ホーム > 県政情報・統計 > 広報・県民参加 > 県政タウンミーティング > 県政タウンミーティング開催データ > 県政タウンミーティング 会議録 平成23年2月10日 中野市

ここから本文です。

更新日:2013年8月18日

平成23年2月10日 県政タウンミーティング資料

テーマ:『付加価値の高い農業の推進について』

日時・会場

  • 平成23年2月10日(木曜日)18時~20時
  • 中野市中央公民館 講堂

会議録

 目次

本文

事前説明
【司会】

 本日はお忙しいところ、「県政タウンミーティング」にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。私は本日の司会進行役を務めさせていただきます、長野県総務部広報課の青木弘と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 これから、「県政タウンミーティング」を始めさせていただきますが、本日の進行につきまして、私から説明をさせていただきます。この後、最初に阿部知事からごあいさつを申し上げます。その後、皆様方からご意見を伺ってまいりますが、その意見交換に先立ち、県の取り組みにつきまして、県の担当者からご説明をさせていただき、その後、意見交換に入らせていただきます。

 本日はあらかじめご案内をいたしておりますが、「付加価値の高い農業の推進について」をテーマとしております。テーマに沿った意見交換を行ってまいりたいと存じますので、ご協力の程をよろしくお願いを申し上げます。

 ご発言を希望される方は、手を挙げていただければ、私のほうからご指名をさせていただきます。係の者がマイクを持ってまいりますので、差し支えない範囲でお名前・ご住所、あるいは活動されている団体名等をおっしゃっていただきまして、ご発言をいただければと思います。

 この際、前の方の発言と関連した内容のご発言をお持ちの方は、引き続いてご指名をさせていただくことも考えてまいりたいと思いますので、その旨、ご発言いただければと思います。ご発言をいただいたところで、それぞれにご回答を申し上げてまいりたいというふうに思っております。

 また、本日はせっかくの機会でございますので、できるだけ多くの皆様方からご発言を頂戴いたしたいと考えております。大変恐れ入りますが、ご発言の際は、要旨を簡潔にお願いできればと思っております。

 それから、本日のこの集会の会議録につきましては、お名前などの個人情報を除くなどいたしまして、後日、県のホームページで公開をさせていただきますので、この点につきましてもあらかじめご了解をお願いしたいと思います。

 最後に、皆様のお手元にお配りしました封筒の中身でございますけれども、この後、県からの説明の際にご覧をいただく資料と、それからこのタウンミーティングに関するアンケート用紙を配布させていただいてございます。アンケート用紙につきましては、今後の参考とさせていただきたいものですから、お手数でもご記入いただきまして、会議終了後、出入り口付近に用意いたします回収箱のほうに入れていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 また、もう一つ、「私が望むこれからの長野県」というふうに題しました、こうしたA4サイズの用紙が入ってございます。これはハガキが切り取れるようになっておりますが、これからの新たな総合5カ年計画の策定に当たりましての皆さん方のご意見をお願いするものでございます。どうぞ積極的にお寄せいただければと思っておりますので、この点につきましてもよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、長くなりましたが、阿部知事、よろしくお願いをいたします。

▲目次にもどる

 

 知事あいさつ
【長野県知事 阿部守一】
 皆さん、こんばんは。今日は大変お忙しい中、そして大変寒い中、大勢の皆さんにお集まりいただきまして、ありがとうございます。「県政タウンミーティング」ということで、本日は農業をテーマに開催をさせていただきました。

 このタウンミーティング、私の選挙公約の中にも入れさせていただいておりましたが、私の問題意識としては、県民の皆さんの本当に思いとか考え、そうしたものが実現できる県政、県行政にしていかなければいけないというふうに思っています。それが県民主権の長野県政ということだと思っています。

 ただ、今の現状を見たときに、私は、そのためには改善しなければいけないことがいろいろあると思っています。大きな改善点としては、2つ、変えていかなければいけないのかなというふうに実は思っていまして。

 1つは、皆さんのお考えが県政に反映しにくい要因の一つというのは、今、地域主権と言われていますけど、地方分権ですよね。要するに国と地方、あるいは国と県との関係が、非常に中央集権的になっています。もちろん、例えば年金制度とか、医療保険制度とか、そういうものについては、これはオールジャパン、統一的な制度で、国が責任を持って行ってもらう必要があると思います。

 そうではない部分、例えば地域をどうやって元気にするのか、あるいはまちづくりをどうやって行っていくのか、あるいはその福祉も、身近な支え合い的な福祉みたいなことというのは、これは別に国から、右だ、左だ、指図されなくても、地方自治体、都道府県とか市町村で十分対応できますし、むしろ国が余計な規制をかけたり、あるいは、今、非常に多額の補助金とか、交付税は一般財源とはいえ積算根拠が非常に細かくなっているので、そういう財政的な縛り、財源をもらうときには口も出しますよというようなことだと、逆に皆さんの思いを県として、なるほど、それはそうですね、いいですねと思っても、はっきり言って自由に使えるお金がない。あるいは国の補助金を使うんだったら、おっしゃっていることはわかるけれども、それはできませんという話にならざるを得ないという部分がありますので、そういう意味で国と地方の関係、地方分権を大いに進めていくことが、県民主権の実現へ必要なことだと思っております。

 もう1つは、それだけではいけないわけで、今まで県政と県民の皆様方の関係というのは、どちらかというと遠いというか、市町村は身近な自治体だと思いますけれども、県というのは、巨大な組織で一体何をやっているんだかよくわからないという部分もあると思いますし、あるいは県に意見を言っても、実現されるんだか、されないんだか、よくわからないなという思いのところもあるんじゃないかと思います。

 農業の場合、普及センターは比較的農家の皆さんの身近なところで対応させていただいていると思いますので、そういう意味で、やや近く感じていただけている部分もあるんじゃないかと思います。しかしながら県政全般という形になると、まだまだ県民の皆様方とは遠いのかなと。どうしても距離感があって、これは距離感があると、県の考え、例えば知事の考え方もなかなか皆さんに伝わらない。あるいは逆に皆さんの思いとか考えも伝わらないということで、こういう状況だと、いつまでたっても、県民主権といっても絵空事になって、皆さんが思ったとおりの行政になっていかない。そういうことで、私は県行政のあり方を変えていきたいというふうに思っています。

 1つは、例えばもっと情報公開をしていかなければいけないというふうに思っていますし、また県民の皆さんにも、ぜひ県政に参画をしてもらいたいと思っています。それとあわせて、こういう形で、タウンミーティングということで、限られた時間ではありますけれども、意見交換をさせてもらう機会を作らせていただいているということであります。なかなか215万人の県民の皆様方と、本当に思いを共有していくというのは、正直、難しい部分がありますけれども、地道に、継続的にそうした努力を行っていきたいというふうに思いますので、ぜひご協力とご理解をいただければというふうに思っています。

 先ほど広報課長のほうからもお話ししましたけど、今、長野県は、新しい5カ年計画を作ろうということで、総合計画審議会の中で議論を始めました。皆さんからのご提案、ご意見を、ぜひどんどん出していただければありがたいなと思っています。今週、長野県としての23年度予算を発表しました。23年度予算の予算編成プロセスもできるだけ公開したつもりでありますけれども、県民の皆様方からいただけたご意見は、70数件にとどまっています。去年に比べると相当程度増えているとはいえ、これだけの人口がある県として意見をいただけるのが70数件というのは、まだまだ私達の、皆様方への発信が弱いという部分もあると思いますし、逆になかなか敷居が高く感じられている部分もあるのかなというふうに思います。

 ぜひ、今度の5カ年計画は、県民の皆様方と一緒になって作って、なおかつ行政はどちらかというと、計画を作ると一仕事になってしまって、計画を作っても世の中何も変わらないんですけれども、その次の実行のプロセスのほうがおろそかになりがちなことというのが、起こりがちなんですが。ぜひ計画の実行についても、皆さんと一緒になって取り組んでいきたいというふうに思っていますので、ぜひこちらにもどんどんご意見、ご提案をいただければというふうに思います。

 今日は、農業関係のタウンミーティングということでありますので、農政部長にも来てもらっています。皆様方とぜひ、これからの長野県農業に対しての前向きな、率直な議論をしたいというふうに思っておりますので、ぜひともご理解をお願いしたいというふうに申し上げて、冒頭の私のあいさつといたします。よろしくお願いいたします。

▲目次にもどる

 

【司会】

 ありがとうございました。それでは意見交換に入りたいと思いますが、その前に、申し訳ございません、本県の取り組み等につきまして、農業政策課企画幹の北原よりご説明をさせていただきます。ではお願いいたします。

▲目次にもどる

 <県からの説明>

説明資料は、こちらからご覧下さい。資料(PDF:1,339KB)

 

【農業政策課企画幹 北原富裕】

 皆さん、こんばんは。農業政策課の北原富裕と申しますが、ご説明をさせていただきます。県におきます農業農村の振興施策の概要ということでございますけれども、お手元にこのような振興計画の概要版(資料(PDF:1,339KB))があるかと思います。平成19年9月に「食と農業農村振興計画」というものを策定いたしまして、この中の達成目標を具体的に数値化しながら、これに沿って農業行政を進めさせていただいております。

 ちょっとおめくりいただきまして、2ページをご覧いただきたいと思いますけれども、真ん中のところに3の基本目標ということで、ここに農業農村総生産額を、平成24年度の目標年に3,000億円まで回復させたいという基本目標を掲げてございます。長野県も、農業の担い手の減少、耕作放棄地の増加、また農産物価格の低迷ということで、目標額に対して、近年は厳しい状況になっておりますけれども、これからご説明いたします5つの基本方向に沿いまして、施策を展開して生産力の向上を目指しております。

 5つの基本方向でございますが、1つとして多様な担い手の確保・育成ということでございます。3ページに記載してございます。今後の長野県農業を担っていただきます若い新規就農者、こういう方々を年間200人ずつ確保したいということで目標を立てまして、農業の里親制度などの施策を進めております。おかげさまで平成21年度、178名という新たな新規就農者を確保することができております。そのほか、記載のような集落営農や法人化の推進、また女性農業者への支援などに努めているところでございます。

 4ページをお開きいただきたいと思います。4ページ・5ページが、2つ目の柱であります、また本日のテーマでもございます、競争力のある付加価値の高い農畜産物の生産振興の部分でございます。ご承知のように、長野県の農業、水田農業と園芸・畜産、こういうものがバランスよく生産されているというところでありますので、一つには、米・麦・大豆・そば、こういう穀物類につきましては、国が行っております農業者戸別所得補償制度等、こういうものにも対応しながら、需要に即した生産振興を進めております。

 また、園芸についてですけれども、「シナノスイート」等のリンゴ3兄弟、この3品種をリンゴ栽培面積の2割程度に当たる1,560ヘクタールまで伸ばしたいというような目標を設定しているほか、ブドウの「ナガノパープル」ですとか、アスパラガス、またキノコなどにおきまして、新しい品種を導入して、単価のとれるといいますか、所得確保の図れる作物や品種の振興を進めております。またさらにリンゴの新わい化栽培、ナシのジョイント栽培、こういうものの省力・早期・多収技術の普及も進めているところでございます。

 また、畜産につきましては、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ、こういうものの防疫対策を徹底するほか、自給飼料の増産など、安全でこだわりのある畜産物生産を推進しております。

 近年、消費者ニーズが非常に多様化しておりまして、行政としてもこういうものに対応して、新たな販路開拓の支援ですとか、ブランド化を推進しなければいけないということで、平成20年4月に農産物マーケティング室を設置しまして、取り組んでいるところでございます。マーケティング室では、全国に先駆けて制定しました原産地呼称管理制度の認定品ですとか、「信州サーモン」、「信州黄金シャモ」、さらには「信州プレミアム牛肉」、「信州伝統野菜」、こういう長野県のオリジナル食材の認知度向上、またブランド化を進めているところでございます。

 付加価値の高い農畜産物の生産振興、これを進める中では、やはり大きな武器というのが新しい品種や新しい技術でございます。県の試験場では、リンゴの着色系の早生品種の育成を初めといたしまして、農畜産物の新品種の開発、さらには安全で低コストの栽培技術、そういうものの技術開発、最近では地球温暖化に対応した技術開発、こういうものにも取り組んでおります。

 今、ご説明しました内容の中で、この別冊で「信州はおいしい」という小冊子をお配りしてございますけれども、そこから生まれた新しい品種、それから本県の主力品種、こういうもののご紹介をさせていただきながら、いろいろなところでPR等もさせていただいております。

 続きまして、6ページをご覧いただきたいと思います。3つ目の柱であります、消費者と「食」との絆を結ぶという取り組みでございまして、食育の推進ですとか地産地消の推進、また直売所や農産加工、観光との連携によります6次産業化、こういうものに取り組んでいるところでございます。一例でございますが、中野市には長野県を代表する「オランチェ」という直売所がございますけれども、県ではこういう販売額1億円以上の直売所というものを30カ所くらいに増やしたいということで進めております。21年度には32カ所まで増えておりまして、さらに推進を図っていきたいということで進めております。

 7ページが4つ目の柱の環境と調和した農業と元気な農村への取り組みということで、エコファーマーの認定を増やすということで、5,000人の目標に対しまして、現在、7,000人を超える認定者になっております。そんな中で、1万人を目標として、今、進めているところでございます。またさらに中山間地域対策ですとか、遊休農地対策、野生鳥獣被害対策、こういう農村集落の維持にとって必要な対策も鋭意進めております。

 8ページでございますが、基盤整備の部分でございます。特に県内で多くの農業水利施設、こういうものが更新時期を迎えております。大変な費用がかかるわけでございまして、そういうものに対しまして、計画的な補修・更新を進めておりますし、さらに地すべり対策ですとか老朽ため池、こういう防災対策にも力を入れさせていただいております。

 そんな5つの基本方向の中で、施策を進めさせていただいておりますが、9ページに23年度の農政部の施策体系、主要な事業のみですけれども、お示ししてございます。この中で特に生産力を強化するために、23年度は新しく2つの事業を実施したいということで考えております。

 1つは、真ん中ほどにございます食品産業タイアップ産地育成事業でございます。従来の市場出荷の市場流通に加えまして、食品産業などの業者さんと生産者との契約取引を促進する仕組みを作っていきたいということで、その仕組みの中へ、県ですとか普及センターが関わっていくという取り組みでございます。23年度につきましては、産地の魅力発信ですとか、契約取引の促進、産地体制づくりを支援する支援員等を設置しながら進めていきたいということです。

 2つ目は、その次に記載してあります「果樹農業振興戦略」推進事業でございます。果樹は長野県の最も基幹的な作物であるわけですけれども、近年、作物別に見ますと減少が一番大きいということで、そういう中で、果樹の品種構成ですとか生産構造、こういうものをもう一度つくり直したいということで、事業を仕組ませていただいております。23年度は、「シナノゴールド」の長期出荷への取り組みですとか、リンゴのフェザー苗、新わい化の苗ですけれども、そういうものの供給体制づくり、さらに高齢農家から円滑に果樹園が引き継がれるような仕組み、こういうものに対しての事業を進めていきたいということで考えてございます。

 以上、非常に雑ぱくですけれども、長野県におきます農政施策の取り組みにつきまして、ご説明をさせていただきました。どうもありがとうございました。

▲目次にもどる

 

【司会】

 ありがとうございました。それでは、これより意見交換に入らせていただきたいと思います。先程申し上げましたように、意見のございます方は挙手をしていただきますと、私のほうでご指名をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 なかなか最初に口火を切っていただく方は、どの会場でも若干の勇気が要るようでございますけれども、せっかくお見えいただいたわけでございますので、どうぞ、どんなことでも結構でございます。よろしくお願いをしたいと思いますが、いかがでございましょう。ご意見、ご質問、どんなことでも構わないと思います、いかがでございましょうか。

 

(以下、司会の発言は省略)

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】
 あんまりお手が挙がらないようなので、ちょっと私のほうから逆に質問させてもらいたいと思いますけれども。

 今、皆さんにこの食と農業農村振興計画というご説明をして、今、概略をご覧いただいたと思いますけれども、この計画自体、まず皆さんの認知度って、どれぐらいなんですかね。こういう計画があるということは、知っていましたよという人というのはどれぐらいなんですかね。知らなかったよという人はどれぐらいなんですか。知らなかったという人が多いですかね。今日、農業の関係者の方で、この計画を知らないという方はどれぐらいいらっしゃいますか・・・結構いるんですね、なるほど、わかりました。

 ちょっとそれは、我々のほうからもっとよく、宣伝、説明をしなければいけないなというふうに思いますし、それから、これ、今、5つの基本方向というお話をしましたけれども、ここに書いてあることは、なるほど、腑に落ちるなという方と、何かちょっと私の思いと違うなという方といらっしゃるんじゃないかと思いますけど。なるほど腑に落ちるなと、こういう方向だよねというふうに思った方ってどれぐらいですかね・・・ではちょっと腑に落ちないというか、あまり私の望みとは違っているんじゃないかという人は・・・誰もいないということは、良くもなければ悪くもなければ何だかよくわからないとそういうことですか、どういう感じですか。そういうことですかね。

 皆さんのほうから口火を切りづらいんで、ちょっと私のほうから、私の問題意識をお話しすると、まず、今、経済戦略会議ということで、長野県の経済、どうしようかということを議論させてもらっています。私は本当に長野県内いろいろなところを見回って、いろいろな人とお話しする中で、長野県を何とかもっと元気な県にして欲しいと。働きたくても働けないような地域は困るということを言われています。特に農村は、どんどん担い手も減っている地域もあるし、また、今、TPPの議論もあるし、これからの農業はどうなっていくんだというご意見も承りました。

 ちょっと手話通訳と要約筆記をやってもらっているので、ゆっくりめで話をしなければいけないかもしれませんけれども、一つは、農業、産業という観点から、どうやって食っていけるというか、言い方は悪いかもしれないですけれども、生業(なりわい)として確立させていくのかと。その一つが今日言っている付加価値の高い農業という話だと思うんです。

 そういう問題意識と、それからもう一つは、農業は多面的な機能があるわけで、環境であったり、景観だったり、まさに他の産業と違って農業というのは、地域と密接不可分、まさに農業のあり方自体がその地域のあり方を決めてしまうようなところがあるので、そういう観点で、これからの農村、これからの中山間地域、どういう地域にしていくのか。そういう業としてと、それから公的な役割としての農業、まちづくりの中での農業、二通り大きくあるのかなというふうに思っています。

 ぜひ、こうやって計画を新たに作らなければいけないということで取り組ませていただこうと思っているのは、私はまさに時代が大きな転換点だと思っています。

 長野県の推計人口は、これから20年間で30万人、人口が減るというふうに見込まれています。それはもっと頑張って人を引っ張ったり、頑張って出生率の向上をすれば、多少は変動する余地はあると思いますけれども、それでも大きなトレンドは変わらないですね。今いる人達が、年齢構成がずれていくわけですから、高齢者の数は増えて、子どもの数は減って、生産年齢人口と言われている働き盛りの年齢構成の人達が減って、総人口は大幅に、20年間で30万人減る。

 かつて過疎問題だとか過密問題というのが華やかだった高度成長の昭和45年以前の20年間で、長野県の人口は10万人減っています。その時は日本全体、過疎問題だ、過密問題だ、大変だと言っていたわけですけれども。

 その時よりも、さらに人口が急速に減る時期を長野県が、これ、長野県だけではなくて日本全体、人口が減っていくわけですけれども、そうした時に、常に右肩上がりで、人口が増えることを前提にして考えていた仕組みとか、あるいは今年よりも来年、来年よりも再来年のほうが確実に経済のパイが大きくなって、税収も増えて、財政規模も大きくなるという時代は、もう過去のものですね。

 もちろん経済成長を目指すことはしていかなければ、付加価値を高めて、より経済的にも精神的にも豊かな暮らしというのは、さらに追求していかなければいけないわけですけれども。今までは、ある意味で、人口が増えれば、放っておいても消費してくれる人の数は増えていたわけですから、何でも右肩上がりに、あまり工夫をしなくても右肩上がりで規模が拡大していた。これからはよほどのことをしなければ、右肩上がりどころか、横ばいの推移も維持することは難しい時代になってきているわけです。

 そういう意味で、海外との関係、国内だけでは市場が小さくなるので、海外との関係をどうしようかとか、もう少し時間軸も中長期で、そしてエリア的にもグローバルに、いろいろな物事を考えていかなければいけないのが現時点だと思っています。そういう思いで、私は新しい計画を作らなければいけないというふうに思っているんです。

 そうした中で、長野県にとっての農業のあり方というのは、今申し上げたように、暮らしを支える基盤、産業としての意味でも、それから地域の環境とか景観を守るという意味でも、二重の意味で、あるいは三重、四重の意味で、重要な部分だと思っています。

 ぜひ皆さんの率直な思いとか、率直なお考えをぜひ聞かせていただきたい。いや、県政、県に言われても無理だという話もいっぱいあるかもしれませんけれども、国の農政を変えなければいけないことは、それは国に対しても言っていかなければいけないと思いますし、むしろ地域でできることは、皆さんと力を合わせてやっていかなければいけないし、そういういろいろな角度から、ぜひ、私は皆さんの率直なご意見を聞きたい。別に難しい複雑な制度的な話でなくてもいいです。本当に、毎日こんな状況だとか、去年と比べてこんなに大変だとか、そういう話でも結構ですが、何でも率直に皆さんのお考えをお聞かせいただきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

▲目次にもどる

 

 1.TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について

【男性(No.1)】

 すみません、○○と申します。農業委員会の会長をやっております。

 ただいま、本当に知事さんから、大変ありがたいお言葉を頂戴したと思っておるわけなんですが。先程お話にありましたTPPの問題でございますが、大変、農家の皆さんは、不安の真っただ中にあるとそんなふうに思っております。県でももちろん、ただいま知事さんのおっしゃられた、二重、三重の、農村の深みと申しますか、そんな中で、これは絶対阻止をしていっていただきたいと、そんなようにぜひ国のほうへ申し上げていただきたいと、こんなふうに強く念願をするところでございます。よろしくお願いします。

▲目次にもどる

 

 2.農業について
【女性(No.2)】

 中野市豊田で農業を、専業ではないんです、息子たちはやっていませんので兼業ですけど。私が嫁に来たときに、30年前ですけど、村長選があった時に、この国は工業国だと。それで、高速が来るので、農地を減らして工場を誘致する、そういう方向に持っていくというような村長選だったんですね。それで、今、なぜ農業なんですか、それが、今、ちょっと一番質問したくて出てきました。お願いします。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 ちょっとまたいろいろご意見を出していただきたいと思いますが、TPPの話は、私は慎重な上にも慎重な対応ということで言っています。これは、反対とはちょっと微妙にニュアンスが違う言い方をさせてもらっていますけれども。

 日本の社会、農業以外にもいろいろな産業分野がある中で、国としての農業政策を今後どうしていくかというのは、今まさに政府で検討している。そういう方向性の中で、なおかつTPPの枠組みが、今、日本はどちらかというとやや後から入れてくれという話になっていますけれども、日本にとってのその特質というものをきっちりと見極めた上でですね、あとの方のご質問にも関係しますけれども、農業というのは、業としての普通の産業という視点だけではなくて、やっぱり多面的な機能がある。

 なおかつ、私は農村がどんどん、どんどん疲弊して、日本が都市だけ、都市国家になってしまえばいいのかといえば、そうではないだろうと思っています。なぜかというと、日本のいろいろな資源、例えば水資源にしても、食料も重要な資源だと思いますし、様々な資源というのは、実は、都会はほとんど消費するだけで、多くのものは、実は農山村部が供給している、あるいは維持しているというふうに思っています。

 私は横浜で副市長をしていましたので痛感しているのは、都会は非常に脆弱な社会ですよね。私はもう、ある意味でこれから、今は何となく、農村と都会と比べた時には、何となく都会の方がお金もありそうだし、何となく都会の方が進んだ暮らしをしているんじゃないかという感覚になりがちな人もいるかもしれないですけれども、私は、実は逆なんじゃないかと思っているんですね。何か一つ、エネルギーにしても食料にしても歯車が狂った時に、すごく脆弱な基盤であるのが今の大都市ですよね。東京だったり、大阪だったり、あるいは何かちょっと災害が起きた時に、大きな混乱を起こしてしまうのも大都会だと思っています。

 そういう意味で、日本全体を見渡した時に、より安定的な社会を作っていくためには、私は農山村が基盤を確立してですね、農業も林業も自立できるそうした社会を作ることによって、都市と農山村が本当の意味で共存する、あるいは補完し合う、そうした社会をつくらなければいけない。

 とりわけ日本の場合は、非常に豊かな自然に恵まれています。その中でも信州というのは、美しい景観とか、豊かな水資源とか、ほとんど何て言うか、他の国々に行ったらお金を出しても買えないようなものが山程あるわけですね。そうした農山村地域の大事なものというのを、守っていくことをきっちりと考えていかなければいけないというふうに私は思っています。そういう中で、やっぱり農業というのは、これからもと言うか、これまで以上に、実は重要なものになってくるというふうに思います。

 食料の価格は、最近、投機的な要素と災害といろいろな要因が重なって、国際的に価格が上昇しているわけですけれども。日本は人口減少になっていますけど、世界は人口が増えているわけですし、それから所得が日本よりも低い国々の所得水準というのがどんどん上がってくる中で、食料というのは、中長期的には価値が高まってくる。農業の価値も、私は高まってくるというふうに思います。ですから、何と言うか、短期的な視点でも物事を考えるのではなくて、もう少し中長期的に物事の価値をきっちりと評価して、そのための戦略というものを組み立てていくことが非常に重要だと思っています。

 そういう意味で、最初のTPPの話も、そういう中長期的な文脈、それからグローバルな文脈で、しっかりと戦略を日本として立てていかなければいけない分野だと思いますし、なぜ農業なのかというのは、私は、例えば、非常に極端な話で、日本から農業がなくなったときには、農山村の景観も失われていくし、いろいろな、水源涵養機能を初めとして、さまざまな土地の持つ機能というのも失われてしまうし、私はそういう観点からも、農業のあり方というものに対して、特に長野県は多くの農業に関係されている皆さんがいる地域ですから、これまでもそうでしたけれども、これまで以上にしっかりと向き合っていかなければいけない分野だというふうに思っています。よろしいでしょうか。

▲目次にもどる

 

 3.付加価値の高い農業施策について
【男性(No.3)】

 どなたもいませんので、議員をやっております○○と申します。付加価値のある、付加価値の高い農業というのは、大変高い表題だなというふうに思っています。お話がありましたように、例えば高齢化社会の問題、後継者の問題、あるいは遊休荒廃農地の問題、様々な課題というのは随所にあるわけですけれども。

 その中で、例えば生産した物をどういった形でその付加価値をつけるのか。全く単純に言えば、付加価値をつけるための初期投資をしなければいけないというのは当然出てくると思うんですよね。

 しかしその中では、もう年をとっていて、融資を受けようと思ってもなかなかそういった担保がされない。しからば、今までのような農業をそのまま続けていくのかどうなのかという。そして、もう年をとったから農家をやめたいんだけれども、今、こういう情勢では田畑を借りてくれる人さえいない。そういう中で、やっぱり悩んでいる高齢者の方というのはうんと大勢いると思うんですね。そういう点で、その付加価値をつけてどういうふうに、いわば食っていける農業にするのか。そこのところが、まだはっきりとした道筋として見えていないのではないかなというふうに思うんです。

 私は農業をやっていませんで、家庭菜園だけですから、農家の皆さん方とお話をする中で、例えば昨年のリンゴもあまり良い状況ではありませんでした。そんな中で、リンゴを直接個人の方と毎年契約して、贈答品として送っている方がいるんですけれども、結局、生産量が低かった。そして品質もあまり良くなかった。しかし、例年送っている方には送ってあげたいということで、自分で作ったリンゴではないリンゴを他の農家から買って、それで送ったという話がありました。しかし、送った結果は、今までのリンゴと味が違うということでクレームがついたわけですね。そこのところでやはり、自分が作っているリンゴや、あるいはアスパラも含めて、生産物について自信を持っているその物が、いわば他の方からの物を流用したおかげで、自分のブランドというか、そういったものも含めて下がってしまったという、そういった悩みも聞いたことがあるわけですね。

 そうすると、俗にいう、中野は、キノコも含めて、リンゴや様々な物がブランド物としてあるわけですけれども、それを維持をするための努力をしている。そこにきちんと対応する行政の姿勢というものも必要だと思うんです。

 その中には、地域発元気づくり支援金などという小さな、それこそ地域でまとまって様々な事業を展開をして助かっている、あるいはそれによって地域の和が強まっている、広がっているという、そういう事業もあるわけですけれども。どうもお聞きをすると、今度は広域単位に変更するというようなこともお聞きをしておりますけれども。

 そういった農家の皆さん方一人一人の力が、本当に結集できるような、そういう方向性というものをやはり見出していくような施策も必要ではないかなというふうに思います。

 先ほど環太平洋パートナーシップ、TPPの話もありましたけれども、中野市は、慎重に対応すべきだという意見書と、反対だという意見書、2つ出ました。結果として、先ほど○○(No.1)農業委員会会長から話がありましたけれども、私どもとすれば地域の農業を守るという点で、反対をするというはっきりした態度を示していこうと結論になりました。

 この、いただいている資料の中では、19年に作ったということですから、おそらくTPP問題は想定外の中での数字だというふうに思います。この数字を実現させるには、改めてやはり見直しも含めて、地域の皆さん方の、あるいは生産をされている皆さん方の意見はきちっと対応しながら、この目標ができれば、そんな方向に進んでいって欲しいなというふうに思っています。

 ちょっととりとめのない話をしましたけれども、現状はやはり厳しさを持って臨んでいる。そしてどうしたらいいのかと悩んでいる。そこに対して、明るい道筋が見えるような、そういった政策や、あるいは指針などが、本当は出していけたらいいのではないかというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 本当に、私も明るい道筋を描ければいいなと思っています。元気づくり支援金の話がちょっとありましたけれども、元気づくり支援金の話は、これはまだ正式にこうだああだという話をさせていただいているわけではないです。

 ただ、私の気持ちとしては、非常に地域にとって有効に使っていただいているという部分もある反面、これは地域づくり団体の皆さんの活動の分はともかくとして、市町村に対する元気づくり支援金のところは、県と市町村の役割ということを考えた時に、今のままの形がいいのか、県は広域自治体ですから、もう少し広域的な部分で活用してもらうような方向がいいのかというところを考えた時には、私はもう少し広域的な活用、あるいは県としての意思、あるいは市町村と県とで考えた方向性とか、そうしたものに合致したことに投入していくほうが、実は効果的なのではないかというふうには思っています。まだこれはこれからの議論だと思います。

 例えば、いろいろな地域づくりの活動がありますし、いろいろな市町村の活動もあります。ただ、これは、もう本当に私の問題意識としては、これからの10年、あるいは5年という期間に、農業の問題にしても、あるいは福祉の問題にしても、しっかりとした方向づけをして、その方向に重点的にいろいろなものを振り向けていかないと、だんだんその社会的なパワーというのは、日本は下がっていってしまうと思いますので、そういう意味では、早目にその資源の集中化、あるいは県民の皆さんとの共有目標というのを明確にしていかなければいけない。

 そういう中での、私の発想は全てそういうところにあるんで、そういう中で元気づくり支援金も、これは確かに市町村とか地域の皆様方のご要望は強いというのは重々わかっています。ただ、それだからといって、今までどおりで本当にいいのかなというところは、今後、よく考えなければいけないなというふうに思っています。

▲目次にもどる

 

【農政部長 萩原正明】

 農政部長の萩原です。知事は立って話さないと気合が入らないということでいつも立ってお話をされるんですが、失礼ですが、私は座ったまま話させていただきます。

 今、○○さん(No.3)のほうから大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。

 一つは、付加価値をつけることの道筋がよく見えないよというお話と、もう一つは、先ほど説明をさせていただきました県の振興計画について、新しい事象が出てきているということについて、見直し等必要じゃないかと、こういう2つ、私、受けさせていただきました。

 付加価値をつけるということの道筋が見えない、確かにそういう部分があろうかというふうに思います。ただ、付加価値というのは何かということ、いろいろ考えてみますと、必ずしも投資をしなければ付加価値がつかないということでは必ずしもないというふうに私は思っております。

 例えば、やっぱり付加価値をつけるということになりますと、農産物を消費していただいている皆さんは消費者の皆さんでございますので、生産者サイドの物の考え方ではなくて、消費者の皆さんが何を今考えているのか、どういうものを要求しているのか、年齢構成はどうなのかとか、何を食べたがっているのか、こういったものをやっぱり十分ニーズを把握した上で生産をしていく必要があるんだろう。または、知事がよく言っておられますように、もうちょっと先を見て、明日、あさっての話ではなくて、もう少し先を見た形で物の生産をしていくということが一つ大事だろうというふうに思っています。

 例えばちょっとおもしろい話なんですけれども、最近のリンゴは大きくて、とても老人世帯では食べきれないという話をままお聞きするわけです。ご承知のとおり、日本の世帯数のうちの、ここ2~3年で一人暮らしないしはお二人暮しの家庭が半分以上を占める時代に入っております。その時に、32玉のリンゴをもらっても、正直言って、これ、食べきれない、4分の1ずつ食べるかというこういう時代にもう既に入ってきているわけでありまして。実は長野県の果樹試験場で、食べきりサイズのリンゴを開発しておりまして、当地、中野でも積極的に生産されている方がいらっしゃいます。

 実は、昨年、その方と組みまして、セブンイレブンで、食べきりサイズのリンゴ、どちらかというとファストフード感覚でリンゴを買ってもらって食べていただこうという、実は販売の仕方をしましたところ、大変好調でした。好調でしたが、今度はこっちの供給側が間に合わない形で、1年目は供給サイドが降参をしてしまったというような状況でございました。これはやっぱり、相手の気持ちを考えた生産をすることによって、付加価値はつけられるなということを実感いたしました。

 23年度に向けて、しっかり仕組んで、今年も挑戦をしてみたいというふうに思っていますので、必ずしもその付加価値については、施設投資をしなければという、必ずしもそうではないというふうに私は思っていまして、少し先を見ることによって、一手打つことによって、十分それは対応できるのではないかなというふうに思っております。

 それから振興計画の見直しの話でございます。全くご指摘のとおり、これはTPP問題、こんなにグローバル化が一気に進みそうだというふうに、我々も想定をしておりませんでした。そういう中での計画でございますし、想定外とすれば、温暖化がこんなに急ピッチで進んでくるとも、正直言って、もう少し我々の想定はテンポが低い、21世紀半ばで3度ぐらいかなと、想定をそのくらいの想定の中で試験研究も含めてしてきたんですが、ちょっともう少しピッチを上げなければいけないなというのが正直なところでございまして。

 実は、知事にもご相談申し上げながら、この計画につきましては、今年、また皆さん方のご意見を賜りながら、見直しをかけてまいりたいという計画にしてございまして、ぜひ現状に合った形にして、皆さん方にまたご理解をいただける計画にしてまいりたいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。

▲目次にもどる

 

 4.6次産業化と元気づくり支援金について
【女性(No.4)】

 永田のほうから来ました○○と申します。「ぼたんこしょう」の保存会のメンバーでございます。先ほど知事さんが、元気づくり支援金について、広域的な活用を望んでいるとおっしゃられたんですが、もうちょっと具体的にお聞きしたいなということは、私達「ぼたんこしょう」も、青い、青果というか、それのままで売れる物はいいんですけれども、形の悪い物とか、そういう物を二次製品にして、ということは6次産業化というところですけれども。

 2~3日前の農業新聞にも、「関心高まる6次産業化」という見出しで新聞があったわけですが。県だと思うんですけれども、サポートの充実とか、きっかけづくりの提供とか、支援策の活用というようなことが書かれていました。4月から6次産業プランナーを県内に4~5人配置するなどというような記事がございました。

 それでなんですけれども、あんまり細かいことを言って何なんですけれども、私達その「ぼたんこしょう」も、そういうB級品を何か加工したいなと思った時に、施設がないんですね。それで、元気づくり支援金というようなそんなものを利用させていただきながら、最初からいろいろな種類をなんてぜいたくは言わないんですけれども、例えば惣菜だけでもできるような釜とか、結構高額になると思いますので、そんなようなものが購入できるような、そういう応援が欲しいなと。その応援というのは、具体的には元気づくり支援金みたいなものが活用できたらいいなと思います。

 それで、もう今年の元気づくり支援金は締め切ってしまったと思うんですけれども、途中で補正みたいなものが去年はあったんですけれども、そんなものも、乗り遅れた人達のためにも考えていただければなと思いますけれども、よろしくお願いします。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 元気づくり支援金は、まだこれをこうするというふうに決めているわけではないんですが、ちょっと私の思いだけ申し上げておくと、元気づくり支援金って、今、二通りあるんですね。交付先が地域づくり団体とかNPOの皆さんのところへ行っているお金と、市町村に行く分と。

 私は、県と市町村というのは同じ行政ですし、市町村は市町村で税金をとって経営されているわけですから、そこは、何て言うか、県と市町村、それは使い勝手がいいにこしたことはないとは思います。

 私は市町村との関係を考えた時には、本当は県と市町村の財政移転というのは、やっぱり県としての政策目的が、例えば、今、たまたまちょうど6次産業化の話をされましたけど、何て言うか、何でも地域づくりならいいよということではなくて、県としてこういう政策を、例えば6次産業化を進めようと思っているから、ではその方向でみんなで考えてよということで、市町村に補助金を出すとか、市町村に交付金を出すというのは、政策目的があると思うんです。

 そこは、あまりにも何か自由度が高いというのは、市町村からは非常に喜ばれると思いますけれども、それであれば、何て言うか、県と市町村は、私は対等・協力の、広域自治体と基礎自治体という性格の違いで、本来は何か上下関係ではないと思っています。

 住民税も、皆さんは県税も納めていただいているし、市町村民税も別途並行して納めていただいているわけですので、そういう意味では、何かそういう関係での、県・市町村関係のあり方としては、いろいろ検討する余地はあるのかなと。

 私は、地域づくり団体とかNPOのほうに対しては、元気づくり支援金という手段ももちろん喜んでいただいているんで、悪い制度ではないと思っています。ただ、全体的な財源の限りがある中で、今までどおりの形が本当にいいのかというところは議論しなければいけないと思いますし、それとあわせて、私は「新しい公共」ということをもっと考えなければいけないと思っています。

 まさに6次産業化みたいなことは、ある意味でこれからの社会を作っていくパブリックな部分を、行政ではない、県民の皆さんが主体的に進めようとされているわけですから、そういう部分に対しては、もっと例えばNPOに対して、あるいは地域づくり団体に対して、寄附したら、皆さんがお金を出せば、その分は、実は税金から控除されますよ、だから、皆さんの団体に、例えば私が、私はちょっと寄附したら捕まってしまうというか、罰則で禁止されているんで寄附できないんですけれども、どなたかが寄附したら、実はその分は、県に納める税金から控除されるとか、そういうことで、県とか行政を通すと、行政のフィルターを確実に通したやり方になりますから、私はむしろ、そこの部分はもっと県民の皆さんの意思とか、そういうものがよりストレートに反映される仕組みをつくることができないかなというふうに思っています。

 ちょっと、元気づくり支援金については、まだこうするというふうに決めているわけではないですが、地域の活動に対する応援のあり方というのは、補助金以外のあり方ももっと充実しなければいけないんじゃないかなと。

 それから市町村と県の関係は、上下、主従の関係ではないわけですから、県がやること、市町村がやることというのを、よりクリアな形にして、これは県・市町村間関係、これは市長会の皆さん、町村会の皆さんと、よく十分相談をさせていただかなければいけないなと。そういうふうに思っているというのが、今の私の頭の中であります。これは別にペーパーが出ているとか、そういう話でもないので、県庁内でもまだこれから議論する白紙の話ですけど、私の頭の中は、イメージとしてはそういうイメージです。よろしいでしょうか。

▲目次にもどる

 

【農政部長 萩原正明】

 すみません、今のご質問されました○○さん(No.4)、6次産業化の話でございまして、我々としましても、いわゆる農家の皆さんの所得確保を図っていくためには、やっぱり6次産業化というのは、絶対的に必要なものだということで、県としてもいろいろな研修の仕方だとか、それから講習だとか、それからいろいろな相談、農政部ばかりではなくて商工労働部も含めまして、いろいろな商品化のご相談に応じる仕組みを作っておりますし、今日、お話の出されました「ぼたんこしょう」につきましても、伝統野菜ということで、大変皆さん頑張っていただいて、我々としてもありがたいというふうに思っておりまして。最近、「ぼたんこしょう」を使ったケーキだとか、いろいろ挑戦をなされている方もいらっしゃいまして、大変ありがたいことだというふうに思っております。

 加工施設につきましては、いろいろな、必ずしも元気づくり支援金ばかりではなくて、その規模だとか、そういうものによっていくつかの方法はございますので、ぜひ中野市の農政課、さらに地方事務所の農政課とも十分ご相談をいただくようにお願いをしたいというふうに思います。以上です。

▲目次にもどる

 

 5.生業(なりわい)としての農業について(その1)

【男性(No.5)】

 自分は兼業で自給的な農業をやりながら、土日に農業をしながら、兼業でやっている○○と申しますが、今日のこの中で、非常に素朴な質問で恐縮なんですけれども、このテーマで設定されている、いわゆる生業としてやっていける農業の規模なり、あるいは所得ベースなりを、県ではどのくらいのものをモデルとして想定されていらっしゃるのか。

 収入ベースでどのくらいあれば、生業としてやっていける、あるいは魅力ある農業として、後継者なり、そういう担い手が、県の目標の毎年200人以上の皆さんが参入できるような規模、どのくらいなものを想定されていらっしゃるのか。

 それからこの5つのそれぞれの柱の中に共通してくる、農村社会というものを、どういうものをイメージされていらっしゃるのか、その辺をもうちょっと具体的にお聞かせいただきたいと思います。

▲目次にもどる

 

【農政部長 萩原正明】

 では私のほうからお答えをさせていただきます。所得目標でございますが、所得です、販売額でなく所得で500万円を長野県の場合は目標にしております。

ただし、実はこれ、市町村によりまして、県が500万円でございますけれども、市町村でそれぞれ目標設定が多少違っておりますので、中野市さんの場合、もうちょっと、きっと50万円かそこら高いのかもしれません。ちょっとそこは、私、承知をしておりませんが。

 県全体の考え方として、所得目標、当然1戸当たり、農家1戸当たり、500万円所得を目標にしてございます。

 それから、農村の、もう少しこう具体的な姿はどういうふうに想定しているかということなんですが。これ、大変難しいわけでございまして、混住化が大変進んできております。ただ、そうはいいましても、日本の農村、それは長野県の農村、みんなそうですけれども、やはり水田をベースにしている部分がかなりございますので、やはり我々とすれば、共同作業だとか、こういったものが十分機能できる農村を一つの目標としてございます。

 ということになりますと、やはり水路だとか、農道だとか、こういうものがあって、農村集落ができているわけでございますから、住居は当然でございますけれども、これは個別の問題等にさせてもらいまして、いわゆる集落としての共通財産であります用水路だとか、農道だとか、こういったものが、集落の力で、当然それは行政の支援だとか、当然それはありますけれども、集落の力で守っていける、そういう能力を持った、またそういう協調姿勢のある、こういったものを、我々としてはやっぱりぜひ農村集落として、将来とも守っていきたいなというふうに思っております。

 そのためには、中野市でも大分取り組んでいただいておりますけれども、農地・水・環境事業だとか、中野市さん、何カ所取り組んでいただいているか、ちょっと、私、頭にありませんけど、取り組んでいただいている集落もかなり多ございますし、積極的にそういう集落機能を将来とも維持していこうという活動をされている集落がおありになりますので、我々としてはそういうところはやっぱりこれからも支援してまいりたいというふうに思っております。

▲目次にもどる

 

 6.生業としての農業について(その2)
【女性(No.6)】

 今、1戸当たり500万円ということでしたけれども、1戸当たりの就農者は何人だと考えていらっしゃいますか。

 すみません、「ネットワークたかやしろ」の○○と申します。それでいいですか。1戸当たりということでしたけれども、1戸当たりに何人の就農者がいるとお考えでしょうか。

 

【農政部長 萩原正明】

 基本的にはお二人という想定です。

 

【女性(No.6)】

 2人以上の場合、3人とかの時には、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

 

【農政部長 萩原正明】

 あくまでも1戸当たりで想定していますので、ご家族の場合の中で、例えばご両親がいて、後継者が入られて3人になった。後継者の方が結婚されて4人になったということは当然あります。その際には、当然ご夫婦で従来500万円上げていた。息子さんが入った、お嫁さんが入って一緒に農業をやるという形になったとすれば、当然、従来の経営で、そのまま4人でやるということではなく、一般的にいえば、品目を少し変えるとか、経営面積を変えるとか、当然そういう挑戦はされているはずでございます。

 ただ、我々の数字上の目標とすれば、500万円ということで想定しているだけで、実際の場面は、今、きっと、おっしゃいましたように、また人数が増えたりすれば、当然そこに1人分のプラスアルファは当然あってしかるべきだというふうに思います。

▲目次にもどる

 

 7.生業としての農業について(その3)

【男性(No.7)】

 ○○と申します。今の農政部長さんの話をちょっと聞いておりますと、それから○○さん(No.6)の話の中で、戸当たりという話でありますけれども。

 ちょうどこれから確定申告も始まってくるわけでございます。私は、今の知事さんから始まって、話の中に農家という言葉を使われるんですね。これ、国の菅総理も言葉の中において、農家の皆さん、農家の皆さんとこういうふうにおっしゃるんですけれども、非常に違和感がございます。

 今、○○さん(No.5)のほうからもありましたように、農業を生業として成り立っていくのか、いわゆるこれから新しい、また若い皆さんが農業に取り組みたいと、そういう担い手を育成していかなければならないという中において、今の、前の○○さん(No.6)の質問にもありましたけれども、戸当たりでいくときに、では何人かと。

 農政部長さんは、今、2人というふうにおっしゃいましたけれども、私はそういうふうに思いません。あくまでも農業をやっていく、生業としてやっていくわけですね。それは、その人の職業であって、農家の所得ではないんだと。農業をやっていく1人の所得というふうにこれから考えていかないと、なかなか面倒なものじゃなかろうかなというふうに思います。

 これからTPPとか、そういう問題に立ち向かっていかなければならない。そういう中で、長野県農業をどうするということも確かに大事なことだというふうに思いますけれども、日本の食糧をまずどうするのかと、そのことを前面に出していただいてこないと、我々も、さてどうしましょうかと。

 何かその農業者をどういうふうにするんだということよりも、やはりそこに携わっておられる国あるいは皆さん方、県の皆さん方、やはり日本の食糧問題、それを国民の皆さんにきっちりお話をされて、それで私ども、その食糧を作っている農業者がどう立ち向かうかという、その辺の道筋をきちんと立てていただければありがたいなと。

 ちょっと取りまとめはございませんでしたけれども、そんなようにも思います。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 非常に重要なご指摘だと思います。ちょっとその言葉の使い方として非常にいろいろな、ファジーな使い方、抽象的で曖昧な使い方をしていることによって、どうも問題の所在が不明確になってしまうんじゃないかというのを、今、お話を伺っていて非常に痛感をしておりました。

 何て言うか、生活していける、農業で生活を成り立たせていく時に、どういう単位で、どういう形態を想定するかというのは、おそらく非常に根源的な話だと思いますので、少し、今いただいたご意見は十分念頭に置きたいと思いますし、それから農業の未来をしっかりと描き出せというご指摘も、まさに、何て言うか、私も個々の耕作放棄地をどうするか、あるいは付加価値をどう高めるかという以前に、将来ビジョンを掲げて、そこに向けて皆さんと知恵と力を結集して実現していくということが重要だと思っていますので、少し、これからちょうど中期計画をつくる段階でもありますので、農業の問題について、今いただいたように、少し根源的なところまで掘り下げて、基本的な部分から考えるようにしていきたいというふうに思います。ありがとうございます。

▲目次にもどる

 

 8.農村交流について
【女性(No.8)】 

 「ネットワークたかやしろ」の○○です。専業農家の主婦です。とりとめのない、夢みたいなお話をさせていただきたいと思いますが。

 私達もどんどんと、農村であっても高齢化が進んでおりまして若い者が入っておりませんね、こういう中で、そんなに向こうのビジョンはできないと思うんですが、ここ5年ぐらいの、私達がまだ元気で農業をできるような時をどうして暮らしていこうかなと思います。

 そのときに、今、都会では、やっぱり60を過ぎられて、職業をリタイアされて、お金は少々あるんだけれども、何をやっていいかわからないような、私達と同じような年配の方達がいらっしゃると思うんです。

 そういう方達をこの農村に呼び込んで、そしてやっぱり都会で、スーパーから買っていただけるような、そういった味と、やはりここへ来ていただいて、青空の下で、本当に空気のきれいなところで、もうとりたての果物を食べていただく。そして帰られて、中野の応援団になっていただくということも大事だと思います。

 一つ、夢なんですけれども、どんどん子ども達が生まれなくなってきまして、保育園や何かもどんどんとこれから統合されて空いてくると思うんです。そういった施設を利用して、都会の、私達ぐらいのおかみさんとか母ちゃん達が、団体で、そういう保育園の空いたところかなんかにいらっしゃって、それで、そこで自炊していただいたり、お布団も自分で持ってきていただいて、泊まっていただいて、もう本当に電気代とか水道代とか、そのくらいの経費で本当に安く泊めて、1泊1,000円以下で泊められて、それで、この近在の農業をやっている方のところへ入っていただいて、そして一緒にこう農業体験をしていただいたりね。

 でも私達はもう全然収入がございませんので、お手伝いしていただいても、お金を払う、時給を払うなんていうわけにはいかないと思うんです。ボランティアでやっていただいて、だけども、お帰りの時には、農産物を持って帰っていただくみたいな、そんなこととかして、何かこう、都会と農村地域、それがもっともっと密接にかかわっていくということも、すごく大事じゃないかと思うんです。

 そういうことを、一般の農業の私達は手間がなくてできませんので、ぜひ行政をなさっている方が宣伝マンとして、そういう事務的なこととか、それから宣伝を、旗振りをしていただいてやっていけば、ちょっとおもしろいかなということも考えているんですが、いかがでしょうか。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 基本的には、私は、都会と農山村がもっと交流して、いい意味で補完関係を作ったほうがいいと思っています。いろいろなネットワークを作ってですね。

 例えば、今おっしゃったように、農業体験をしてもらう、あるいはボランティアで手伝ってもらうというのは、農山村側にメリットがある話だと思いますし、逆にそういう交流をしておくことによって、例えばいざ災害が起きた時にはここに避難してねというような関係ができれば、非常にお互いにとってメリットのある交流ができるというふうに思います。

 私は4月からいくつか組織を作ろうと思っていますけど、その中に「移住・交流推進本部」というのを作ろうと思っています。

 長野県というのは、Iターンをするにしても、あるいは観光で訪れるなり、交流するなり、非常に魅力的な地域ですけれども、今まであまりその優位性を十分発揮してきてなかったんじゃないかなというふうに思っていますので、そういう情報発信とか、あるいはその仕組みづくりとかですね。

 今日も飯山市長と話していたんですけど、飯山市は、ふるさと回帰とか、交流居住とか、そういうのをかなり、いろいろ制度も作って取り組まれていますので、少し県全体で、いろいろな形で都市と農山村の交流とか、あるいはもうIターンしてもらっちゃうとか、そういうことを進めていきたいというふうに思います。

 それから都市・農村交流については、今、ご説明したこの農業農村振興計画の中にも入っていますので、ちょっと農政部のほうの今の事業について、農政部長のほうからお話をさせていただきます。

 

【農政部長 萩原正明】

 先程うちのほうで説明させていただきました、7ページ(資料(PDF:1,339KB))の一番下の3のところに、「農とふれ合う都市・農村交流」という項目がございます。ちょっとまたこれを、本当の概要しか書いてございませんが、ご覧をいただきたいと思います。

 今、ご意見をいただきました、最近、都市で生活される皆様方の考え方というか、生活様式だとか、いわゆる観光に対する考え方とか、極めて多様化されておりまして、今おっしゃいましたような考え方の方が、最近かなり増えていることは、全く私も同感でございます。

 県下でも、例えば飯田市だとか、隣の飯山市だとか、こういうところにつきましては、既存の施設、または民宿だとか、そういうところを有効に活用しまして、いわゆる農村交流というものをかなり積極的にやっておりまして、そこに24年度目標54万人と書いてありますが、これに近い形まで、現在、長野県内には、グリーンツーリズムという形で長野県へ入ってきておられる方がいらっしゃいます。

 空き保育園を使うというお話もございましたが、県内では空き小学校を改築をしまして、そこに宿泊設備なり、そばを打ったり、料理を作ったり、地元の皆さんと、農家の皆さんと交流して、そこから手伝った野菜だとかそういう物を、自分達で自炊をしながら、食べたり、泊まったりと、実はそういうところもございまして、今おっしゃいましたそういう動きが、まさに、今、活発化しております。

 ぜひ計画を、仲間の皆さんで少し煮詰めながら、ぜひ市町村、それから地方事務所のほうとご相談をいただけば大変ありがたいと思っております。

 いろいろな工夫はできると思います。できたら中野らしい色を出していただければ、我々としては大変ありがたいなというふうに思っておりますので、ぜひ皆さん方のお知恵を出していただければ、我々としても積極的にご支援をさせていただきたいと思います。

 また、支援の方法は、市役所、地方事務所とご相談をいただいたらいくつかの方法がございますので、規模だとか、そういうものにも応じた対応がとれますので、ぜひご相談をいただければありがたいと思います。

 子ども達に対しましても、都会から来る子ども達、それから、最近、やっぱり長野県内でも子ども達がなかなか、農家の子どもであっても農業にふれ合う機会が少ない部分もあったりしますので、地域で子ども達に農業を体験してもらおう、それも単発的なものではなくて、年間を通じた、例えば水稲であれば、田んぼを起こすところから収穫、それを食べるところまで、こういった一連のものの農作業を体験して、そのつらさだとか、楽しさだとか、こういったものを体験してもらおうというようなことで、県下で先進的ないくつかの団体がやっておられます。

 こういったもののネットワークだとか、こういったものの数を増やしていこうというようなことで、知事からの指示もございまして、23年度はそんな事業も展開させていただく予定で、この2月県会に提案をさせていただく予定としておりますので、またぜひ中野のほうでも、皆さん方、大いにご活用いただければ大変ありがたいと思っております。

▲目次にもどる

 

 9.少子化について
【男性(No.9)】

 住んでいるところは飯山市でありますが、○○ですが、一言お願いしたいと思います。

 先程来、お話を伺っておりますと、知事さんからも、人口構造が逆ピラミッドになってきていると。20年後は大変な時代が来る、こういうお話をいただいたんですが、私は思うに、それが前提で全てこれから企画をするということでなしに、やはりピラミッド型まではいかないにしても、かつて我々が小さいころ教わったときには、先進国は、人口構造はピラミッド型ではいけない、こういうことは教わったんですが、それがまるっきり逆になる構造で、今ある、こういうことですので。

 ぜひ地域の活性化の中では、やはり子ども達が大勢いるというのが前提でありますので、また大勢子ども達がいなければ、食糧のお話もありましたが、消費は増えない、減るだけです。こういうことで、ぜひその辺にも、先日もちょっと新聞にも出ていましたが、年寄りが増えて、稼げる者が1人で2人の年寄りの年金を見なくてはいけないような時代が来るというようなことが書かれておったんですが、ぜひそうならないように、今から人口が増えるように、子ども達、大勢、産めよ増やせよできるような取り組みをぜひお願いしたいなとこんなふうに思います。以上です。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 私は人口が減っていくから大変な時代になるとばかりは言えないんじゃないかとは思っています。

 人口が減る中でも、より豊かな社会、経済的な部分だけじゃなくて、そういうものを作っていかなければいけないんだろうというふうに思っていますし、日本全国、人口減少する中で、実は都会の高齢者絶対数は、長野県は、今現時点で、相対的に高齢者比率が高い地域ですから、10年、20年を見据えた時には、実は高齢者の絶対的な数というのは、都市部のほうが増えます。もちろん長野県は、年をとっても元気で、本当に活動されているお年寄りが多いので、ある意味で行政的、財政的には非常に支えていただいているという部分もあるわけです。

 中長期を見た時には、実は都市部の財政運営のほうが長野県よりも相対的には厳しくなっていくんじゃないかなというふうに思っています。長野県は、そういう意味で新しい人口減少社会のモデル的な地域をつくることができる可能性がある。

 今の健康長寿県という部分をしっかりと生かしながら、農業、林業、それから環境、そうしたものを生かしながら、そのエネルギーをできるだけ地域で賄う。あるいは観光と環境を連携させるとか、そういうことで新しい地域社会のあり方というのをつくっていくことが十分できると思っていますので、そういう意味で、人口が減るから暗い社会だというふうに思っているわけではないです。

 もちろん子どもも産み、育てやすい社会を作っていくということは重要だと思っています。ただ、今の年齢構成でお子さんを産む適齢期の女性の数というのが相対的に少ない比率になっていますから、今、では子どもをどんどん産むことができる環境を作って、直ちにでは人口が増加していくかというと、そういうような状況ではないわけです。

 私は女性も働きやすい、そして子ども達が本当に生き生きと育つ環境づくりというのは必要だというふうに思っています。それと、その人口の大きな変動というのは、もちろんリンクする部分もありますけれども、決定的に人口が増えていくとか、そういう形には、今の人口構成からするとならないというふうに思っています。

 ただ、人口減少社会自体が、決してその後ろ向きのとらえ方ばかりではなくて、むしろポジティブにとらえていくことが重要だというふうに思っています。よろしいでしょうか。

▲目次にもどる

 

 10.規模の小さな農家の支援について
【男性(No.5)】 

 すみません、○○(No.5)ですが、いろいろお話を聞いている中で、やはりこの一番最後の12ページの統計、平成19年度の数字で載っておって、これでは、今現在、長野県の農家1戸当たりが66万円なんですよね、数字が。

 先ほど農政部長さんのほうから、1戸当たり500万円を目標にしているというと、8倍近い数字にしていかなければ、目標、農家の食べていける、生業としてできる農業にならないというふうにこの数字からは言えると思うんですけれども。

 その中で、今、例えばいわゆる競争できるレベルの、一番この先頭を走る農家の皆さん方というか、そういう競争できる、生業として農業をやっていける、その層の人達を支援する重点の政策でいくのか。ただ、そうした時に、今度、農村の地域社会と言いますか、自然を守ったり環境を守ったりしていくというと、その人達ばっかりでは、当然、成り立たないと思うんですよね。

 例えば中野市で、今、10ヘクタール以上の水田農業、先程、何で水田農業というかといったら、基本は水田をベースにしているとおっしゃったので、中野市で、では水田農業という視点で見ると、10ヘクタール以上のお米を作って、何とか食べていける水準と思われる人というのは、10人にいくかいかないかぐらいしかいらっしゃらないと思うんです。

 あと中野市の場合、ご承知のとおり、ブドウとかリンゴを主体にした果樹を専業でやっていらっしゃる方。それからもっと言えばキノコですね、キノコ産業。もう、1軒で億単位の投資をされてやられている中、例えばキノコで言えば、中野市のキノコの、いわゆる生産高といいますか、販売高、200億円を超えている中で、1割のその生産農家、大体100軒いくかいかないかぐらいの方が、そのうちの90%を生産しているんだと。残りの9割の人達が1割の生産を担っているんだというぐらいの、統計的には、概算で言えばそのぐらいな形なんですよね。

 そういう中で、地域の農業、環境を守って、地域を守っていくんだといった時に、行政の目線は、当然、両方へ向けなければならないとは思うんですけれども。

 その辺、いわゆる自給的農業なり、地域環境を守っていくレベルしかやっていられない、あるいは経営面積も少ない、兼業的農家の、そういう層の農家をどのように今後の中で考えていかれるのか。競争に勝って、ちゃんと真剣にやっていく皆さんを支えるのは、もう当然なんですけれども。そうじゃない層の人達はどのように支えるというか、支援して、あるいは位置づけていかれるのか、その辺のお考えもお聞きしたいと思うんです。

▲目次にもどる

 

【農政部長 萩原正明】

 大変悩ましい問題ということを言うつもりは全くありません。今、○○さん(No.5)のおっしゃったように、長野県の農家も、この統計に出ておりますように、日本一農家数が多い。1戸当たりの耕地面積が中位以下という状況ですので、長野県の農業は、一言でいえば小さい農家の、小規模の皆さんが、比較的労働集約型な農業をして、農家数が多いものですから掛け算をすると長野県は農業大国だと。極めて簡単に言いますと、そうなるわけです。

 農家の皆さんが、例えば後継者がいないで欠けていき、農家数が減りますと、イコール長野県の農業生産が落ちていくと、こういう実は、正直言って長野県、一言で言いますと、構造的にそういうふうになっています。

 ただ、そうは言いましても長野県の農業を支えている皆さんは、中野のように先進的な農家の皆さんばかりではなくて、中小の皆さんも含めて、いわゆる農村社会を形成されておられますので、我々とすれば、先頭を走っていただいている、そういうその、いわゆる農業でまさに食っていける皆さん方、それから農村を支えていただいている、兼業農家を含めて、中小の農家を含めて、やっぱりこのバランスの中で振興していくことが大事だろうというふうに思っておりまして、いわゆる農業施策と農村施策とを上手にバランスをとりながら、実行をしていきたいというふうに思っています。

 ちょっとこれは言い方が少し妥当ではないかもしれませんが、ヨーロッパあたりへ行きますと、農業施策だけで、農村施策というのは比較的なくて、前へ進んでいっているわけで、日本の場合、やっぱりもともとが水田農業でスタートしております。中野で果樹、それからキノコ等が盛んであったとしても、やっぱり農村のベースは、水田がベースのところもやっぱり多いわけでありますので、我々とすれば、農業施策と農村施策のバランスをとりながら、振興策をとっていきたいなというふうに思っておりますし、現在もそういう考え方で対応しております。

▲目次にもどる

 

 11.農業の担い手について(その1)
【男性(No.10)】

 座ったままで失礼します。山ノ内町の○○と申します。先程、農業所得のお話が出ていたんですけれども、私、山ノ内町で果樹、リンゴを中心に経営しているんですけれども。

 今、長野県の平均、担い手の年齢が66歳何カ月というふうに聞いております。そうするとあと10年経つと、単純に、3ページに出ています新規就農者が17年ベースで140人、10年経っても1,500人ぐらい足したところで、10年後に農村を支えている平均年齢が75歳になってしまう。何でそんなふうになるか。

 先程から話があるんですけれども、やっぱり、私のところではせがれが就農しておるんですけれども、とても勤めに出ているほどの給料にならないと。ある農家では、若い後継者が入って、どうやって給料をやっているかといったら、親父さんの農業者年金や国民年金、そっちから息子に払っていると、そんな話もあるんですね。

 ですから、確かにこの北信地域では、先進的な農家もありまして、非常にすばらしい農業をやっていられる方がたくさんあるので、新規就農の数も県下では多いほうではないかとは思うんですけれども、それでもやはりこういう遊休農地がこれだけ増えていってしまう、あるいはそういう、ほんのごく一部の農家が農業生産額の大半を占めているというか、やっぱり基幹的な若い人達が入ってこない。

 そういう状況の中で、県の今の5つの基本政策、方向という中で、一番最初に出ているのが、多様な担い手を育成すると。だからいろいろな施策、県のほうでも考えていらっしゃるんだと思うんですが、その中でやっぱり、どれが一番ということは申し上げないんですけれども、やはりその若い人達がぜひ農業に興味を持って就農してもらいたい。そういう人達がやはり、いろいろなやっぱり新しい考え方、新しい経営感覚というものを作っていくんじゃないかというふうに思うんで、ぜひその若い人達をどうやって、若い人というのは、基幹的な農家にどうやって後継者をつくるかというところで。

 私、長野市で、先ごろ新規就農の方に月額10万円の助成を出すというニュースをちょっと聞いたんですが、ぜひこれを県下でも、県でもこういう制度を取り入れていただけないか。ただくれるというのは非常に意味がないので、やはり各種のいろいろな研修だとか、それからそういうマーケティングを含めた、そういうところに積極的に参加してもらうのを一つの条件にして、いわゆる面的な補助ではなくて、今度は人的な戸別補償というのをぜひ考えていただきたい。

 そういう中で、やっぱり10年ぐらいやる中で、仮に年間100万円、100人やって1億円ですね。10年間ぐらいのそういう長期的なやっぱり見通しに立って、そんなことを考えていただければありがたいかなというふうに思います。よろしくお願いいたします。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 今、担い手の話がありまして、私も、実はそこはぜひ皆さんのお考えをよく教えてもらいたいなと思っているんですけれども。

 来年度の事業として、都会の人間に対して、もう少し農業を知ってもらって、それで信州に来て働きたいやという人達がいれば、そういう道を開く仕組みを作ろうと思っているんですけれども。多分、農業に対するイメージというのが、今、すごく持てない、あるいは持てたとしてもすごくマイナスイメージというか、そういう状況になってしまっているんじゃないかと思います。

 若手でバリバリやっている農家、農業経営者と話をすると、何か、農業は大変だ、大変だと言われすぎるから困っちゃうよというような話もされます。全体的には厳しいけれども、大変だ、大変だという話ばかりが伝わると、どうしても新しく頑張ろうという人達の参入が細ってしまうというところもある。

 そういう意味で、私はまずは農業というものの可能性というのを広く知ってもらうような機会を作らなければいけないし、そもそもその職業選択の選択肢に入ってない若者のほうが多いんじゃないかと思うんですよね、今の現状はですよ。

 ぜひ、いろいろな、例えば学校の先生になったり、公務員になったり、サラリーマンになったりする中に、選択肢として農業に行くというようなことも考慮に入れてもらえるような形を考えていかなければいけないんだろうというふうに思っています。

 そのときに、農業経営者の皆さんとか、農村の担い手が高齢化して後継者がなかなか難しいという皆さんは、どういう形で行政がね、私が例えばどこかへ行って宣伝してこいと、人を連れてこいと言われた時に、ではどういう形で、どういう人達を引っ張ってくるというかですね、引っ張ってくるというのはちょっと言い方が悪いかもしれないですけど、新たに就労してもらう人達の層として想定して、どういう形で地域の皆さんにつなぐというのが一番いいのかというのは、これはぜひちょっとまた教えていただきたいなと思います。

 長野県も農業大学校とかありますけれども、これからの担い手をどうやって育てていくのかという観点で、もっと私はその人材育成とか、人材確保の機能を強化していかなければいけないんじゃないかと思っています。

 助成の話は、担い手育成基金というのが県もあって、それで制度的にやっているので、ちょっとそこら辺の話は農政部長のほうからお答えさせますので、よろしくお願いします。

 

【農政部長 萩原正明】

 今、質問された方がおっしゃいましたように、我々としても担い手育成というのは、長野県農業の最重要課題だということに位置づけておりまして、いろいろな対応をしておりまして、農家子弟の皆さん、それから新たに農業に参入していただける皆さん方、こういった方、それぞれの立場、それぞれの条件に応じた対応ができるようにいろいろなメニューを用意して、今、支援をさせていただいているところです。

 ちょっと最初に、この3ページ(資料(PDF:1,339KB))のところに表がありますように、200人を目標にしていますよと、これは、実は40歳未満の方で就農された方の数字でございまして、実際には、例えば60歳で定年退職された皆さん方が就農されている方は、いわゆる長野県でも1,000人単位でいらっしゃるわけでございまして。この方、いわゆる200人が入ったから、200人ばかりではという、必ずしもそういうことではないということだけ、ちょっとご了解をいただきたいということが1点です。

 それから、今、担い手基金の話が、知事からお話がございましたが、実は、なかなかその個人支援というのは、行政としては大変やりづらい部分でございまして。

 そういうことがございまして、県と、それから中野市さんも含めた全市町村、それから農協さん、全農協が加わりまして、長野県担い手育成基金というものを作ってございます。ここで基金を積み立てまして、その基金の運用益で後継者の皆さんの支援もできる仕組みを作っております。若干、今、円が少し高くなっておりまして、収入が少し減ってきておりますけれども、許される範囲内で最大限、現在、支援制度を設けております。

 研修に対する研修資金というような形で、一定の、自宅ではなくて先進農家等に研修に入ったとか、長野県では里親制度という制度を作っておりまして、農業後継者の皆様方が、親のもとではなくて、よそのお宅で、先進的な農家で勉強する時に対して支援制度を設けたり、という形をとったりしております。それから、その時に研修資金というような形で、月4万円程度の支援をさせていただいたりしております。

 今、長野市さんが今度出されるという制度はともかくといたしまして、なかなかその生活費を100%ということは、大変難しいわけで、財政的になかなか苦しい状況の中で、そこまではできませんが。

 研修等につきましては、担い手育成基金のほうで直接支援を現在させていただいておりますので、もし具体的なことがございましたら、普及センターのほうへぜひご相談をいただきたいというふうに思います。必ずしも100%お応えできるかどうかはともかくといたしまして、かなり柔軟に運用できるような形はとってございますので、ぜひ普及センターに一回ご相談をいただければ大変ありがたいというふうに思っております。

▲目次にもどる

 

 12.農業の担い手について(その2)
【男性(No.11)】

 ちょっと座ったままですみません。恥ずかしいのでちょっとこのまましゃべらせてもらいますけど。私、昭和41年生まれ、生まれは横浜です。就職で長野に来ました。精密機器、今、カメラが好きだということで、ぜひともそういうものづくりをやりたいということで、長野県のほうへIターンという形で来させていただきました。農業とは全く無縁です。

 今回、知事の人柄を知りたくて来たんで、農業ってあんまりと思っていたんですけれども、こういろいろ皆さんの質問を聞いていて、特に山ノ内町の方が、若者がとか、高社(たかやしろ)何とかさんの方が担い手がという話をして、いろいろ話を聞いていまして、私の今まで思ってきたことが参考になればとは思うんですけれども。

 横浜で22年住んでいましたけれども、農業については、人が作るものだ、農家の人がやってくれるものだという意識があって、正直言ってそれを職業にしようというのは一切思ったことがないです、正直なことを言います。

 これは人様が作ってくれるんだから、我々は別にお金を出して買えばいいんだ、おいしい物が手に入ればいいんだ、安全であればいいんだという認識が非常に強いです。ですから、今からもう30年前以上の話になりますけれども、その当時の自分としてはそういう思いでいました。それについて、若者に農業をということを言ったところで、あまりにもギャップがありすぎて、非現実的な感じがします。

 かといって、私、こっちへ就職しまして、サラリーマンとして糧を持っていますけれども、全然農業にタッチしてないかというと、実はこっちへ就職してから、家を建ててすぐに、近くに家庭菜園、東吉田なんですけれども、そちらのほうをお借りして、実はもう家庭菜園をやり始めて7、8年になります。

 初めて作った時の、トマトをかじった時のおいしさ、それからトウモロコシですね。トウモロコシを自分で作って、それを初めて収穫してかじった時の喜びというのは、これはまた本当に格別で、すみません、職業にしている人に対して、家庭菜園ごときで何かという話はあるかもしれないんですけれども。非常にそういう物を自分で作って、食べて、収穫して、なおかつ横浜の友達とか、友達のお父さん、お母さんに、自分の作った物を送る、喜んでもらえる、この楽しみというのは、本当にこの家庭菜園、うまいにせよ、下手にせよ、非常にうれしいと、楽しいというのは一つ感じました。

 だからチャンスはあると思うんです。いかにそういう、そういった感動する、物を作って食べる、感じる、それを人に少し幸せを分けて喜んでもらえるこの気持ち。これを、この感動があれば、若干、やっぱり収入がどうのこうのあっても、非常に農業は魅力があるという話が伝わるんじゃないかと思うんです。

 ただし、今、では自分、サラリーマンをやめて、これから農業を頑張るかというと、とてもそれは、生活を考えたら、特にこの年間の収入が66万円でしたか、これは、今、家のローンを月々10何万円払っているのを考えれば、これはもう自殺行為なので、到底、数字の上ではできないんです。

 ただ気持ちとしては、都会で、せいぜい、小学校でいうとヒマワリでしたか、あと朝顔を植えたり、あとは学校で、そうですね、サツマイモ、そのぐらいしか体験はしてないんですけれども。でもそのサツマイモを作って食べたというのは、実は残っていたんですよね。やはり初めて家庭菜園を借りてやった時に、サツマイモを植えました。やっぱり小学校の時にそういった体験をしていたので植えました。

 だから、もし若者に対して、農業、もっと魅力を感じるということになると、支援があるからここに来てくださいとか、ここへ相談してくださいというんじゃなくて、逆にこれは県の単位ではできないと思うんですけれども、もっともっと、そういう未来を持っている子ども達に対して、農業との接する機会というのを、もっと授業じゃないんですけれども、本当に国語とか数学とか体育だけじゃなくて、農業という授業を設けてもいいじゃないかと。それは、すみません、この県の単位では全然できない話なんですけれども、正直言って、そんなことを、今、感じながら、これは皆さんの話を聞いている中で、そういうふうに感じたものですから、ついつい感じたことをそのまま言っています。

 ただ、私は昭和41年生まれなので、今の平成生まれの方々にそれが当てはまるかというと、全くわかりません。というふうにも思いました。とめどもなく、ちょっと参考になるかどうかわからないんですけれども。本当に長野に、私、来まして、こんなに農業が身近で楽しいものだ、結構虫にやられたり、病害でやられたり、トマトが黒く枯れたりなんかして、ちょっと痛い思いもするんですけれども、でもおもしろいんですよね。

 おもしろいだけではやっぱり、皆さん、糧として農業をやられている方に対しては非常に失礼なので、おもしろいだけで農業をやってみようとはちょっと言えないところもあります。ただ、気持ちとして、初心に返るわけではないんですけれども、農業そのものとしてどうなんだ。確かに糧として、プロとして、稼いで、養って、子孫を残すという行為の一つとしてやっていかなければならない。だけども、それも足かせになるんじゃないかと思うので、何かもうちょっと楽しさの原点に戻った中で、何かできないかなと。

 せっかく皆さん、これ、いろいろこの資料を読ませていただいたんですけれども、すごいことをやっていると思いますよ。

 もう本当にここまでやるのかというぐらい、私、途中で来て細かい説明は聞いてないんですけれども、9ページのこの組織図なんか見たら、すごいじゃないですか、もう、本当に。この項目だけ見るだけで、もう、これだけの予算、どこからこう捻出してくるのかなと思いますよ、本当にこれ。よくできていると思います。

 よくできているんだけれども、何か費用対効果がどうかという話を言っていいものかどうかわかりませんけれども、どうなんですかね。すみません、たかだか長野へ来て20年ちょっとしか住んでいませんけれども、こんなことを申し上げましてすみませんけれども、何か参考にしていただければよろしいんじゃないかと思いますけれども、いかがなものでしょうか。どうもすみませんでした。

▲目次にもどる

 

【長野県知事 阿部守一】

 都会との関係の話で、私はさっき都会の話をしましたけど、横浜なんかに暮らしていると、やっぱり不安ですよね、いろいろな意味で。何かあった時には、明日食べる物もなくなってしまうんじゃないかと。

 今、少しその若者の中にも農業に目を向けようという人達が増えてきているのは、ある意味で今の暮らし方に対する漠然とした不安感みたいなものが実はあるんじゃないかなというふうに思っています。やっぱり土に接して、あるいは大地と自然と接する中でしか体験できないことというのは確実にあるわけで。

 今の多くの子ども達は、特にとりわけ都会の子ども達は、そういう機会を確実に失ってしまっているので、今、お話があったように、少し広い視点でいろいろなことを考えていかなければいけないというふうに思っています。

 今年の新規施策の中にも、新規就農支援事業で就農サポート事業というのがありますけれども、就農したいという相談の中で、県外の相談の人が結構多いんですよね。長野県外の人がですね。

 その中でも関東圏の人達からの相談件数が多いので、この際、都会に行って、農業の入門講座をやって、これは大変だから無理だなというふうに思う人もいるかもしれませんけれども、よっしゃ、一丁やってやろうという人間がいれば、それは長野県で活躍していただけるような道を作りたいと思っていますし、それから、今、農山村体験、長野県の子どもでも非常に農業、学校の先生自体が農業とあまり縁がなかったりするので、あまり接する機会がなくなってしまっているということなので、子ども農業体験活動支援事業というので、地域の小学生なんかを対象にした農業体験をやるいろいろな団体、活動がありますので、そういうところに対して支援をして、ぜひこれ教育委員会と農政部と一緒になって、そうした取り組みを進めていきたいなというふうに思っています。

 農業の、ある意味で根幹的な生きる力だったり、物を育てたり、作ったり、あるいは大地の中に根ざして活動するということは、子ども達にとっても、大きな効果をもたらすと思いますし、それとは別に、県外の子ども達との農山村体験交流というのも、非常にいろいろな地域で熱心に、長野県、取り組まれています。これは子ども達の教育という側面が非常に大きいわけです。

 しかしながら、農山村体験で来た子ども達が、またあそこの村に行ってみたいなとか、あそこの農家のおばあちゃんのところへ行きたいなというふうに思ってくれている子ども達もすごくいっぱいいますので、そういう活動もさらに広げるようにしていきたいというふうに思います。

 農業経営、基盤強化するという話と、それから農業が、今言ったような自然環境保全みたいな話だけじゃなくて、人と人とのふれあいだったり、子どもの生きる力をつけたり、そうした機能も確実に有しているということを十分念頭に置きながら、政策に取り組んでいきたいというふうに思います。ありがとうございました。

▲目次にもどる


 知事あいさつ
【長野県知事 阿部守一】

 では皆さん、今日は2時間にわたりまして、どうもありがとうございました。農業関係のタウンミーティングということで開かせてもらいましたけど、いろいろなテーマでやらせていただいています。

 今日、改めて皆さんのお話を聞いていて、私自身、もう一回原点に立ち返って考えなければいけないなと思わされることもいろいろありました。例えば数値を、例えば平均的な数値であらわすと、非常に無味乾燥なデータになってしまいますけれども、実は本当にその平均的な数値でとらえてしまうのがいいのかどうか。あるいは、私は非常に単純に農家という表現をさせていただいていましたけれども、その用語の使い方自体も、もう少しいろいろなことを考えた上で、県として、行政として、考えていかなければいけないんじゃないかということで、本当に私としてはいろいろな気づきをいただいた2時間だったなというふうに思っております。

 これから皆さんのお知恵をどんどん出していただいて、次のステップに向けての農業のあり方をぜひ考えていきたいというふうに思いますので、また、冒頭も申し上げましたけれども、これからの長野県をどうするかということについてのご意見、ご提案はどんどんいただきたいと思いますし、またいろいろな審議会も皆さんに開かれた形で行っていきたいと思っていますし、また事業仕分けも、これはぜひ県民の皆さんにいろいろな県の政策を関心を持って見ていただいて、いろいろご意見、ご提言をいただく場であるというふうにも思っています。

 いろいろな形で皆さんへの情報提供、それから皆さんからのご意見、ご提言、これからも引き続きいただきたいというふうに思っておりますので、どうかご協力をいただきますようにお願いいたします。

 本当に2時間にわたりまして、今日はご参加いただきましてありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

お問い合わせ

企画振興部広報県民課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

  • 長野県公式観光サイト ゴーナガノ あなたらしい旅に、トリップアイデアを
  • しあわせ信州(信州ブランド推進室)