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更新日:2013年8月18日

平成23年5月21日開催 県政タウンミーティング資料

テーマ:『10年後の学校を考えよう』

日時・会場

  • 平成23年5月21日(土曜日)15時30分~18時45分
  • 松本合同庁舎講堂

会議録

 目次

本文

 事前説明

【司会】

 皆さん、大変お待たせいたしました。本日はお忙しいところ、「県政タウンミーティング」にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日司会を担当します、広報県民課の角田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、本日の進行につきまして若干説明をさせていただきます。

最初に、阿部知事からご挨拶を申し上げまして、その後に、「10年後の学校を考えよう」をテーマに熟議形式により議論をいただきます。

熟議には、阿部知事、それから県教育委員の伊藤委員、高木委員、それから山口教育長、企画部の小嶋次世代サポート課長がそれぞれのグループに加わりまして、皆さんと一緒に議論させていただきます。

 熟議が終了しましたら、短時間ではございますけれども、本日お集まりの皆様からご意見等を伺いたいというふうに考えております。

それから、本日のこの会のグループ発表と、それに続きます意見交換の会議録につきましては、お名前などの個人情報を除きまして、後日県のホームページに公開させていただきますので、あらかじめご了解をお願いいたします。

 最後に、皆様のお手元に資料をお配りしてございます。

 このうち、特に今回の「タウンミーティングに関するアンケート用紙」につきましては、今後参考にさせていただきますので、終了後回収箱に入れていただきますようお願い申し上げます。

 私からは以上でございます。

それでは、阿部知事よろしくお願いいたします。

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 開会あいさつ
【長野県知事 阿部守一】
 皆さんこんにちは。今日は熟議の参加者の皆さん、そして傍聴される皆さん、お忙しい中こうやってお集まりいただきまして、まずはありがとうございます。

 今回、「県政タウンミーティング」という形で、私は7回目のタウンミーティングとなるんですけれども、これまでNPOの問題とか環境の問題とか、いろいろな地域でですね、県民の皆さんと意見交換をさせていただきましたけれども、私、県政全般を県民の皆さんと共に創る、共に働く、共創、共働で作り上げていきたいというふうに思ってまして、タウンミーティングもですね、私が皆さんから質問を受けたり、意見を出していただいて、私が回答するという通り一遍みたいな話では次に繋がり難いかなというふうに思ってましたところ、文部科学省でですね、この熟議方式ということで、いろんな議論、これはいろんな自治体とかいろんなNPOの皆さんが中心になって実績を積み重ねていらっしゃっているということを聞いて、教育の問題についてはですね、是非、熟議方式でできないかということで考えて、文部科学省からもアドバイスをいただきながらですね、こういう場を作らせてもらいました。

 行政が関わっている仕事というのは、大勢のいろんな立場の方が関わっていることが勿論多いわけですけれども、私はこの教育の分野は、とりわけ、本当にですね、関係者の方が多いと思っております。

 私のような行政の中でも、例えば、教育の予算を編成する権限を持っている、そういう立場であるわけですけれど、同じ行政でも教育委員会という組織があったりとかですね、あるいはその行政も、国があったり県があったり市町村があったり、みんな教育に関係していると。

 行政の中でも関わっている人、いろんな立場の人がいます。更に県民の側に行けば、いろんなNPOの取り組みをされている方もいれば、子供たちの保護者の方もいれば、更には地域でですね、やっぱりこの学校をなんとか良くしていきたいというふうに願っていただいている、あるいは、実際に子供たちのために行動していただいている方々もいらっしゃいます。

 更には、本当に学校現場を一生懸命支えてもらっているのは、学校の先生方だと思いますが、やっぱりこういういろんな関係者がですね、一堂に集まって議論する場というのが、本当はもっとなければいけないんじゃないかと思っています。私はいつも言っているんですけれども、私のところにも子供たちのことで、ご要請に来ていただく方は多いですね。多いですけれども、こういう言い方をすると怒られるかもしれませんけれども、行政も縦割りですけれども、県民も縦割りだと正直私は思っておりまして、NPOの人たちが来ればNPOの人たちだけ、学校の先生方は学校の先生方だけ、PTAの方たちはPTAの方たちだけ、とかくですね。とかくそういうことになりがちで、全てがそうだとは言いませんけれども、どうしても何となく、自分と同じ属性の人というか、自分と同じ立場の人とは年中コミュニケーションをするけれども、ちょっと立場が違う人たちとコミュニケーションすることが比較的少ないし、なかなか逆にそういう場もないのかな、というふうに思っています。

 今日はある意味で、私としてはスタートだというふうに思っていまして、この教育について、いろんな関係の皆様方、公募の皆様方にも加わっていただいてですね、是非、前向きな議論をしていきたいと。

 今回のテーマは「10年後の学校を考えよう」ということにさせていただいていますけれども、もちろん、今、学校現場の問題とか、子供たちの直面している課題というのは、大変大きな問題、あるいはなかなかその現場だけでも変えられない、あるいは子供たち、あるいは保護者の力だけでは変えられないという大きな課題がいっぱいあると思いますけれども。

 私は是非、当面する課題に対応していくためにも、実はもう少し枠組みを広く取ってですね、これからの将来に向けて、学校はどうあるべきかということを考えていかないと、直面している課題に対してもですね、実は適切な対応ができなくなってしまうのではないかというふうに思っています。

 そういう意味では、いろんな課題をどんどん出していただけるということはもとよりですけれども、できる限り未来志向でですね、学校のビジョン、どういうふうにあるべきなのか、もちろん主役は子供たちでありますから、我々は子供たちに対してどういう教育環境を本当に提供をしていけばいいのか、そういう前向きな議論をですね、行っていただけるとありがたいなというふうに思っています。

 私があんまり長く話してもしょうがないんで、これぐらいで切り上げますけれども。今日は私はネクタイもしないでこういう格好で来ております。ご承知のとおり、浜岡原発が止まってですね、中部電力管内は今は原子力によらない電力供給がなされているという形になっています。

 夏場に向けて、中部電力も更に電力の確保にご尽力をいただいているわけですけれども、今の見通しからすれば、需要を供給力の方がやや上回っているという事で、東京電力の管内のように、たちまち計画停電をしなくてはいけないというような環境にはないわけでありますけれども、しかしながら、夏場、1℃温度が上がれば80万キロワット電力が必要になるというふうにも言われております。これから夏場に向けて、私は県民の皆さんのご協力をいただきながらですね、省エネルギー・省電力を努めていきたいというふうに思っております。是非、今日、若干暑いところもあるかと思いますけれども、引き続き、ご支援、ご協力いただきたいと思いますし、中長期的には、自然エネルギーを中心にした地域分散型、私は地方分権を行政でも進めなければいけないと思っていますし、それと同時に食糧需給であるとか、あるいはエネルギーとかですね、そうした行政以外の分権ということも、本当に安心して暮らせる、身近な顔の見える環境を中心にしていく、そういう社会を作っていくためには不可欠だというふうに思っておりますので、長野県も自然エネルギーの普及拡大にこれから重点を置いて取り組んでいきたいと思っておりますので、そうした観点でのご協力も、ちょっと今日のテーマとはずれますけれども、まあ暑い中でこうやってお集まりいただいておりますので、併せて申し添えてお願いを申し上げまして、簡単でございますけれども、私の冒頭のあいさつとさせていただきます。

 どうぞ今日はよろしくお願いいたします。

 

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【司会】

 続きまして、今、お話にもありましたが、熟議の取組みにつきまして、全国で展開していらっしゃる文部科学省から、板東生涯学習政策局長さんにお越しいただいておりますので、ごあいさつをいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

 

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【文部科学省生涯学習政策局長 板東久美子】

 皆様こんにちは。

 ただいまご紹介いただきました、文部科学省生涯学習政策局から参りました板東と申します。

 本日は、先程知事の方から、今日はある種のスタートだというお話がございましたけれども、そういった新しい形のタウンミーティングのスタートということに、我々参加をさせていただけて大変光栄に存じているところでございますし、大変大きな期待を持って、今日はここに来させていただきました。

 先程、知事からも文部科学省で熟議というのをやっているので、それを何とか取り入れてみたいというお話がございましたけれども、実は文部科学省で熟議というのをしだしましたのは、昨年の4月の半ばからでございます。

 今、副大臣をやっております鈴木副大臣が、元々慶應の湘南藤沢キャンパスで先生をやっていたときから、様々な民主主義、民主主義のこれからの在り方というのはどういうもの何だろうかということを研究・実践する中で、やはり国民がいろんな形で参加、参画をしていく、そういった新しい民主主義の在り方ということで、熟議の民主主義ということを盛んにテーマとしておられたわけでありますけれども、それをひとつの形で、教育政策の形成とか実践の中で実現していくことができるのではないかという、副大臣のそういった提案の中から形ができてきたものということであります。

 昨年の4月の16日にネットによります熟議掛け合い、というネット上の熟議、熟議と言いますのは、あまり難しく考えていただくことはないんですけれども、多くの当事者の方々が熟慮し、議論すると。それを深めていく、ということでありますけれども、ネット上でやるというのをスタートさせるとともに、文部科学省で120人くらいの方、いろんな方々に集まっていただいて、リアル熟議、これは今日やっていただくのも、まさにリアル熟議ですけれども、実際にいろいろな当事者の方々に集まっていただいて議論しようということも、その日スタートさせたわけであります。

 そして、その後全国で、3月の終わりくらいまでにも、80箇所以上というとこでやりまして、ちょっと震災の関係で延期をしたりしたものもございますけれども、かなりいろんな分野、それから各地で今、こういう取組みが広がりつつあるというところであります。

 先程、知事からお話がありましたように、まさに私自身もいろんなところに出かけさせていただいて、参加をさせていただいた実感としましては、最初は文部科学省の方も、どちらかと言えば、今まで審議会でいろんな意見を専門家の方々とか、いろんな分野の方々からお聞きをするということはあったけれども、もっといろいろな現場で実際の当事者の方々に議論していただく、それを吸い上げていく新しい政策ケースの在り方というのを考えていくべきでないかということでスタートさせたわけでありますけれども、実はもっともっと大きな効果、作用、機能というのがあるのではないかということが本当に明らかになってきました。それが今、申し上げましたような、非常にそれぞれのプレイヤーが何をするのかということを具体的に考えていくプロセスとして、非常に大きな効果を持つんじゃないかと。

 それから、先程、知事のお話にも出ておりましたように、いろいろな立場、当事者の方々がそれぞれ今までなかなか一緒に話しをしたり、相互に理解をするという場というのが、なかなかそういうふうなのがなかったと。そういうフラットに議論をし、お互いの様々な課題の議論の中で理解をすると、それからそれぞれ違う形の気付きというのが生まれてきて、課題に対してどういうふうにそれぞれのプレイヤーが取り組んでいったらいいのか、あるいはその政策上、例えば自治体、あるいは国に対してどういう新たな政策が必要なのかということを含めまして、いろいろなプレイヤーがやるべき事柄ということが段々明らかになってくると。

 そして、その事が次からの実践、それぞれの家庭であったり、地域であったり学校であったり、そういった実践にまさに繋がっていくということを実感したわけであります。

 例えば、ある学校で行われたものは、その後もこういうやり方をまた、更に続けていこうということで、そこで出された課題を次からは具体的な取組みとして、何をしていくかということにまで高めていったというようなこともございますし、市の基本計画の中に、その中から盛り込むような事柄も出てきたというようなこともあります。

 そういう、政策形成の具体的な活用ということは別にしましても、まさに、それぞれの学校を良くしていく、地域を良くしていく、それぞれの子供たちを本当に良い形で育てていくということのための実践ということに繋がっていくものであるということを、本当に大きく実感をさせていただいているところであります。

 今日はそういうことで、大変長野でキックオフされるということで楽しみに参りました。そしてちょっと個人的なことも含めまして、今日は大変期待を込めて来させていただいたわけでありますけれども、実は私は松本に子供時代に1年半住んだことがございまして、中学校の3年の時から高校の1学期と松本深志に入って、残念ながら父親の転勤でまたすぐに他に行かざるを得なかったわけでありますけれども、その時に非常に信州の教育というものを、短い期間でしたけれども、大変強く、私自身の血となり肉とさせていただいたというふうに思っております。

 よく教育県と言われるわけでありますけれども、特に信州の教育として私自身が非常に印象に、深く思いましたのは、やはり、自分で考えさせる教育ということ、そして議論を積極的に行うという中で、他の方々と意見のやりとりをしていくという中で、考えを深め、そして自分で考えて行動するということを、大変大事にしている教育だということを印象付けられたわけであります。

 今日、そういう意味で、まさに、この熟議というのはこの長野県のまさに最も先導的に展開しうるような形の取り組みではないかというふうに思っているわけでございます。 

 一方、教育県という中でも、長野県もいろいろな悩みがあるということも、かねてからお聞きをしているわけであります。

 今日、そういったことも、いろんな角度から出てきて、また先程のお話のように、未来志向で新しい取組み、政策といったところに繋がっていくことを、本当に心から期待を申し上げるというところでございます。

 ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、今日はそういうことで、私自身も各グループの議論を是非しっかりと聞かせていただきたいと思っております。本日の会が、本当に大きな成果を挙げられることを心からお祈りをさせていただきまして、私のごあいさつとさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

 

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【司会】

 ありがとうございました。

 熟議の方ですけれども、休憩を挟みまして、前半・後半に分けて、各グループのファシリテーターによりまして、前半50分は課題の抽出、後半50分は解決策を議論していただくということになっております。

 終了しました後、10分間の休憩を取りまして、グループごとに議論の内容を発表していただきます。

 傍聴される皆様方には、熟議の様子をご覧いただくために、席を自由に移動していただいて結構ですけれども、議論の妨げになるようなことだけはご遠慮いただきたいということでございますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、これより熟議に入ります。

 よろしくお願いいたします。

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 ~ 「熟議」 ~

 ・5グループ(A~Eグループ)に分かれて、前半は課題の抽出、後半は解決策についてグループ毎に

 議論していただきました。

 

 

【司会】

それでは、お時間となりましたので、これから発表に移らさせていただきます。

 Aグループから順番に発表をお願いします。

 マイクをお持ちいたしますので、発表される方はホワイトボードの前で5分以内で簡潔に発表をお願いしたいと思います。

 よろしくお願いします。

 

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 <グループ発表>

 【Aグループ】

 皆様、お疲れ様でございます。

 この方たちの、阿部さんをはじめ、多くの方の結果がこういうふうになりました。

 ただいまから発表いたしますが、私自身がどういうふうに議論をして、どういうふうに方向付けをするんだろうと、非常に悩むと言っては大袈裟ですが、そういうことできましたが、私は成果は大いにあると思っています。

 そして、こういうものをもっともっと広げ、深堀りすることが10年後の学校を考える結論に考えます。

 私どものAグループとしては、切り口を地域ではどうか、それから教師はどういうのが望ましいだろうか、あるべき姿ですね、いずれも。それから、安心の場として学校はどうするべきか。それから学校の多様性、それから教育内容、教育行政の在り方等々、これを切り口にいたしまして、KJ法、あるいはワークショップ、そういうスタイルで進めたつもりです。特にメンバーから強調せよ、ということがありましたので、忘れないうちに赤印をさせてもらいましたが、本当のことを話す、事実を話す、そして悩みを、「悩んでいるんだ俺は」というSOSをみんな出す、あるいはそういう場を作る、そういうことを増やす、そういう雰囲気作りをする、そういうことを設定する。

そういうことが私は、阿部さんの権限でやっていいと思いますから、権限を充分使わさせてもらいます。SOS、それからこれは、安心確保とか雰囲気作りに勿論関係いたします。

 それで課題解決をこの切り口を基にして、皆で見事にこれが出ましたね、そしてもう、出すのが早くしないとこれは遅れるぞというくらい、盛り上がりましたから、私はね、凄いと思いました。

それから地域としてはですね、祭り。いいじゃないですか。好きな人が祭りは集まるんですよ。私は、やらされていると思っているうちは絶対その事は、成功いたしませんし、多くのそういう方を見てきました。

 やらされているうちは、絶対に成長しませんし、止めますよ、途中で。趣味の世界がそうでしょう?お金が絡まない、皆で上下の差がない、だから続くんですよ。それで効果があるということになるんですよ。

 それから、家庭の教育では親。それから、教育行政の方から、長野県の予算をもっと議論しよう、高めよう、キャリア教育ですね。山岳ガイドを今やっていて、この人が現役の教育を今頑張っている、それを皆で、地域でね、足を引っ張るのではなくて、いい人の芽をもっと皆で伸ばしてやる。そんなケチつけてね、こき下ろすなんていうことは簡単ですよ、それがいじめですね。

 それから人格教育。それからわかる教育をすること。コミュニケーションの能力、体得する。

 教師について、私は阿部さんの方からもですね、社会人を作る。それから、これは私の持論ですって、あんまり言っちゃいけないね、大学卒、先生って、これは無理です。

 経験ないんだもん。千円稼ぐのに、どのくらい大変かという。民間企業へ行って、1年、費用はかかりますけどね、要するに、働くということはどういうことか、人間関係というのはどういうことかという体験を積んでもらって。まあ、1年やそこらで人生ってわかりっこないんだから、その1部のかけらを得る、私はこの持論ですが。EQ教育、心の優しさですね、それから安心の場、安心の場を作る。

 それから、話せる大人を増やす。話し合いの場を増やす、子供の力を信じる。

 それから、学校では公立と私立のこの接点の壁を取っ払ったりですね。税金の払える大人を育てるなんて、いい言葉じゃないですか。

 大変取り留めのないことでしたけれども、私は、地域・教師・安心の場・学校の多様性・教育内容・家庭の教育、それを切り口にして、想像以上に盛り上がって、少し時間延長したほうがいいんじゃないか、くらい思いました。大変わかりづらい説明で申し訳ありません。

 以上で終わります。失礼いたしました。

 

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 【Bグループ】

 はい、それではよろしくお願いいたします。

 Bグループで話し合ったことを発表していきたいと思います。

 Bグループで、まず課題として出てきたことの1つは、学校がもっと地域に開かれるべきではないかと。地域の人材をもっと学校に呼び込んでくるべきではないかというようなことを、まず1つ目の課題として話し合いをしました。

 具体的に、どうしようかということで言うと、1つはNPO、そういったようなものをコーディネーターとして招く、もしくは活用していく。それから教員自身がコーディネート能力を育成していくことが必要なんじゃないかというようなことが出てきました。

 それからもっと、学校の情報を開いていこう。良い事もだけれども、学校で言えばこんなことに困っているんだよ、というようなことを発信していくことで、地域はこういうことが助けてあげられますよ、という反応が返ってくるのではないかと。そういったことをですね、していくと良いんじゃないかということが出てきました。そういったことをしながら、地域と共に作っていく学校、学校から発信し、そして知恵を出し合っていろんな支援をしていただくというような形が良いんではないかというような形になりました。

 それから、2つ目の課題として、子供の社会性が失われているのではないかということについて、いくつか具体的な解決策を出してきました。

 その中でひとつ、キーワードになってくるのは、自然の中でというようなことが、やっぱり長野県においては言えるのではないかと。

 例えば、学校で森を作って、その森の中で子供みんなが年齢の枠を越えて遊ぶような経験、そういった中で、まずは心の面で言うと、子供自身で気付いたり、伝え合ったりしていくような場がそこで作られていくんじゃないかと。

 それから一方では、スポーツでは鍛えられないような筋力というか、全体的な力、体力というようなものをそういった遊びの中で、昔やってきたような遊びの中で身に付けていくことができるのではないかということを話しました。

 それから、3つ目として、多様化したニーズにどう応えていくのか、ということについて話をしました。

 これは、例えば1つは学校自体が様々な個別のニーズに対応していくシステムを作っていくということもありますし、それから学校以外の選択肢というものも、やっぱり大事になってくるのではないかと。フリースクールであるとか、そういったものが大事になってくるのではないかということで、フリースクールの知名度を上げていく、もしくは認可制度みたいなものを作る。もしくは、それに加えて資金や運営面でのサポートをしていく、というような形で、子供に対する支援の方法というのを学校でも多様化する、それから学校以外の場でも多様化するということが求められていくのかな、ということを話し合いました。

 それから4つ目としては、今日のこの議論なんですけれども、非常に生き生きと我々もやっていました。実は学校に関して議論をする場というのは、例えば学校評議委員会とか、外部の方を招いたような会議というのはあるんですけれども、なかなか今日みたいな、生き生きとした議論にはなりづらいということがあります。まずは、例えば国家レベル、国というレベル、もしくは長野県というレベルで学力をどう捉えるのかということについて、時代に求められる力というのはどういうものなのかについて議論を行って、それを明らかにしていくということが大事なのかな、ということが今後必要な事としてあげられました。

 そういったことを基にして、みんなで学校教育の目指す先、それから活きる力の議論を続けていく、その時にはできる限り誰にでもわかる言葉で議論をしていこうというようなことを、ここで話しました。

 それが、結果として子供たちが行きたい、楽しい、幸せを感じるというような事に繋がって、そういった学校像を持っていくことで、10年後の学校像をみんなで作り出していけたらいいな、というのが我々の出してきた最終的な結論です。

 以上でB班を終わりにしたいと思います。

 

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 【Cグループ】

 まず、Cグループはですね、そこに多種多様なメンバーがいまして、NPOの方ですとか、教員の方ですとか、実際にお子さんを持っている方ですとか、たくさんいらっしゃって、凄い良い意見がたくさん出てきました。

 最初のスタートとしてはですね、ちょっと、教育の多様化ということが出まして、これだけ社会が凄まじい速度で変化していて、それでいて教育がちっとも変わっていないんじゃないかと、という切り口からいくつかどんどん話が出ていきました。

 大きく分けるとですね、コミュニティとシステム、というキーワードが出てきまして、今の教育のシステムもですね、ちょっといろいろ問題があるんじゃないかということでいくつか出たんですけれども。教員を増やすですとか、親に教師の体験をしてもらうですとか、そういう新しいシステムを作っていけたらいいんじゃないかという、凄い良い案がたくさん出ました。

 勿論、先生もですね、凄い大変なんですよ。私、先生じゃないんですけど、書類とか子供とか新しいことをやろうとしても、なかなか足を踏み出そうとしないじゃないですか。忙しくて大変で評価があったりとか。そこを、ちょっとコミュニティで、他のA班、B班でも言ってましたけど、コミュニティでカバーしてあげようじゃないかと。

 これ個人的に良いなと思ったんですけれど、学校と違うところでたまには勉強をするという、コミュニティ別で、今日はここで授業をするなど、出て行って、病院とかでやったりするのがいいんじゃないかと、個人的に凄いなと思ったんですけれども。

 やっぱりね、多様化と言っても、その発達障害児の対応とかいうのもたくさんありまして、彼らにもひとつの形の決まった教育みたいなものを押し付けているんじゃないかと。多様化にどんどん対応していかなきゃいけないんじゃないかということで、凄い良い意見がたくさん出ました。

 その辺はちょっとA班、B班とも、たぶん他の班とかもたくさん一緒だと思うんですけれども、結局は学校って何のためにあるかというと、この大命題に尽きると思うんですよ。

 こうして皆さんがたくさん頑張って10年後を良くしようじゃないかと話をしているのは、結局、学校の存在意義だと思うんですよね。

 学校は何のためにあるのかと言ったら、結局は子供が自立するためですよ。子供が学校に行って、卒業すれば、何があっても生きていけるみたいなことになったら楽しくないですか。何だ、長野県の子供は凄いぞ、長野県の子供、学校に入ったら、何だか知らないけど社会に行ったら大活躍してるぞ、何でだ?いやぁどうも10年前に松本でこういうタウンミーティングがあったらしくてさー、とか言って。言ったらどうですか、楽しくないですか?

 こうやって何か皆さんいっぱいやり方とかたくさん出ると思うんですよ。凄い良いと思うんです。でも、結局行き着くところは何か、学校が何のためにあるかと言ったら、結局自立のためなんですよ。何があっても人のせいにしないで、社会のせいにしない、親のせいにしない、政治のせいにしない、不景気のせいにしない。そういう子供が増えていったら凄い楽しくないですか。長野県凄いってなりませんか?わくわくしませんか?ドキドキしませんか。私、凄いするんですけど。もう本当ドキドキしてるんですけど。

 そのために、こうして皆さんで集まってお話ができたというのは、もの凄い嬉しいことですし、こういう機会をどんどんできれば、知事、月1回ぐらいでやっていただけると凄い嬉しいんですけれども。そんな感じになりました。

 本当にこうやって、たくさんの皆さんと会えてお話ができて、たくさん凄い良い意見や凄い気付きとかありましたし、そういう場を設けていただいた関係者の皆さんに改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 

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 【Dグループ】

 それじゃ、Dグループ、いろんな方が集まって、私もとても楽しく、まあ楽しいって言っちゃうと変なんですけれども、本当に話し合いをして凄く楽しいひとときを過ごすことができました。

 Dグループでは、最初に何が課題なのかな、ということで5つ出てきました。

 1つは学校自体の問題。多忙化とか、安心できない、教員の質の低下、サラリーマン化、いろいろな事が出てきました。

 それから2つ目としては、特別支援学級、特別支援教育の在り方、そういう特別支援教育に関わる子供の増加とか、教育方法の在り方等々たくさん出てきました。

 それから、保護者へのサポート。やっぱり、安心して話し合える、相談できるところがないとか、いろんなことを相談したけれども、何となく全体的に縦割りで、ここへ行ってもまた別のところへみたいな感じで、学校の敷居が高いとか、そのような話が出てきました。

 それから、教育委員会とか地域の教育力の低下、教育委員会に関しては人選を何とかしなくちゃいけないとか。もっと自覚を持ってほしいとか。そんな話も出てきました。

 それから、将来とか進路への不安とか、そのようなことも課題に出てきました。

 それらの課題の解決策はないかということで話をしていきますが、なかなか具体的なものは、なかなか難しいですね。

 それでも、その中でいくつか出てきました。

 それをキーワードとして、集めたものが、Dグループでは「連携」という言葉と「開かれた学校」という言葉になってきました。

 連携ということでは、例えば先程の特別支援教育とか、そちらの関係もあるんですが、どうしても敷居が高いところがあって、お互いにハードルが高いなと感じている。学校側も高いし、逆に考えてみると親も高く持ちすぎているんじゃないかなとか、そんな話が出てきました。そういうところを低くしていきながら、例えば、その子供を中心に置いた関係者をお互いに繋がっていかなきゃいけないと、もっと。それぞれに縦割りでやっていくんじゃなくて、一堂に会さなければいけないということが出てきました。

 そして、そうやって、多様化するその個々のニーズをそのままではなかなか難しいので、社会化して、そこ以降はサポート役の重要性があるということで、支援会議等を設けて、それを重ねていくことで結びつきを高めていく、そういうことが今、私達が10年後の学校に向けてできる、大きな一つなのかなということが話し合いでされました。

 そういうところではやはり、学校も忙しいし、親もそれぞれですので、やっぱりそれを結び付けるような地域に、地域のコーディネーター役をもっと活用していかなければならない。今現在でも、いろんなコーディネーターさんが公的な機関でも、NPOでもいらっしゃる。そういうところをもっと活用していくことが大事。それから、やっぱり先程もありましたけれども、人材をもっと増やしていく。お金がかかっていくわけですけれども、将来を担う子供たちのためですので、やっぱりお金をかけてほしいと。そういうところがやっぱり必要かなということが出てきました。

 そして、そんな中でも根っこにあるのは親、それから教師、それから教育委員会、地域、その自覚をもっと持ってそれぞれの立場として、自分が今できることを一生懸命やっていく。それが大事なのかなというようなことが根っこにあるんじゃないかなということで話がまとまってきました。

 話があまりまとまらなくて申し訳ないんですが、具体的に挙げるとあまり時間も足りなくなっちゃうので、本当にまとめてしまいましたが、こういうことを通して、10年後の学校像を作っていきたいな、活気があって夢を語り合えるような学校を模索していかなきゃいけないなということを、私たち自身が今の話し合いの中で、我々が出来ることをもっと自覚をもってやっていく。 

そして、阿部知事には粉骨砕身頑張っていただいて、いろんな場面でサポートしていただきたいなというようなことをまとめの言葉として、Dグループの発表とさせていただきたいと思います。

 充分言い尽くせなくて申し訳ありませんでした。

 

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 【Eグループ】

 学校の教室には、発達障害と言われる子供たちがいます。

 小学校6年生の発達障害の子供が書いた文がありますので、ちょっと読みます。

 「障害は、目に見える身体の障害ならすぐみんな障害があるのだとわかります。目の不自由な人、耳の不自由な人も障害があるのだとわかってもらえます。後発性発達障害は変な奴、ウザイ奴としか思われません。僕は僕の障害についてみんなにわかってほしいとずっと思ってきました。でも障害から起きる僕の問題行動のため、嫌われ者になっただけでした。障害のことをわかってもらうことはできませんでした。」

 ということで、発達障害のお子さんたちが教室で凄い困ってます。

 いつもうるさいと友達に言われたり、教師に怒鳴られたり、といったお子さんが6.3%の割合で学校にいると言われています。普通学級に1人は必ずいます。

 Eグループでは、発達障害のお子さんを中心に、様々ないじめ、不登校の問題等を考えてきました。

 参加者の方に、「結家」と言って、発達障害の子が学校を帰った後、福祉施設として療育している、そういった施設を運営されている方がいました。

 そこに通っている発達障害のお子さんが「結家」に来たら、学校に来たことにしてほしいと言ったそうです。それぐらい楽しくていろいろ学べるけど、学校の出席にはならない。なんで?というふうにおっしゃったそうです。

 それを受けて、Eグループでは、発達障害の子供たちが学校に不適応なんじゃなくて、学校が発達障害の子供たちに不適応なんだという話が出ました。

 なので、そういったカリキュラムで出席として認める、そういった制度とか、子褒め条例と言って、小学校6年間、中学校3年間のうちの9年間で、どの子にも必ず1回は賞状をあげて褒めるとか、そういった柔軟なこと、それから、行政として5歳児検診で発達障害のお子さんを早期に発見、それから早期に対応していくというようなシステム、そういったことができるのではないかという話になっております。

 そういった思い切った発想というのを、県の方で許してもらって、託してもらってやっていく、学校もやっぱり、昔のやり方にこだわってしまって、なかなか新しいことができないという話がありましたけれども、まさにそのとおりだと思っております。

 それから、やはり、今お話がありましたけれども、教員の立場、それからNPOの立場、いろんな方の情報交換の場を今日設定していただいて、こういった情報交換の繋がり、こういった場を持っていただく。これからも定期的にこういったタウンミーティングを開いていただく事が10年後の学校を支えていくアイデア、情報交換、それから動きが生まれていく機会になっていると思います。ありがとうございました。

 

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【司会】

 ありがとうございました。

 それではこれで、グループ発表の方は終了でございますけれども、お集まりの皆さんの中で、今の発表内容を中心としてですね、ご質問・ご意見等ございましたら、お受けしたいというふうに考えております。

 お時間も迫ってまいりましたので、是非簡潔に述べていただければというふうに思います。係の者がマイクを持って参りますので、挙手をいただきまして、私が決めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 その際、差し支えがなければ、お名前、あるいはご職業など、差し支えのない範囲でお話いただければ、というふうに思います。

 

(以下、司会の発言は省略)

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 <参加者からのご意見等>

【男性(No.1)】

 そこら中で、学校が忙しいということが言われてますけれども、この忙しさですね、これはどういうことであるかということですね。

 教育ですから、学習・勉強・学問というものが伴わないと、どうしようもないですね。ですから、これを各学校でやっぱり研究してどうすれば煩瑣な仕事を省くことができるかと。そしてその時間をやらなければならないことをやると、そういうことですね。

 そういうふうにできれば、私は良いと思うんですけれども。

 さっきのところでいけば、やっぱり慈悲の精神ですね、これがある時期からそういうものはなくなってきたと。

 それから、どういうことを一番大事にしていけば良いかということですね。それもどうも見失われてきていると。そんなのどうでもいいよと、アパート主義とか拝金主義とか、そういうようなものが今、出てきているわけですね。昔もそういうのはありましたけれども、益々エスカレートしているんじゃないでしょうか。そういうような状況もありますので、やっぱり、子供さんが伸び伸び行けるように、そういうような環境を作ることも大事じゃないかと思います。

 私は今、ちょっと質問というか、いろいろ対策がありましたけれども、そのことを、その所々でやっていただければ。学校、学年会とか、それからPTAとかね、そういうようなところで、そういうことをやっぱりどんどん話し合うべきなんじゃないでしょうかね。そして、いろんな問題をそこでやって、そこで解決していくと。細かい問題を解決していくと。細かい問題は鳩山さん、菅さんにお願いして、そしてやっていくと。こういうような方向をとらないといけませんね。

 

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【男性(No.2)】

 はい、すみません。上田市で教員をやっている者です。

 このグループでも出ましたけれども、子供の自己肯定感というのは持てるような教育をしていきたいということで、様々な意見が先程AからEグループまで出ていましたけれども、それをやるためにはですね、これから教育行政そのものが変わっていかなければならないと私は考えています。

 是非、そういうことで活かしてほしいんですが、その中で私が言いたいことはですね、子供の自己肯定感ということで、その反対側にいるものとして、不登校というものがあります。不登校の子供たちは否定の中で、否定の眼差しの中で学校でも、あるいは地域でも生きているという状況、私も不登校支援をNPOでやっていますが。それで、これは文科省をはじめとして、県教委もそうですし、一教員もそうだと思いますけれども、どうしても不登校の早期発見、早期対応、それから未然防止というふうに流れています。私の学校もそういうことで、やっている面があります。

 でも、それでは、やはり子供は救われないと私は思っています。

 このことを是非聞いていただいて、これに基づいてですね、お考えいただければ教育行政の考え方を変えてですね、それで、本当に子供たちにとって、生き生きと生きられるような状況を作ってほしい、学校だけが全てではないということで、多様な教育ということも出ていましたけれども、そういう観点もありますので、是非、ご検討いただければありがたいです。

 

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【女性(No.3)】

 下諏訪町から来ました。よろしくお願いいたします。

 私は下諏訪町で発達障害児者及び家族支援の会「シーズ」というものをやっております。同時に、4人の子供を持つ母親であり、子供のうちの何人かと私自身も発達障害を持っている者です。

 今日、いろいろ発達障害についての支援のお話も、他のグループからも聞かれて大変嬉しく思っています。

 そんな私からもう一言お願いしたいのは、小学校に入る時に、先程5歳児健診の必要性も出てきてはいましたが、長野県では「ことばの教室」ってありますよね。ことばの教室では、 言語についてのスクリーニングを全校で実施しています。それで、ことばの教室でスクリーニングされたお子さんたちに、学校が親御さんに通知をして、OKが取れた子供たちはことばの教室に通っています。

 実は、うちの子供も本当は発達障害なんですが、言語についてのスクリーニングの結果、4人のうち3人が、ことばの教室に通っております。

 今年から私、県の親の会の会長も務めさせていただくことになっています。

 大変ことばの教室にもお世話になっているのですが、何故か特別支援学級とことばの教室は連携があまりというか全然かな、その学校にもよるんですが、取れていないらしい、というのが20年間ことばの教室に関わってきた私の実感なんですね。とっても勿体ないと思っています。

 ここのところがどうしてなのか、私にもわからないのですが、是非、こういった援助資源不足の昨今ですから、ことばの教室と特別支援教育の連携を考えていただくことが、この先あれば良いなと思っています。

 また同時に、言葉のスクリーニングをかけているのだから、発達障害のスクリーニングも就学時にかけていただくことが可能じゃないかなと思っています。学校に行ってから、やはり読み書きとか計算ですね、特異的に苦手なお子さんって、学校が嫌いになってしまうことが多いですよね。いじめにも遭い易いです。

 それを早期に発見して、傷付かないうちにフォローできていったら良いなと、心から考えています。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 

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【男性(No.4)】

 諏訪から来ました。

 Cグループの中でも、私どもの中でも良く出たんですが、要するに教育の多様化ということなんですけれども、どうしても今、日本の教育というのは全部生徒を一律に扱おうとする。皆、同じものになろうとすれば、そこに競争が集中してしまうということだと思うんですよね。

 だからもうちょっと、教育の内容というものの定義をもっと広くしてもらうことを、私は非常に、今までいろいろ行政、文科省、こちらにも文科省の板東さんもいらっしゃるんですが、そういうことを伝えているんですけれども、なかなかそれが届かない。

 例えば、今、不登校児童というのも問題があるんですけれども、例えば不登校児童の子に、これから今学校に戻れ、と言ったってそれは無理ですよ。もともと授業から遅れているわけだから。だからそういう人たちに対しては、あなたの今、興味のあるとこから始めていけばいいよ、というようなふうにするのが一番簡単で良いと思うんですよね。

 だけど、そういうような違う学びでやった人たちに対しても、例えば学校に入ったり就職するときについて、決して不利にならないような広い価値観で、子供を受け入れてもらいたいと、そういうような配慮を是非していただきたいということを私は希望として述べさせていただきます。

 すみません、ありがとうございました。

 

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【男性(No.5)】

 篠ノ井から来ました。

 先程のCグループの方と重なるんですが、不登校の子供たちは本当に厳しい否定の視線の中にいるというふうに思います。

 だけど、それだけではなくて、学校にいる多くの子供たちが、そういう否定された雰囲気の中で生活をしているのではないか、というふうに思います。

 今の学校というのは、失敗を許されない、そういう雰囲気があって、受容されない。そういう切ない思いの中で、子供たちは生活をしているのではないかというふうに感じています。

 EグループでもCグループでも出ましたけれども、いろんな生徒たちが存在しているわけで、それに対する教育もいろんな形で行われなければならないと。

 例えば教育特区ということで、適応教室に公費で教職員を雇い、そして、ITを活用した教育を取り入れ、そこでの教育活動を、いわゆる学校での教育活動と同じように認めて、そこから適応教室から調査書が出る、というふうなことをしている自治体が、いくつか、10くらいあるんでしょうか。

 是非、そいういう可能性を長野県でも模索をしてもらいたいと。

 不登校の子供たちも行ける、あるいは不登校だけではない、いろんな子供たちが行って、そこで教育を受けられる。そして、受けられたものについては、それが認められていくような、いろんなそういうスタイルが、これから考えられて良いのではないかというふうに思います。

 

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【男性(No.6)】

 地元松本市から参加させていただきました。

 今日、こういう機会に参加させていただいて、これだけの皆さんが集まって、自由闊達な議論ができたということは、今まで長野県がやってきた教育って、そんなに間違ってなかったんじゃないかなというふうに私は思いました。

 そういった中で、いろんな方がおっしゃってましたけど、やっぱり自立した子供を育成するですとか、市民が自立して主体的に関わってくるんだという話が出てたとおりなんですけれども、そういった中で学校現場の主役を担うのは先生たちなんですが、その先生たちが学習指導要領だけに捉われるんじゃなくて、もっと人間としての生き方とかということを教えられる場作りというのを地域が一緒になって、支えていくということが大切だというふうに改めて感じました。

 ありがとうございました。

 

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 閉会あいさつ

【文部科学省生涯学習政策局長 板東久美子】

 皆様、熱心なご議論、お疲れ様でした。

 先程から私も、各グループ全部を度々回らせていただきながら議論を聞かせていただきました。

 いくつか、先程からもご発表の中にもキーワードとして、地域というのがあったり、それから連携、協働ということがあったり、それから多様性ということがあったり、ということで、私自身もこれからの傾向を考えていくという方向の中で非常に重要だなと思うキーワードが改めて皆様の本当にあの活発なご議論の中からも出てきたなということで、大変心強くと言いますか、これからその方向性というのを更に政策の中で加速をしていかなくてはいけないなというのを感じさせていただきました。

 例えば、地域ということについてみれば、今まで地域は学校を支えるというようなこと、あるいは運営に参画をしていくというような取り組みというのは、文部科学省もしてきたんですけれども、逆に学校というのが地域づくりというところにも、いろんな意味で力を発揮できるのではないかということも非常に強く感じているところでありまして、学校が地域と連携を取りながら子供たちの本当に学びというのを豊かにしていけるためにも、例えば学校の学習課題というのは、実は地域づくりの課題であるということが非常に多いわけでありまして、例えば環境の問題ひとつとってもそうですし、人権の問題ひとつとってもそうですし、先程から発達障害とか、そういった子供たちに対する支援という話がありましたけれども、それもいろんな意味で、その地域の中でいろんな人たちを受け入れる支援をしていくということの課題にも繋がっていくわけで、そういう地域課題と学校課題が上手く繋がっていけば、本当に地域づくりにも学校づくりにも、双方向の関係を作り出せるのではないかということで、今、ご議論の中でもそれは改めて強く感じたわけです。

 そういった推進を、長野県においてもそして全国においてもやっていかなきゃいけないのかなということを、改めてお話の中から感じさせていただきました。

 それからやはり、先程から各グループから出てきている多様性、教育がもう少し柔軟であったり多様なニーズに対応できたり、多様な子供たちの状況に対応できたりということは本当におっしゃるとおり、非常に重要な視点だと思います。

 お話のように、まだなかなかできていない部分も多かったということであると思いますけれども、これからの学校づくり、教育の在り方を考えるという上でその部分というのは非常に重要であるということ、これは実は私も昨日もこれから教育振興基本計画、国の計画の見直しの議論をやろうと思ってますけれども、その中に多様性という言葉をできる限り入れようという議論を若い人たちともしていたんですけれども、本当に改めてその必要性というのを感じさせていただきました。

 その多様性というのは、まさに制度だけでできる話ではなくて、本当に地域なり、学校なりのそれぞれの方々の取組みというのが、どう結びついていくかということが重要ではないかと思います。

 先程から、連携・協働というお話もありました。

 本当に、この繋がっていくということ、最初の知事のお話もあったと思うのですが、縦割りみたいなところで、実際議論されていることが多いということ、あるいは、先程もどなたかが取組みがいろいろあるんだけれども、繋がっていないというお話がありました。

 そういう繋げるためのコーディネーターとかですね、その繋げる力ということが、教育関係者の方に非常に強く求められるということも、お話がありました。

 そういったことをこれから、進めていくということを非常に重要であるということを改めて、皆様のご議論の中から確認できたかな、というふうに思います。

 これが、今日のご議論がこれで終わることなくですね、私も参加させていただいた、ある自治体の熟議も、参加された方々がそれぞれの学校とか、地域に持ち帰ってそれぞれの中で、また熟議をやられているというお話などもお聞きをしております。

 是非、そういうそれぞれのところに、この取組みを少し広げていただいて、あるいはそれぞれの学校がいろんなことを考えていく上で、こういった手法・場ということを作っていただければ、皆が参加した形で繋がっていく形で教育も進展できるのではないかというふうに思うわけでございまして、そういった実践に繋がっていくような、これからの熟議なりタウンミーティングの発展というのを心からお祈り、期待申し上げたいと思います。

 私自身も大変勉強させていただきましたし、本当に力強いいろんなメッセージをいただいたと思います。

 本当にどうもありがとうございました。

 

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【長野県教育委員会教育長 山口利幸】

 皆さん、ご苦労様でした。また、ありがとうございました。

 私は戦後の直後の生まれでありまして、いわゆる戦後の民主主義の中で育ってきた人間でありますけれども、日本の戦後のひとつ、民主主義の弱いところ、欠点はですね、私なりに代行主義と呼んでるんですけれども、いろいろ社会的に制度が整い、あるいはこの経済成長の裏づけの中でいろんなシステムが整備されてきました。

 ところがですね、一面でこのことはあの人たちに任せてあるんだ、あの人たちはそれを職業にしているんだ、というふうなことが非常に強まったんですね。

 だから、教育の問題も、私は大きく言えば、大人世代が子供世代にどういうものを継承したり、あるいは子供世代が新しい環境の中でどんなふうに生きていっていけるか、その力をつけていくと、こんなふうに考えているんですけれど。

 その、この原因は家庭にある。あるいはこの原因は学校にある。あるいはこの原因は教育行政にある。それはいくつか必ず無関係であるなんてことは全く思っておりませんけれども、犯人探しにどうしても行きがちなんですね。

 私、今日参加させていただいて、一番参考になったのはですね、教育に関する関心のある方、思いのある方が同じテーブルに着いて、そして立場を一旦捨ててですね、一人の人間としてこう思う、こういうふうにしたいんだと、こういうふうにならないか、というふうなことが語り合えたこと、これはですね、非常に大げさに言うとですね、こういうところから出発して一人として、一人の個人としてどうするのか、あるいは仕事を通じた責務としてどうするのか、あるいはこういう立場としてどうするのか、というところに改めて、新しい価値を持ってですね、また、いけるんじゃないかと、そんな意味で私は本当に参考になりました。

 私のテーブルはBグループなんですけれども、あるお母さんの委員さんがですね、初めてこういう会でこんなに率直にお互いに話ができる、こんなことは本当に素晴らしいと、先程 板東さんのお話もございました。それぞれここにいらっしゃる人、また戻ってですね、その場所でこういう熟議がどうやったら可能かということを、ちょっとお互いに汗と知恵を絞ってですね、いければいいなと、こんなふうに思っております。

 今日はどうもありがとうございました。

 

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【長野県知事 阿部守一】

 皆さん、お疲れ様でした。

 いろんなご意見、出たわけですけれども、私も熟議方式でタウンミーティングをやろうというふうに言い出した人間としては、多くの方が肯定的に捉えていただいたことが、まずはありがたいなというふうに思っております。

 だが、これは多分多くの方が感じていると思いますけれども、これで終わっちゃったらですね、何のためにやっているんだという話になると、私は思ってます。

 私だったら、これ1回限りで終わっちゃったら、なんだというふうに腹が立ちますよね。

 ですから私は是非、こういう形の議論の場は、これは私の守備範囲というか、教育委員会は教育委員会でまたやってもらわなきゃいけないという、こういうところが私は問題だとも思ってますけれども、タウンミーティングの中では是非こういう形は続けていきたいなというふうに思いますし、本当は是非、それぞれの学校とかですね、地域とかですね、いろんな集まりがありますよね、でも声の大きい人ばっかりが発言したり、何か予定調和された当たり障りのない意見ばっかり出たりですね、そんなことやってたら日本は良くならないです。

 教育の問題は、本当に発達障害の子供たちの話もありましたし、不登校の子供の話もありましたけれども、やっぱり自己肯定感を持てずにですね、今も長野県でも多くの子供たちがいるということを考えたら、我々はじっとしてはいられない、というのが多くの皆さんの感覚ではないかなというふうに思っています。

 そういう意味で、今日出た意見、10年後の学校を考えるという形にしていますけれども、10年も待たなくたってできることはいっぱいある、というふうに私は思っていますので、これは、教育長、教育委員の皆さんとも是非、今日の議論を持ち帰ってですね、長野県としてできることはスピード感を持ってやっていかなきゃいけないというふうに思いますし、それと同時に、私、冒頭も申し上げましたが、教育というのは、さっき山口教育長も言ってもらいましたけれども、別に教育委員会が上手く機能すれば良くなるわけじゃないですし、知事が勝手なことを言っていれば良くなる話でもないと、私は思ってます。

 本当に子供たちに関わる全ての皆さん、今日お集まりの皆さんは全て主役、主体だと思います。

 国の制度、仕組みがおかしければ、これは知事に頼んで何か言ってもらおうという発想は是非やめてもらいたい。

 私も引っ張り出してもらえれば一緒にやりますけれども、一緒にやろうぜ!ということで、何か、誰かに頼んで何とかするんじゃなくて、俺はこうするからお前も一緒にやれ、という是非主体性を持ってですね、私もそういう姿勢で取り組みたいと思いますけれども、まず今日ご参加の皆さんも、何か人に伝えて終わっちゃうんじゃなくて、自分はどうするんだと、自分がこうするからじゃあ教育委員会もこれをやれと、私はこうするから、知事も一緒に行動しろとかですね、そういう形の取組みを広げてっていただけるとありがたいなというふうに思います。

 いろんなご意見がありましたが、私はAグループに属して議論させていただきましたけれども、私はSOSの話が一番、私としては今日、重要なものとして持ち帰りたいなと思っているんですけれども、とかくこうやっていろんな人が集まってやると、最初は例えば、知事に何かしてくれですとか、じゃあ、学校の先生はもっとこうしろとかですね、教育委員会はこういうところがおかしいじゃないかとかですね、そういうところから始まることが多いと思います。悪い意味じゃなくても、何か物事をスタートする時に人に何か求めるところから始まってしまうことが多いのですけれども、どうもやっぱり私はずっと行政に携わって、昨年から知事をさせてもらって、それからスタートすると、あんまり上手く話が進まないのかなと。

 やっぱり、何か言われたからというのは悪気がなくてもですね、まず要求されると反作用で抵抗感を持ってしまうことが多いんで、これは皆さんも日頃そうだと思いますけれども、一方的にこれしてくれとか言われたら、何だという話なると思うんで。それは多分学校の先生方も行政も同じようなメンタリティがあって、それは保護者の皆さんのご意見とか住民の皆さんのご意見とか、それはちゃんと聞かないといけないという、あるべき論が頭に入っているんで、皆さんじっと真剣に聞かれると思いますけれども、だけど何でその後、行動に結びつかないのかと考えたら、やっぱり心に響いていないというか、本当に共感できていないというところが残っているから動かないんじゃないかと私は思います。

 そういう意味では、SOSというのは、やっぱり、保護者の皆さん、今日ちょっとまだこれから同じ事をやるとき、やっぱり子供も入れたほうがいいかなというふうに実は思いましたけれども、まず子供がSOS、先生もSOS、私も今日は実はいろんな意見を言わさせてもらいましたけれども、実は私も半分SOSでもあるわけでして、そういう意味では多くの人たちが、実は私はこれが困っているんだ、これが悩んでいるんだというところから話を進めた方が、それだったら、私それは協力できるよとかですね、それだったらこういう解決策があるんじゃないかという、実は前向きの議論ができるのではないかなというふうに思いました。

 是非県政にもそういうものは取り入れていきたいなというふうに思っています。

 また、ちょっと長くなるのでこれくらいにしますけれども、発達障害の子供たち、不登校の子供たち、私は自分で高校を途中で変わったりしたこともあるんで、どなたかおっしゃってましたけれども、やっぱり学校とか教育の仕組みに子供たちが合わせなきゃいけないというのは、どう考えてもおかしいですよね。

 子供たち、いろんな子供たち、いろんな能力を持った子供たちに、やっぱり合わせていく努力をですね、我々はしていかなきゃいけないなというふうに思いましたし、本当に先般も不登校だった子供たちとか、あるいは養護学校にいた子供たちとか、いろんな子供と話をしてきましたけれども、やっぱり皆素晴らしいものを持っています。

 そういう一人一人の個性や能力を伸ばして、そして長野県にいる本当に全ての子供たちが夢と希望を持って生きていかれる、楽しい毎日を送れる、そうした長野県を作っていきたい、そう思っていますので、是非引き続き皆さんのご支援とご協力、そして、先程も言いましたけれども、それぞれの地域での主体的な取組みをお願いして、私の終わりのあいさつといたします。

 よろしくお願いします。ありがとうございました。

 

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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