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更新日:2015年6月22日

知事会見(平成24年(2012年)2月17日(金曜日) 15時20分~16時25分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの説明

  1. 県議会2月定例会開会、北陸新幹線並行在来線、水資源の保全対策、ハローワークの地方移管について

取材者からの質問

  1. 社会保障と税の一体改革について
  2. ハローワークの地方移管について(1)
  3. 新しい政策評価について
  4. 北陸新幹線並行在来線について
  5. 水資源の保全対策について(1)
  6. 教育改革ついて(1)
  7. 社会保障懇話会について
  8. 組織改正について(1)
  9. 東日本大震災支援県民本部ついて
  10. 組織改正について(2)
  11. 水資源の保全対策について(2)
  12. ハローワークの地方移管について(2)
  13. 教育改革について(2)
  14. 公務員給与削減について

 

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本文

阿部知事からの説明

 1 県議会2月定例会開会、北陸新幹線並行在来線、水資源の保全対策、ハローワークの地方移管について

長野県知事 阿部守一
 2月17日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは4点程お話しをしたいと思います。
 まず本日から県議会2月定例会が開会ということで、予算案、条例案はじめ数多くの議案を提案させていただきました。先ほど提案した議案についての説明をさせていただきましたけれども、十分ご審議いただいた上で、ぜひご賛同、ご議決をいただきたいと思っております。これから代表質問、一般質問、委員会等あるわけでありますので、私たちの考え方についても議会で十分ご理解をいただきながら進めていきたいと思っています。
 それから2点目が北陸新幹線並行在来線の関係であります。並行在来線の経営については私ども長野県として、かねてから国に対して支援策を講じるように強く求めてきたところであります。ご承知のとおり北陸新幹線の整備、ここの場でも何度もご質問がありましたけれども、新潟県と国との関係でいろいろ課題がある中でどうしても国土交通省としてはまずそちらの対応をというような形にならざるを得ないところがあったわけでありますけれども、本日、国土交通大臣と泉田知事とで話して、一応新潟との関係も建設促進に向けて進んでいくことになったと聞いております。そういう意味でこの場でも建設が止まったらどうなるのですかというような趣旨のご質問もありましたけれども、私としては引き続き早期完成に向けて県関係自治体と一緒になって取り組んでいきたいと思っています。それに併せて国土交通省から並行在来線に対する支援措置について一定の考え方が示されたところであります。これは全く私ども長野県が言っていた考え方を全面的に取り入れていただいていると大変評価をさせていただきたいと思いますが、一つは信越線についてはこの場でも申し上げましたけれども、貨物免許を持っている貨物路線、貨物が通れる路線であるのですけれども、しかしながら実際には運行していないという形になっております。災害時等のネットワークとして、私どもとしては貨物路線としての維持、これは国土交通、全国的な視点、国土政策の視点からも重要だと、そうした視点で政府として考える必要があるのではないかということを申し上げてきましたけれども、今回貨物列車が走行可能な設備の維持が必要であるということに着目した支援を行うという方向性を出してもらいました。それからもう1点、信越線については今はもう豪雪で不通区間が生じているというような状況もあったわけでありますけれども、やはり通常の区間と違って特別豪雪地帯を走る路線ということで雪への対策、備えも必要だということも強く言っておりましたが、そうした日本有数の豪雪地帯であることに対する対策について着目した支援を行うということを国土交通省の方で示してもらったところであります。具体的な所要額については私どもとしての考えを持って早急に国と調整をしていきたいと思っておりますが、これまでの私どもの要請が結実したということで大変ありがたく思っておりますし、国土交通省をはじめ関係の皆さんにはこの場をお借りして御礼を申し上げたいと思っております。そうした今回国から示された支援策の具体的な金額の目安も踏まえた上で長野以北の並行在来線の経営基本計画を策定していきたいと思っています。それが1点目であります。
 それから3点目でございますが、皆様の方に資料をお配りしているかと思いますが、水源林・水資源の保全対策に係る報告書をとりまとめたところであります。この問題についてはかねてから外国資本等による森林買収の問題等が全国的に議論がされてきた中で、県内でも地域によってはこの水資源の保全のための具体的な検討や取り組みを行ってきているところであります。私も何度も申し上げましたけれども、昨年2月に環境部や林務部、関係部局でこの問題について検討するための水源林・水源・地下水保全対策部会というものを設置して検討を行ってきたところであります。このたび県としての考え方を取りまとめましたので公表をしていくものであります。基本的には水源林の保全とそれから水資源の保全、この両面で対策を講じてまいりたいと思っています。水源林については公的な管理に置いていくという方向性のもとで保安林化であるとか公有林化あるいは森林所有者との間での協定を結ぶというようなことで保全を図っていきたいと思っております。それから水資源については市町村との役割のあり方を市町村ともよく協議しなければいけない部分がありますけれども、まず県としては水源地域の土地取引等の事前届出制度の創設も含めた土地所有、土地取引の観点での対応を考えていきたいと思っています。また地下水の取水についても広域レベルでの規制というものが必要になってくる場合もあると思いますので、この点の対応については市町村と一緒になって考えていきたいと思っています。長野県における水源林、水資源というのは県民共有の貴重な財産であるという観点で、引き続き保全のための具体的な取組みを進めていきたいと思っています。
 それから、4点目でございますけれども、アクションプランを実現するための提案(追加提案)ということで資料をお配りしていると思いますけれども、地方分権の動きの中で、一昨年の12月28日の閣議で国の出先機関の原則廃止に向けたアクションプランというものが決定されました。実はハローワークの機能、ハローワーク自体の地方移管というのは、全国知事会等も含めて強くかねてから要請してきているわけでありますが、そして長野県としても、昨年の3月30日付けで長野と篠ノ井の2カ所のハローワークを先行して県に移管するよう提案していたところであります。この件に関連して、先ほどの2月定例会の提案説明の中にも申し上げたところでありますけれども、段階的に機能移管を進めていく上での取り組みとして、長野県として今お手元にお配りしたような2つの具体的な提案をさせていただいたところであります。1つはパーソナル・サポートセンターを核とした国、県、市町村連携モデルということで、何で地方公共団体がハローワークの移管についてかなり政府に対していろいろな角度からお話をしてきているかということは改めて申し上げるまでもないかもしれませんけれども、私も議会のたびに経済対策、雇用対策ということをずっと言い続けていますし、県としても今日の提案説明の中にも入れましたけれども、学生たちが就職できるようなサポーターを配置したりとか、さまざまな就労支援、雇用の場の確保に取り組んでいるわけでありますけれども、肝心な職業紹介のところは国の機関であるハローワークが行っているということで、やはりここは本来、私どもが一体となって行うことが雇用政策を行うことができるようになった方がより職業紹介、職業を求めている皆さんにとっても利便性が高まるし、さまざまな施策、例えば福祉の施策だとか教育施策だとかですね、そういう施策と総合的な運用ができるということで求めているわけでありますが、なかなか一足飛びにそこまで国は踏み出してもらえないということで、今回まずは段階的な取り組みとして、長野県としてはかねてからパーソナル・サポート・センターを設置して、就労したいが他の困難な要因を抱えている人たちに対する支援を行ってきているわけですけれども、まずこのパーソナル・サポート・センターを核に国、県、市町村の事務をもっと有機的に連携できるようなモデルを作れないかということで提案したのが追加提案1というところに書いてあるものです。裏側に図が書いてありますのでそちらの方が分かりやすいと思いますけれども現状は上です。パーソナル・サポートセンター3カ所にありますけれども、例えば就職、職業あっせんの話は、パーソナル・サポート・センターがハローワークと調整しなければいけないと、要するに情報は全部ハローワークが持っていますからそっちに出向かなければいけないと、もう1つ、福祉的な支援については各福祉事務所と連携して取り組まなければいけないという状況であります。これをワンストップにしてしまおうということで、パーソナル・サポートセンターの中に上側はハローワークとパーソナル・サポート・センターと福祉事務所が並列ですけれども、下の方は図に書いてありますようにパーソナル・サポート・センターの中にハローワークの機能とそれから市町村の福祉事務所等が行っている福祉的な要素の支援の機能を一元化したいという提案をしているところであります。ぜひ、国には前向きに対応してもらいたいと思っていますし、それから追加提案の2のもう1つの提案ですけれども、今回、移住・交流を積極的に進めていこうと考えているわけでありますけれども、住むところがあっても仕事がないとなかなか移住・交流は進まないという要素があります。そういう意味で、今回、移住・交流に関するワンストップ拠点を東京観光情報センターに設けようと思っていますけれども、その中にもハローワークの機能、職業紹介、求人の受理という機能を持たせるというような形をぜひ構築していただきたいということで国に提案しているところであります。今後この提案の具体化に向けまして内閣府あるいは厚生労働省との調整を進めて、できるだけ早期に実現できるように進めたいと思っています。
 私の方からは以上でございます。

 

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取材者からの質問

 1 社会保障と税の一体改革について

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 1点目は今日、「社会保障と税の一体改革」の大綱が閣議決定されまして、これについては先ほどの提案説明の中でも知事が触れてらっしゃいましたし、今日の午前中にはですね、地方からの提言を目指して懇話会も初会合が開かれたばかりですけれども、それらを踏まえて、改めて閣議決定の受け止めとそれから現状国会の状況など踏まえて何かご見解があればお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 大綱の中身は見ていないのですが、素案と同じなんでしょうか。同じだという前提で申し上げれば、これも提案説明のところで申し上げたのと基本的には同じですけれども、税の問題を論じる前提としての社会保障改革のしっかりとしたビジョンをぜひこれは国政の場、国会の場で十分議論をいただいた上で国民に提示をしてもらうというのがまず大前提だと思いますし、まだまだ例えば医療にしても年金にしても介護にしても、これなら安心できるなというものには至っていないと思っていますので、より一層の取り組みを早急に国において行っていただくことが必要ではないかと思っています。それと併せて税負担を国民に求めるということになるわけですから、やはりこれは私どもも今回の行政・財政改革の中で職員数の1,300名を超える削減を5年間でやっていこうと思っておりますが、政府における行政改革の具体的な取り組みというのが必ずしも見えてこないわけですので、ぜひそうした、これは先ほどのハローワークの話にも関連しますが、地域主権・地方分権の視点も含めてしっかりと取り組んでいただくということが前提だと思っています。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 分かりました。

 

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 2 ハローワークの地方移管について(1)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それから2点目ですね、今説明がありました、パーソナル・サポート・センターを核としたハローワークの地方移管への連携モデルのご提言の話ですけれども、これまでも先ほどご説明ありましたように、知事会などでですね、ハローワークの地方移管については全国知事会などでも要請してきているわけですが、今のところなかなか進んでいない状況がある中で、今回のご提案というのは、これまでの提案と違って何かですね、進展につながるいわゆる、非常にざくっとした言い方をすると勝ち目はあるのでしょうかというところを伺いたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 これは勝ち目とか負けるとかいう話ではなくて、国民の立場に立った判断をしていただければ必ずや実現してもらえると思っています。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 これまでもね、それはその例えばハローワークについてもですね、その方が使う側からは便利だということは再三主張を地方側とすればしてきたわけですよね。それを踏まえて伺うのですけれども、何かこれまでと違ってこういう面で国もこの提案だったら乗りやすいのではないかという何かお考えのところがあれば、そうしたところご意見伺いたいのと、もう一つは目途としていつ頃までに実現したいなというお気持ちがあるのかその点を。

長野県知事 阿部守一
 今の国の状況は、担当課長の方から後でお話させてもらいますけれども、これはまず、ハローワークの全面移管ということを求めてきていたわけですが、なかなか一足飛びにはそこまではいかないということで、一体的実施というような形で、これは何というか話が100かゼロかで止まっていることによって国とかわれわれ都道府県ではなくて、一番影響を受けるというか迷惑を被っているのは国民になるわけですから、100かゼロかではなくて、やはりできることからやっていこうということでこういう提案をしているわけでありまして、これは移住・交流の促進であったりいろいろ課題を抱えながらも就労しようとしている皆さんにとってぜひこういう形を作っていくことが重要だと思っています。国との調整の状況は吉澤課長の方から。

商工労働部労働雇用課長 吉澤猛
 知事会の要請もありまして、先ほど知事が申し上げました昨年3月に知事会を通してハローワーク本体の方の一体的な実施ということで、都道府県としますと現在までは42県が何らかの提案をさせていただいていると聞いております。先ほど、お話のありましたようになかなか協議が進まないという状況もございますので、私どもが把握している範囲では、その後第一次提案ということで出された以降ですね、現在まで追加提案、本日私どもが出させていただいたように段階的にできるところが行っていくということで各県でそれぞれ出していただいているのが18府県と聞いております。もう一つ、本格的な移管に向けた動きと致しますと、全国知事会の方なのですけれども、実は昨日、ハローワークの本格的な移管を進めていくためにハローワーク特区というものを設けようということで、日本の東西それぞれ1件ずつということで埼玉県と佐賀県をハローワーク特区として政府に求めていくと。この特区を設定することで実際にその2県でやっていただいて、それを成果、課題を探った上で本格移管に結び付けていきたいと全国知事会では今考えていると伺ったところです。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 分かりました。

 

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 3 新しい政策評価について

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それぞれ最後、別の質問ですけれども、手順とすれば前後してしまいますが、先ほどですね、議会の方で各派代表者会議がありまして、新しい政策評価であるとか事業点検の仕組みづくりの検討を一緒にしましょうという県からの協力要請に対して、現行の、既存の、長野県中期総合計画研究会を使って、そこで県から説明を受けて意見を言うことは言って意見交換をしていきたいということでまとまりまして、これから会見の後に正式に議会側から県側に回答されるということですけれども、それについて知事の受け止めを伺いたいのですが、前々回の確か会見のときにはですね、知事はこれまでの議論について県議会との間の意思疎通の不十分さというのを一つ課題に挙げてらっしゃったかと思うのですけれども、今回その議会側がまとめられた方針というのが意思疎通の不十分さというのを克服することにつながるのかどうかというところについてですね、知事のご見解を伺わせてください。

長野県知事 阿部守一
 それは議会との関係で正式な回答を聞いていないので、今、島田さんから回答を聞いたみたいな話で答えるというのは、いささか議会側に対しても失礼ですし、それに正確なお話を伺った上で対応を考えなければいけないと思いますので、ちょっとその質問はまた後日ということにしていただければと思います。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 今日、実はそのこれから会見が終わった後、議会側から県側に伝えられるわけなのですが、その後もう1回取材を受けていただくようなことでよろしいでしょうか。というのはどうですか。

長野県知事 阿部守一
 それはまた調整しますので。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 でないと1週間後になっちゃうのでお願いします。

 

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 4 北陸新幹線並行在来線ついて

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 先ほど知事が触れられた、並行在来線に対する国の支援に関してなのですけれども、知事先ほど、私どもが言ってきたことを全面的に取り入れていただいたということで評価されたのですが、方向性としては課題の解決に十分かどうかという点ではいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 課題・・・。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 経費的なことですとか、まだ今後詰めるべき点はいろいろあるとは思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、私どもが考える必要額を国と調整した上で確定をしていかなければいけないと思いますので、現時点でそれで必要十分かどうかというところまでは申し上げられませんけれども、しかしながら貨物調整金で旧信越本線、信越線には貨物が走っていない中で、ほかと比べると私とすれば国の対応が必ずしも十分ではないのではないかということで、強く具体的なお願いをしてきたわけでありまして、そういう観点では私たちの考えを受け止めていただいた対応だと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 今後、JRから長野以北の施設の譲渡を受けたりするにあたっても引き続き国の支援といいますか、側面支援というかそういうのは求めていかれるとういうお立場は変わりないということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。国の側面支援というかJRとの交渉事というところと、それから鉄道政策を担っているあるいは地方財政を担っている国土交通省なり総務省なりにですね、支援、応援ということが必要な部分と両方ありますので、もちろんこれからも引き続き政府に対しては要請するべきところは要請して、協力していただける部分は協力していただかなければいけないと思います。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 もう1点、今年、県境区間は非常に大雪で長野・直江津間の直通運転にもかなり長期間支障が出ているようなのですけれども、今後、長野以北を引き継いでいく長野県側としても今年の豪雪で改めて除雪の大変さとかっていうのも浮き彫りになったと思うのですが、今後の新潟側との連携とかそういう点で知事としてやっていこうというか姿勢についてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 本当に今年はご指摘があったように豪雪で、信越線も運行できない区間とか時期も生じたりしたこともあったわけでありますので、そうしたことで住民の皆さん非常に影響を受けられただろうと思っています。これから経営主体が変わっていく中で、われわれ長野県の責任もJRが運行している時代に比べれば大きく変わっていくわけでありますので、地域の皆さんの足の確保ということに豪雪への対応ということも含めてですね、できる限りの対応をしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 ありがとうございました。

 

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 5 水資源の保全対策について(1)

信濃毎日新聞 小松哲郎 氏
 水資源の報告書についてですが、ここにあるような対策を進めるためには市町村との連携っていうのが不可欠だと思いますが、市町村では既に条例をもって対応をしているところもありますけれども、市町村任せというわけにもいかないと思いますので、この辺り県と市町村との役割分担、それから県として果たすべき役割というのはどんなふうにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えば直接的な水資源の管理というのは、今、水道事業は市町村がやって、県も一部やっていますけれども、やっているわけで、そういう観点では市町村の方がいろいろなデータを持っている場合もあるわけでありますので、県としてはより広域的な観点で行うべきことに対応していくことが重要だと思っています。先ほど申し上げたように、例えば土地取引に関する報告であるとか、水資源自体の問題も単独の市町村でできるようなことは市町村で対応していただくということが基本だと思いますけれども、しかしながら水資源というのは決して1市町村のエリアで完結するものばかりでない、むしろ広域で対応しなければいけない場合も多いので、そういう観点では県も市町村と一緒になって対応をしていきたいと思います。そういう意味では地方事務所単位に水資源保全対策地域連絡会議というのをつくってですね、市町村とか水道事業者と一緒になってこれからの地域における水資源の保全のあり方について考える場をつくっていきたいと思います。

信濃毎日新聞 小松哲郎 氏
 もう一点、土地取引の事前届出制度ですが、これは新しい条例をつくるということで対応していくというお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。条例を策定することも視野に入れて環境審議会に諮問をしていきたいなと思います。

 

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 6 教育改革について(1)

朝日新聞 浅野有美 氏
 教育についてお伺いします。きょう議会でも信州教育の再生ということで知事の重要な柱の一つということでおっしゃっていましたけれども、今日弊社で一面のところに載っている橋下市長の教育改革の件でお伺いしたいのですがよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 見てなくても分かる話・・・。

朝日新聞 浅野有美 氏
 以前ですね、知事から回答をいただいているのですけれども・・・。橋下市長の教育改革について何点かお伺いしたいのですが、この回答に関してはかなり熱心な姿勢を示していただいて、ぜひそのお考えをお聞かせいただきたいのですけれども、大阪が考えている教育改革については評価しているかどうかっていうのは、まずそこを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 はい。大阪府なり大阪市が取り組んでいる、あるいは、いこうとしている教育改革は、いろいろな中身があるので、一律に賛成反対はなかなか答えられないですが、教育の目標を地方公共団体が考えていくという方向性は、私は賛成です。教育委員会と知事との権限の話になってしまうわけで、私は今日も議案の説明の時に申しあげましたけれども、私は教育委員会としっかり話し合うことによって、私が予算を付けなければ教育委員会の仕事はできないわけですし、教育委員会が予算以外のところをやってもらわなければ、私が考える教育というのは実現できないわけですから、そういう意味では教育委員会と一緒になって長野県の教育はどうあるべきかということを考えていきたいと思います。なんとなく文部科学省とか国が目標設定しているようなあり方は、変えていかなければいけないと思っています。

朝日新聞 浅野有美 氏
 そうお考えになるのには、今の現行の制度では、何かこう直したい点があるといいますか。そういうところがあるわけですね。そこを教えていただきたい。

長野県知事 阿部守一
 あまりにも中央集権的な制度が多いと思いますけれども。

朝日新聞 浅野有美 氏
 具体的には、どういうところが問題点に感じられているか教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 具体的には、いろいろなことがありますけれど、これは国に対してばかりの問題意識ではなくて、われわれの足元のことも同じレベルで問題があると思いますけれど、やはり責任の所在がはっきりしないわけです。学習指導要領に基づいて教育をやりなさいよということで当たり前のようにやっているわけですけれども、では最終的には、誰が責任をとってやっているのということは、学習指導要領とは法律ではないですよね。総理が決めているわけでもないし、本当は、私はそれぞれの地域が、やはり信州教育とか信濃教育とかと言われた長野県ですから、長野県の子どもたちはこうやって育てようよという議論があってしかるべきだと思っていますけれど、そういう議論がなしに今まで来ていることを変えなければいけないと思っています。今まではよかったのですけれど。今までは、今日の提案説明でも言いましたけれど画一化、効率化の方向で、日本全体が進んできて、それはある意味で経済成長を支えたわけです。均質の教育をして、働く人たちも、同じような教育をして、同じように大きな組織とか工場で働いてもらうということが戦後の発展を支えていた部分はあるわけですけれど、これからは個人の持っている能力とか、そういうものをしっかり伸ばさなければいけない。発達障がいの子どもについても、私もいろいろなところで申し上げていますけれど、発達障がいという名前は良くないかもしれませんけれど、そうした子どもたちも優れた能力とか個性を持っているわけですよね。そういうところをしっかりと伸ばしてあげるためには、何が必要かと言ったら、やはり現場に近いところで、どういう教育をやるかということを決めていくことだと思うので、そういう意味では、都道府県あるいは市町村がもっと教育のあり方についてコミットしていくことが重要だと思っています。

朝日新聞 浅野有美 氏
 知事が、そのご回答の中でですね、現行法では、知事として教育改革のイニシアティブが十分に取れないというふうに触れられているのですが。そういったことがですね、今おっしゃったことが、そうなんですか。もう少し、県で。

長野県知事 阿部守一
 問いのどこら辺でしょうか。

朝日新聞 浅野有美 氏
 「教育制度について不満を感じたことがありますか。」というところなのですけれども。

長野県知事 阿部守一
 教育制度に対して不満を感じるということは、いろいろなところでありますよね。

朝日新聞 浅野有美 氏
 その中で知事として教育改革のイニシアティブは十分取れないというご回答されていて、それがちょっと具体的にはどういうことか。

長野県知事 阿部守一
 先ほども言いましたけれど、例えば30人規模学級を中学校の2年3年に拡大しますということで、今日も提案説明で申し上げました。しかし、子どもから見れば30人規模学級をやることが目的ではないですよね。どう考えても教育・子育てを考えたときに、あるいは子どもたちを主体に考えたときに30人規模学級をやることが目標であるわけが絶対にない。それは単なる手段で、30人規模学級をやって不登校の子どもたちに対して、もっときめ細かく接してあげましょうとか、あるいはもっと子どもたちにきめ細かく接して学力の向上をしていきましょうというところまでつながらなければ意味がないので、今の私の立場、これ全国の都道府県知事、市町村長もみんな同じだと思いますけれど、制度上担保された立場、予算を付ける権限はあっても、その先の学校教育の具体的な中身については、教育委員会で議論してくださいねという話であるわけですから、それに満足というか、それで良しとするという発想はあり得ないのではないかという感覚で私は思っていますし、逆に教育委員会の側もこういう教育をやらなければと思っても、知事がそれよりもこっちの方が大事だと言って予算を付けなければやれないわけですから、どちらも必ずしも満ち足りた形にならないのではないかな。何よりも、知事とか教育委員会が不満だとか満足だとか、やりたいことができないとかという問題以前に、住民から見たときにこれはいったい誰が解決してくれるのかと、責任者は誰だということが明らかではないということが一番問題だと思います。

朝日新聞 浅野有美 氏
 ありがとうございます。あと、ちょっとまた質問に関してあと3点程伺いたいんですが、教員の教育評価、人事評価についても触れられていてですね、これについて賛成ということをおっしゃっているんですけれども、これは現実にやはり今、まずどうして賛成なのかというその理由とですね、何かやはり今教員に対して求めているところが知事あるのではないかと思うんですが、そこのお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 人事評価に賛成というのはどこでしょうか。維新の会(大阪維新の会)が作った条例は結構微妙な話があるので、内容をすべて私は賛成ということでは書いてないのですよね。

朝日新聞 浅野有美 氏
 教育職員の査定を厳しくするっていう点なんですけれども、そこについて知事は賛成というご意見なんですが。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、これは条例案自体の考え方はちょっと画一的過ぎると思います。ただ、保護者とかの立場から見たときに、やっぱり、物を言いづらいわけです。自分の子どもたちが教えてもらっている先生たちに対してちょっと不満があったり、この先生どうかなと思ってもなかなか言いづらいところがあるわけですから、そういう意味でやはり教員、教職員、教員の評価というものはしっかり行っていかなければいけないと思っています。

朝日新聞 浅野有美 氏
 お答えいただいた一方でですね、教育委員会で議会の同意を経た上で罷免することができる規定については、これについては反対とお答えをしているのですが、最初のお答えと、最初は賛成で、査定を厳しくするのには賛成なんだけれども、ただ罷免に関しては反対という、そこはちょっと・・・

長野県知事 阿部守一
 罷免というのは誰が決めるのですか。

朝日新聞 浅野有美 氏
 えーとですね、首長が決めた教育目標実現の責務を果たさない教育委員を、議会の同意を得て罷免することができるかどうかという点についてなんですけれども、これについては反対とお答えしているのですが。

長野県知事 阿部守一
 これはそもそも教育委員会制度を無くしてしまうのか、維持するのかというところにかかってくると私は思いますけれども、教育委員会制度を前提にした上で、職務に支障をきたすことがないにもかかわらず、何というか病気であるとか、そういうことがないにもかかわらず罷免できるというのは、私は実は論理矛盾ではないかなと思っています。要するに首長は任意で罷免できるということにするのであれば、むしろ教育委員会は無くしてしまうということの方が、一貫すると思っています。

朝日新聞 浅野有美 氏
 最後になるのですけれども、最後の方の質問でですね、県でもですね今後こういった制度についてはどうされるかというので、今後検討したいということでお考えを述べられているのですが、具体的には教育委員会と知事部局がどういうふうになっていくかというあり方を検討するとかですね、何かそういったお考えがあるのか教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、年度内には教育委員の皆さんと、予算もできて、教育はまさに教育委員の皆さんと私が十分意思疎通して、同じ思いを持たなければうまくいかないと思いますので、話し合う場を作ってほしいということでお願いしていますので、そうした中で今出ているような問題も、俎上(そじょう)に載せていきたいと思います。

朝日新聞 浅野有美 氏
 具体的に来年度中には何かしら協議会を設けてとか、検討会を設けてというような、具体的なところまでは話し合いはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 協議会・・・。

朝日新聞 浅野有美 氏
 はい。検討会、あり方検討会のようなもの・・・。

長野県知事 阿部守一
 教育の問題をどういう形に進めていくかというところはありますけれども、まずは教育委員、教育委員会事務局ではなくて、教育委員と私とがもっとコミュニケーションをとる場を増やさなくてはいけないと思っていますので、そこから後の問題だと思います。

朝日新聞 浅野有美 氏
 すみません、長くなりまして。ありがとうございました。

 

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 7 社会保障懇話会について

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 今日の午前中に開かれました、社会保障の懇話会の関係でお伺いをまずしたいのですが、意見交換、専門の委員の方となされた上で、特にどういった点について今後議論していくか、課題があるかということを改めて思ったかということについて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 社会保障のあり方は、極めて論ずべき点が多岐にわたるので、今日も意見がありましたけれども、一定程度テーマを絞り込んでいかなくてはいけないなと思いました。そういう意味で、マクロの視点とミクロというか、マイクロという話もありましたけれども、その両面を考えるのかなと。マクロの方は今日も複数の皆さんからお話がありましたけれども、さっきの教育にもつながる話ですけれども、やはり、責任のあり方が明確ではないんです。高齢者の介護、国が責任を持っているのか県が責任を持っているのか市町村が責任を持っているのか、確かに介護保険の運用主体は市町村になっていますけれども、でも財源的には国とか県が応援しているわけです。そうするとやはり誰が最終的に責任を持って私たちの不満を聞いてくれるの、われわれは誰に意見を言っていけばいいのって、分からないですよね、それは別に介護に限らずいろいろな行政がそうなのですけれども。そういう意味ではマクロの観点で論ずべきは国と県と市町村のあり方、役割。そして、県は何をやるのかということをもっと明確にしていくということだと思います。
 もう一つのミクロ、マイクロの話は次回にして、今日はどちらかというとデータは論理的なデータが多かったのですけれども、実際に家族を介護されている方とか、入院されている方とか、あるいはお子さんを育てていらっしゃる方とかですね、そういう人たちあるいは福祉とか医療にかかわっている現場の皆さんのどんな思いとか、どんな期待があるのかということを聞いた上で、個別具体的な問題についての対応を考えていかなければいけないという、両面から議論していく必要があるなと思いました。

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 ありがとうございます。

 

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 8 組織改正について(1)

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 それから先ほどの議会の議案説明の中でもお話がありましたけれども、放射能をめぐる対応について来年度以降、検査機器の体制だとか含めて充実をされていくところかと思うのですが、先日新潟県で機構改革の発表がありまして、その中で検査体制の充実について測定を強化するために放射能対策課を新設するという発表がありました。県の方では来年度以降検査体制が充実されてさらに今課題になっている廃棄物について市町村と連携がよりもっと必要になってくるかと思うのですけれども、そういった対応に特化した課を新設したりするお考えは現時点ではありますか。

長野県知事 阿部守一
 ないです。課長級の職員を環境部に配置して全体的な総合調整を担ってもらっていますし、私も随時報告を受けて対応をしていますので、放射能、放射性物質の関係はまだしばらく対応を継続していかなければいけない状況にありますけれども、それぞれ今各部で頑張っていることを縦割りにならないように調整しつつ取り組んでいきたいと思っています。

 

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 9 東日本大震災支援県民本部について

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 また違う話題になるのですが、震災支援県民本部が3月末で解散するということで、子どもリフレッシュ募金は多額の目標を上回る額が集まっているのですが、助成しきれていないお金が残っているのでその管理団体を立ち上げて県NPOセンターに事務局を置く方針が運営委員会の方で確認されたところかと思うのですが、4月以降県民本部ができてからこの活動を知事自身はどのように評価されていますか。また、ここで培った官民協働の仕組みというものを今後どう生かしていくのかとお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 県民本部は本当に大勢の皆さんのご協力で私は長野県が官民協働で被災地を支えるという一つのリーディングケースを作ることができたのではないかなと思っています。私は今日の提案説明でも県民参加と協働をさらに進めたいと申し上げていますけれども、今回県民本部で例えば県庁の中に本部の事務局を置いてもらって、人はNPOをはじめ関係の団体から来てもらって、資金的には経済団体に出してもらってということで、まさにできる部分をできる人たちが担うという形で取り組ませていただいた官民協働のいい形だと思っていますので、ぜひ他の分野でもこういう連携した取り組みを行っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 4月以降については県としてはどういった支援なりをされていきたいと思われているか教えてください。県民本部が解散して子どもリフレッシュ募金の団体、役割は管理の方がメインになるかと思うのですけれども、どういった形での支援なりサポートなり、金銭的なところにとどまらずどういった形でされていくのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 県民本部が担っていた業務はリフレッシュ募金の管理、運営みたいな話とか、相談とかいくつかあって、そういうものはそれぞれ少し分担しあって収束させようということになっているわけですけれども、県としては被災地支援とか避難されている方への支援というのは、これは県の役割としてしっかりやっていきたいと思いますし、引き続き募金の管理・運営団体とは意思疎通を十分しながら有効にお金が活用されるように側面から協力していきたいと思っています。

 

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 10 組織改正について(2)

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 また議案説明の方に戻りますが、危機管理事象について総合調整等を行われる危機管理監の職というのは、具体的にどういったポジションに置かれてどういったことをやるのですか。部局横断的にという説明が前にあったかと思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 今、各部があるわけですけれども、危機管理事象は各部の所掌の範囲で収まるものばかりではない、むしろ横断的に取り組まなければいけない話が多いわけでこれは最終的には私が責任者であるわけですけれども、しかしながら常に災害があったらどうしようかと私が考えているわけにもいかないわけですから、災害対応、危機管理に特化した、なおかつ各部を総合調整できるポストを作って専門的に危機管理事象に対応してもらうということが危機管理監の設置になります。

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 具体的にどこの部局に配置されるのか、知事直轄かといったところは決まっていますか。

長野県知事 阿部守一
 位置付けは規則改正を今やっていると思うので、行政改革課長の方から。

総務部行政改革課長 青木弘
 職の設置につきましては、いわゆる部長級相当ということで考えているわけですけれども、いずれにしましても3月末まで少しお待ちいただきまして、人事委員会との協議が必要になると、ひとつの事務手続きといいますか、そういう段階も経なければいけませんし、それから今知事からもお話申し上げましたように、いわゆるその権限、それから所掌事務等とも、いわゆる規則整備もしていかなければいけません。具体的な各部局との連絡調整のありようとか、そういうことも今検討を始めておりますので、具体的なものを詰めていきたいなと考えております。現状ではそんなことでご理解いただければと思っております。

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 分かりました。ありがとうございました。

 

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 11 水資源の保全対策について(2)

中日新聞 小松田健一 氏
 水資源保全についてお尋ねします。事前届出制度ですか、これによって期待できる効果というものを知事はどのようにお考えになっているのか、あと条例化の前提となる環境審議会の諮問の時期のめど、あと条例化の目標時期等が現時点でありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 はい。本当は所有権にかかる話なので届出にとどまらない保全のあり方みたいなのが、可能であればいいのでしょうけれど、日本の法制上個人の所有権というのは非常に強固な制度になっているので、水源地を守るという観点で取引のあり方を事前に把握することによって、抑止的な効果があると思っています。まだ事前の届出制を創設するということを決定したわけではないので、必ずしも論点はそこだけではないと思っているのです。法律との関係でどこまでのことを都道府県レベルでできるかというのは、もっと踏み込んで検討していかなければいけないと思いますが、当面可能な範囲として考えられるのは事前届であれば、所有権との関係として決して無理ではないだろうという話で、それで終わりということで現時点で考えているわけではないです。もっと踏み込むことができないか、ということも含めて考えていかなければいけないと思っていますが、スケジュール的には、これは検討の中身とか方向次第というところもありますけれども、来年度検討して来年度中には一定の方向性を出してもらいたいと思っています。

中日新聞 小松田健一 氏
 ありがとうございました。もう一点だけお尋ねしますが、その水源域の規制について県として何らかの包括的な規制を実施するお考えは今のところないと。いわゆる市町村の独自の規制にゆだねるということでよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 水源域というのは、水源林じゃなくてですか。

中日新聞 小松田健一 氏
 水源林、水源域、いわゆる水源保全のために、県として包括的な規制を実施するお考えは今のところないということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 さっきも少し言いましたけれど、水資源自体の保全と水源林自体の保全と二つあって、水源林、これは今の時点で必ずしも十分規制対象になっていないところもあるので、そういうところは保安林に指定するとか、公有地化するとか、そういうことを具体的に行っていきたいと思っています。

中日新聞 小松田健一 氏
 ここは既存の制度を活用することで対処するということで。

長野県知事 阿部守一
 そうです。

中日新聞 小松田健一 氏
 分かりました。

 

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 12 ハローワークの地方移管について(2)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 冒頭に説明があったですね、ハローワークの件で二つ教えていただきたいのですが、今回提案されている追加提案1、2なのですけれども、これ費用というか財源のスキームがどのようになっているのか教えていただきたいのですが。例えば当初提案ですとこれ、この図を拝見するとスキームですとおそらく費用を長野労働局に請求し交付を受けるような形のスキームを想定してらっしゃるように見えるのですが、今回の提案の追加提案1と2についてはおそらくハローワークの職員の方がパーソナル・サポート・センターないし都内のワンストップ拠点に常駐していただいて、プラスPCの端末をおそらく置くという形になるかと思うんですが、その場合の費用の負担というのはどのような形を考えてらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは吉澤課長の方からお答えします。

商工労働部労働雇用課長 吉澤猛
 ハローワーク機能の設置、あるいは人の派遣にかかる経費に関しましては、厚生労働省、国の方で負担いただくということになっております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あともう一点。追加提案の1と2をですね、ちょっと見た場合に、正直1の方は生活困窮されている方についてこうしたワンストップをやるのは非常に意義があるのは感じるのですが、追加提案2についてですね、都内に長野県内のハローワーク機能と同等のものを置く必要性というのがある理由をちょっとご説明いただけますか。

長野県知事 阿部守一
 都内に置くというか、さっきも言った移住・交流の相談と一体で職業についても紹介できるようにするという発想ですので、のべつ幕無し長野県の情報をいろいろなところへという話ではないです。移住・交流を進めていく上では職場、雇用をどうするかというのはひとつの重要なファクター、移住される方にとっては重要な要素だと思いますので、そうしたことを一体で行っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 分かりました。ありがとうございます。

 

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 13 教育改革について(2)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 最後に追加で教えてください。先ほどご発言があった教育の話で1点ご発言で確認させていただきたいのは、教育目標を知事が決めるとかっていう言い方でしたが、先ほど知事は地方公共団体が考えることは賛成だというおっしゃり方をされましたけど、大阪の話というのは突き詰めると、選挙で選ばれた首長が教育目標を決める方が良いのだと、教育委員会というのは不要なんだというのが突き詰めた論だったと思いますけれども、そういう知事と教育委員会との関係で知事が決めるべきだというふうにおっしゃってらっしゃるのか、それとも先ほどおっしゃったように、今は文科省の法律ではない学習指導要領が根拠になっていて責任があいまいだから、国と地方の関係で地方自治体がもうちょっと目標を考えるべきだと、それに当たっては先ほどおっしゃったような教育委員会と首長がもっと議論すべきだと、そういうご見解を示されてらっしゃるのか、どちらなのですか。

長野県知事 阿部守一
 私の問題意識はどちらかというと、国と地方の関係ですから、例えばもっと言えばですね、教育委員会と知事だけじゃなくて議会だって言わせろという話はあり得るわけです。地方公共団体の機構をどうするかという話の前に、要するに今の話は教育委員会なるものの存在をどう考えるのかという話になるわけですけれども、少なくとも知事が任命権があるわけです。議会の同意を得ているとはいえ知事に任命権があるわけですから、間接的には知事の意向というのは教育委員会にも本来は反映されると思うのです。しかしながら、必ずしも今はそういう実態にはなってないと、これは教育委員会制度自体に内在する問題があると思いますけれども、そういう状況の中で、私は本来は地方公共団体としての意思というか教育目標というのをもう少しはっきりとさせなきゃいけない、どちらかというと国と地方の関係に力点を置いて私は問題意識を強く持っていますが、それと合わせて本当は知事が任命しているのに何で知事と教育委員会が必ずしも同じ方向を向くようになっていないところがあるのかいうところは制度的な問題なんだろうなと思っています。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 確認ですが、現時点で教育委員会不要論ではないのですね。

長野県知事 阿部守一
 これは難しいと思いますけれども、私は教育委員会は例えばさっきの危機管理監の話もそうですけれども、専門的な指揮権を持った人たちに知事の仕事を支えてもらうということは必要だと思っています。ただそれが何というか統合調整の中から極端にはみ出て、全然違う状況にあってはいけないなと思いますので、私は教育委員会制度を残すのであれば改善するべき点はいろいろあると思いますし、教育委員会という執行機関をなくして、教育アドバイザーみたいな話ということだって制度的にはあり得ると思いますので、どちらが一律に良いとか悪いとかという話ではなくて、全体の地方公共団体の統治機構の設計いかんだと思います。

 

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 14 公務員給与削減について

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 最後に1点だけ。国家公務員の給与削減の法案が野党と自公と民主党との間で合意に至ったという話なのですけれども、0.23パーセントカットというのをまず人事院勧告に沿って実施した上で、今後2年間で7.8という、これまで民主党が言ってきた案を上乗せするような形になるんだと思いますが、地方への付帯決議というのは今のところ、最終的にどうなったのか確認していませんけれども、確か途中までは上がってらっしゃったかと思います。付帯決議があった場合の今後の対応について、以前にもそれは切り離して、自治体は自治体で考えるべきことであるというようなご見解を示されていらっしゃったかと思いますが、もう一度確認させてください。

長野県知事 阿部守一
 どういう法律になっているか見ていないので、そのこと自体に直接的には言及しませんが、地方公共団体は独立した法人格を持っているわけですから、財政的には国に依存しているとはいえ、自分たちの給与水準のあり方というのは自分たちで考えると、これが基本です。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 大枠で言うところの復興財源に回すべきだから、地方公務員の給与についても削減すべきであるという一つの論というか、考え方についての賛否というのはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ちょっと長くなってしまって申し訳ないですけれども、公務員給与のあるべき論とですね、財源の話がいつも混同されるので、私はいささかそこには疑問を持っているのですけれども、これは私も総務省にいたからよく分かるのですけれども、総務省と財務省のやり取りは、あるいは国レベルのやり取りというのは、財源をどこから捻出するか、交付税をどうやって削るかと、そういうことになるわけです。そうした議論の中で、ここのお金をこっちに回そうか、回すまいかという議論は出てきているわけですけれども、しかしながら、自立した地方公共団体が自分達の給与をどうするかというのは、そういうことに引きずられるのではなくて、むしろ自分たちであるべき水準を考えていくと、人から言われたからこうするとか、お金を削られたからこうするとかいう話ではないというふうに思っています。仮に財政的に厳しくなったら、それはその厳しい状況の中でそれぞれの自治体が判断するということだと私は考えています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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