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更新日:2015年6月22日
長野県知事 阿部守一
3月2日の知事会見を始めさせていただきます。私の方からは5点申し上げたいと思います。
まず1点目、県議会が開会中でありますけれども、今日で一般質問が終了ということで、代表質問、一般質問と続いてきたわけでありますが、さまざまなご意見、予算案あるいは5か年計画に対して頂戴したところであります。来週は委員会が開催されますので、さらに私どもとしては、しっかりと予算等の説明を行っていきたいと思っています。
それから2点目でありますけれども、これは既に報道されているところでありますけれども、年齢調整死亡率が、長野県が男性女性ともに全国1位になったという状況であります。大変、私としては喜ばしいことだと思っておりますし、ぜひこれを契機にますます健康長寿の長野県ということを発信しなければいけないと思いますし、併せて、実質的な取り組み、保健だとか医療だとか、そういう取り組みをしっかり行っていかなければいけないと改めて考えております。長野県の死亡率が低い理由はさまざまあるわけでありますけれども、やはり、予防、発見、治療、こうしたもの総合的に組み合わさっての結果だと思っております。この順位、戦後は必ずしも高くなかったわけであります。私が生まれた昭和35年は、男性が25位で、女性が33位という状況でありましたが、その後徐々に順位が上がってきて、男性は、平成2年の調査から1位、それから女性は、今回1位ということで、これは、県民の皆さんはもとより、健康づくりに取り組むさまざまな関係の皆さん、あるいは医療機関、市町村の皆様方、大勢のみなさんのご努力、取り組みの結果だと思っております。関係の皆様方には、改めて敬意を表したい、感謝を申し上げたいと思っております。今回の結果、がんと心疾患、2つの死因が高いわけですけれども、長野県はがんと心疾患の死亡率が、全国でもトップクラスの低さという状況で、全体の死亡率を下げる要因になったと思っております。ただ他方で、脳血管疾患の死亡率は、全国より高いという状況であります。塩分の摂取量が多く、高血圧の人の割合が高いという点など、長野県としてもまだまだ取り組まなければいけない課題が多いと思っております。今回の結果に甘んじることなく、より県民の皆様方が、健康で、元気で暮らせる長野県を作るために取り組んでいきたいと思っております。
それから3点目でありますが、松本平広域公園の総合球技場、いわゆるアルウィンのグラウンドに関する松本山雅の利用料金の減免についてであります。アルウィンで行われるJリーグ公式試合のうち松本山雅フットボールクラブのホームゲームにつきましては、利用料金を減免するということに致しました。過日、山雅の方からは、長野県の観光、あるいは農産物のPR、さらには県のスポーツ振興活動、それから県民の生きがい、地域の人たちの絆(きずな)づくりといったコミュニティー活動、こうした点についての地域貢献活動のお申し出をいただいたところであります。こうした山雅の地域貢献活動は、大変ありがたい取り組みだと評価をしているところであります。今回、減免にあたりましては、他県の状況等も参考にした上で、アルウィンで行われますJリーグ公式試合のうち松本山雅フットボールクラブのホームゲームについては、利用料金の額の100分の50、2分の1ですけれども、減免するという形に致しました。3月11日がアルウィンで開催される初戦になりますので、それを見据えて3月5日から適用ということに致します。
それから4点目でありますが、皆さんの方に資料が配布されているかと思いますが、業務改善事例発表会を3月12日に開催致します。やはり、長野県という組織も大きな組織でありますので、それぞれの職場での取り組みを共有していくと、業務改善というものを共有していくということが重要だと思っておりますし、また、県民の皆様からも、ぜひこうした取り組みをしているということに目を向けていただきたいと思っています。本年度は、ホスピタリティの向上と情報発信の工夫・充実ということを重点項目として、業務改善活動に取り組んできたわけであります。職員投票で8件優秀事例が選ばれました。この8件について、当日のプレゼンテーションを行ってもらって、グランプリだとか、準グランプリということで優れた取り組みを決定していきたいと思っております。本年度は、初めての試みとして外部の審査員、伊藤かおる様、塚越寛様、土屋龍一郎様、3名の外部審査委員の方をお招きして、民間の視点からも審査をしていただくと同時にご助言もいただきたいと思っています。公開で実施しますので、一般の県民の皆様方にも傍聴していただくことができます。ぜひ、職員の改善努力を促すという視点もありますので、大勢の皆様方にお越しいただけるとありがたいなと思っております。県庁の講堂で開催をさせてもらいます。
それから最後5点目でありますが、観光キャンペーンであります。春の観光キャンペーン「信州・花三昧」ということで2月24日から6月まで実施をしてまいります。震災の影響等による観光需要の落ち込みがありますので、そこからしっかり回復をしていきたいと思っておりますし、また長野県の特徴、本当に県内、花がきれいな場所が多く存在するわけでありますので、春の花ということをテーマに発信、PRを行っていきたいと思っております。南北長い県土でありますので桜については約2カ月間南北で楽しめるわけでありますし、またリンゴ、菜の花そうした各地の花の見所を発信をしていきたいと思っております。特に花は女性が関心を持たれる方が多いと思いますので、女性向けにもスイーツ情報の提供などを行ったパンフレットを作成して都市圏等でPRをしてまいりたいと思っております。また宿泊関係、非常に厳しい状況でありますので、緊急の経済対策という意味合いも込めて「春の信州に泊まろう!キャンペーン」というものを実施をしております。県内の宿泊施設に泊まって応募いただくと抽選で無料の宿泊券や特産品などをプレゼントしているところであります。今回は特に広い県でありますので北信の人は南信へあまり行ったことないなという人もいらっしゃると思いますし、逆もあると思います。ぜひ県民の皆さんにも県内の良いところをぜひどんどん訪れていただきたいと。地域の中でお金を循環させていきたいと思っています。そうした観点で県民向けにダブルチャンスコースということで、今申し上げたキャンペーン、普通のキャンペーンにプラスアルファで県民の皆様方にはダブルチャンス、別のチャンスを設けているところであります。ぜひこの機会に県民の皆様方にも県内各地に足を延ばして春の信州を楽しんでいただければと思っております。
私の方からは以上でございます。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
1点は一般質問を通じて震災のがれきの広域処理に関していくつか質問が出ておりまして知事の方は現時点ではということで慎重な姿勢に変わりなかったのですけれども、一方で受け入れるべきだという意見もあって、国の方の対応を求めている状況に変わりはないのですが、現時点で知事の方で具体的にどのようなものが見えてくれば受け入れ等の検討をするレベルに達するのか広範にわたることなので難しいのかもしれないのですが、もうちょっと具体的に教えてほしいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
これは改めてちゃんと国に対して要請をしていかなければいけないだろうと思っています。例えば岩手県からも国に対してはやはりより踏み込んだ調整をという要請も出ているわけでありまして、被災地を応援したいという気持ちはみんな持っていると思うのですよね。しかしながらなかなか進んでいかないというのは、やはり国が基準を作って一定のものは国がやるけれどもそうでないものは地方の方で対応してねと。もちろん説明会等には環境省が積極的に出向くと言っていただいているわけですが、それはあくまでも説明とかそういうことであって、本来放射性物質がこういう形で長野県にも処理をどうしようかということで困っている、保管しているものがあるわけでありますけれども、そうしたもの全体を含めて国が責任を持って対応をしていく方向性を示して、単に基準を決めてここから先は地方団体ですよということではなくて、全面的に国の責任の下で、しかしながら地方も全然協力しないと言っているわけではないので、もう一歩も二歩も踏み込んだ考え方なり行動をしてもらうということが必要なのではないかと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
つまり基準だけ出して対応だけを地方自治体に任せている状況が今納得いかないということですか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。いろいろな観点があるのであまりいろいろ言うとわけが分からなくなってしまうかもしれませんけれども、例えば被災地から今はどちらかというと受け入れられる所ならどこでもいいという感覚になっているんじゃないかと思いますけれども、国全体を見渡したときに最低どの量を受け入れてもらわなきゃいけない、広域処理しなきゃいけない、その際の対応というか、これも地方団体任せではなくて、住民の皆さん、例えば今は一定の基準の下で確かにそれは安心だと思っていても、将来的に5年、10年たってもし万が一何か影響が及ぶようなことがあったらどうなるのだろうかと思っている方もいらっしゃるので、そういうときにも、いやこれはもう国が責任を持って対応しますというようなことをより明確に示してもらうということが私は必要だと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
それと、昨日の一般質問なのですけれど、県会の方からはいわゆる県議の報酬の関係で昨年改選時に報酬引き下げ等公約を掲げた方がいらっしゃるということで、自分たちの報酬も含めて、それから知事の特別職も水準を検討する審議会の開催を求める質問があって、知事の方からは、知事はご自身で判断するということだったのですが、これ裏を返すとこれについては、県議さんたち公約で掲げたこともありますから、県議会の方で自主的に判断してほしいと解してよろしいのかどうか、いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ほしいというよりは、私は自分の給与については自ら判断して決めていきますと申し上げたわけです。報酬審議会は、これは有識者にメンバーになっていただいて議論をするということになれば、やはり他との均衡だと、そういう観点での第三者的な視点でのご判断だと。もちろん年数が経って、例えば一般職の給与もずいぶん変動したなという場合には、そうした審議会での議論も私は必要になってくる場合もあると思いますけれども、例えば今回の国家公務員の給与削減というのは、そういう国の国家公務員給与は人事院勧告で民間との均衡とかそういうことをベースにやるわけですけれど、今回の引き下げはそういう引き下げではないので、むしろ審議会の中で議論して決めていただくというよりは、私の給与については私自ら決めていくべきものだと思っています。これは議会の側、ちょっと私もどういうご意見があるのかというのを十分承知してないわけでありますけれども、議会は議会という中でご検討されるものと思います。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
冒頭にもあった、松本山雅への料金の使用の減免の件ですけれども、システムはよく分かったのですけれども、どのような思いからこのことを実施するかということを、そのことをお願いできますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは先ほども言ったように山雅がやっぱりJ2で活躍してもらうということは、これは県民の元気にもつながりますし、私としては今回の予算でもスポーツを通じて長野県を元気にしたいということでスポーツ合宿とか、スポーツコミッションの検討とかいろいろな予算を組み込んでいますので、そうした中でこれは地域の振興にも役立つという観点もありますし、山雅の方から先ほど申し上げたように社会貢献的な事業を行っていくというお申し出もありますので、そうしたことを踏まえて減免するということで判断をしております。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
山雅への支援ですけれども、やはり全県に効果があるものというようなお考えということでよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは県内全体、もちろん他のチームもありますけれど、やはりJ2、Jリーグに昇格をしたわけでありますからそういう意味では波及効果は大きいと思います。
長野朝日放送(abn) 藤沢徳男 氏
分かりました、ありがとうございます。
日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
がれきの議員提出議案についてなんですけれども、知事の今後のビジョンというところなのですけれども、国がしっかりとしたあり方、形を示すべきだというところではあるのですけれども、これ具体的に言うと、今、がれきは8,000ベクレルについては一般廃棄物として処理可となっているのですが、さらに県内で受け入れて焼却処分するとなると、濃縮されるので240から480ベクレルというあやふやな目安しか今示されていないという状況なのですけれども、こういったところをもっとしっかりと安全基準として示してほしいというところでおっしゃっているのかについてお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
基準の問題もそれはあるかもしれませんけれども、やはり国の姿勢というか責任のところをもっとしっかりと出してもらう必要があるのではないかなと思います。長野県は、先ほども申し上げましたけれども、域内にも放射性物質を含んだ汚泥の焼却灰とかあるわけです。そこは、まずわれわれとしてはしっかり取り組んでいかなければいけないわけですけれども、そもそも原発の事故がなければそうした事態は存在しなかった、そうした事態は起こっていなかったわけでありますから、やはりこれは国が一定の線引きをしてそこから、それに該当しないものは後は地方団体が自主的にやってねということだけではないだろうなと思っていますので、そういう意味ではやはりいろいろな人と話をすると、例えば、県はやはり総合行政ですけれども、今回の震災対応全般、やはり国はどうしても縦割りだなと思っていますし、現場経験が少ないわけですよね。そういう意味では廃棄物行政に携わっている自治体の職員は基準だけ作ってそれでOKと思っている自治体職員はむしろ多分少ないんじゃないかと、やはり地元に対する丁寧な説明とか、そういうことをやっていかなければいけないというのは、自治体側の感覚としてはあるわけですけれども、どうしてもそういうところは国としては弱いのかなというのを今回のがれきに限らず食品の話にしても、いろいろなことについて私は率直に言って感じていますので、より踏み込んで、これは国としてしっかり責任を持って対応するのだという姿勢をもっと出していただくということが必要だと思います。
日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
関連してもう1点なのですけれども、今回の意見書提出にあたっては一部の議員の方からも事情は分かるけれども県が率先して国レベルでの貢献という意味で受け入れを表明しなければ、民間も市町村もおよび腰になって結局日本全体への貢献ということで、物事が進まないということで今回意見書に載ったというお声もあるわけなのですけれども、これについて事情はあるのですけれども、県としてこういった意見が議員側の方から先に出たということ、先にというか出されたことについてはどのようにお感じになっていますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
議員からというか、意見書自体の解釈は私はよく分からないのですが、それは直ちに受け入れろという趣旨なのですかね。
日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
あくまでもいったん、国に投げているところであるのですけど、議会としては恐らくこの内容ですと長野県も含めた広域処理、被災地以外でも受け入れていって、っていうことを国に求めてらっしゃるとは思うのですけれども、その中にやはり県の方でも受け入れについてもっと積極的な意見を出してほしいという思いもあったというようなことなのですけれども、県としてこういう意見書、この意見書自体は国に出されているものなのですけれども、そういった意見があるということで県として今後、その意見書そのものに対してどうお感じになったのかというところと・・・
長野県知事 阿部守一
意見書に書かれている内容は私が答弁しているのと基本的に同じような内容ですよね。要するに国がもっと責任を持って対応しろという趣旨で書かれていたと私は思っているのですけれども。
日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
ではすみません、ちょっと部分になってしまうのですけど、広域処理の推進が不可欠であるっていうここの思いについてはどのようにお感じに。
長野県知事 阿部守一
ですから私もさっき申し上げたように、国民全体が協力し合うということは一般論としては皆そう思っているということを申し上げているので、そこはそうなんだと思いますよね。ただやっぱり、要するにさっきも申し上げたように、被災地というかがれきの処理を期待している岩手県からもやっぱりそういう要望、国がもっと踏み込んで調整する必要があるという要請が出ているわけですから、政府においてはそうしたことを重く受け止めて対応してもらおうということが必要だと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
がれきについて何点か伺います。まず宮城、岩手のがれきで現地での検査で今まで1キロあたり8,000ベクレルを超えるような汚染は確認されてないわけで、そもそもなぜ知事は現地のがれきが放射性物質に汚染されていると判断されるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
汚染されていると判断しているわけではなくて、震災がれきの受け入れの前にわれわれの中にある放射性物質を含んだものに対応していくということが必要だと申し上げているところです。
中日新聞 小松田健一 氏
現地で確認されている検査結果では、通常の家庭ごみとまったく変わらないデータが出ているわけですが、それでも放射性物質と同等に扱わなければいけないというロジックがちょっと理解できないのですが。
長野県知事 阿部守一
放射性物質が含まれていないか含まれているかというのは、がれきの受け入れを決めたときに判断する話だと思いますけれども、私としては広域処理のルールなり考え方として放射性物質を含んだものがあって焼却すれば濃縮されるわけです。そうした中でわれわれとしては県内ですでに存在しているものについての処理についてまだ方向が決まっていない状況ですから、まずはそれを優先させていくと。もちろんさっきから言っているように、広域的な協力とか連携というものをまったく否定しているわけでは当然ないわけでありまして、その次の段階として検討していかなければいけない部分はあると思います。ただしかしながらそうは言っても政府の考え方、取り組み方というのはもっと踏み込んだ対応が必要だと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
そうした中にあって東京都ですとか静岡県の島田市は先行して受け入れ、東京都は既に受け入れていますし、島田市も今受け入れの方向で準備しています。そういった自治体があることについてはどう思われますか。
長野県知事 阿部守一
そういった自治体があることについては、これはそれぞれの自治体の判断だと私は思います。私としては放射性物質を含んでいる、含んでいないというものももちろんあるかもしれませんけれども、しかしながら全体についての対応についてはやっぱりしっかりとして国が踏み込んだ対応をしていくということが重要だと思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
国の踏み込んだ対応が必要というのはおっしゃるとおりかもしれませんが、そうであるならば長野県単独だけではなくて知事会等の組織を通じた働きかけをもっとしていくべきじゃないんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。知事会からも国に対しての働きかけはこれまでもしてきていますし、先ほども言ったように被災地の県からも国に対する要望として、そういう意見も出ているわけですから、私としては単に、それは人ごとだから関係ないよというスタンスを取るつもりはないです。他方でまずは県内のものを処理なければいけないという現実に直面している問題がありますから、そうしたものに対応しながら全国的な対応については考えていく必要があると思っています。
中日新聞 小松田健一 氏
すみません、くどいようですがもう1点だけ。宮城県の女川町では積み上がったがれきの量が町で処理できる能力の115年分といわれています。そうした中でどうしても広域処理をしていなかければ復興が進まないという現実があるわけで、そこについては知事はどのようにお考えなのか改めてお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
震災がれきの処理については、要するに例えば、私もよく存じ上げている宮崎昭さんとかがおっしゃっている、被災地の中で埋め立てて、森林の防波堤にしてはどうかといういろいろなご提案もあるわけですよね。がれきの処理についてはもちろん分散して燃やして、埋め立ててということを今、原則として考えているわけで、そういう処理をしていかなければ進まない部分ももちろんあると思いますが、他の手段も含めて本当にこれだけの量を他の地域で受け入れてもらわなければいけないんだということをもっときめ細かく国が示さなければいけないんだと思いますし、そうした努力をしっかりしていただいた上で、なおかつ、最終的には国が責任をしっかり取るよと、問題があれば国の責任でいろいろな対応をしますよということを示してもらうことが私は必要ではないかと思っています。
朝日新聞 浅野有美 氏
松本山雅の支援で3点お伺いします。先ほど、減免措置についての確認なんですけれども、ホームゲームの試合のみということで練習試合は含まないということでよろしいでしょうか。2点目がですね、他県の状況も判断してということだったんですけれども具体的には来年度の県の負担というのはどれくらいを見込んでいるんでしょうか。最後はですね、まずは1年間の支援ということで伺っていますけれども、再来年以降というのはどういうふうに判断していこうとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。これは担当課長の方からお答え致します。
建設部都市計画課長 赤羽敏雄
1点目は公式試合のみ対応としております。2点目の見込み金額は試算でございますけれども、仮に例えば1試合あたり、一人当たりの料金収入が、チケット代が1,200円だとしますと、過去の実績からいきますと7,000人入っているということになって、ホームの試合は21試合ありますので全体の売上高というのは1億7,000万円ちょっととなり、この10パーセントとなりますと1,700万円ちょっと、その2分の1ということになりますとその半分というような形でしょうか。(3点目)は1年間と考えております。状況がどれくらい入るか、どの程度ピッチの状況の改善にお金がかかるかとかその辺、読めない部分が非常にございますので、1年間ということで様子をみたいと思っています。
朝日新聞 浅野有美 氏
計算すると800万円から900万円ぐらいをみているということですか、1年間で。
建設部都市計画課長 赤羽敏雄
料金も、例えば前売り券が大人の自由席で1,200円、それから当日券になりますと1,700円になります。それから大人の料金もありますし子どもの料金もあります。それから年間のパスポートの料金もございまして、仮に1,200円で試算するとそうなるということでございます。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
先日発表になった県の信用保証協会の公募していた監事の選任結果について弊社でもお伺いしておりますが、改めて受け止めを教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
監事の選任の結果ですが、これは公募をさせていただいた中で、公正に選出された結果だと思っています。私としては、今まで固定的な感じで行っていた人事は変えなければいけないということで公募をしたわけでありますけれども、結果として県の職員という形にはなりましたけれども、適切な選考をした上で選ばれたという状況ですので、それはそれとして私は1つの改善の結果でもあるのかなと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
結果だけをみると県の現職部長が現職部長を審査したと、審査員の面接官は3人、1人は商工労働部長、あとの2人は経済団体、その結果のやり方が果たして客観的にみて公平といえるのかどうかというのが一つと、あともう2点お伺いしたのですが、そもそも幹部職員の方に再就職についてこういった場合は自粛するということを求めるおつもりがあるのかどうか。公務員の方にも職業選択の自由がありますし、退職後はどこへ勤めるのは自由なのかもしれないのですが、倫理的、道義的責任をどう捉えるのかというのが一つと、要綱を変更して県職員のOBないし関係者は応募できないというような形に要綱変更することも考え方として可能かと思うのですがそのようなつもりがあるのかもお教えください。
長野県知事 阿部守一
まず公平性という観点では、私は担当部局には強く公正な選考をしろと言っていますからそうしたことを踏まえて行われたと思っています。それからOBを採らないというやり方もあり得るのではないかということですけれども、私は公務員OBをすべていろいろなところから排除するということは県民にとって必ずしもそれが一番望ましいとは思っていないです。やはり、適切な人材をしっかりと確保していくということが重要だろうと思いますので、一律に排除してしまうことが結果的には県民に対してよくない場合ということも私はあるのではないかと思います。ただこれはOBが外郭団体等で仕事をすることに対して、県民が厳しい目線を持っているということは外郭団体に限らず県庁組織全体に対しての目が厳しいことの裏返しだと思っています。そういう意味で私は、県民目線で仕事をできる公務員、職員をいかに増やしていくのか、本当に風通しの良い職場をつくって、こんなに職員に頑張ってもらっていると思ってもらえる県庁をつくることが、そうしたテクニカルな話よりも実は重要ではないかと思っています。
信濃毎日新聞 河原千春 氏
今日の一般質問の知事の答弁の中で、県立4年制大学についての新年度設置の準備委員会の答弁の関係で1点お伺いしたいんですが、メンバーについては女性委員もできるだけ配慮しなければいけないということではあるとおっしゃっていたかと思うんですが、大学設置の分野に知見をお持ちの方がなかなか少ないと今の時点では感じているとも発言がありました。この発言について議場の方でもおかしいんじゃないかとお声が飛んだりしているかと思うんですが、この発言の意図をちょっと改めて教えていただきたいんですが。
長野県知事 阿部守一
意図・・・。
信濃毎日新聞 河原千春 氏
女性差別とも取られかねないと思うんですが。
長野県知事 阿部守一
それは全然、毛頭差別する発想は無いです。今県庁の中で、どういう候補者がいるだろうかということを、当然のことながら内々に検討しているわけですけれども、そうした中で女性の名前というのが極めて少ないということを私は率直に申し上げただけでありまして、そういう意味で女性を区別するつもりは毛頭ありませんし、これから具体的に決定していくわけですけれども、これは答弁で申し上げましたように女性をもっと委員に加える方向で考えられないだろうかという方向で検討していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 河原千春 氏
ありがとうございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点は確認なのですけれども、先ほどからお話がありましたがれきの広域処理に関するですね話で、確かに今日出ました意見書案が可決されたわけですけれども、こちらの方は中身とすれば知事が先ほどおっしゃったように、国への注文の中身とすれば知事が先ほどおっしゃっている話とほぼ同議なんだと思いますけど、そういう意味では今回の意見書案というのは、知事にとっても我が意を得たりというか、評価できる内容であるというふうにとらえればいいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
我が意を得たりというか、書かれている問題意識というのは私は同じだと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
さらに言うのであれば、知事の立場からすればもう少しこういうところを言ってくれればというところが先ほどのお話と重なる部分も相当あるのだと思うので、この意見書案でも、知事の立場から足りない部分というのは何か具体的にあれば、ご指摘願えればと思うのですけれども。
長野県知事 阿部守一
足りないとか足りるとかいう話ではないと思うのですけれども、議会は議会の意志決定として別に私の意見を聴取した上で作られている意見書ではないですから、私が足りているとか足りていないとかいう立場ではないと思いますし、また、限られた分量の中で、そこに書かれている内容は私が感じていることと基本的に同じだと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
結構です。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それで。もう一つはですね。ちょっと話は飛びますけれども、意見書の審議の前に公安委員の人事案がこれも全会一致で同意されましたが、今回、エプソンの花岡会長を公安委員に起用されるということで、起用の意図などご説明願えればと思います。
長野県知事 阿部守一
起用の意図というか、人事ですから私が事細かにこうだああだという話をいうのは適切ではないと思いますけれども。公安委員は警察本部をある意味で監督していただく立場ですから、そういう意味では、ある意味で県民代表として警察行政全般に関与してもらう、コントロールしてもらうという立場では、花岡会長のこれまで経済界でさまざまなご経験をされていらっしゃる経歴を踏まえて適任だと判断をさせていただきました。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
公安委員については、これで経済界の方が3人並ぶような形になられるかと思うのですが、そのあたりの状況については、どんなふうに受け止めていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
これどういう分野からということもあろうかと思いますが、先ほど来お話の女性委員をどうするかとかですね、そういうことを総合的に考えた結果、今の状況になっているということであります。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
最後に3点目なのですけれども、アルウィンの利用料減免の話ですけれども、先ほど、どの程度の財政的な違い、料金の試算といいますか出されましたけれども、確かあちらは指定管理でやっていらっしゃったと思うのですけれども、指定管理を加味すると先ほどおっしゃった1,700万の半分の850万とかいう額というのは、そのまま県の財政的に今まで得られていたものが得られなくなるという意味合いなのか、その分の追加的な指定管理料の追加支出が必要になるという意味なのか、どういうふうに解釈すればよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今までプロではなかったので、料金の取り方が全然違っているので、一概に比較はできないですけれど、そこの関係は課長の方から。
建設部都市計画課長 赤羽敏雄
今おっしゃるように指定管理制度をとっておりまして、料金収入は指定管理者の収入になります。指定管理者と現在、契約をしておりますけれども、当初の契約の条件と途中でいろいろな場面で変わってきた場合には、指定管理料の変更とか、そういったことも当然行われるわけです。見込みよりも少なくなったり、多かったり、いろいろな条件がありますので、そういったものに応じて、増えれば逆に指定管理が減るとか、そういうような状況になります。先ほど、私、一年間ということでございますけれども、その状況、増える場合もあるし減る場合もございますので、その状況を見たいなというふうに思っております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
確認ですけれども、そうしましたら実際に年度末の時点で、指定管理料を見直しをされるという意味合いですか、どこの時点で見直しをされるのですか。
建設部都市計画課長 赤羽敏雄
指定管理料、具体的には年度ごとに、一括契約ではやっておりますけれども年度ごとに決めますので、そのときに判断をしていくということになります。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
始め、終わり、それとも中間とかどこで見直すのですか。
建設部都市計画課長 赤羽敏雄
Jリーグの試合が終わるのがですね、秋の後半になりますので、それから検討ということになろうかと思います。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
再三がれきのことで恐縮なのですが、昨年当初知事は一般論というレベルかも分からないですけれども、全国的に協力していく必要があると、その後現時点では受け入れは難しいのではないかという、そういう経過があったと思うのですけれども、一つはその確認で、そこへ現時点で受入が難しいのではないかとお考えになった要因として、今、先ほどおっしゃったような国の姿勢であるとか、そういったことがまず念頭にあったのかということを、ちょっと再度確認させてください。
長野県知事 阿部守一
そうですね。国がもっと踏み込んだきめ細かい対応をしてもらう必要はあると思っています。例えば、今でも民間の産廃施設、これは廃棄物、放射性物質を含んだ廃棄物を受け入れているわけです。受け入れていますけれども、やっぱりわれわれとしては、住民の安心を確保するという観点で、県独自にモニタリングをやっているわけであります。これは今のままほっておくと、それは何か地方が勝手にやっている話でしょ、ということになりかねないのではないかと思っています。そうしたきめ細かい対応も、先ほど静岡県の例もありましたけれども、静岡県もやっぱり焼却試験をはじめとしてきめ細かい対応をしながら住民の理解を得ようということに取り組んだわけですから、やっぱりそういうところにも国はもっと注目をして、取り組んでもらうということが私は必要だと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
今おっしゃったきめ細かい対応なのですけど、僕だったら単純に想起するのは財政面、あるいは今おっしゃったようなモニタリングも含めた国直轄といいますか、国の責任でってそういう理解でよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まあ、これだけということではないですね。これはもう、全体的にやっぱり国としての責任を明らかにしてほしいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
財政とかモニタリングとかそういったことも含むというふうには考えてもよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
財政的な話とかそれは当然のことだと思いますけれども、それだけではなくてやっぱりより踏み込んだ対応ということをぜひしてもらいたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
はい。すみませんもう一点、先ほど、またこれ意見書の関係で、再生可能エネルギーの普及促進を求める意見書が不採択だったかと思うのですけど、おそらく主な論点とすると、脱原発というのが、文言が盛り込まれていて、そこについて会派間で考え方に違いがあっての結果かと感じているのですけど、知事とすると、一般質問の中でも、脱原発というか自然エネルギーの推進の進め方というような議論があったかと思うのですが、今日の意見書のことも引き合いに出すとすれば、どちらの立場も理解できるという、そういうふうにお考えですか。
長野県知事 阿部守一
どちらの立場もというと。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
賛成の立場もあるいは…。
長野県知事 阿部守一
これは、私は意見書の検討に関わっていないのでよく分かりませんが、反対と賛成がどこの点で立場を異にしているかというところが議場で意見書の案を見ている限りではよく理解できなかったなとは思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
分かりました。ありがとうございます。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
がれきの件で、先ほどお話に出ていた東京都とか静岡県島田市と長野県が一番違うところは、自前の焼却施設を持っているかいないかというところだと思うのですけれども、となりますと、長野県全体の意見を知事会なりとか国とかに要請するときに実際に焼却場を持っている市町村とか広域事務組合の方々の意見を受け入れられるのかどうかというところとか、受け入れるのであればどういった条件を付けてほしいとか、そういった意見を集約して国にぶつけるというプロセスも必要なのかなと思うのですが、そこら辺はいかがですか。
長野県知事 阿部守一
それは確かに、県だけでは対応できる話ではないですから、今後必要に応じてやっぱりそういう関係の皆さんの声とか考え方を聞くということも、もちろん必要だと思います。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
現時点ではまだ特にそういう意見を聞いているという段階ではないのですか。
長野県知事 阿部守一
まず、何度も繰り返して申し訳ないのですが、県内にある汚泥の焼却灰をどうするかと、あとこれは県分だけではなくて市町村の保管しているものもありますから、そちらをまず優先していこうと思っています。
朝日新聞 伊藤唯行 氏
分かりました。ありがとうございます。
信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
アルウィンの減免について2点伺いたいのですが、まず昨年の信州型事業仕分けの中で、松本平広域公園自体が受益者負担を求めていくというような議論があったと思うのですけれども、今回その減免しなければ大きな県の収入になると思うのですけれども、そういった議論の中で、減免を決めた理由というのを伺わせていただきたいのと、もう1点は、今回山雅に対してそういう財政支援を県がするのは初めてだと思うのですけれども、今後山雅と一緒に例えば共同で県としていろいろ地域事業だとか、例えば九州のチームにFDAに乗って阿部知事自身がトップセールスに行くだとか、そういった何か共同でやる事業みたいなことは考えてますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず、共同の方はぜひいろいろなことができれば、一緒にやりたいなと思いますので、そこは今後よく考えたいと思います。それで、前段の方のお話は、J2に昇格をしていなければ観客の収入も上がらないし、われわれアルウィンとしての料金の取り方も違っているわけですので、そういう意味では相対としてはプラスに働くだろうと、減免をしてもですね、そういうふうに思っていますし、先ほども申し上げましたようにこれはやっぱり地域全体を元気にするという期待もあるわけであります。いろいろな経済効果の予測もされていると伺っていますので、そうしたことを総合的に勘案して対応さてもらったということです。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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