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更新日:2013年8月18日

平成23年09月19日開催 県政タウンミーティング資料

テーマ:『10年後の学校を考えよう』

日時・会場

  • 平成23年9月19日(月・祝日)13時30分~16時45分
  • 県庁 講堂

会議録

目次

本文

 事前説明

【司会】

 皆様、大変お待たせいたしました。
 本日はお忙しいところ、「県政タウンミーティング」にご参加いただきまして、ありがとうございます。
 本日、司会進行を務めます広報県民課長の角田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、私の方から本日の進行につきまして若干、説明をさせていただきます。
 最初に、阿部知事から御挨拶を申し上げまして、その後、『10年後の学校を考えよう』をテーマに熟議方式により意見交換をしていただきます。
 熟議には、阿部知事、県教育委員の耳塚委員、高木委員、山口教育長、柳澤教育次長、県企画部の小嶋次世代サポート課長がそれぞれ参加をさせていただきます。熟議が終了しましたら、短時間ではございますけれども、本日お集まりの皆様からご意見等を伺いたいというふうに考えております。
 それから、本日のこの集会のグループ発表、それから意見交換の会議録につきましては、お名前などの個人情報をふせまして、後日、県のホームページに公開させていただきますので、ご了解いただきたいと存じます。
 最後に、お手元の資料でございますけれども、長野県児童生徒の状況と「タウンミーティングに関するアンケート用紙」を配布させていただいております。アンケートにつきましては、お帰りの際に回収をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。私からは以上でございます。
 それでは、阿部知事よろしくお願いいたします。

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 開会あいさつ
【長野県知事 阿部守一】
  皆さんこんにちは。大変暑い中、そして3連休の最終日という本当はいろいろそれぞれいっぱいご予定があるのではというときに、大勢の皆さんに集まっていただいて、教育の「県政タウンミーティング」を開けること、まず皆さんに心から御礼申し上げたいと思います。
 タウンミーティングは、私が就任して以来、これで9回目となります。
 教育をテーマにしたものとしては3回目、今回のテーマ、『10年後の学校を考える』ということで設定をさせていただきましたけど、そもそもタウンミーティングというのは、県の行政というのは、県民の皆さんから遠い感じがあって、どうせ何か意見を言ったって、そんなもの反映されないという感じがするんじゃないかと思います。
 私も県庁から離れればそういう感じを受けなくもない。長野県だけが悪いということではなくて、市町村と比べるとどうしても身近な存在ではないというところであって、私はできるだけ県民の皆さんと県政との距離を近づけて、一緒になって悩んで、一緒になって考えて、一緒になって何かを行うために行動していくという県政をつくりたいということで、このタウンミーティングもその一環で行わせいただいてきています。
 通常ですと、私が来ていただく方のいろんなご意見とか、質問を受けて答えるというかたちでやるんですが、どうもそれは実はあまり建設的でないなと思っていまして、どうしてもそうやって質問されると、私もオールマイティで全部答え持っていればいいですけど、そんなわけではないので、何となくこの程度で我慢してね、みたいな答え方になってしまいます。
 私としてはそういうかたちは良くないなと思っています。とりわけ教育というのは、唯一、絶対の快挙がないと私は思っています。これだけやっておけば、皆ハッピーだという話は教育の世界においては、たぶんありえない話で、常にいろんな問題があって、それをどう改善していこうかと。あるいはどういう子供たちに、今の子供たちがおかれている社会の環境の中でどうやって、子供たちに、より良い環境を提供していくか、常に改善していかなければいけない部分があると思いますし、また子供たち本人はもとより、保護者の皆さん、あるいは先生方、さらには地域の皆さんや、行政の中でも教育委員会と我々知事部局、あるいは国や県や市町村、本当に大勢の皆さんが関わっているのが、教育だというふうに思っています。
 そういう意味で私は、是非いろんな立場の人たち、いろんな教育に対しての問題意識を持っている皆さんが、集まって課題や悩みを出しあうことによって、実は良い方向性が見いだせるのではないかと思って、こういう熟議方式ということを行っているわけです。
 前回、私も参加させてもらいましたけど、非常に良い議論ができたなと、それぞれの立場の人たちの課題や悩みを出しあう中で、それだったらこういう協力ができるんじゃないかとか、それはこういうふうにすればいいんじゃないかと、違う立場の方からのアドバイスもあって非常に有効だったのではないかと思っています。
 今回、第2回目ということであります。
 実は「栄村の復興を考える会」ということで、栄村の皆さんと私、それから栄村の島田村長と一緒になって、同じようなかたちで復興を考える会というのをやったんですけど、こういう言い方すると失礼かもしれませんけど、栄村の実態をよく知らないコンサルタント会社の人が書く復興の文章よりも、よっぽど心のこもった、そして村民の皆さんたち自身が共感できるビジョンがいっぱい示されたのではないかと思っています。
 またそういう意味で、こうしたやり方というのは、教育に限らず、県政全般にこれからも活かしていきたいと思っております。もちろん試行錯誤しながら、より多くの皆さんのお考え、意見が反映できるようなかたちに改善していきたいと思いますし、またここで出てきた考え、これ10年後の学校ということですから、来年すぐどうしろという話ばかりではないわけでありますけど、できるだけ県政に反映させていきたいなと思います。
 今日はこの教育関係は教育委員会の委員の皆さんも、参加していただいています。
教育委員会と私ども知事部局が、本当に一緒になって、長野県の子供たちの教育、それから子育て全般の環境については、しっかりと改善をしていきたいと思っておりますので、どうか皆さんのご理解とご支援をお願い申し上げたいと思います。
 いずれにしても、先ほどコーディネータ、ファシリテーターの方から、お話あったと思いますけど、ぜひお互いの考え方、意見を尊重して、明るく、そして前向きな議論をしていただきますことを心からお願い申し上げまして、私の冒頭の挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。

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【司会】

  熟議でございますけれども、各グループのファシリテーターの進行によりまして、前半50分間は、すでにご説明を受けたと思いますけど、テーマに関する課題の抽出、課題解決のためのアイディア等につきまして議論をいただきます。
 10分間の休憩をはさみまして、前半の議論をもとに後半40分間は課題や解決策等のまとめ、グループ発表の準備をしていただきます。
 さらに10分間の休憩後、グループごとに議論の内容発表をしていただきたいと考えております。
 なお、傍聴いただいている皆様には、移動していただいて結構でございますけど、討議・議論の妨げにならないようご留意のほど、よろしくお願い申し上げます。
それでは、これより熟議に入りたいと思います。

 

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 ~ 「熟議」 ~

 ・6グループ(AからFまで)に分かれて、前半は課題の抽出、後半は解決策について
 グループごとに議論していただきました。

 

 

【司会】

 お待たせいたしました。それでは時間となりましたので、これからグループ発表に移らせていただきます。
 Aグループから順番に1グループあたり3分間の持ち時間で発表をお願いいたします。途中で係の担当が残り時間をお知らせしますので、ぜひご協力お願いいたします。
 それではAグループの皆さん、よろしくお願いいたします。
 なお、後ろの方で遠くてホワイトボード見えにくい皆さん、前の方に移動していただいて結構ですので、どうぞ移動していただければと思います。
 それでは3分間ですけど、よろしくお願いいたします。

(以後、司会の発言を一部省略します。)

 

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 <グループ発表>

 【Aグループ】

【女性(No.1)】 
 Aグループでは学校教育の閉鎖性という課題が出てきました。
具体的な課題として、学校と社会地域がつながっていないこと、教師が伸び伸びと仕事ができてないことがあげられました。
 地域と学校と社会がつながっていかない限り、これからの教育ができていかないという点、それから教師が保護者の意見も聞き入れたり、自由に発言したりする場が必要だということが出ました。

【男性(No.2)】
 10年後のありたい姿ですが、地域に開かれた学校ということで、実際、現場の人に授業をしてもらうということ、地域コミュニティの再生ということで、学校現場を中心にこれを行っていってほしいということです。

【男性(No.3)】
 実現のための方策アイディアなんですけど、学校単位のタウンミーティングのような場を設けるということです。
 よく小学校でもそうなんですけど、校長先生の話とか、担任の先生の話、一方通行なので、保護者の話というのは聞く場がないと。このような場を設けていけば、方策、アイディアにつながるのではないかなと思います。

【男性(No.4)】
 10年後の課題ということで、皆さん、いろいろ出しまして、私の方は過疎地のPTA会長やってますもので、10年後、生徒数がどこまで少なくなっているのか、また部活動というものが活動できるのか。
 それはいろいろ出した中で枠を作ったのですが、やはり地域との連携というものが大切になってくるのではないかということが出ました。

【女性(No.5)】
 また、社会へのつなぎ方ということで、学校での学びをどのように社会に還元させていくかということや、あと家の中で遊ぶ子供が多いということで、郷土愛という場面で、子供たちが自分の住んでいる市、地域のことをよく知らないのではないかという課題や他に学校の中に注目して、学校の指導に関して、学力向上の面を先頭に他にもあるのではないかということが出ました。

【男性(No.6)】
 その他に閉鎖性というところにつながってくるんですけど、もっともっと地域と連携をすることが重要ではないかということが議論としてあがっております。
 いろんな人が学校に出入りして、授業をやっていただいたりですとか、外に学校から地域の人のところに行って、授業を教わったりだとか、そういう居場所が地域の中にたくさんあることによって、子供らも遊ぶ場、自信がつく場というのが増えてくる。
 またこのあと知事から話があると思いますが、行政上のことも含めて、特別支援教育についての在り方もそこが一歩目でないだろうかという話になっております。

【長野県知事 阿部守一】
 10年後の学校に向けての課題としても、これ学校よりもっと大きな課題として、やり直しのきく社会をもっとしっかりつくっていくべきではないかという意見があります。
 一度レールから外れると、中々復帰できないという社会の在り方を変えようと。
 (発表の持ち時間の終了を知らされて)あ、ちょっと終わりみたいです。
 最後は教育行政の在り方、学校教育の閉鎖性というのは、何も学校の先生方が怠けてるとかサボっているとかいうよりは、むしろ教育行政の仕組みというもの自体が国中心で、現場の声を中々反映できにくい仕掛けになっているんじゃないかという点にもあるということであります。
 ちょっと時間オーバーしてしまいましたけど、あと3点ほどご説明します。

【男性(No.7)】
 はい、あげられた課題として他に、教師の方に責任が偏っているのではないかというところが出ました。
 それから、子供が屋外での遊びができない。そういった子供の健康、これから先のところですが心配かな。
 それから、教育が目指す価値観が多様化してきたり、コミュニケーション力が社会から要請されてきたりといったところが課題かなというところです。

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 【Bグループ】

【男性(No.1)】
 Bグループの話し合いを発表します。
 現場の立場から出された課題についていくつかお話します。
 今の児童生徒の様子というところが話題になりました。
 やる気を失ってしまっている子がいる。相手を思いやる心が足りないのではないか。自分の言葉で伝えられず、わかってもらおうとする子が多い。学校の中での多様なお子さんの発達の様子が見られると。特別な支援を必要とするお子さんが増えている。
 それから、外国籍の児童生徒について、あと具体的な障害を持っているお子さんの配慮やケアにどんなものがあるのか、知識が不足しているといったことが話題になりました。あともっともっと学校の先生たちが元気を出して、学校経営を引っ張っていければよいのでないかという意見が出されました。
 次、学生の立場から。

【男性(No.2)】
 かつて教育環境の改善ということで、めまぐるしく変わる社会環境に対応できていけてないというところや、また家庭の教育力ということで、ひとり親だったり、また両親がいても悩みを抱えてしまうといったことが起きている。
 また、地域においては、地域の方をもっと活躍する場を、また子供たちにもっとふれあってもらおうといったことが必要だと課題があがりました。
 また、大学生も学生のうちから地域の方とふれあうことも必要ではないかなと課題があがりました。

【男性(No.3)】
 連携が大事だという話が出まして、連携はもう当たり前の言葉になりましたけど、まず第一歩を関係者とその気になった人たちで、一歩を踏み出すと。協働がきわめて大事と感じました。

【男性(No.4)】 
 私たちBの組として、10年後のためにということで、テーマを決めさせていただきました。

【女性(No.5)】
 そこで課題を3つ私たちのグループでは出しました。
 まず、1つ目ですが、将来の社会環境に合った教育現場になっていないのでは。これはともかくいろんな今、格差社会ですとか、いろんな社会の状況がこれだけ変わっているのに、正直言って先生方、校長先生たち、それから家庭の場、全然、教育が時代に即していないという課題。
 それからもう一つ、これは私、わりと保護者の立場で言わせていただいたんですが、ともかく子供に生きる力とたくましさというのが、今とても感じられなくて、ともかくそういうのをつけてほしい。今の課題はこれで。そう言いながらもすごく手を出している自分がいるみたいなところがあります。
 それから、多様な子供の教育ニーズに応えられていない。
 すいません。終了してしまいましたので、これは発達障害に関してすごく会話を私たちのグループではしていました。

【男性(No.6)】
 10年後のありたい姿、モットーみたいなかたちになっていますが、教師も子供も親も元気な姿でいられること。すべてに関係する人・物にゆとりを。
 それから、学校を地域のコミュニティの拠点とする。
 それから、グローバルに活躍できる人材育成を目標にということです。

【女性(No.7)】
 それを受けて私たちの方策、アイディアです。
 目の前の事象、どうしても今やらなくちゃいけないことにとらわれないで、子供を長いビジョンで共有して、生徒児童の育ちを見守っていく姿勢が必要なんじゃないかということと、教師、親、社会全体が子供を褒めて、伸ばす目を持って、教えていくことが重要ではないかということになっています。

【男性(No.8)】
 あと2つですが、確かに教員不足しているんですが、増やすんじゃなくて、指導力の高い教師を増やしていく。それと教育環境、とても今悲惨な状態です。
 教育予算もやはり増加していってほしい。
 それと最後ですが、大学の教員養成プログラムなんですけど、今の社会にそして子供たちに合うような実践的なプログラムに変えていく、そういうのも大事ではないかということが出ました。 

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 【Cグループ】

【男性(No.1)】
 Cグループのキャッチフレーズは「学びの問い直し」ということで、学校の本質についての議論がなされました。

【女性(No.2)】 
 はじめに子供の視点の欠如が、今、あるんではないかということで、それはどこを見て仕事を教育をしているのかという学びの問い直しであり、子供の視点で今後の教育のあり方をどう見ていくのか。
 その一番の根本、子供の視点の欠如が今の大きな問題だと思います。

【男性(No.3)】
 学校ということを考えると、学校の本質の一つは、授業であるということで、それが質的に深まっていくような努力が必要ではないかと。
 じゃ、質的に深まるというのはどういうことなのかというところは議論の余地が残るところですが、子供が分かったりとか、新しい発見があって、楽しかったりとか、そういう方向であるということです。

【男性(No.4)】 
 そういうわけで、今のような2つのことを実現していきたいんですが、そういうときにやっぱり教師、忙しすぎるなと。
 もっと子供と向き合う時間を増やしたり、授業の準備をしっかりする時間を増やしたりするのが、今後大事だなと思いますが、その時間、どこから生み出すかということは、また課題だなと思います。

【男性(No.5)】
 熟議のための方策、アイディアですが、1つ目が子供たちのことを考えている公的機関、それからNPO団体、多数あるんですが、そういった地域と学校が連携し、活動、情報を共有していこうという話になりました。

【男性(No.6)】
 先生はとても忙しいと。忙しいのは何でかと聞いたそんな話のつながりに、地域のエキスパートをもっともっと呼んで、それで先生のフォローをしてくれるような人たちを呼ぼうと。不登校だったり、部活動のサポート。そういったものを呼んで、専門家をもっともっと学校に呼び込んでいこうと。
 かえって先生が大変になるかもしれないですけど、その辺は今後の課題ということで。

【男性(No.7)】
 授業の充実やゆとりのある職場として、私たち、教師自身が職場に自己を披歴しながら語り合える、そして受けとめあえる、そういった同僚性を育んでいくことが、授業の充実にも欠かせないだろうということ。
 それから、ゆとりに関わっては一つ、採用試験の見直しも大事ではないかなと。講師の先生方にだいぶご苦労してもらっているこの職場において、そういった方々も採用され、力のある若い先生方が一日も早く採用されていく。そのような状況も大事ではないかなということです。

【男性(No.8)】
 時間の関係で取り上げることはしませんでしたけど、この他に教育格差是正の問題とか、それから防災教育、学校の防災機能を強化しなければいけないといった課題も出されました。
 私たちのグループでは重要な課題に正面から立ち向かったものですから、中々、具体的な対応というレベルではまだ議論が進んでいない部分がありますけど、大変に参考になった熟議だったと思います。

 

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 【Dグループ】

【男性(No.1)】
 チーム「モモチャンズ」のプレゼンです。
 では、タイトルコールをお願いします。

【女性(No.2)】
 私たちDグループ、ダイアモンドのDグループです。
 『10年後へ今から変えよう』
 10年後あっという間に変わることはできませんので、今から少しづつ少しづつ変えていこうではないかというタイトルです。どうぞ。

【男性(No.3)】
 たくさんの問題が出されたのですが、その後について。
 はいお願いします。

【男性(No.4)】
 大まかに分けて教師、学校、子供、親というふうに分かれていたのですけど、一番多く出た意見がですね。
 この3者とも皆協力して理解してやっていこうというのはもちろんなんですけど、先生方も子供も親も皆忙しいと、ちょっと忙しすぎるのではないかという意見がたくさん出ました。
 どうしても目先の結果ばかりとらわれて、どうしても長い目で見てないという点が重要かなというのが出ました。

【男性(No.5)】
 課題を大きく3つにまとめました。
 1 教師と子供と親が多忙
 2 個々では解決できない課題(不登校)など
 3 夢、未来、自己肯定感の欠如
 それに対する対策として3つにまとめたものを読みます。
 1 カリキュラムの大幅見直し
 2 パイロットスクールの立ち上げ
 3 読み・書き・算、基礎力の充実と個性の尊重
 それぞれ具体的なことについて、それぞれの方から説明をしてもらいます。 

【男性(No.6)】
 1番に関してなんですが、画一化されたカリキュラムではなくて、もっと地域とか、学校の特色とか、オリジナルのあるカリキュラムをつくる。
 例えば、午前中は基礎と書いてあるんですが、ここでは学力をしっかりつける。午後は自由活動、芸術、スポーツというのを、教員も地域の方と同じ立場で、ここに地域力の活用とあるんですが、地域の方と教員も同じ立場、あるいは教員も自分の地域に戻って、自分の学校、例えば子供の通っている学校の地域に参加して、午後は子供たちと共にいろんな活動をする。
 そういうカリキュラムもあってもいいんじゃないかという話が出ました。

【男性(No.7)】
 次に、地域の人材の活用、今までの中でもいろいろお話出ましたが、それぞれのところが非常に多忙な状況になっています。
 特に学校の場合もいろんなものが、学校へ集約しているような状態があります。
 そんなことで、地域の人材を活用する。あるいは教師も逆に地域へ出ていくという結びつきが必要ではないかと思います。

【男性(No.8)】
 私は、こっちのパイロットスクールのとこ行きますけど、私は10年たってもちっとも変ってないと思います。
 皆さん一生懸命努力しても、今と何も変わらずに10年が過ぎると思います。
 非常に焦りを持っていますけど、実験的、試行的にパイロットスクールをつくると、カリキュラム自由教育特区にして、具体的なことは今ちょっと触れられませんけど、いずれ知事さんと教育長さんにはまた手紙で出しますので、ぜひ読んでもらいたいですけども。
 そういったかたちで、極めて画期的なものを出さない限り、今のままではどんなに努力しても同じだと。それが私の思いですし、そう皆さんにお伝えをいたしました。

【男性(No.9)】
 私は海外体験の機会を増やそうという、これについて説明しますと、中の自立は外から刺激を受けないと自立しないと、このように思っております。
 長野県は外から観光客を呼ぶんですけど、子供は是非とも海外に出してほしいなという思いがいたします。

【男性(No.10)】
 子褒め条例についてです。
 長野県の小中学生は、中学校卒業するまでに3回、知事の名前の賞状がいただけるという制度で、低学年で1枚、高学年で1枚、中学で1枚、それぞれ学校の方で、その子の良さをしっかり調べて提案していくというかたちです。

【女性(No.11)】
 ダブりますけど、高学年になったら午前中はいわゆる学科を勉強して、午後は自由の時間にして、先生が仕切るのではなく、地域の人も入って、オープンにしてこの学校の中で自由なことをやろうという提案が出ました。

【男性(No.12)】
 最後、最終コールをお願いします。

【女性(No.13)】
 ダイアモンドのDグループでした。
 いきますよ。いきますよ。これを読みますので、ここにたくさん手が書いてあります。手が書いてありますということを頭の中に入れながらいきますよ。
 10年後へ、今から変えよう。オーー! 失礼しました。

 
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  【Eグループ】

【男性(No.1)】
 Eグループの発表ですが、まず最初に今日出ました課題を端的に発表させていただきます。
 それではお願いします。

【女性(No.2)】
 最初の前半ですね。約50分間、私たちは熱気あふれる討議をいたしました。
 具体的に今、子供たちをめぐってどんな課題があるのか。それぞれ保護者や学校の職員の立場で話し合いもしました。
 具体的には子供に育てたい力、どんなことがあるか、あとは先生方、教師の課題としてはどんなことがあるかですね。もうちょっと自己研鑽を積んだらどうかとか。教師の質はいかがか。
 それから子供の課題とすれば忙しすぎる子供たち、またコミュニケーションをもうちょっとお互いにとれたらいいんじゃないか、そんなことが出ました。
 他には不登校のことや、発達障害のこと、特別支援教育も大事だということをお互いに語り合いました。

【男性(No.3)】
 課題が具体的に4つ出てきたんですけど、まず教師の課題についてお話させていただきたいと思います。
 その教師の課題について、学校での教師として、実際にありたい姿として、もっと熱意のある責任のある先生方になってもらいたい。
 そして、自己研鑽を積む先生、実体験に伴う指導、あとモラルの向上も必要じゃないかということが出ました。
 その中でも特に自己研鑽についての話がでまして、校内はもとより、学校以外の場でもっとたくさん研鑽を積んだ方がいいのではないかという意見が出てきました。

【男性(No.4)】
 次に、学校の課題というところに視点を移しまして、連携というところではどのような課題があるのか。
 当然、学校の課題といいましてはいろいろあるんですけど、その中で一つ我々が目をつけたのは、子供を教職員、皆で関わって育てていくということです。
 連携ということが1つのキーワードになっていますけど、例えば今、この場でチームワークしていますが、連携どうだったでしょうか。というのは余分な一言でしたが、まず学校での校内体制の中で職員同士こまめに連絡をとるということ。学校側から各方面へ協力を求めていく以上、まず学校現場で協力を強化することが必要になると考えました。

【女性(No.5)】
 はい、私の方では家庭の課題というのが次に出てきました。
 家庭も1つの社会でございまして、兄弟、これも1つのルールができるわけなんですけど、家庭、子供と向き合うということで、学校ばかりに任せてないで、親、おばあちゃん、おじいちゃん、皆、子供と向き合って、PTAの活動も率先してやっていくということが大事じゃないかと思います。
 そしてまた行政だけに頼らず、NPO、会社、企業が関わっているNPOさんなどの協力も仰いでいったらいいかという課題が出てまいりました。

【男性(No.6)】
 4番、外部への積極的な要請、3番とちょっと重複しますけど、地域見守り隊、NPO等の活用、生活から総合的なる...すいません。時間...。
 でも、まあ私はこの中にも老人会という団体を入れてもいいんじゃないかと。おじいちゃん、おばあちゃんに昔の生活の知恵、生きるための知恵というものを入れてもいいんじゃないかなと思いました。

【男性(No.7)】
 10年後の学校、コミュニティの結節点として地域に力を求める。そして地域の力を受け入れる。そうした学校経営を貫いてほしいと私たちは考えました。以上です。

【男性(No.8)】
 それでは以上をもちまして、Eグループの発表を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

 

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 【Fグループ】

【男性(No.1)】
 それではFグループの発表をさせていただきます。
 皆さん、いいですか。
 せーの!「子供、地域が元気になる仕組みづくり」
 これは私ども、Fグループで考えました『10年後の学校をイメージするテーマ』になります。
 課題とかいくつかあげられたんですけど、その課題を集約したものとしまして、3点あげております。
 まず、1つ目なんですけど、住民とか地域の中で相手意識、それから自己有用感を抱けるような学習の場をつくっていくべきではないかと。ちょっと提案的なことも入れておりますけど、「地域科」というものを提案したいと思っております。この科の部分赤く○がついておりますけど、科目の「科」です。国語科ですとか、体育科と同じように地域科という学習の場を設けたいなという提案になります。

【男性(No.2)】
 はい、続いて課題2となります。
 ともかく子供たちや家庭の実態の把握をきちっとしなければならないんじゃないかという課題です。

【男性(No.3)】
 続きまして課題の3として、今までやってきた学力の定義ありますけど、それに加えて新しい学力の再定義が必要であろうということが出てきております。

【女性(No.4)】
 私たちは10年後、これから目指す子供、地域像について考えました。
 これらの課題を考えまして、地域、町そのものが学校、学びの場となる、そんな地域を考えます。
 例えば、子供たちがアルバイトをします。その就職先、雇用先、そこも学びの場というように考えます。地域全体で子供を育てられないか。そしてそこに携わる子供、住民、親、教師、生徒も皆、この学ぶ生徒である。学びあう地域というふうに考えます。
 そして、子供たち、地域を支える子供、学力の再定義という話になりましたが、子供たちが共感するためのコミュニケーション力、そういったものを持つ、そういった学力を持つ、そんな子供、いずれ地域を支える郷土愛を持つ、地域とつながったそんな子供、子供像を考えました。

【女性(No.5)】
 はい、具体的な方策、アイディアとして、講師の枠を超えた異年齢交流の学習活動、保育園や幼稚園に行って、読み聞かせなどをする。
 そのような活動があったらいいんじゃないかということが出ました。

【男性(No.6)】
 はい、先ほどから各チームでも出されてますけど、教師の学校現場の構造化、分業化、チーム化というところが、やはり大切ではないかということがあげらてます。

【男性(No.7)】
 次は、お金の話になります。
 日本は先進国の中でも、もっと具体的にいうと、OECD加盟国の中でも教育の予算が非常に低い。本当に下の方にランクされています。
 そこから、しっかりと行政、国の方からお金をしっかりといただいて、せめて先進国並みの教育予算をつけていただきたい。こんなことを考えました。

【男性(No.8)】
 家庭支援の再構築、療育センターの充実

【男性(No.9)】
 以上です。ありがとうございました。

 

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【司会】
 限られた時間の中で熱心なご議論と発表をいただきまして、本当にありがとうございました。
 せっかくの機会ですので、限られた時間内ではありますけど、お集まりいただいた皆さんから、ご意見、あるいはご質問ありましたらお受けしたいと思います。
 挙手をいただければ、マイクをお持ちしますので、差し支えなければ、お名前、職業などおっしゃっていただいて、ご発言いただければと思います。
 大変恐縮ですけど、ここでも簡潔にご発言いただければと思います。

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 <参加者からのご意見等>

【男性(No.1)】

 「トス(TOSS)」という民間の教育運動で活動しております。
 今こちらに発達障害の子が自分のことを夏休みの自由研究にまとめた冊子があります。その前書きをちょっと読ませていただきます。
 「発達障害についてやろうとした理由、障害は目に見える体の不自由なら、すぐ皆に障害があるんだとわかります。目の不自由な人、耳が不自由な人も障害があるやつだとわかってもらえます。広汎性発達障害は変なやつ、ウゼーやつとしか思われません。僕は僕の障害のために皆にそう思われてきました。でも障害から起こる僕の問題行動のため、嫌われ者になっただけでした。障害のことをわかってもらうことはできませんでした。小学校6年間、へんてこな障害のため、僕はずっと苦しかった。自分でどうにもならないのにわけわからなかった。だからみんなにわかってもらえないなら、先生方には伝えようと思いました。」というようにまとめました(発言に基づき文書化しましたので、原文とは異なる部分があります。)。
 この冊子を実は、阿部知事が昨年の県庁の仕事納めの会で紹介していただいたんですけど、この本を基とした研修がすべての長野県下の学校で行われることを願っています。手前味噌ですけど、先日、三陽中学校に呼ばれて、この冊子を使った研修を行いました。
 発達障害の子は医療の世界では10%、それに似たような周辺の子がその3倍いるといわれています。
 例えば、教科書を出して25ページを開いて3番をやります。このことができないんです。でもこのことができないだけだから、教科書を出しますよ。ああ出したね。お利口だね。1個1個やればいいだけなんです。そういった子のためにも是非ともこの研修を広げたいと思っています。

 

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【女性(No.2)】

 長野市内の小学校で担任をしています。先程、グループの中で質問されて、私は答えられなかったことを、是非答えわかる先生教えていただきたいです。
 教員の中で研究授業というものが行われています。年1回、どこかのクラス1クラスぐらいで行われます。その授業には主事さんという長野県で、そのやり方とか、子供たちの様子から指導する先生が来ていただきます。普通の授業だったら、教科書を使って子供にわかりやすく教える。だけど、研究授業になるとそういう授業じゃダメだということで、結局違うことをやらなければいけないということが現実にあります。それはなぜだと私聞かれたんですけど、同じ教員として、「なぜだ」に答えられなかったんです。誰か答えられる方がいたら是非教えてください。

 

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【男性(No.3)】

 私も今は高校の教員ですけど、中学でも研究授業しましたけど、結局、学習指導案というフォーマットをデーターベース化したものが、研究授業の指導案だと思います。 
 他の先生方がその同じ指導案を使って、授業ができるようにするための共通のフォーマット、それが指導案だと私は考えておりました。だからそれを見ながら授業をすることによって、同じような成果が得られるというためのものだと思います。

 

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【男性(No.4)】

 小学校で1年生を担任しております。
 研究授業ですが、私自身はこの作った指導案ですべての学級等で、それをやればそのまま授業ができるというようなことは一切考えておりません。
 目の前の子供たちと私との関係の中で、授業が作られていくわけで、これが子供が変わって、また担任変われば、同じように流れていく、もし同じように流れていかないとすれば、やり方等を変えていくとかそうではなくて、いったい子供は何を求めていたのか。この子たちのやりたいことは、何だったのか。子供に帰っていく。
 そして、授業案・指導案一生懸命作りますけど、そこを見て授業を振り返ったときに、やはりここに子供たち今どうしていたのか。何をしたかったのかという自分自身を振り返る自己研鑽、自己を高めていくためのあくまでも研究授業であるので、内容がこれでなくてはいけないとか、教科書の内容からはずれたもの、教科書以外のものじゃないといけないとか、そういうことは一切考えなくて、私はやっていて、もちろん教科書の内容でも全くかまわないと思いますし、そこに教師がどんな願いやメッセージをこめて、子供に向き合って授業をしていくのか。
 そして、振り返ったときに自分はそこで何を学んだのか、子供に何を教えてもらったのかという視点で、自分が少しでも高まればいいなと考えています。

 

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【男性(No.5)】

 先程の教科書を使う、使わないの話ですけど、どういういきさつでそういうふうな話になったかわからないですが、私も先程の先生と同感なんですけど、このクラスでこの子供たちのこういう課題意識があって、教師がこういうつけたい力があって、そういう思いの中で、題材、そういったものを選んでいくわけですから、教科書、それから教科書じゃないものをやらなきゃいけないという、そういう分け方というのはないような気が私もしています。
 そして、そのクラスとその先生でしかならない授業であると私も思います。
 同じテキスト、同じ国語でも、文学作品でも学んでいっても、そこにいる子供の課題意識、子供たちの考えというのが、関わってきますから、全く同じ指導案で同じ授業というふうにはならないのではないでしょうか。学習指導案というのは、あくまでも授業される先生のものであり、子供のものでありというふうに私は考えます。以上です。

 

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【女性(No.6) No.2再発言】

 私が言いたかったのは、教科書使う使わないとか、例えば指導については、自由でいいんじゃないかと思うんです。
それをこうじゃなきゃいけないというのが、私は良くないと考えています。
 一番、私は子供に力をつける授業が教科書を使ってやることであれば、それを推進すればいいと思うし、そのクラスの実態によって、すごくめちゃめちゃできちゃって、応用的なことが必要であれば、それはそういうふうにすればいいというふうに自由度が必要だと思います。それこそが学校の閉鎖性をなくす一つだと考えています。
 ご意見いただけてよかったです。ありがとうございました。

 

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【男性(No.7)】

 小学生の親です。今日、初めて参加させていただきまして、やはり改めて親の背中を見せるというんですかね。そういったことが大事かなと改めて感じさせていただきました。
 そんな中で、私ども学校の先生方も本当に子供たちに前向きに向いてくれているんですけど、子供たちのわからないところ、一つ一つ、休み時間に教えていくんですね。そうしていくと、先生方のやることたくさんあると、私いろいろ知っているんですけど、そうすると、8時9時、本当遅い時間まで、先生方がそれを終わらせるようにやっているということが、本当に先生方にとって、すごく大きな仕事量になっているのかなと思います。
 もしかしたら、そんなことは言ってはいけないのかもしれませんけど、やめてもいいような衝動、もしかしたらこうあるのかなというのをすごく感じています。アメリカですと、先生になりたいという子供たちが8割以上いるんですね。
 これを日本に置きかえてみますと、20%程度しかないというのがございまして、今日参加された先生方は本当に子供たちのことを考えていただいてますけど、こんな先生がどんどん増えるように何かできたらなといいますか、これは行政の方のお力をお借りして、そんな先生をどんどん増やしていっていただきたいなと思います。

 

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【男性(No.8)】

 信濃町から来ました一般の者ですけど、これちょっと希望なんですけど、今、長野県では子供権利条例に向かって動いていらっしゃると思います。
 それについてもですけど、今の教育現場、非行問題、不登校、発達障害、学習障害、いじめ等々、いろいろな問題があると思います。大変だと思います。
 でも、子供の目線でお話をしていただきたいと思うんです。「子供のびのびネットワーク」の私ちょっと会員なもので、毎回入ってくるんですけど、それ見てるんですけど、どうも大人本位の考え方で、子供抜きにしたような考え方で進んでいるような気がしてならないんですよ。
 そして、私の子供が今いじめ問題で不登校です。
 それで、県の方、町の方、学校側と話もしているんですけど、どうもそれぞれの皆様の地位ですか、そこからの目線でしか解決策を見いだせないような感じがするんですね。
 どうか何事も子供本位でお願いしたいんです!! すいません。

 

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【男性(No.9)】

 本日はこの会に参加させていただきまして、ありがとうございました。
 私は学校職員でありますが、ふだん研修会ですとか、そういう場合、学校関係の中だけの研修会、これ非常に多いわけであります。
 ただし、今日はこういう会に参加させていただきまして、本当にこういう会に参加させていただきまして、一般のお母さんであったり、主婦の方、お父さんであったりしまして、話し合いの中からも学校現場で常識として考えられていることも、一般社会に立ち返ったときはいったいどうであろうかとか。それから先生方も教育現場以外の場で研修を積まれたらどうであろうか。
 それから、先生たちには熱意のある先生であってほしいというような、学校の中から離れた声をお聞きすることができました。やっぱりいろんな立場の方からお話をお聞きする、非常に大切なことかなと考えさせられました。ありがとうございました。

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 閉会あいさつ

【長野県 教育委員会教育長 山口利幸】

 皆さん、ご苦労様でございました。長時間にわたりまして、熱心な討議がそれぞれのテーブルで行われておりました。
 私、熟議形式のこのタウンミーティングは2度目でございます。
 今日も感じたわけでございますけど、この教育に関心のある、あるいは是非発言をしたいという方が、一堂に会しまして、それぞれの立場を越えて、この議論する。あるいはこの課題を出し合う。あるいはそれを整理し合う。こんな時間が実に、えっ、もう時間かなというぐらいにあっという間に過ぎてしまいました。
 まだまだ、例えば、私どものグループではいろいろ課題は出ましたけど、十分この問題についてとことん語りつくす、議論しつくすというところまでもちろんいっておりません。いっておりませんけど、それぞれの方がどういう気持ちでその発言をしているかと。その熱い気持ちとか、あるいは切羽詰った気持ちでありますとか、あるいは将来を見据えた気持ちでありますとか、様々な気持ちがはっきりその言葉に入っておりまして、そういった意味でこの熟議の持つ力と申しますか、そういったものを改めて、今日も感じたところでございます。
 教育の問題は、私いつも思うんですけど、例えば私が人は正直であらねばいけないと言ったとします。ちょうどこの言葉はブーメランのようにぐるぐるっと回って、また自分のところに戻ってくるわけであります。教育の持つ厳しさというのは、一つそこにあろうかと思います。
 つまり、そういう部分を子供たちは非常に純な目で見ているということでございます。もう一つは今まで教育は、学校の専売特許、あるいはお父さん、お母さん方の一番の仕事、子育てが終わればこれでもう卒業と。あるいは学校を卒業すれば、これで一安心と。こういったことが通用した時代もございました。
 しかし、今日の発表にありましたように、中々今、この教育の問題が教育だけで捉えられる時代はもう過ぎ去ったと言ってもいいかと思います。
 もう一度、この福祉の面から、あるいは社会の在り様の面から、あるいは子供のそれぞれの素質をどうやって伸ばすかという、本来のことから、もう1回捉えなおして、学校というものがどういうかたちになっていかなきゃいけないのかということを、それぞれのところで知恵を出し合う。ズクを出し合う。汗を流し合う。こういったことが是非必要だと思っております。
 そういった意味でこの熟議形式は中々優れものだと思います。
 この形式によるこの議論が、例えば学校ごとに行われるようになればなというような思いもありますし、あるいは学年でもクラスでも結構でありますし、あるいはちょっとした育成会なら育成会という地域の集まりの中で、そのようなこともできてもいいなというふうな思いもいたします。
 いずれにしてもここに参加された方、それぞれの思いを感じたわけでございますので、是非、当事者の一人として、それぞれまた現場、生活の場に戻っていただいて、ここでのものを近隣の方に広げていただければと思っております。
私、教育長という立場でありますけど、今日は一個人としての発言もずいぶんさせていただきました。また教育長として、皆様方の発表見てて、受けとめなきゃいけないものたくさんいただきました。
 そんなことも含めて御礼申し上げたいと思っております。ご苦労様でした。

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【長野県知事 阿部守一】

 はい、どうも皆さん、お疲れ様でした。先程、信濃町の方ですかね。子供本位でというお話ありました。これ行政に携わる者、教育に携わる者、全員が共通に心しておかなければいけない話だなと思っております。
 こうやってタウンミーティングというかたちで、いろんな方に集まっていただいて、私とか、教育長も、あるいは教育委員の皆さんも一緒に輪に加えさせていただいているのも、立場を越えて、要するに私は何とか学校の校長だからとか、私は知事だとかですね、そういうことをやっていても多分らちがあかないと。その枠組みを越えて知恵を出し合って、協力していくということ抜きには、本当に子供たちに寄り添うかたちの教育はできないだろう。地域社会できないだろう。そういう思いであります。
 当然、この場をさらに一層進化させて本当に子供たちが明るく伸び伸びと元気でいられる長野県づくりのために役立てていきたいなと思っております。そういう意味で今日、皆さんからいただいた意見は、あとでまとめてもらえるのかしら。我々も教育委員会も共通認識を持つようにしていきますし、先程も話ありましたけど、私も今までの延長戦で教育やっていても、10年後もまた同じじゃないのかなという感じを強く受けています。
 それはなぜかというと、学校の先生方も一生懸命やっています。保護者の皆さんもこのままでいいのだろうかというふうに、悩みを抱えている。行政も自分たちのことあまり言っちゃいけないですけど、限られた予算ではありますけど、なるべく子供たちにいい方に振り向けているつもりですけど、どうも全体として足し合わせると、やっぱり日本の教育というのは問題多いじゃないかというのが、今日の皆さんのお話を聞いていても、実態ではないかなと思っています。
 それは何が問題なのかということを私なりに考えると、先程、Aグループの皆さんのとこが、ちょっと私、今日は若干、自分の発言を言い過ぎたなと思っているんで、ちょっと反省していますけど、Aグループ、学校教育の閉鎖性というかたちでタイトルつけていますけど、かつての教育行政なり、学校教育というもののベクトルとおそらく社会全体のベクトルというのは合っていたんじゃないかと思います。 社会が高度経済成長で、皆サラリーマン化して、いわゆる物質的な豊さを求めていこうということを、世の中の共通目標にしていた時代の教育というのは、皆同じようなことをやって、同じような勉強をして、一定程度の学力レベルを持った子供たちを、ある意味でこういう言い方すると語弊があるかもしれませんけど、大量生産することによって、日本の経済を支えてもらったということで、社会全体の求める方向性と教育の在り様というのは、実は整合性が取れていたのではないか。
 ところが、世の中の価値観も多様化していく中で、本当に家庭環境も皆貧しいところから頑張ろうねという時代は、程度の差こそあっても、皆大変な思いをしていた時代は、そんなに家庭の問題でも多分顕在化してこなかっただろうと思いますし、しかしながら、今やそういう家庭環境も本当に様々になりましたし、どういう子供に育てたいかという保護者の思いというのも実は多様になっていると。日本全体も何を目指してこれから我々の国をつくっていくのか。社会をつくっていくのかということが、非常に不明確になってしまったと。そういう中で、教育にだけ何とか頑張れと言っても、実は難しいんじゃないかと。そういう意味で私は実は社会全体のベクトルがややはっきりしていなくなっているということと、それから教育行政のベクトルと社会のベクトルがどうもきっちり合っていない状況になってしまっているのが今の子供たちを大変な環境においてしまっている要因ではないかというのを、Aグループの皆さんのお話を聞く中で、今日思ったところであります。
 これは学校の先生方だけの力で、もちろん、学校の先生方に頑張ってもらわなければいけないこと多いわけですけど、中々解消できないことも実は多いんじゃないかな。先程、質問されて、私がちょっと聞いたんです。学校の先生方、「自由度、なぜないの。」という話をさせてもらったんですけど、私は学校の教育についての画一的であるべき部分と多様性を持たせるべき部分、あるいは柔軟にやるべき部分の在り方というのは、実は非常に難しい問題だろうなというふうに思っております。
 今までは日本全国同じことを勉強していればそれでよかった時代だったんで、あんまりそこのところは突き詰めて考えてこなかったんじゃないかと思いますけど、これからは先程も例えば、もっと地域にいろんな人材いるんだから、そういう人たちを先生にしたらという話もありましたし、せっかく長野県、農業県ですぐ近くに田んぼも畑もある。そういう人たちを先生にして、あるいは講師にして教えないのという話もありましたけど、今やどこまでをベースの教育にして、どこまでを市町村単位、あるいは長野県も国の一部ですけど、長野県独自に決めるのか、あるいはどこから先は市町村独自でいいのか、あるいはここから先は学校とか、場合によったらクラスの先生が頑張って柔軟にやったらというところを、改めて考えていかなければいけない時期にきているのではないかなと思っています。
 そういう意味でカリキュラムの在り方を含めて、あるいは学校の在り方を含めて、そもそも論のことから考えていかなければいけない時代がまさに今、あるわけでないかという問題意識を私は今日改めて強く持った次第です。
 今まで、どっちかというと私は地方分権をどんどん進めるべきだと思っていますが、とりわけ教育の部分については、文部科学省で学習指導要領を決めて、そこが物事のすべての起点になっていると。今までは多分それでうまく機能していたんだと思いますけど、実は先程も話し合った子供の起点、あるいはそれぞれの地域社会を起点にもう1回教育というものを見直していく必要があるし、必要どころか、そうしていかなければ、本当に子供たちにとっての、望ましいかたちの教育環境というのはできないんじゃないかと思っています。
 ちょっと大きな話になってしまいましたけど、こういうかたちでいろんな皆さんのご意見を聞いて、そこで終わりということにしてしまってはいけないんだろうなと思います。
 教育委員の皆さん、あるいは私とか、専門的に教育行政、教育の在り方について考えている皆さんと、今皆さんから出された問題意識を踏まえて、本当にどうしていくのかというのを真剣に考えていかなければいけないということを改めて今日は認識をいたしました。とはいえ、大きな制度、仕組みのところだけが子供たちの教育の問題ではないわけでありまして、それぞれの地域社会、それぞれの学校でまだまだやっていただけなければいけないことあると思います。
 大きな仕掛けとか、大きな仕組みの話は私がしっかりと考えていかなければいけない問題だと今日伺っていましたけど、それと同時に一人一人の子供たちは、今でも発達障害の子供とか、不登校の子供とか、非行に走っている子供とか、悲鳴をあげている。声なき声をあげている子供たちいっぱいいるわけでありますから、是非そうした子供たちにもしっかりと手を差し伸べて、目を向けていただきますことを、私からお願いするまでもないかもしれませんけど、お願いいたしまして、ちょっとまとまらない話になってしまいましたけど、改めて長野県の教育を是非県民の皆さんと一緒になって、変えていきたいという決意を申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

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