないという場面に、今、当たっているわけです。そういうことで、局長が提案いたしました。

 資金的なことも、先ほどからたくさん出ておりますけれども、10年間、本当に必死でお金を集めることにもう本当に頭を痛めてまいりました。今、事務局長も当初から、事務局員が2人おりますけれども、非常に皆さん周知のとおり、まさに本当にボランタリーな手当で働いていただいているわけです。

 先ほどからITの機器とかをNPOにという、そういうお話がありましたけれども、私がずっと見てくる中で人件費に充当するような、とにかくNPOとかボランティア活動というのは人でございます。人が財産であって、人がいないと回っていかないという実情が、どこのNPOにもございますので、そこの人件費を助成といいますか、何年間にわたって、そこの団体が自立できるような助成のあり方ということも、先ほどからのIT機器と関連いたしますけれども、これについてはご検討いただきたいというふうに思います。以上です。ちょっと補足をさせていただきましたが、失礼いたしました。

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【長野県知事 阿部守一】

 対等な立場で協議を、というのは、ちょっとよくわからない。警察がやっているんですか、警察とはやっているということですか。

 

【女性(No.6)】

 警察は非常にアイデアとか人的な、事務的な援助もしていただきますし、それから予算的にも対策室のほうから少しはあるんですけれども。それで、NPOの支援センターは何をしているかというと、人を育成して活動をしているということです。役割分担で、私はとても協働、県警との協働は非常にうまい形でいっているのではないかなというふうに思います。そこに行政としてどういうふうに、お互いにこう協働したりとかということが、今・・・

 

【長野県知事 阿部守一】

 いえ、ちょっと私の考え方だと、県警も行政だと思っているので、そのおっしゃっている行政というのは、県警以外の知事部局とかですか。

 

【女性(No.6)】

 そうです。

 

【長野県知事 阿部守一】

 何というか、警察と違うセクションが入ったほうがいいというのは、それはどういう理由なんですか、何が必要だからですか。

 例えば条例を作るにしても、これ犯罪被害者の支援の話であれば、警察が、県警本部の中の検討で、もちろん関係するのはあると思いますけれども、メインは警察になるのではないかという感覚は私にはあるんですが、そうじゃないんですか。

 

【女性(No.6)】

 ちょっと違うんです。私はちょっとその辺は遠慮させていただきますが。

 とにかくいずれにしましても、では県のほうでは協働のあり方を、逆に言いますと、NPOと協働をするというと、どういうイメージを持って協働というふうにお考えですか。

 

【長野県知事 阿部守一】

 ちょっと犯罪被害者の話だと若干、何というか、すごく違った局面の話で、県警本部と私どもの関係みたいな、知事との関係みたいな話になってしまうので。一般的には、私は、まさに今おっしゃったように、同じテーブルについて、スタートのところから一緒に議論していくという形の協働が望ましいと思っています。

 とかく何か枠組みだけ作って、はい、これをやってみたいな考え方、委託型、請負型、安請負型みたいな、そういう行政とNPOとの関係、もちろん、すべて否定するわけではないですけれども。先ほどお話があったように、まさに人件費をどうやって確保しようかというところから非常に、NPOの基盤、まだ弱いわけですから、そういうところも含めて、私は行政と県民、NPO、広い意味でNPOが一緒になって、平場で議論していくというあり方が望ましいと思います。テーマにもよりますけれども。

 私は去年の10月まで横浜市で副市長をしていましたけれども、政府が今、言っているパーソナルサポーターというのを、新しい公共の一環で考えようかという話が出たときに、私は当時内閣府にいましたし、今日も夜、お会いしますけれども、内閣府に湯浅誠さんがいて、要は、人が人をしっかり支える仕組みを作っていかなければいけないと、しかもその行政の縦割りを乗り越えていかなければいけないんだと。まさに、これは新しい公共の思想と通ずるものがあるということで、能書きだけ言っていてもしょうがないので、どこかの現場で実践しなければいけないだろうということで、私は横浜市、それから内閣府へ行って、内閣府にいたときに湯浅さんと会ったので、では横浜でまずそういうのを具体的にやりましょうかというので、今、パーソナルサポーターの第1号的な取り組みは横浜市でやっているんですけれども。そのときのやり方というのは、私も湯浅さんも無縁的な存在というとちょっと怒られてしまうかもしれませんですけれども、湯浅さんはずっと市民運動をやっていて内閣府に入ったわけです。それで内閣府参与になった。

 私はずっと公務員をやっていたけれども、総務省は途中でやめて、横浜市役所に行って、横浜市役所もやめて内閣府に行って、私は公務員が長かったけれども、いわゆる霞が関のそれぞれの役所とは切れた状態で、委員会からの任期付採用で内閣府にいた立場ですから、湯浅さんと、私、逆の立場で行政に携わっていたんですけれども、問題意識は同じで、やっぱり行政と市民というか、行政と、国の場合は行政と国民ですね。行政と国民、それから行政と市民の垣根をなくさないといけないということで、横浜をケーススタディに、パーソナルサポーター制度というのを、官と協働よりもっと進んで、官に誘導の組織を作ってしまわないかということを考えて、当時は内閣府、厚生労働省、神奈川県、横浜市、横浜市の中で若者の就労支援とか貧困問題あるいは児童虐待とか、そういう活動をされている人たちが本当に一堂に集まって、神奈川県の県民活動サポートセンターという駅前にあるところに、大体、私も含めてみんな夜、仕事を終わってですから、7時とか8時から集まって11時とか12時まで議論をする。ちょっと横浜は形になりつつありますけれども、形ができること以前に、国の役所も県庁も市役所も市民も、本当に同じテーブルについてゼロベースですね、もちろん立場がありますから、金がないのは国がもっと何とかできないかとか、いろいろそういうやりとりありましたけれども、同じテーブルについて、ゼロベースで、いろいろな立場の人たちが集まって、検討をスタートさせて形を作っていったということは、非常にいい事例だったというふうに思っています。

 そういう意味で、私は長野県と県民の皆さんの協働も、何か初めに、どっちかが、例えば県がこういう制度を作るから、はい、手を挙げてくださいねと、あるいは皆さんのほうから、がちがちに固めて、これに補助金くださいねという、そういう関係を、もちろん場合によったら必要だと思いますけれども、本当に新しい課題とか、あるいは行政と市民のそれぞれの持ち味を生かすような仕組みを作るのであれば、最初から同じテーブルについて議論していくということも必要ではないかなというふうに思います。

 パーソナルサポーターというのはちょっとわかりづらいですけれども、人が人をお世話する制度で、当時考えていたのは若者の就労支援、今、若干いろいろ議論の経過があって、私が加わっていた頃と形が変わっているのもありますけれども。若者の就労支援をする人たちをしっかりと確保して、しかも官と民が、問題意識のスタートは、若者サポートステーションというのをやっている若者たちが、若者の就労支援やっているんだけれども、実は我々だけの手には負えませんよ、阿部さんと。なぜかといったら、就労を求めてくる若者たちは、実は貧困問題だったり、心の病を持っていたり、いろいろな課題を抱えていると。そうすると、自分たちが何も権限がない中で、単に相談に乗るだけではほとんど解決していけないと。場合によったら、生活保護をしっかり受けさせなければいけないし、場合によったら、病院に連れていってちゃんと治療を受けさせなければいけないし、国の、あるいは行政の側が、就労はハローワーク、生活保護は横浜市役所へ行ってくれと、縦割りになっている中で、自分たち、そのNPOの人たちも右往左往せざるを得ない状況なんで、そういうのをもう少しワンストップでできるようにできないかというところが問題のスタートだったんです。

 ちょっと長くなってしまいましたが、いずれにしても、先ほどの話で、どういうのが協働だといったら、協働の仕方はいろいろあると思いますが、私は、何となく目に見えない壁があるような協働ではなくて、本当にお互いに腹を割って話して仕組みを作っていけるような協働が、これからは必要になってくるのではないかというふうに思っています。ちょっと長くなってしまって、すみません。

 

【女性(No.6)】

 ありがとうございました。

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 5.「NPO」、「協働」への理解促進について
【男性(No.7)】

 ○○と申しますけれども、今、協働の話が出たので、ちょっと協働に関連してなんですけれども。私、NPOの世界に4年ぐらいなんですけれども、なりたくてなったのではないと言うと周りに怒られそうなんですけれども。長野県の人たちが、NPOとか、そういう協働とかという言葉について、抵抗はないのかもしれませんけれども、理解がないのではないかというのが、私はしばらく活動をさせてもらっている中で感じています。

 今回、阿部知事が当選されて、そういう意識を持った知事が当選したんだということ自体も県民の人は多分思っているはずなので、ここをいい機会じゃないですけれども、NPOはボランティアの集まりなんでしょうみたいなことを言うような人達がまだたくさんいるんですよ、私はそういう人たちを怒鳴るほうなんですけれども。

 怒鳴る理由というのは、何と言ったらいいですか、ボランティアイコールNPOという意識で、これから長野県が動いていってしまうような、もしそういうことになると、とんでもない世界がまたでき上がっていってしまいますので、そういったことを県民に向けて発信するような場を、もちろん我々も手伝いますが、何か知事も交えて、県の方々も交えて、何かイベント的なのかわかりませんけれども、そういった方法を考えるような会みたいなものをやっていただけるとちょっとうれしいなと、個人的には思います。

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【長野県知事 阿部守一】

 ちょっと今日は、黒板とかホワイトボートとかがないから、何か口のやりとりだけで、ビジュアルにあまりお互い説明したりできない環境なので残念ですけれども。

 私は今お話あったように、NPO法人というよりも、むしろ広い意味でのNPO、もっと社会の主役になっていかなければいけないのではないかなというふうに思っています。行政が、あまりNPO支援だとかというと、何となく安上がりな福祉とか、安上がりな環境政策に使われるんじゃないかというふうに思われがちなところもあるし、行政の中にはそういう誤った発想を持っている人たちも時々いたりするので困ってしまうんですけれども。

 私はずっと行政を中から見ていて、やっぱり得意、不得意があるわけですね、私の感覚だと。行政が、強制的に税金を皆様からいただいていて、なおかつ条例とか規則を作ったりしていくということ、権能を与えられている組織としてやりやすい仕事、例えばいろいろな環境の規制を作ったりとか、そういう部分というのは、これは県民の皆さんにはなかなかできないというか、絶対できないですし、これは我々行政が本当に責任を持ってやらなければいけない部分だと思いますし、片方で、行政のサービス的な仕事、公権力の行使ではなくて、サービスの部分が結構あるわけです。例えば町をきれいにしましょうみたいに、そういうときに公権力行使とか規制とかと、市民の運動とか、あるいはサービス的な活動と、両方相まって効果が生じるはずなんですけれども、行政というのは、やっぱり地域の皆さんと一緒にやりますということがなかなか下手というか、苦手というか、なじまないというか、いろいろ限界があると思います。

 なぜそうなっているかというと、いくつか理由がありますが、一つはやっぱり公務員制度が堅いですから、何というか、全体の奉仕者というふうに公務員は位置づけられているので、あっちもこっちもいろいろなニーズがあるのに、何か特定の地域だけに肩入れしていると何か公平ではないのではないかとか、そういうことにもなりかねないし、やはり全体の、もともと皆さんからいただいた税金の中で仕事をやっているわけなので、人的配分とか資源配分というのは、そういう意味で、なかなか現場レベルでは弾力的に決められない。県の職員が、ここの仕事はもう人手が足りないから、あっちからもこっちからも応援してと言ったら、ほかの行政分野が滞ってしまって、あまりなかなかそういう弾力的な動き方というのは、なかなか行政としては行いづらい。あるいは、よく県民の皆さんとか住民の皆さんとかが、どこの自治体でも言われますけれども、行政の職員は2,3年すると変わってしまうから、せっかく信頼関係ができてもだめだと。行政は継続性が大切だという反面、実はあまり継続性がなかったりするんです。そういう意味では、行政の問題点とか限界というのがあって、それとNPO的活動、NPOとか市民の皆さんの活動というのは、ある意味で、補完関係に立つ部分があるんだろうというふうに思います。

 そういう意味では、私は本当の意味での対等に、同じ課題に対しては、これは行政の側がもっとしっかり、行政としての本来の責任と権限を行使して対応しろと。市民とかNPOが得意な部分は、NPOの皆さんが同じ分野を分担していくということが、私はこれからどんどん必要になってくるんだろうというふうに思っています。

 そういう意味で、今、お話があったように、少し県としての考え方とか、これから長野県は行政と県民の皆さんの活動と、どういう関係で行っていこうとしているのかという、これはもう少し整理した上で、そういう県民の皆さんに広くアピールしていく場みたいなものは作る必要はあるだろうなというふうに思いますので、少し今後の課題として受けとめさせていただきたいと思います。

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 6.居場所がない若者の支援について
【男性(No.8)】

 まとまらないんですけれども、阿部知事が結構好きなことを言っているような感じがするので、少しお話をさせてください。上田から来ました、個人ボランティアの○○です。

 昨日の読売新聞に、児童養護施設「丸太の家」のことが載っておりまして、長野県の中で、児童養護施設が一つあったんだけれども、去年なくなって長野県には一つもないと。この記事を読んで、実はすごく感じたことは、家庭に居場所もなくて、働く場所もないような若者が生活保護を受けているという事例が始まっていると。それを見かねて、ちょっと名前を出さないほうがいいかと思うんですが、いくつかの団体が応援しています。それは、あえていえば、陰に隠れて応援しています。今の制度ではそれを支援する方法がないというふうに聞いております。

 今日言いたいことは、今まであまり陽が当たらなかったところをぜひ当ててほしいと。それから、いろいろな芽が、今の話もそうなんですけれども、例えば中学校でかかわっている先生なり、サポーターの人たちはそういう面を既に掌握していたわけです。だから、誰も知らなかったということではないんです。誰かは分かっているので、その部分をやはり県としても吸い上げてほしい。ないしは、ゼロベースで話し合えるようなテーブルを作ってほしい。それから、具合が悪い人なんかは特にそうだと思うんですけれども、当事者の力というのを尊重して、当事者のやっぱりネットワークというのを拡げていく努力をしてほしいというふうに思っています。

 ちょっとだけ具体的な話をさせていただきます。先日、県の社会福祉大会で、反貧困ネットワークの○○さんが来てお話をされたんですが。東京では、病院で亡くなったら火葬場に直接行ってそれでおしまいと。都区内では3割、実はこういうことは長野県にもちらほら始まっております。

 例えば亡くなられた方がアルコール依存症で、身寄りがほとんどなくて、離婚していて、その人とかかわってきた方がDVの被害者だったりして、つまりそういう形で、当事者のネットワークというのができていればもう少し何とかなるかもしれない。

 もう一つの例を言いますと、ご兄弟2人でずっとおりまして、お姉さんは、今、精神科の病院に入院しております。弟さんは、民生委員さんとか自治会の役員が支えて大分元気になりつつあって、庭で野菜とか花を作ろうとしています。それは民生委員さんが、何も分からなかったんだけれども、何とかしなければいけないと、ずっと足を運んでそういう展開になった。

 それから、地域通貨の話に飛躍してしまうんですが、ある自治会でボランティアをやっていたら、その自治会の中にある直売所で使える商品券を出して、そこで使っていただくと。そういうようなことをやっておりまして、いろいろな芽がやっぱりあるのではないか。その芽をやはり県としてもちゃんとして掌握して吸い上げて、現実の芽を大事にして、それを拡げていくにはどうしたらいいかということを考えていただくということはとても大事なことなのではないか、またあまりお金もかからないことではないかと、そんなふうに思います。

 栄村の○○(No.1)さんから話があったんですが、介護保険の限界は、明らかに心の面のケアができないということです。したがって、「げたばきヘルパー」だけではダメなので、げたばきの心理情報士みたいな人が必要な時代なのではないかなと思うんです。そういう面に、今まで陽が当たっていなかった面に当てていただいてやっていただくというところが大切なのではないかと。

 湯浅さんとお会いされるということで期待しておりますけれども、ちょっととりとめのない話ですみません。以上です。

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【長野県知事 阿部守一】

 おっしゃるように、陽が当たらないところというか、行政としてこれまで必ずしも十分に向き合ってきていないけれども、その社会の中で大きくなってきている問題には、しっかり向き合わなければいけないだろうというふうに思っております。

 今、お話あったように、志ある人たちがいろいろな活動をされてきているので、そうしたものを行政としても把握をしっかりして、一緒に取り組めるところは取り組んでいくということが私は必要だと思いますし、そういうスタンスで、私自身はこれまで公務員生活をやってきたと思っています。

 これは県全体でやっぱりそういうところに目を向けていくという、要するに、どちらかというと行政の思考パターンというのは、何というか、制度とか予算がついているものにまず目が行ってしまって、それをやらなければいけないと、法律がこうなっているからやらなければいけないというところに行きがちなので、新しい動きに対しては、どうしても一歩、二歩遅れてしまいがちなところがあると思っていますので、そこのところは意識的に少し、行政とか県政に対してインプットしてもらえるようなことを考えなければいけないんだろうというふうに思いますし、私をはじめ県の職員も、住民のところになるべく現場に行ってくださいという話を職員にもしています。

 そうした中で、やっぱり、いろいろな地域に本当に起こっている課題とか、あるいは課題に対して取り組んでいる動きとか、そういうものについてはできるだけ把握をして、一緒になって取り組めるところは取り組むようにしていきたいというふうに思います。

 今日は湯浅さんと、湯浅さんは貧困の問題の話で松本に夜、お越しになるみたいですけれども。先ほど言ったパートナーサポーターの話も含めて、よく話をしてきたいと思っていますし、また、これは長野県内でもいろいろな取り組みをされている方々いらっしゃるわけですから、そうした皆さんからはぜひ、私もできるだけ現場に行きますということで頑張っていきますので、こういう取り組みがあるから、ぜひ一緒に話をしようということがあれば、どんどん呼んでいただければ伺うようにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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 7.廃屋、空き家対策について
【男性(No.9)】

 今後、県としても大きな課題になるかと思うんですけれども、失礼しました、小川村から来ました○○と申しますけれども。

 廃屋とか空き家対策ですね。過疎地域を県では相当抱えているわけですけれども。今度、過疎法が延長されまして、この廃屋、あるいは空き家、関係するのも何か盛り込まれるように聞いておりますけれども。現実に、これが動き出すと、それぞれの市町村の対応がまちまちなことでは、これまた大変な部分が出てきますし、県のほうでも、今、廃屋対策は一部、白馬村のほうか何かは手をつけたかと思うんですけれども。

 そういう点で、今後これ進み始めますと、相当な規模で進むかと思うんですけれども、それを進めていくには、やはり自治体の中ではなくて、やはりここにありますような、行政と地域住民の協働というのが非常に大きなポイントになろうかと思いますが、その辺、知事として過疎法の動向なんかもご存知かと思いますが、その辺も含めて、ちょっと今後のお考えを聞かせていただければと思うんですけれども。

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【長野県知事 阿部守一】

 この空き家についての、ちょっと過疎法との関係は十分認識していないんですけれども、それはまた調べてみます。

 今度、善光寺の周りで空き家のあっせんをやっている人たちと会うようにしているんです。私の問題意識は、長野県内、非常に選挙中も回って、こんな立派な家が空き家なのかとか、そういう、何というか、地域にとっては負の遺産みたいになっているところも、しかしながら、生かしようによってはプラスの財産になるのではないかというふうに思っていますので。

 これから定住促進をしたりとか、あるいは限界集落とか、地域の活性化をしていくという観点で、空き家対策、空き家をどう有効に活用していけるかというのを、少し身近なところから勉強させてもらおうかなということで、今度、長野市内でそういう活動をやっている人たちとお話をしようと思っています。これは別に長野市内だけでそういうことは完結したほうがいいと思っているわけではなくて、全県で同じような話があるので、もし何かいいアイデアがあれば、逆にぜひ教えていただきたいというふうに思っています。

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【男性(No.9)】

 過疎法の関係は、まだあれですか。

 

【長野県知事 阿部守一】

 それはちょっとよく調べてみます。過疎法の関係で、今まで過疎債が充当というか、過疎債という財政的に有利だとされている地方債が充てられるのが、いわゆる箱物整備とかハード事業だけだったのが、今度、ソフト事業についても充てられるということになったので、今、言ったようなことも、もしかしたら対象にしていくことができるようになったかもしれないんですけれども。

ただ、空き家のあっせんみたいなものは、やっぱりそれぞれの地域で具体的な仕組みを作っていかなければいけない話なので、何か画一的なルールを作ればすぐ進むという感じのものでもないので、ちょっと現場側のほうから勉強してみたいと思いますし、過疎法の話は担当課からよく聞いてみたいと思います。よろしいでしょうか。

 

【男性(No.9)】

 現在、進めています白馬村の何軒かは県のほうで、その景観上のいわゆる廃屋解体の事業は若干進めているようでありますが。

 

【長野県知事 阿部守一】

 景観保全ですかね。景観保全の関係か何かですかね。ちょっとそれは、私は把握していないので、それも把握するようにいたします。また必要であれば、どういう事業かお知らせするようにいたしますので。

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 8.空き家情報の共有化について
【女性(No.10)】

 すみません、私、諏訪市から来ました、○○と言います。諏訪市のほうで主に子育て支援の活動をしています。ちょっと子育て支援の活動ではなくて、個人的にやはり空き家とか、空き地の問題というのは身近に感じているところがとても多いです。諏訪市は都会のように思われますが、一応、少子高齢化で、地区によっては、実は私の近所も3軒歩くと空き地になっていて、もう本当に何か過疎化になりそうなところなんですけれども。

 私がちょっと心配しているのは、諏訪は6市町村ありますけれども、その諏訪の6市町村の中でも、その空き地とか空き家に対する実際の認識が明らかに温度差があります。定住とかこれから来る方に住んでもらおうということで、一生懸命PRして人口を着実に増やしている市町村もあるかと思えば、そういうのは不動産屋さんがやる仕事ですというふうに言っている市町村の関係者もいて、諏訪の6市町村で、こんなに差があったらどうなるんだろうというふうに、実はちょっと心配をしています。

 もう一つ、やっぱり空き地とか、特に空き家ですね。そういうことに関してNPOとかボランティア活動をしている団体とかは、一番困るのは、その活動場所なんですね。私なんかは小さな子育てサークルをやっているものですから、公民館を借りればもう事足りるんですけれども。やはり本当に拠点を持って、NPOを地域の中で継続的にやっていきたいというところは、やはりしっかりとした拠点がほしいんですけれども、なかなかそういう空き家の情報がないし、公共施設で空いたものはどうでしょうと言われても、それは売ってしまうとか、こちらの団体のほうが要望を出しているから、こっちを先に考えるみたいな感じで、なかなかその行政側とうまくコンタクトがとれていないというのは諏訪の状況なのか、実際ありますので。

 やはりそういう、だんだん少子高齢化で空き地や空き家が増えて、どんどんどんどんその長野県内の場合、いろいろな活力がそがれていって縮小していくのは、本当に見るに忍びないですし、空いているものを有効に使うというのは、やっぱり物に対する認識でもあると思うので。

 やはりこれから空き地とか空き家の情報は、行政と県民、市民の間でできれば共有できるような形で、こちらからも情報を提供する。県でも何か、市町村でいい取り組みをしているんだったら例えばホームページに載せたり、PRをするというような形で、本当に共有できれば、過疎化の少し歯止めになったり、NPOや市民活動の中で有効に使えて、またそれは市民力とか県の力となって返ってくる形で、いい形になっていくのではないかと思うので、ちょっと私、主婦なので、法律のことは詳しくないんですけれども、一県民としては大変心配している、普段からの事柄かなと思ってお話をさせていただきました。

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【長野県知事 阿部守一】

 ありがとうございます。行政と県民の皆さんのいろいろ活動している活動と、いろいろ皆さんのお話を聞いていて、私なりに思ったのは、やっぱり何か窓口というかチャンネルがしっかりしていないのかなと、要するにどこに、私は、今日いろいろ皆さんのお話を聞いていて、非常に県政として取り組むべき政策の種がいっぱいあるなと思っていただくんですけれども。逆にこういう場合じゃなければ、そういう声が出てこないという形もいけないし、今日はツイッターで情報発信とかをやっているんですけれども、長野市に行きたいけれども、遠いから行けませんという方が結構いっぱいいるんです。諏訪からとか栄村とかからいらっしゃっていますけれども、本当はこの何倍かの人たちが、同じような問題意識を持っているのではないかというふうに思うので。

 私は、県政の情報発信をもっとしっかりわかりやすく、大勢の人に発信できるようなことができないかというのを、プロジェクトチームに検討してもらっていますし、今日思ったのは、逆に皆さんの提案とか声というのを、もう少ししっかりとシステマティックにお伺いできるような形を考えなければいけないということは、改めて思いました。

 空き家の話は先ほど言ったようなことで、私自身は実は関心を持っています。長野県の定住人口を増やしたり、地域を元気にしていくためにやっぱり、ともすると民間の財産なんで、これはまた、さっき言った行政と民間のどちらがやりやすいかというと、行政というのは結構やりづらい分野だと思います。行政、例えば県が直接空き家を調査して、それをあっせんするというのは、私はなかなか難しいのではないかというふうに実は思うんですけれども。ただ、それは民間の皆さんと協働することによって、実は法的な形でいい方向に持っていける分野の一つではないかというふうに思っていますので。少しそれを研究してみたいと思いますし、あと、NPOの皆さんがやっぱり活動場所というご要請はあるんだと思うんです。これは長野県、広い長野県で、全部県が何かそういうのを提供するというのは、事実上、難しい話だろうというふうに思っているんですが。

 一つは、県も自分のところの持っている財産をどうやって有効に活用するかというのは、もうちょっと考えないといけないと。この間、県議会でもたまたま質問があったので、県としてもファシリティマネジメント(設備等を効率的に管理運用する手法)で、持っている財産がどんな財産になって、結構、空き地だったり空き家だったりあったりするとき、まず全庁的に情報を共有して、それで、使い方とか優先順位をつけてみたいということを、しっかりとやっていきたいと思っていますし、そういう観点で、逆に県民の皆さんから見て、こんなところに遊んでいる財産があるとか、何か無駄に使われているのではないかというものがあれば教えてもらうように、ここら辺も双方向のコミュニケーションで、我々のほうが聞かせてもらうような仕掛けをしっかりつくる中で、またそういう情報も教えてもらえるようにしていかなければいけないかなというふうに、お話を伺っていて思いました。ありがとうございます。

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 9.民間に任せられる事業の情報について
【女性(No.11)】

 長野市の○○と申します。私、NPO活動なんかをしているわけではないので、ただ伺うつもりで来たんですけれども。先ほど、上田市の○○(No.8)さんのお話を伺っていてちょっとどうしても、変な考えかもしれませんけれども、一言と思いました。

 私、外国籍児童の支援ということで、長野市で要請があると学校に行くというのをやっているんです。あと通訳などもしておりますので、児童相談所ですとかいろいろ、とにかくすごく困っている人の現場に伺うこともあるんですけれども、そのときに、とにかくすごく日本社会がとんでもないことになっているなというのは感じています。

 いろいろ個人的にやりながら、例えば私は、余裕があってNPOを作ってこういった活動をしたいというのが実はあるんですけれども、自分の生活がとんでもなく豊かではありませんので、子育てもあるし、できないわけです。ただ、ここのときに、どうしてこういうふうに矛盾して余計なお金を使ってしまうのかなということは常々感じるんですね。

 一つ例を挙げると、例えば教育委員会の事業があって、どうしても専門性が高いので、個人個人登録して使うような形で、派遣事業があるんですけれども、そのお金を準備する人は公務員の人がやりますよね。それは公務員の仕事としては当然だと思うんですけれども、それをNPOで例えばやるともっと、多分、この1人の給料で2人、3人働けるのではないかなというのは常々感じるわけなんです。

 例えば会議のほうをやっていて、この子の支援をどうしようという話をしているときにも、職員の人が、あなたは20時間しか働けませんからというふうに枠をはめるわけです。それは予算をいかに消化するかという観点から、その人の仕事としては分かるんですけれども、発想を変えないと、ただお金を無駄になっているなという感じがあります。これは私の感じているところなんですけれども。

 一つ、自分に余裕がないのか、思うことはすごく斬新かもしれないんですけれども、行政ではもう対応できない事業というのがたくさんあるので、それを例えば、こういった事業でしたら民間の方にお願いできるのではないかみたいなものを、情報を何か発信するようなことができれば、既成のNPOにしても、あと、それからNPO、これからというか、何か自分の持っている力で貢献したいと思っている人はアイデアになるのではないかというのを、今、思いついたので。ちょっと斬新かもしれないんですけれども、何らかの形で検討していただければなというふうに思いました。以上です。

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【長野県知事 阿部守一】

 わかりました。行政、県がやっている仕事の中で、本当に県がやらなければいけないものばかりなのかどうかというのは、よく検証していかなければいけないだろうと思うんです。それは、しかし行政の中では議論してもあまり意味ないという気がしているんですけれども。意味ないというのは、行政の中でやっていても、それは民間にできるのかできないのか、民間とかNPOとかで働いていないのに、我々は分かるわけがないんで。

 むしろ、ぜひちょっとこの機会に皆さんにお願いしておきたいのは、県の予算編成のプロセスを、もう少し分かりやすくお伝えしようと思っているんです。来年度予算で、最後は私のところで全体的な予算を決めるわけですけれども。その前に各部から予算の要求が出てきたりしますので。そうした中で、こんな事業、あんな事業がありますよというのを公表していこうと思っていますので、そのときに、こんな仕事は行政じゃなくて、NPOでもいいのではないかとか、あるいは、もうそんなのやっているよとかがあったら、ぜひそういう意見をどんどん挙げていただきたいと思います。

 それで、先ほど言ったように、同じことをやるにしても人件費が、公務員の人件費とNPOで頑張っている皆さんの人件費のレベルとは全然違うわけですから、それはNPOでやるという形にしたときに、仕事が減って、行政の側の仕事が減れば、この事業の見直しをどうするかという話になります。私は、究極の形は、もっとNPOとか、行政以外で公的な活動をやっていらっしゃる人たちが、より安定した収入を得られるような社会にしていくということが望ましいと思っていますので、そういう提案をどんどんいただけると、結構、行政と民間とのあり方とか、仕事のあり方、それから形成のあり方とか、あるいは処遇上のあり方みたいなところの議論というのが、より具体的な形でできるようになっていくのではないかと思います。

 突拍子もないご提案だと私は全然思わないので、そういう視点で、長野県の事業に対していろいろ意見を言っていただきたいと思います。

今までの長野県、予算の過程を公開はしていたみたいなんですけれども、ほとんど反応はないですね、県民の皆さんからは、ほとんど反応がない。ほとんど反応がないと、何も意見がなければ、これは別にだれも気にしていないんだということで、そのままいってしまいますから。私は、できれば、どんな些細なことでもいいので反応してもらいたいと思います。

 ぜひ、今みたいなご提案はなお結構なので、これはNPOにできる事業じゃないかというようなことでも、もちろんいいですし、このやり方はおかしいのではないかというレベルでもいいですし、これから来年度予算編成に向けて予算のプロセスも公表していこうと思っていますが、ぜひそういうところでどんどん意見を言っていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。

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 10.県職員の研修派遣について
【男性(No.1)】

 たびたびで申し訳ありません、一つ提案していいですか。

 これはもう県でなくて、公務員じゃなくて、NPOでもできるんじゃないかと、たくさんあります。だけどこれは、私は決して県の側に立っているわけではないですが、公務員の側にしたら、ひょっとしてこれ、公務員の削減があるのではないかということがあって、どうしても議論が進まないということがあるんですね。

 一つ、ちょっとこれは相当難しいことかもしれないんですが。NPOには人材はいて、資金がないというケースがありますが、人材そのものに困っているという面もあるんです。県の職員にNPOに研修という名目で派遣しませんか。何でこんなことを言うかといいますと、うちの村に、以前、県の職員の方が役場に出向してこられたんです。今、その方は南信のほうになりますが、行った先々でものすごく評価がいいですね。

 私、つい3日前も、実は村で北信のあるところに県から出向されている方とお会いして話することがあったんですが。あれ、県庁にいるときとは違うんですかね。現場に来られると、ものすごくフリーな立場に立って、持っている能力を全開されるんですよ。県から市町村に派遣するんだったら、これは制度上、公務員と公務員ですから難しくないんでしょうが。これ研修生という名目でNPOに派遣していただくということがちょっとできないかなと。これ、今すぐは即答はできないと思いますが、検討課題にしていただけないでしょうか。

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【長野県知事 阿部守一】

 私は、県の職員、いろいろなところで働いてもらうのは重要なことだと思っています。ただし、そのネックは、今現在の県の職員の数が、大分減らしているわけです。毎年減らしている中で、ほかに派遣して活躍してもらうだけの余力があるかというところは、見極めていかなければいけないと思っていますが、その前にお話があった、職員が減らされるのではないかというのは、これはニワトリが先か卵が先かの話ですけれども。

 私は、公務員数の削減ということが言われておりますけれども、私はやっぱり仕事の削減を先にやらなければ、公務員を先に減らすとサービス低下してしまうと思っているんです。そういう意味では、まず私はこんな仕事はやめたほうがいいのではないかとか、こんな仕事のやり方はやめたほうがいいのではないかとか、そういう提案はどんどんいただきたいんです。その上で、結果的に職員数の削減につながるのではあれば、それはやむを得ないというか、当然の話だと思いますし、むしろ今の派遣の話は、私はいろいろなところでいろいろな経験をするということは、県の職員にとってプラスな部分が多いというふうに思っています。

 ただ、これ田中県政のときにあまりにも大勢派遣し過ぎたのではないかというところもあって、派遣先とか仕事の中身とか、派遣する人数みたいなものはよく考えてなければいけないと思っていますけれども。基本的には、私は、いろいろなところで経験してもらうのは大事だと思うんですね。 

 実は横浜市役所には、私が副市長でいたときに、横浜市の職員も随分いろいろな自治体と交流させたんです。だから、行ったり来たり、行く側であったり両方だったんですけれども。長野県でも、例えば野沢温泉村とか、王滝村とか、辰野町とか、どちらかというと、比較的規模が小さな町村と横浜市で交流したんですが。そのときの発想は、横浜市だと普通は大阪市とか札幌市とか京都市とか、大体、同じようなところと交流するんですけれども、同じところと交流してもあまり勉強にならないから、同じ自治体に今、こんな仕事のやり方があるんだとか、横浜市における市役所と住民の距離と、野沢温泉村における村と住民の距離は全然違いますから、やっぱり非常に学ぶべき点があったというふうに思います。

 県の職員もいろいろ学んでもらいたいと同時に、おっしゃるように、県の職員の能力を発揮する場というのはいろいろな場であると思いますし、私自身は自治省という役所に入って、あっちの県、こっちの県、あっちの市町村とかといって仕事しましたけれども。同じ組織にいると、どうしてもいろいろなしがらみができてしまって、全然しがらみがないがところに行ったほうが、場合によっては、能力を発揮できる場合もあるというふうに思います。

 職員がいろいろなところで頑張ってもらうことについては、少し変な形にならないように、変な形というのは、何と言うんですか、行った職員が能力発揮できなかったり、あるいは逆にやり気をなくしてしまったり、そうしたことがあっては元も子もないので、そういう点にも配慮しながら考えていきたいというふうに思います。

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 知事あいさつ
【長野県知事 阿部守一】

 どうも2時間にわたりまして、ありがとうございました。皆さんからいただきました声をしっかりと受け止めさせていただいて、これからの施策につなげていきたいと思います。

 今日のテーマ、なんだかんだと、ちょっと掘り下げ不足かなというのが、私の正直な感想です。ちょっと、ややあちら側、こちら側みたいになってしまったので、本当は皆さんと一緒に同じテーブルを囲んで議論したほうが、これぐらいの人数ならちょうどよかったのかもしれないなというふうに思いますが。少し今後の、このタウンミーティングの持ち方も考えていきたいと思いますし、また、このNPO等との協働というテーマは、私自身、本当に長野県の自治を充実する上では、一番重要なテーマだと思っておりますので、引き続き、今日は県が主催でこういう形でやっていますけれども、私は逆に、こういうテーマはむしろNPOの皆さんとか、皆さんの側が設定していただいて、そこに私が行かせていただくという形でも大いに結構だと思っていますので、ぜひそんなこともご検討いただきますようにお願いしまして、今日は本当にいい天気の中、お集まりいただきましたこと、改めて御礼申し上げまして、私のお礼のあいさつといたします。どうもありがとうございました。

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