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更新日:2015年6月22日

知事会見(平成24年(2012年)2月24日(金曜日) 17時15分~17時35分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの説明

  1. 中央新幹線に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について

取材者からの質問

  1. 中央新幹線に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について(1)
  2. 中央新幹線に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について(2)

 

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本文

阿部知事からの説明

 1 中央新幹線に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について

長野県知事 阿部守一
 リニア中央新幹線の話の前に1点ご報告を申し上げたいと思います。今、天皇陛下がご入院中ということで、お見舞いの電報を県民を代表して2月21日に宮内庁長官あてに贈らせていただきました。陛下の1日も早いご快癒を心からお祈り申し上げたいと思っております。
 それで本日の本題でありますけれども、「中央新幹線環境影響評価影響調査方法書」に対する知事意見ということで、お手元に資料はお配りされていますか。お手元に資料があるかと思いますけれども、環境影響法に基づきましてJR東海に対して「中央新幹線環境影響評価影響調査方法書」に対する知事意見、本日提出を致します。その概要についてお話をお伝えをしたいと思います。本体が、私、長野県知事からJR東海の山田社長あてということでございます。今回の知事意見にあたりましては環境影響評価技術委員会において審議を重ねていただいたところでありますし、他方で市町村長のご意見、それから住民のご意見、住民意見についてはJR東海が意見の概要書をまとめて私どもの方に提出をいただいたわけでありますけれども、そうしたものを踏まえて今回の知事意見を出してまいります。意見のポイントということで、何点か書かせていただいておりますけれども、まず全般的な事項ということで、環境影響評価の基本的なスタンスについてこちらの本文の方がいいかもしれない、冒頭、全般的事項の1ということで書かせていただいております。いろいろ環境の基準があるわけでありますけれども、一定の基準を満たせば良いという姿勢ではなくて、いわゆる環境あるいは景観というものを極めて重視している県でありますので、できる限り環境への負荷回避を低減する姿勢、ベスト追求型といっておりますけれども、そうした視点での調査、予測、評価を行うよう求めているところであります。主なところだけ申し上げますと、4番目のところでありますけれども、今回通常の公共事業と違って新しいリニア新幹線という方式であります。また、東日本大震災を契機としてエネルギー問題を国内全体でこれからどうしていくのかというのがまさに問われているところであります。私ども長野県も省エネルギーあるいは自然エネルギーへの転換ということを進めているところでありますので、この電力消費それから温室効果ガスの削減に関して、一つは消費電力量の見通しに係るデータあるいは電力供給などに対するJR東海としての考え方を明らかにすること。それから省エネルギー化を推進して環境への影響への低減を図ること、という項目を記載しております。それから5番目が安全性の確保ということで、南アルプス、中央アルプス、伊那谷には活断層、破砕帯が存在するということで、安全性についての検証を行ってその結果を公表すること。そして非常に長いトンネルになるわけでありますので、南アルプスの直下は特に長いトンネルになるわけでありますので、災害時の対応について明らかにすることとしております。それから地域特性を考慮した環境影響評価ということで、環境影響評価を行うにあたっては、長野県環境影響評価条例であるとか、長野県環境影響評価技術指針等の内容を踏まえた調査、予測、評価を行うよう求めております。それから7番目でありますけれども環境影響評価項目の選定ということで、これについては評価項目について追加をするように求めているところであります。それから本体の4ページの9番でありますが、山梨リニア実験線のデータ活用ということで、これまでリニア実験線でいろいろなデータを収集した上で事業化をしているわけでありますので、そこで得られた知見について活用するとともにさまざまな予測評価の根拠となる測定結果であるとか図表については明らかにするように求めてまいります。また、実験線のデータ以外でも科学的なデータについては最大限開示するよう求めているところであります。それから、5ページでありますが、これは飯田市の方からもかねてから水源域の話、ご意見をいただいているところであります。重要な水源域の近くを通過するわけでありますので、その影響を回避、低減を図ることということを求めております。それから、地形及び地質ということで急傾斜地崩壊危険箇所等も多く存在する地域でありますので、事前に入念な調査、評価を行って地滑りあるいは降雨時の崩落等についての予測評価を実施するよう求めております。また、文化財という観点でも、これは慎重に検討を行った上でこれから路線を絞り込むわけでありますけれども、文化財を原則回避するようにと言っております。6番目、磁界であります。これは今回、リニア新幹線ということでありまして、住民の方々からは強い磁界による影響を心配するご意見も出てきているわけであります。国際的な基準値以下であっても人体あるいは生態系への影響という点では不明な部分が多いわけでありますので、必要に応じて発生のメカニズム、分布状況の解説を加えてなおかつリニア実験線で把握しているデータを開示した上で、測定方法、測定条件等も詳細に示すように求めているところであります。それから8番でありますが、自然環境等と併せてやはり景観的な配慮も重要であります。今回南アルプス国立公園あるいは県立公園区域を通るという形になるわけでありますので、現地踏査あるいはヒアリング等の結果を踏まえて、景観保全の観点から眺望点を追加し調査を行うこと。景観にも十分な配慮をすることを求めているところであります。技術委員会の意見、それから市町村長からの意見、さらには住民からの意見を踏まえて、こうした意見を県知事として出していこうというものであります。それからもう一つ「リニア中央新幹線の整備に関する意見書」という、これは環境影響評価とは違うわけでありますけれども、環境影響評価方法書に対する意見に関連してもいろいろご意見があるところでありますし、私どもとしても環境以外でも意見を言っておかなければいけないだろうということで別に意見書をお出ししようと思っております。1点目、先ほどの意見書とも重なる部分はありますけれども、やはり電力消費の観点からの事業の再検証、電力消費の見通しを明らかにして省電力化に取り組むこと。それから2点目でありますが、JR東海が自ら資金を拠出してほとんどの事業を行っていくわけでありますけれども、とはいえ根拠法令は全国新幹線鉄道整備法でありますので法の趣旨を踏まえてやはり地域振興に対しても責任ある対応、それから事業の継続性が図られるような経営を行うということを求めております。それから3点目、これはまだ今後の話になりますけれども停車本数については一定程度周辺アクセス整備でありますとか、地域としてもこれから財政負担が出てくるわけでありますので、停車本数については県との協議を行うよう求めております。4点目でありますけれども、駅のアクセスへの確保と併せて中央本線あるいは飯田線等の利便性向上、活性化に向けて関係者と連携して取り組むよう求めております。最後5点目、国において東日本大震災を受けて南海トラフ地震の想定震源域の見直し検討がされているところであります。見直しが行われた場合には、ルート・構造物等の安全を改めて検証した上で明らかにするよう求めたところであります。こうした意見書と環境影響評価方法書に関する知事意見をJR東海に対して出してまいりたいと考えています。以上です。

 

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取材者からの質問

 1 中央新幹線に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について(1)

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 後段の方の、企画部から出ている今の5項目の方なのですけれども、最初おっしゃった省エネの観点からの事業の再検証とか電力消費の見通し、地域振興についての責任ある対応とか事業の継続性、安定的な経営維持というのは、この辺は具体的にはもうちょっとどんなことを求めていらっしゃるのか、1点ずつもうちょっと言葉を足していただければと思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 言葉を足すというか、ます1点目のところは先ほども申し上げましたけれども、日本全体、省電力をどうしようか、エネルギー政策はどうなるかという見通しがまだはっきりしない状況でありますし、そうした中でリニア中央新幹線の電力消費が非常に大きくなるのではないかと想定されますので、そうした点でやはりそうしたものを社会的な責任として見通しをはっきり明らかにしてもらいたいということであります。それから地域振興についての責任ある対応という観点は、この場所でも何度も申し上げておりますけれども、起点と終点を早く結ぶということでいいわけではないわけであります。周辺地域の振興があるからこそ私どもも周辺地域のアクセス整備等に取り組んでいくわけでありますので、そうした観点をJR東海にもしっかりと持っていただくことも重要だということで、改めてここで述べさせていただいているところであります。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 あとすみません、事業の継続性とか安定経営というのはどの辺に問題意識をお持ちなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 事業の継続性、安定性というのは企業として事業を実施していくわけでありますから、これは当然の前提でありますけれども、一企業だからといって途中で撤退するようなことがあってはいけない、これは当然だと思いますけれども、念のためこうした視点でも意見を申し上げているということであります。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 詳細な方の知事意見の方で、8番に予測手法の明確化というのをうたっていて、これ恐らく実際のアセスの調査に入っていく中で、この7番にあるような追加を求めているような調査項目についても検討の結果、それを採用するのかどうなのかっていうようなことを結果について調査に入る前に技術委員会に報告するというそういう理解でよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ここは技術委員会の意見を踏まえて書いているので、ちょっと事務方の方から解説してもらえれば。

環境部環境政策課長 寺澤信行
 今の質問、記者さんの質問のとおりのご理解でいいと思います。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 それでですね、JRの山田社長はこの辺についてはですね、事業者の主体性といいますか、ここまで応じられるかどうかまだ現時点で明言されていないというか、伺っているのですけど、その辺知事としても強く地元の視点で求めていくということでよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 JR東海としてはなかなかこれが応じがたいっていうことなのでしょうか。これから意見を出すので、あまり先走られても困るなと思いますけれども、県として、県知事としての意見として申し上げるわけですので、これはしっかり受け止めて対応を考えていただきたいと思います。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 はい、ありがとうございます。

 

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 2 中央新幹線に係る環境影響評価方法書に対する知事意見について(2)

中日新聞 妹尾聡太 氏
 今回の意見をですね、知事としてどのように評価なさっているかということと、それからJR東海に対して一言どのようにしてほしいっていうことを伺いたいのですけれども。

長野県知事 阿部守一
 自分が出すものに自分で評価をするのはどうかと思いますけれども、どういうところに力点を置いたかという観点で申し上げれば、リニア新幹線、これまで道路を造るとかと違った視点のところが先ほどの電力であるとか電磁波であるとか、そういうところはこれまで環境影響評価の俎上(そじょう)に、いろいろな事業で載ってきていない部分だと思いますので、そうした点についてはJR東海側からのしっかりした情報開示と理解が得られるような内容の説明が必要だと思っております。それから私ども長野県は環境、景観というものをとりわけ大切にしてきているわけでありますので、冒頭申し上げましたように、環境影響評価に取り組む姿勢として、一定の基準を満たせばいいというだけではなくて、できる限り負荷を軽減させる、基準を満たしているだけではなくてできる限り負荷を下げるという視点と、さらには景観を守ってもらうという視点を強く訴えているところであります。

長野県知事 阿部守一
 よろしいですか。ではよろしくお願い致します。

 

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